自転車用のセーフティーフラッグ(安全旗)を自作する

こんにちは。からあげです。

 

セーフティーフラッグの必要性

自転車に乗っていて怖いと思うのは、後方から猛スピードでやって来ては人の側をギリギリを追い抜いてゆく車の存在。ミラーで時々後方確認しているが、常時見ている訳にはいかないので、前を向いて走っていると、そういう時に限ってスレスレを抜いてゆく車がいる。
自転車は小さくて見落とされがちなので、黄緑色の目立つ服を着て自転車に乗っているが、それでも見落とされるのか、時々ヒヤッと怖い思いをすることがある。

一旦ロングツーリングに出かけて走り始めると、日々の疲れが蓄積してきていつの間にか集中力が散漫になって、ぼっーとなったり、ふらついてしまう時がある。北海道ツーリングの帰りに、雨の盛岡市内で事故を起こしそうになったこともあり、家に帰るとすぐにディスクブレーキ搭載の自転車を購入した。だが、それでも十分安全だとは言えない。高齢者ドライバーが増え続けている現状を考えると、さらに目立つ必要がある。

今年のオーストラリアは広大な大陸で見通しは抜群だが、見通しがいいからと言って見落とされないわけではない。郊外に出ると100km以上の猛スピードで走る車がいつなんどき後方から迫ってくるかもしれず、そんな時にフラフラ走っていたら、跳ね飛ばされてしまうかもしれない。道路端でカンガルーの轢死体が無残な姿を晒しているともいう。そうでなくても、大きなトレーラーが何台も繋がった超大型のロードトレインという大型車両が走行しているという。気をつけていても気をつけすぎるということはないだろう。

 

ということで少しでも早くドライバーから見付けて貰えるように目立つ旗を作ることにした。

日本ではあまりお目に掛かることはない旗だが、海外では結構付けて走っているサイクリストは多いという。ネットで検索してみると、旗を付けているサイクリストの画像が出てくる。

セーフティーフラッグの自作

旗竿の素材を調達する

旗を作るにあたって、まずは必要なものを集める。
旗の生地は簡単に手に入るが、旗竿がなかなか見つからない。いろいろ考えを巡らせていると、私の生活圏内に竹藪があったのを思い出した。

それでやって来たのは、河川敷の竹藪。河川敷は誰の土地でもなく、地元自治体が管理をしている。竹をほんの少し切るだけなら全く問題ないだろう。
時々、農家の人が軽トラに乗ってやって来ては竹をとっている。
私が来たこの日も、軽トラの老夫婦がせっせと竹を切っていた。
おそらく農作物の支柱にするのだろう。

手にのこぎりを持って竹藪の中に入ってゆく。
冬は虫がいなくて快適。

竹の伐採は冬季に行う必要がある。夏の間は根から水分を吸って幹に多くの水分が含まれるので旗竿の素材には向かない。薪ストーブの薪と同じ。

適当に旗竿になりそうなものを切ってきた。
しかし、改めてみると枝があり過ぎて切るのが大変そうだ。

奥の方に旗竿にピッタリの細くて真っ直ぐな竹が生えていたので、新たに2,3本切って持ってきた。
簡単に枝払いすると竿のようになってくれた。

竹はリアキャリアに縛り付けて家まで持って帰った。
こういう時のためにも、キャリアがあると本当に便利。ちょっとしたものを括り付けて運ぶことができる。
先日、前カゴを作って格段に使い勝手が良くなったディスクトラッカー。さらにリア用の後ろカゴも作って大幅な積載力アップを果たしている。

 

とってきた竹。長いものから短いものまで混ぜておいた。
竹を括り付けて家に戻ってくるまでの途中、車が多めに間隔を空けて抜いてくれるようになり、早くもセーフティーフラッグの効果を体感する。(ただ単に関わり合いになりたくなかっただけかもしれない。)

竹には枯れた葉っぱが付いているため、これを剥がしておく。

物置内で発掘したスクレッパーが大助かり。なんだか釣り竿職人になったような気がした。

とりあえず2本だけキレイにしておいた。
他のはいまいちだったので、家庭菜園の支柱になってもらうことになった。竹はまだ青々としていて強度が足りないので、しばらく寝かすことにした。

およそ2週間後、旗作りを再開することにしたのだが、全然茶色くなっていない。まだ青々としたままだった。水分が抜けて茶色になるのを待っていたら、来年になってしまいそうなので、おっさんがやる気を失う前にちゃちゃっと作ってしまうことにした。

旗の素材は100均の端切れ

旗の生地は100均で適当に買ってきた。
旗にピッタリな目立つ色はピンク色。
林家ペーさんちに行けば、いくらでも古着をくれそうな気がするのだが、あいにく家がどこにあるのか分からない。家族にはピンク色の服を着る趣味は全くないし、私が今着ているピンク色の服はまだまだ大丈夫で自作の材料にするのは勿体ない。

インド綿

なかなか大きくていい感じ。ちょっと落ち着いたピンク色という感じ。

こちらはちょっと派手なピンク色。なんとインド綿より生地が大きいではないか!

ポリエステルは軽くて水に濡れても直ぐに乾くので、旗の素材にはいいだろう。

2種類の生地のなかかか、こちらの派手なピンク色を選ぶことにした。インド綿はまた他の機会に使うことにしよう。

旗を自作する

このポリエステルの生地。表はピンク色だが、裏は白色なので袋縫いにすることにした。
白が内側になるように縫う。

まずは半分に折りたたんで、折り目のところで半分に切る。図面はなし。すでにおっさんの脳内に完成図がある。

旗竿の先が当たるところはあて布をして補強しておく。
以前、切り取ったタグをとっておいた。

そのタグを半分にして当てた。1枚丸々当てたら勿体ないと思った。

久しぶりの裁縫で異様にテンション高いおっさん。

いいね、ミシンの音を聞いていると、いつまでも縫っていたくなる。
この単調な音がいいんだろうな。たぶん。

などと、ご機嫌で縫っていたら、本当に袋とじしてしまうおっさん。

何がしたかったのか?

失敗してもリッパーがあるから大丈夫♪

裁断さえ失敗しなかったら、いつでもやり直せる。それが裁縫。

人生だっていつでもやり直せる?かも。おっさんの場合はたぶんもう無理。このまま走り続けるしかない。

住居兼作業場の物置内は大変なことになってしまっている。
足の踏み場もないというのは、まさにこのことだ。

ロープで固定するたえのループを取り付けた。
8mmのコーデュラテープ。

気がついたら、ミシン糸を使い切っていた!

ミシンで縫っていたら、下糸が切れていた!なんていうのは日常茶飯事。
やはり下糸のボビンは大型のものが欲しい。下糸も糸巻きにできないのか?集中している時に限って、下糸が切れていたというヘマをやらかす。上糸は見れば分かるからいい。

メーカーの開発担当の人、なんとかして欲しい!おっさん切なる願い。

旗を縫っていたら、雑巾の縫い方に似ていることに気がついた!

タオル地だったら、本当に雑巾。

ここでタコ糸を投入する。以前手芸屋さんで買ってきたが、長い間裁縫箱の中で眠っていた。

ようやく眠りから覚める時がきた!

タコ糸は旗竿にループを取り付けるために使用する。
適当にぐるぐる巻きにしてから瞬間接着剤で固める。

作っていて釣り竿を作っているような気がしてきた。

継ぎ目の部分さえなんとかなったら、自分で釣り竿が作れる。
材料は無限に生えてくるから問題なし。あとはやるかやらないかだけ。

瞬間接着剤で固める方法は合っているということが分かった。竹には節があるのもいい。すっぽ抜けないで済む。

のちにスーパーXという接着剤の方が瞬間接着剤より最適ということが分かり、スーパーXでタコ糸と竹の接合部分に盛ってしっかり固めておいた。

最近おっさんのお気に入りの接着剤。適度な弾力性があり振動に強い。自転車関係のパーツの接着には最適だ。硬化時間は24時間以上と長めだが、短時間で硬化するものもある。多少高価だが。

 

旗の端の袋状にしたところに旗竿を挿してから、そこら辺にあった2mmのロープで適当に結ぶ。
自作も趣味とする私が住む物置小屋には各種のロープが置かれている。

それをおっさんが閃いた時にゴソゴソ出して何かを作り始める。

 

セーフティーフラッグの完成

こんな感じの旗が完成!

この濃いピンクは遠くからでも良く目立つ。
セイフティーフラッグにはピッタリだ。

外で自転車に取り付けてみた。

リアキャリアの斜めのパイプに繰り返し使用可能な結束バンド2本で留めておいた。
旗のサイズは35×23cm。地上高は約1m。

旗竿が適度にしなっていい感じでフラフラ揺れてくれる旗。

とりあえずコイツは試作品で、オーストラリアには予備の旗を用意して持ってゆく。
出来上がってからサイズが決まるというのは面白い。

作業したら疲れたので、カップ焼きそばを食べることにした。

おっさんは腹が減ると煩いので、テキパキとガソリンストーブを準備してお湯を沸かした。
ポンピングを多めにして圧を高くして火力を上げた。

やっぱり普段の煮炊きで使っているだけあって、我ながら無駄な動きがないと感心する。
ガソリンストーブで湯を沸かす大会に出たら上位入賞できそうな気がする。

久しぶりのカップ焼きそばは美味い。
いかにも体に悪そうなソースとマヨネーズのこってり感が堪らない。

予備の旗竿の準備をしておく。

オーストラリアから帰国したあとにでも、釣り竿を作ろうとあとからまた竹を切って来た。
数本屋根裏に寝かしておいたら、いい感じになっていることだろう。

帰国後にやって来るのが楽しみな竹。

北海道ツーリングで山奥に行った時、ちょっと釣りをしてみたい時があった。
そんな時、携帯に便利な竿があったらいいなと思った。

適当な入れ物に入れてからトップチューブにくくり付けておけばいいだろう。あとはつなぎ目をどうするかということだけ。オーストラリアで走っている時、多分暇になるだろうから、考え事をする暇はいくらでもある。戻ってきたら、いいアイデアが浮かんでいるだろう。

それまでは他のことをしたらいい。

 

ツーリングで使用した感想

セーフティーフラッグを自作した後、運転免許の更新をするために静岡回りで愛知~山梨を往復した。走行距離はおよそ700km。ほんの少しの走行だったが、大きな違いを体感することができた。ピンク色の旗は思いのほか目立ち、道行く車が大きく間隔を空けて抜いてくれるようになった。青空にピンク色は本当によく映える。もちろん雨天や曇天でもハッキリ目立つ。

日本では、自転車が車道を走ることはまだまだ珍しく、ドライバーから見落とされやすい。それがセーフティーフラッグを付けて走るようになったら、ギリギリを追い抜かれることが激減しストレスなく車道走行できるようになった。これは本当にオススメだ!

 

旗竿を作り直して旗を手直しする

実際にツーリングで使用してみて結果は大成功だった。しかし、青竹のまま使用した旗竿が曲がってしまった。作った当時は旗の地上高が約1mあったが、曲がってしまったせいで30cmほど低くなってしまった。

このまま使い続けると、さらに曲がってきそうなので、新たに旗竿を作り直すことにした。
物置の天井裏に保管しておいた竹を下ろす。

バーナーで炙って竹の水分を飛ばして丈夫にする。真っ直ぐにする効果もある。

使用しているバーナーは普段の野外生活で大活躍しているSOTOのレギュレーターストーブ。
カセットボンベ仕様で寒さに強いおっさん好みのストーブ。今ではなくてはならない道具となっている。

 

バーナーで炙ると、水分が抜けて僅かに縮んだような気がする。さらに弾力性が出てきてよくしなるようになった。

切ったままの青竹とは違う!

ついでに予備の旗を作成し、作成済みの旗の手直ししておいた。

手直しした箇所は、旗竿を挿す部分の両端にループを取り付けたこと。
予備の旗は前カゴに縛っておこうと付けたものだが、旗竿が折れた場合にも役に立つだろう。

旗の取り付けはロープで縛っていたが、これだと簡単につけ外しできずに具合が悪い。
通常走行時は目立ち、野宿する時には極力目立たない方がいい。

夕方になって野宿場所を探し始める頃には、目立つ旗を外しておいたほうが良いだろう。
始めは上から袋を被せようかと思っていたが、単に旗を外せばいいことに気がついた。

プラスティック製のフックを取り付けて簡単に取り外しできるようにした。

これでより安全に野宿することができるようになる。

その後、フル装備でテスト走行してみた。

旗竿が30cmほど長くなり、より目立つようになった。よくしなり通行車両にアピールしてくれる。

地上高さが30cmほど高くなり、より目立つようになった旗。これならオーストラリアでも安全に走ることができるだろう。

楽しいツーリングには無事故が欠かせない。

旗竿の取り付けは繰り返し使用可能な結束バンドを用いている。
これで700km走ってみたが、全く問題はなし。
竹の節がいい感じで滑り止めとなってくれる。

我ながら良いものを作ったな!

 

おわり

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