ウーバーイーツ配達用バッグ~カゴの自作とキャリア積載のメリットとデメリット~

こんにちは。からあげです。

はじめに

長きわたるコロナ禍のなか、隆盛を極めているのがウーバーイーツを始めとするフードデリバリー業界だ。スマホアプリで注文すると自宅まで届けてくれる画期的なサービス。
煩わしい人間関係がなく自由に働ける仕事としても非常に人気がある。

ウーバーの配達用バッグは保温性能があるうえ丈夫な作りになっており、空でも約2.7kgもの重量がある。バッグにはストラップとパッドが付いていて背負えるようになっているが、キャリアに積載した方が断然楽。試行錯誤しながら経験を積んでいくうちに、キャリア積載方式が正解だと確信にするようになった。

 

キャリア積載のメリット

背中から熱を逃がすことができて涼しい。

これが最大のメリット。バッグを背負うと背中から体温が逃げにくくなり、オーバーヒートを起こしやすくなる。背中はサイクリストにとってヒートシンク(放熱板)。

酷暑時期は熱中症のおそれがある。暑さで意識が朦朧とすると、注意力が低下し交通事故に遭う可能性が飛躍的に上昇する。
熱を逃して体も心もクールになろう。

私の夏の服装は上は薄手の長袖シャツ1枚のみで、上のボタンを3つほど外して大きく開けて胸から空気を取り込むようにしている。

 

楽に走行できる。

長い距離を走るとはっきりと体感できる。重たい荷物を背負うと思いのほか消耗が激しい。
何本ものお茶や水のペットボトル、牛乳パックなど、重量物を運ぶことがある。(推定重量15kg超)
そんな時こそ荷物を自転車に預けると、自分は空荷で楽にペダルを漕げるようになる。背中の横から張り出した大きなバッグの空気抵抗も馬鹿にならない。

 

バッグが水平になる。

自転車は本来前傾姿勢で乗るもの。体が直立していては、ペダルに体重が乗らないし、スムーズに回すことができない。
ところが本来の前傾姿勢でバッグを背負うと、バッグが傾いてしまい不都合が生じるようになる。中身が偏ったり、ドリンクやカレーなどの液体物が溢れたりしてしまう。
キャリア積載してバッグが水平になれば、これらの問題は万事解決。

 

バッグを地面に置かなくてもよい

仕事中は次から次へと依頼が舞い込み、常に走りっぱなしという訳ではない。注文が少ない時や配達員が多い時は、仕事が来ないこともある。そんな時はむやみに移動せず、消耗を抑えるために公園などで待機する。
その時、背負っているバッグを地面に置くと、見た目だけでなく衛生的にも悪い。
店によっては配達バッグの店内持ち込みを禁止しているところもある。道路上で地面に置いたバッグに食べ物を入れるのは、同業者から見てもマズいと思う。

ときどき気の利くお客さんが家の外に出て待っていてくれることもある。そんな時はキャリアに載せたままバッグから商品を取り出せるので、とても便利だし清潔感があってよい。

 

キャリア積載のデメリット

費用がかかる。

キャリアとカゴに少なくない費用が掛かるが、投資を惜むと何事も上手くはいかない。配達員は個人事業主だから、仕事に関わるものはすべて経費で落とせる。
道具を充実させると、楽に効率的に働けるようになり、より稼ぐことができるようになる。

 

積み下ろしに手間がかかる。

レストランや配達先でいちいちバッグを積んだり下ろしたりする手間が発生する。
一方、バッグを背負っていると非常にスムーズに移行できる。背負う方がいいなあと思うのはこの1点のみ。

 

走行中に衝撃を受けやすい。

サスペンションのない自転車は路面の段差で衝撃を受けやすい。
食品を運ぶフードデリバリーでは大きなデメリット。
だがタイヤの空気を抜いて空気圧を落とすことで段差の衝撃を和らげることができる。
仕事を終えて帰宅する前にエアポンプで空気を入れて適正空気圧に戻しておけば、タイヤの転がり抵抗が減り楽に走ることができる。

 

ダンシング(立ち漕ぎ)しづらい。

ちょっとした上り坂なら変速せずともダンシングで楽々クリアできるが、商品の入ったバッグを積載しているときはそうもいかない。ダンシングとはサドルからお尻を上げて立ち上がり、自転車を左右に振りながら、重いギヤでペダルに体重を掛けて走行する技術。上り坂になると自然と出てしまうものだが、キャリア積載時は車体を左右に振るのは厳禁だ。ついうっかりしてやってしまうと、中身が偏ったり飲み物が溢れたりしてしまう。

キャリアは横揺れに弱いので空荷の時でも極力ダンシングはしない方がよい。配達用バッグは空でも3kg弱の重さがある。キャリアの天板に載せると慣性が大きくなり余計に負荷がかかる。
車体をまっすぐに立てたままのダンシング(立ち漕ぎ)であれば問題なし。アグレッシブなダンシングを封印することで、新たな走り方を身につけられるだろう。

 

以上、メリット・デメリットを挙げたが、キャリア積載のメリットの方が断然上回る。
タイヤの空気圧を落とし、大きな段差ではスピードを落とせば衝撃を受けにくくなるし、より簡単な積載方法を選べば、積み下ろしの手間を最小限に抑えることができるなど、工夫すれば解決できる。仕事の能率が上がれば、キャリア関連の費用などすぐに回収できる。

はじめは背負っている人でも、回数をこなしてゆくうちに、キャリア積載方式へと移行することが多いようだ。(おっさん調べ)
私の場合、先輩配達員からのアドバイスを参考にして、はじめからキャリア積載方法を採用した。

 

キャリア積載用カゴの自作

私の自転車はサーリーのディスクトラッカーというツーリング車。クロモリ製の丈夫なフレームでたくさんの荷物を積んでも全然平気な仕様で、雨にも強いディスクブレーキを搭載している。
そんな自転車の前後にキャリアを取り付けて積載能力をアップさせている。配達仕事にはピッタリだ。自転車旅から日常生活までの頼もしい相棒で、私の生活に欠かせないものになっている。

この自転車に自分で作った配達用バッグを載せるカゴを取り付ける。

 

今回のカゴの原型となったのは、以前100円ショップの金網で自作したカゴ。
これまで使ってきて大きな問題はなし。材料費は安いし、手軽に作ることができるし、耐久性も十分ある。

2019年オーストラリアを13,000km走ったとき、大量の水・食料を荷崩れを起こさず積載できたのはコイツのお陰だ。
使っているうちに金網の溶接部分が外れてきたので、タコ糸と接着剤で修理しながら今でも使っている。

このカゴに改良を加えて大きな配達バッグでも載せられるようにした。

 

カゴの組み立て

カゴの素材は100円ショップ大手Seriaの金網。

ワイヤーラティス ワイド(マットブラック)
サイズ 約40.5×51.5cm(11×14マス)

材質はスチールで表面に塗装がしてあるもの。

金網のアップ

現物合わせでカゴの大きさを決める。
出し入れしやすいようにやや大きめにするのがポイント。

使用する工具はペンチと鉄工ヤスリ。

100円ショップの金網は細くて、ペンチで簡単に切断することができる。
加工しやすさも素材選びのポイントとなる。

切断面をヤスリで削って平らにする。
金は掛けないが、手間は惜しまないのがおっさん流のDIY。

さらにひと手間。
黒のペイントマーカーを塗って錆止めする。

切り取った金網。これらを結束バンドでつないで組み立てるだけ。

底が一重だと強度不足のように感じたので、二重底にして強度アップを図った。
結束バンドは一度で締めるのではなく、周囲の張り具合に合わせて数回に分けて締める。

結束バンドは複数の電線を束ねたり固定したりするためのものだが、一般工作にもとても役に立つ。
100円ショップのものは安いだけが取り柄で耐候性が低いのでおすすめできない。

 

結束バンドは締めすぎず、かと言って緩すぎない、程よい強さで締めるのもポイント。
最後に不要な部分を切る。

カゴの組み立てに要した時間はおよそ10分。

カゴの角のようす

 

キャリアに取り付け

自転車にカゴを仮付けしてみる。
取り付け方向は横幅が少ないタテ方向。
空気抵抗を減らし、すり抜けしやすいようにする。

ヨコにすると積載時に安定するものの、横が大きく出っ張りデメリットの方が多くなる。
空気抵抗は速度の2乗に比例し、車速が増すと加速度的に増えてゆく。
配達用バッグを背負うと、バッグの重さのほかに空気抵抗が増して消耗しやすくなる。

そのため、これから配達をされる方はキャリア積載方式をおすすめしたい。

タテの向きで仮付けしたようす。

よし、カゴの向きはこれでよし。

カゴにバッグを載せて装着感を確かめる。
ロープで縛って固定した。

カバンを揺らしてみると、どうも取り付けの強度が足りない気がする。

キャリアは驚異の耐荷重40kgを誇るTubus(チューブス)ロゴクラシック。海外ロングツーリングでは定番のキャリアだ。

強度を上げるために、天板を狭くして台形状になっているのが分かる。狭い天板にカゴを直付けすると、局部的に力がかかってカゴが変形するおそれがある。

そこでキャリアに台座を取り付けることにした。約20年前に100円ショップで買った太くて丈夫な金網。当時は品質がとても良かったが、今では使えないゴミだらけになっている。

 

台座は二重にして普通の結束バンドでしっかりと固定。カゴは台座の上に繰り返し使用できるリピート式の結束バンドで固定した。
はじめのうちは6本だったが、最終的には8本に落ち着いた。

 

カゴ側面に反射材の取り付け

視認性の向上のために、カゴの側面に反射材を取り付けることにした。
これは2019年のオーストラリアツーリングの時に道端で拾った反射材付きのマグネットシート。
アルファベットと数字が表示されていたが、すべて剥がした。

これがもとのマグネットシート。
初の海外ツーリングで経験不足だった私に神が与えてくれたもの。
100km超のスピードで爆走するトラックから身を守ってくれた。
何かの役に立つだろうと、帰国後も捨てずにとっておいた。
捨てればただのゴミになるが、使えばモノとして生きてくる。

マス目の大きさでカットして四隅にドリルで穴を空ける。

そして細い結束バンドで留めた。

リヤには反射材のほかにテールライトも取り付けた。
普段使いの小さなカゴに取り付けているものを移設した。取り外ししやすいようにリピート式の結束バンドで留めてある。

テールライトは単4電池2本式のCATEYE REFLEX AUTO(TL-LD570-R)。電池持ちが良くて暗い郊外の道でもはっきりと視認できるほどの明るさがある。中央に配置された強力な1wLEDは遠くまで届く。見通しの悪いトンネル内では非常に頼もしい。

 

ひとまず完成したカゴ

配達用バッグを積載したようす

真横からみたようす

真後ろから見たようす

後方からの視認性は昼夜とも申し分なし。
そのうえ、乗員が反射ベストを着用している。

これで突っ込むのは前を見ていないドライバーだけだろう。

斜め後方から。

あまりの出来栄えの良さにうっとりと眺める。

車のドアミラーに引っかからないように、左側にストラップが来るように積載する。
普段背負うことはめったにないバッグだが、広大なショッピングセンターを移動するときに背負うことがある。
そのためストラップを切り取ることはせず。配達用バッグは各種改造が施されている。

 

その後の改良

カゴにクッション材を敷く

キャリア積載方式の弱点は衝撃を受けやすいこと。
少しでも走行抵抗を減らし楽に走れるように、1.5インチ幅(38mm)のタイヤを装着し、空気圧はやや低めにしている。(空気圧を下げすぎるとリム打ちパンクの危険あり。)
それでもスピードを落とさずに段差を通過すると大きな衝撃を受けることがある。段差の度にブレーキを掛けてスピードを落とすとエネルギーの大きな損失になる。できるだけスピードを維持したまま衝撃を和らげるように、クッション材を敷くことにした。

手元にあるもので安く作る。
クッション材はキャンプ用銀マットとエアキャップで作成した。

2枚の銀マットでエアキャップ(通称プチプチ)を挟んだ。

断面のようす

衝撃吸収性が増すようにプチプチは二重にした。

断面は耐候性のあるアルミテープを貼った。のちに剥がれて来たので黒の布テープに貼り替えた。

カゴの底にクッション材を入れたようす。

風が強い日に飛ばされそうになり、のちにロープで固定するようになった。

 

自転車用のゴム紐でバッグを固定する

バッグを積み下ろしする度にロープを結んだり解いたりするのは非常に面倒だった。
そこで手元にあった自転車用のゴム紐で固定するようにした。

物置を整理しているときに出てきたゴム紐。ホームセンターで200円~300円で売られている。
100均製は品質が悪くてすぐに伸びてくる。

バッグを積み下ろしする際はゴム紐をずらして付け外しするだけ。
伸縮性のあるゴムが衝撃を吸収してくれる。

この固定方法でバッグが脱落しそうになったことは一度もなし。必要にして十分。

 

金網の交点を紐で縛って強度を高める

使っているうちにバッグの重さに耐えかねて、金網の溶接部分が剥がれるようになってきた。紐で縛って強度を高めることにした。

はじめ使っていたのは料理・手芸用のタコ糸。
あちこち補強しているとすぐに使い切ってしまった。

次に使うようになったのは100円ショップのより紐。
黒色の金網に合う黒色を選択した。

強度はこれで十分。

紐を巻くだけだと擦れて傷みやすいので、接着剤で固めることにした。
はじめ瞬間接着剤を使っていたが、固まるとカチカチに硬化してバッグの生地を傷めることが分かった。

セメダインスーパーXなら熱・水・衝撃に強くて自転車用途にピッタリ。
硬化しても弾力性があり、大きな力が加わっても取れにくいのがよい。
万能な接着剤。最近こればかり使っている。

 

接着剤が固まったあとは黒色ペイントマーカーを塗っておく。おっさんはいちいち細かい。

使っているうちに修理痕だらけになったカゴ。
見た目は悪くなったが、結束バンドよりも強度が格段に上がって重いものを運んでもビクともしなくなった。

簡単・強いだけでなく、耐久性も十分ある。
半年経っても外れることはなし。

2018年北海道ツーリング時にホタテ貝を踏んでタイヤサイドが裂けた際に麻糸で縫って瞬間接着剤で固めて応急修理したようす。
タイヤには弾力性のあるスーパーXが適していると、あとになって分かった。
この経験がカゴの補修に活きている。

 

キャリア積載の感想

結論 配達用バッグはリアキャリアに積載するのが最適。

疲れにくくなるし、見た目も良いし、利便性も良い。
商品の出し入れの際にバッグを地面に置いてゴソゴソするのは、同業者から見ても汚らしく感じる。
こうしてリアキャリアに載せておけば、配達中であると通りすがりの人にアピールすることもできる。

自作することで自分好みの道具に仕上げることもできるし、道具に愛着も湧くしでいいこと尽くめ。
今は背負っている人も自作してみてはいかがだろうか?

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