小型軽量の使える携帯用ペダルレンチを作る~前編~

こんにちは。からあげです。

安価な既製品を改造して作った携帯用のペダルレンチの紹介です。
荷物をできるだけ軽く小さくしたい自転車ツーリングに最適です。
小型軽量でありながら、しっかり使えるペダルレンチを目指します。

はじめに

今から2年前、初めてのスポーツ自転車を購入してから、自転車にどっぷりとハマってしまった。
暇さえあれば自分で弄ったり、荷物をたくさん積んで遠出したりして遊んでいる。

そんな自転車の完全な虜になってしまった私だが、ロングツーリングに出かける度に、欲しくて堪らなくなった物がある。それは小さいながらも、しっかり使える携帯用ペダルレンチだ。

輪行を考慮して、ペダルは六角穴付きのものを選んでいる。通常6mmの六角レンチで着脱できるが、いつの間にかきつく締まってしまい六角レンチでは緩められなくなっていることがある。これには困る。

そうかといって緩めやすいように軽く締めておくと、走行中にカチカチという音がして集中出来なくなる。2018年北海道ツーリングの帰りに異音がしだして全く集中出来なくなった。当時は原因が分からず、異音に我慢できなくなった私は、途中で自転車屋さんに駆け込んだ。ペダルの取付けボルトを増し締めしてもらうと、ピタリと音が鳴り止んだ。

そんなことがあったので、なおさら携帯用のペダルレンチを真剣に探していたが、いっこうに見つからなかった。

ペダルのネジ山に巻いたシールテープ

やむなく2019年オーストラリアツーリングでは、キツく締まらないようにペダルのネジ山にシールテープを巻いて取り付けた。
ところがこの方法は完全な失敗。ネジ山に相当な負荷が掛かり続けていたようで、帰国直後の走行中にクランクのネジ穴がダメになるトラブルが起きてしまった。

クランクのネジ穴のようす

ネジ穴がダメになったのが、帰国後で本当に良かった。オーストラリアの荒野のど真ん中でダメになっていたら相当面倒くさいことになっていたことだろう。いや、水・食料が尽きてくたばっていたかもしれない。

 

リヤのリム割れといい、今回のクランクといい、またもやいらんことをして自転車を壊してしまった。廉価グレードのAlivioだからクランク一式を安く交換出来たものの、まだまだ使える物を壊して資源の無駄遣いをしてしまったことに相当落ち込んだ。

Alivioは2ピースクランクでホローテックⅡのように簡単にクランクを外せる構造になっている。そのため、輪行する際にペダルが外れなくても、クランクごと外すという奥の手が使える。

それならペダルが外せないとなぜ困るのか?ペダルの不調を感じたときすぐに外せないのが困る。
すぐにペダルを外して不調の原因を突き止めたい。調子の悪いまま乗り続けると、ペダルを完全にダメにしまいかねない。

そもそも自分の好きな時に外せないのが気に入らない!自由気ままに生きていると自然とそうなる。

固く締まったペダルでも安全確実に外せるように、去年柄の長いペダルレンチを購入した。
専用のペダルレンチは確かに使いやすいが、大きくて重たいので携帯するには不向き。

 

その後も継続して携帯用のペダルレンチを探していたが、いつまで経っても見つからない。
それらしきものはヒットはする。だが、レビューをじっくり読んでみると「柄が短い、薄くて強度がなくて使えない」などの文言が目に付き評判がよくない。

「私が求める携帯用ペダルレンチはこの世にない。」と半ば諦めていたのだった。

携帯用ペダルレンチの素材を入手する

帰国後しばらく経って疲れが癒えると、自転車の整備を始めることにした。
ネット通販でパーツや工具などを再び買い漁るようになった時のこと。ふとした拍子に気になるペダルレンチを見つけた。

決め手はそこそこ安かったのと、レンチの厚みが4mmあって丈夫そうだったこと。

全長は約26cm

E-toolという2012年に設立されたばかりの台湾の工具メーカー。
同じく台湾メーカーのPWT製のペダルレンチの品質に満足していた私は、なんのためらいもなくE-tool製のレンチを購入したのだった。

E-tool ペダルレンチ 15mm #8450 Made in Taiwan

・15mm専用のペダルレンチ。
・エルゴノミックグリップのアームで握りやすい設計。
・アンシンメトリーヘッドで本体を返せば増し締め可能。

全長約26cm、ヘッドの厚さ約4mm

 

そこそこ握りやすい滑り止め付きのグリップが取り付けられている。
レンチは肉厚でかなりの重量感があり、いい仕事をしてくれそうな予感がする。

ヘッドの形状は決して美しいとは言えないが、実用上問題なし。
ペダルレンチで重要なことは、舐めないように確実にペダルを外せるかどうか。

ヘッドの厚みも十分。

ハブスパナのような薄型のものだと、軽いが強度がないため大きな力を掛けられない。この厚いレンチだと遠慮なく力を入れられる。

PWTのハイトルクペダルレンチと比べてみる。
それほど見劣りはしない。

厚みを比べてみる。E-toolの方が少し薄いくらいか。

ノギスで厚みを測ってみると、約4mm
ペダルレンチとしては十分過ぎる厚みがある。

厚みがある分多少は重たい。重さは176g。携帯用として使うのにはちょっと辛い。

試しにこれでペダルを緩めてみる。
PWTハイトルクレンチで軽く締めただけであったが、軽くペダルを外すことができた。

問題は固着したペダル。全長が約26cmと短いので、錆びて固着したペダルは厳しいかもしれない。

ヘッドの厚みが4mmあるだけあって、ペダルへの掛かりは十分過ぎるほどしっかりしている。
締め過ぎた程度のペダルであれば、外すことができるだろう。

値段の割に品質は悪くない品。私好みの工具だ。

 

ペダルレンチの改造

細かいチェックが終わったところで、改造を行ってゆく。
このままでは携帯には大きすぎるので、柄を短く切ってシートポストに挿して使うようにする。
以前、同様の手法でミニモンキーを携帯用工具にしている。

まずはカッターナイフで切ってグリップを外す。

 

三分の一くらい切ったところでグリップを引っ張ると、簡単に外すことができた。

内径21mmのシートポストに現物を当ててみると、いい感じで差し込むことができた。
まずは柄の一番端の凹みのところで切ってみることにした。キレイに切れるようにマジックで印を付けておく。

金鋸で切ってみたのだが、硬くて少しずつしか切れない。
携帯用工具の材質としては、十分過ぎる強度がある。

金鋸での手作業だと時間がかかりすぎるので、電動工具でカットすることにした。
単管パイプもカットできる切断用のダイヤモンド刃を付けたディスクグラインダーを使用する。
耳障りな音を発するので、電動工具はあまり好きではない。この際好き嫌いなど構っていられない。

ディスクグラインダーの刃を当てると、盛大な火花を散らしてあっという間に切ることが出来た。作業の際は必ず保護メガネを着用する。

切り口を大雑把に丸くしたところで、鉄鋼ヤスリで丁寧に仕上げてゆく。

携帯用ペダルレンチの完成!

長さは約16cm。10cm短くすることに成功した。

重さを量ってみると120g
携帯工具としてはかなり重たいが、使えない工具を持っていても仕方がないので、しばらくこれでようすをみることにする。
あと5cmくらい短くすれば、100gの大台を切るだろう。

シートポストに挿したようす

柄の部分は6cm弱ほど入っている。触ってみたところ、それほどガタツキはなし。

差し込み部をズームで撮影。
まるで始めからシートポストに挿して使うものとして作られた感じがする。

うむ、悪くはない。(おっさんいつもの自画自賛だ。気にしないでくれたまえ。)

角度を変えてもう一枚。

ガタツキが気になるようだったら、ビニールテープでも巻こうと思っていたが、全くその必要はなし。

試しにペダルを外してみる。

柄の長いPWTのハイトルクレンチで軽く締めた状態。
軽く力を入れてみると、難なく外すことができた。

ペダルを締め付ける時は、シートポストを使用せずレンチ単体で締めるだけにする。
そうすれば多少締まったとしても、外せなくなることはないだろう。

角を丸めて手触りが良くなったレンチ。

長年の念願叶ってようやく使える携帯用ペダルレンチを手に入れることができた。

今後は使いながら、少しずつ柄を短くしてゆくことになる。切りすぎるとタダの金属ゴミとなってしまうので、慎重に切ってゆくことにしよう。

後編へつづく

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