こんにちは。からあげです。
オーストラリア滞在は残すところあと一日。最後の最後で自転車で自走してからの箱詰めという大仕事が待っている。来た時は事前にやって業者(JAL ABC)に成田空港まで運んで貰ったので時間に余裕があったのだが、帰りは空港カウンターが閉まるまでに箱詰めしてチェックインする必要がある。そのため、出発前からそわそわして落ち着かない。
痛恨のミスをしでかして飛行機に乗り遅れたら、航空券はタダの紙くずと化してしまう。いや、今は電子版のEチケットだから、タダの無駄なデータになってしまうか。そんなことはどうでもいい!出発当日の朝は慌てず落ち着いて作業を行う。時間は掛けたが、一度は箱詰めをしているので、できないわけがない!
ということで今日のようすをお届けしよう。
出発前日の朝、早めに朝食を済ませると、出発準備を行う。
そう心配性のおっさんは、飛行機に乗り遅れないようにと、前日のうちに空港に行っておくのだ!
4泊したCairns市内のキャンプ場は料金が高いだけあって、設備が充実していて非常に過ごしやすかった。一番良かったのは、ハイパワーの電熱コンロ。強火だとガスコンロ並みの速さでお湯が沸く。1泊32ドルのキャンプ場がオーストラリア最後の贅沢になった。
上から木の花びらがポロポロ落ちてきて、その花の蜜にアリが寄って来て、テント内がアリだらけとなってしまった。毎日毎日アリをつまみ出しても、次から次へと入ってくる。もう途中で諦めて、アリの気の済むようにしてやった。
テント撤収後、荷物をまとめてキャプキッチンへと移動する。
不要な食べ物がこんなにも出てしまった!
昼飯を食べてから出るので、ラーメンは1個減ることになる。
余った現金は20ドル。使いきれなかった場合は、空港の売店でなにか買うとしよう。
1ドル硬貨になんとAnzac100周年の記念硬貨が混じっていた。
いかん、いかん。余計なモノを収集すると、あとが面倒。変な癖が付いたら大変だ!
おや?エリザベス女王の肖像が古いのと新しいのでは違う!
気のせいだ。気のせいにしておけ。
ずっとカバンの奥にしまって持っていた日本円は8,000円。
ATMで現金を引き出すと手数料が掛かるので、極力現金は使わない方向でいく。
キャンプ場で昼飯を食べてゆく。
無駄な金を使わないように自炊する。
いつものラーメン。オーストラリアでも袋ラーメンをよく食べた。
食事が終わって最後の片付けをしている時、テントサイトの片隅に自転車が置いてあるのに気がついた。
リアキャリアに大きなカバンを付けているので、自転車旅行者に間違いないだろう。
そう思って近づいて行って声を掛けると、彼はBrisbaneからCairnsまで走って来たそうな。Cairnsで5泊してから母国イタリアに帰るんだとか。彼はアーティストのようで毎年日本にやってきてはデパートで作品を売っているのだそうな。それで片言の日本語を話せるらしい。今回は仕事の合間に気分転換を兼ねて自転車旅行をしていたようす。
おっとイケない。自分のことを済ませてしまおう。カバンに荷物を詰めたあとで、リアにダンボールをくくり付けた。多少グラグラするが、空港まではそう遠くないから大丈夫だろう。
ヨシ、出発だ!日本に帰るぞ!!
ハイテンションで走り始めたものの、1kmも走らないうちに荷崩れを起こす。何やってんだ!
やっぱり柔らかい荷物の上に縛るのはダメみたい。
テントとかっぱを入れた袋を外してカゴの上にダンボール箱を直接縛った。
たったこれだけで、荷物は安定してくれた。
まだお昼を過ぎたばかりで、空港に行くには早過ぎるので、図書館で寛いで時間を潰すことにした。
外観は観光地のCairnsらしいオシャレな白塗りの建物。
パソコンがあったので、画像データのバックアップでもしておこうと思ったが、時間が短か過ぎて作業できず。自転車に荷物を取りに行って戻ってきたら、残り時間が3分だった。
中は広々としている図書館。蔵書もたっぷりとある。
英語を解読するには多大な時間が必要なので、読むのはパス。
座り心地の良い椅子に座って、今後のことを考えていた。
人が寛いでいるというのに、近くのアマが机の上に置いたスマホが頻繁に振動するので、凄く鬱陶しくなってきた。バイブも非常に迷惑。耳栓をしていてもはっきり聞こえるので、呼び出し音より質が悪い。
そこでやって来たのは、中心部の外れの方にある地図屋さん。
実はおっさんは地図が好きで、暇さえあれば地図を眺めている。オーストラリアでもHema社の地図を穴が空くほど眺めていた。
買ったのは普通の世界地図と南北が逆転した世界地図。
南が上の地図は非常に珍しい。
オーストラリアは日本とだいたい経度が同じなので、地図の中心に日本がくる。そのうえ英語表記で見やすい。カタカナの地名だとどうも嘘くさく思える。地図だけは英語表記がいい。オーストラリアで地図を買うならHema社のものがいい。慣れると非常に見やすくなる。
海岸沿いの遊歩道を歩く。扇風機のように吹く海風が気持ちいい。オーストラリア最後のくつろぎのひととき。
癖になる鳥のえさやり。悪くなっていたパンは捨てずに持ってきて鳥にやる。カモメが大騒ぎしてパンを取り合っていた。
小さく千切るより、一枚もののパンを放る方が楽しい。一番乗りしたカモメがパンを咥えて逃げようとするが、周囲のカモメに突かれて落として、再び激しい奪い合いが始める。見ていると非常に面白い。
ハトはそのようすをじっと見る。
ハトにもあげたいのだが、カモメが寄ってくるのであげられない。
干上がった海。
干潮時のこの海を見たら、相当ガッカリするだろう。青い海ならGoldcoastだということがCairnsにやってきて初めて分かった
サイクリングロードをゆっくり走る。
まだまだ時間があるが、こうしてブラブラしているのも退屈だから、空港に行ってしまうことにしよう。
空港へ続く道路は国内線のT2ターミナルまでは結構混んでいたのだが、国際線のT1ターミナルまで行くとスカスカになる。
もともとCairnsを発着する飛行機は少ないうえに、国際線はかなり少ない。今回Cairnsをブラブラしてみて驚いたのは韓国人がほとんどいなかったこと。なぜだろう?韓国ではオーストラリアは人気がないらしい。
やって来ました閑古鳥が年中鳴いている国際線ターミナル。飛行機到着時にさえもタクシーはいない。電話をかけて呼ぶしかないだろう。
T1ターミナル周辺にはほとんど人がいないので、野宿するには好都合だ。建物を閉められても、軒下のベンチで寝ていれば問題なし。
便数が少ないので、明日乗る飛行機も表示されている。
Cairns12時発、成田着が19時過ぎころ。直行便なので、荷物の載せ替えする手間が省けて凄く楽。
建物内はクーラーが効いていて快適ではないので、外のベンチに座って待つ。
ダイソンの手洗い乾燥機は非常に強力だった。洗ったバンダナをぶら下げると、水しぶきが散って水気が飛んだ。
そのままベンチに座ってるのも暇なので、空港建物内を彷徨いていると、警戒中の警備員から、「外の自転車はあんたのものか?」と聞かれる。そうだと答えると、「毎晩パトカーが巡回してくるので、見つかったら面倒くさいことになる。目立たない駐車場の方だったら大丈夫だ。」というようなことを言われた。
言われた時は意味がよく分からなかったが、私が居続けることで彼の立場が危うくなるということだけは確かだったので、邪魔にならない国内線ターミナルの方に移動することにした。
国内線の方にやって来ると、すぐに蚊が群がってきて全然落ち着かない。キャンプ場でも蚊にまとわり付かれて鬱陶しい思いをした。場所を変えてもすぐに寄ってくるので、端の喫煙コーナーのベンチに座って待つことにした。
やはりタバコの煙は嫌いらしくてかなり数が減った。だが完全に居なくなったわけではないので、時々刺されてかゆい思いをする。
そこで仕方無しに建物内の出発ロビーの椅子に座って待つことにした。
クーラーが効いて寒いが、蚊に刺されるよりマシ。この椅子に座って30分が経った頃、やって来た警備員に「何か困っていることはないか?」と優しく言われる。私は正直に朝が早いので空港で泊まりたいと言うと、「最終便が到着したら建物を締め切るのでここはマズい。到着ロビー周辺の建物の外だったらいいよ。」と教えてくれた。なんて親切な警備員だろう!邪魔者を追い払うようなことはしない。アメリカでは度々高圧的な態度であれこれ言われて追い出された。そうでもしないと、ホームレスのたまり場となって大変なことになるからだろう。
到着ロビーは最終便が0時過ぎまであって人通りが結構あったが、私は人目に構わずフラットなベンチで横になった。
だが、ここも蚊が多くて大変だった。
空港内でテントを張るわけにもいかず、蚊から身を守るために寝袋を被って寝たのだった。ベンチはすのこ状で隙間があるので、裏側からも刺される。それなのでシーツに入ってから寝袋を被った。だが暑いので我慢できなくなって寝袋を脱ぐと、すぐに蚊に刺される。寝袋を被っていても、顔周辺を刺される。手で叩き潰しても、あとからあとからやって来て全然落ち着いて寝られなかった。こんなことになるのなら、キャンプ場で泊まっておけばよかった。
おわり