苦渋の決断

こんにちは。からあげです。

 

昨晩何度も考えた結果、Munda Biddi Trailの走行を止めにすることにした。荷物満載の重装備のツーリングバイクでは過酷過ぎる。これ以上走ると、おっさんと自転車の両方がダメになる。

さらに、Munda Biddi Trailに時間を取られ過ぎると、Uruluに行くころには冬が終わって暑くなってしまうだろう。冬のPerthは雨が多いようで、それほど好天は望めそうもない。わざわざ雨の多い時期にMunda Biddi Trailを走ることはない。走り終えた頃には、おっさん自転車共にボロボロとなり、旅の継続が危ぶまれるかもしれない。

Munda Biddi Trailに関わるのは止した方がいい。そう言えば、ひい爺さんがムンダビディに手を出すのはよせ!と、ことあるごとに口にしていたと聞いたことがある。

冗談はさておき、途中で止められなくなる前に止めておいた方がいい。心からそう感じた。AlbanyからDenmarkまでは楽勝ではないが、それなりの余裕があったが、Denmarkを過ぎると急に過酷さを増してきた。マーカーが見当たらず、同じところをグルグル回って心身ともに疲れてしまった。

サイクリストのために設計された小屋は非常に過ごしやすかった。できることならもう1泊したい。そう思わせるほど快適だった。荷物を整理してパッキングを済ませると、自転車を外に出してから、小屋の中をほうきで掃いて掃除する。板の間のホコリを下に落とすようにしてウッドデッキを掃くと、隙間からホコリが落ちて簡単にキレイになる。

出発したのは夜明け前の7時ころだった。

小屋を出てトレイルを下ってゆくと、林道が何者かに荒らされていた。そうえいば、昨日夕方に四駆が走っていて、途中でスタックしてガタガタ作業していた。車が動いているとは思えないような、ギャーギャー、バコバコ、バキバキ、ドンドン、ガンガンという轟音が周囲にこだましていた。しばらくすると、救援の車が駆けつけて引き上げて貰ってどこかに走り去ったようす。手際の良さとエンジン音からすると、たぶん近所の人間。
狭い林道で方向転換をして、罪のない植物が多数なぎ倒されていた。

さらに、トレイルのマーカーがなぎ倒されて、草ヤブの中に転がっていた。昨日、グルグル同じところを回っていたときに、新しいタイヤ痕をそこら中で見たのは、こいつらの仕業だったに違いない。おそらく他のマーカーもなぎ倒していることだろう。どおりで迷うはずだ。

トレイル上で夜が明ける。海岸沿いのHwyまで出るまではトレイルを走る。トレイルとは行っても、ほとんど未舗装の道路だけど。

朝日に照らされた並木道。
Munda Biddi Trailがこうも早く終わってしまうとは思いもしなかった。走る機会はたぶんやって来ないだろう。オーストラリアだって、何度も来れる場所じゃない。来れてあと1,2回。

今回、約8ヶ月間という長期の自転車旅行だが、気になるところを全て回っていたら時間が全然足りなくなる。そのため、取捨選択して旅をすることになる。人生と同じだな。

かなり道に迷いながら、ようやく海岸沿いのSouth Coast Hwyまで下りてきたのだが、途中の下り坂でブレーキが効かずに怖い思いをした。まるで雨の中のカンチブレーキのようだった。トレイルを走っている時にブレーキの効きが落ちてきたのは分かっていたが、ここまで効かなくなっていたとは思いもしなかった。

未舗装路の雨天走行で泥まみれになったところで、トレイルの急な下り坂でブレーキを酷使したのがマズかったようす。土や砂が付いたブレーキパッドでローターを挟んで止めていたら、すぐにパッドがダメになってもおかしくないだろう。今回、ほとんど効かなくなる前にも、パッドの消耗で徐々にブレーキが効きにくくなって来たのは分かっていた。過酷なトレイル走行が消耗したブレーキパッドにトドメを刺した。途中でパーツクリーナーを吹きかけてみたが、効かないのは全く変わらず。

ブレーキローターを目視と手で触って確かめたところ、異常はなし。まだブレーキパッドの残量があるため、削れなかったようす。

ブレーキパッドを外す前に撮影。少し水を掛けて拭き掃除したものの、土や砂がたくさん付いている。

取り外したブレーキパッドをパーツクリーナーで洗浄した。
念のため、予備で持っておくことにした。効かないブレーキパッドでもないよりはマシ。予備が1セットだと心許ない。

新品のパッドと比べると、厚みが全く違う。
残り0.4mmまでイケるらしいが、使用限界まで挑戦つもりは全くなし。ローターを削ってしまったら、余計に高く付く。高くても金を出して買えればいいが、買えなかったら面倒なことになる。

前後ともに新品のパッドに交換した。
積算距離は約7,800km。オーストラリアでは5,500km走行している。比較的アップダウンが多かったVictoriaとSouth Australia前半での消耗が多かったような気がする。
今回、トレイルを走らなければ、10,000km以上は持っていたと思える。

パッド軸にも消耗が見られたが、そのまま中古を使用することにした。新しいものには微妙に短い割りピンが付いているが、先をしっかり曲げられないのが気がかりだった。

不要になったトレイルの地図を全て処分する。せっかくAlbanyの図書館で印刷したのに無駄になってしまった。

今回、Munda Biddi Trailを止めたことで、Tasmanian Trailも止めにしようかなと考えるようになった。距離はおよそ500km弱と短いが、なかなかハードなトレイルのように思える。まだ決めたわけではないが、タスマニアは止めた方がいいように思えてきた。また次回、東海岸とタスマニア島を中心にして軽装備で来たらいい。補給が楽だから爺さんになってからでも十分来れる。

ブレーキパッドの交換に2時間近くの時間を費やしてしまった。しかも、前輪のパッドが引きずり気味。何度やってもダメだった。

ほどほどにして出発することにした。

向かい風からなのか、自転車が重たくてなかなか前に進まない。
どんよりとした曇り空が余計に憂鬱にさせる。

全然脚に力が入らなくなったので、途中のレストエリアで昼食をとることにする。食事前に前ブレーキの調整を行ったが、違和感が全然とれない。タイヤを回すとパッドが擦っているようで、すぐに止まってしまう。以前のカラカラと軽快に回るようすは全くなし。

ラーメンの完成!ラーメン2袋にじゃがいもと玉ねぎ入り。

休憩しているうちに天気が回復して青空が広がった。青々とした牧場の中を走って行くものの、全然爽快感がない。向かい風以上にブレーキの引きずりが効いているように感じる。

途中で我慢ならなくなって道路脇に自転車を止めて、再度前ブレーキを取り外してみる。
かなりの手間だが、ブレーキを引きずったまま走るよりマシ。

新品のスプリングに替えて、パッドの組付けを慎重に行ったところ、ブレーキの引きずりはなくなった!古いスプリングがマズかったようす。スプリングをケチったばっかりに無駄な作業を行うことになってしまった。

まあいい。今回のトレイルは、ドロまみれになるとパッドの消耗が激しいことと、新品パッドの組付けには新しいスプリングを使った方がいいということが分かっただけでもいい。 

本当に自転車って繊細だな。まるでおっさんみたい。

ブレーキが良くなったのはいいが、樹脂製カバーが割れてしまった。仕方がないのでビニールテープで仮止めしておく。

このカバーは汚れ防止の役目もあるから、捨ててしまうのはマズい。なんとかして役目を果たせるようにしてやりたい。そのうちいいアイデアが浮かぶことだろう。それまでの辛抱だ!

それにしても、プラスチックは本当に弱いな。ミラーのアームといい、ブレーキキャリパーといい。その点、Adelaideで買ったミラーのアームは丈夫。何度か倒したりぶつけたりしているが、全然壊れない。

今度こそ大丈夫だ!時計をみると、すでに4時を回っている。もうそんなに遠くへは行けない。近場でねぐらを探そう。

日が傾いてきて見にくくなってきたので、サングラスを外す。
外すと周囲が明るくなって見え、まだしばらく時間があると分かり余裕が出る。

ねぐらを探しに未舗装路の道に入ったはいいが、急な傾斜で押して上がらねばならなくなった。かなりキツイ。こんなところを下って行けば、ブレーキにかなりの負荷が掛かることだろう。
今までブレーキのことをあまり気に掛けていなかった。今後はもう少し労ってやろう。急な下り坂は押して下るようにしよう。エンジンブレーキがない自転車は特に負荷大きいだろう。

ここら辺にはあちこちに巨木が点在している。比較的雨が多い地域でよく育つのだろう。

巨木の空洞

雨宿りにピッタリ?

Munda Biddi Trailはもう止めたはずなのに、再びトレイルに戻って来てしまった。この先にある巨木の森に用がある。

ゲートを抜けた先にいい感じのフラットな場所がある。もうじき暗くなる。ここでテントを張ることにしよう。

林道脇でテントを張った。ゲートの奥なら車がやって来ることはなく落ち着いて寝ていられる。

今日は道迷いした挙げ句、ブレーキパッドの交換で手間取って全然走れなかった。予定ではこの先のWalpoleで補給を済ませて先に進むはずだったが、手前で泊まることになった。明日は早朝巨木の森を散策して、Walpoleの町で補給を済ませてから先に進む。今週末また天気が崩れるようなので、できるだけPerthに近づいておきたい。

さあて、今日は十分働いたからもう寝よう。

走行データ
Munda Biddi Trail離脱〜South Coast Hwy〜Jiant Tree Top Walk周辺
走行距離62km、走行時間4h30m、Av14.0km/h、Max56.3km/h

ねぐら 林道脇
 
おわり
現地レポート
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からあげ隊長の冒険