ペットボトルで軽量なガソリンストーブのケースを自作する

こんにちは。からあげです。

 

ストーブケース自作までの長い道のり

2019年春、初の海外自転車ツーリングということで、各種装備を検討している最中だった。
その中で長い間悩んでいたのは、ガソリンストーブ携帯用のケースについて。

MSRのガソリンストーブは、ソフトタイプの収納袋が付いてくるのだが、耐衝撃性がないに等しいので、長期間の自転車旅行では使いづらい。そこで定番のEPIガスストーブAPSA-Ⅲの専用ケースとなる。

APSA-Ⅲのケースであれば、耐衝撃性と耐久性に問題は全く問題ないのだが、重たくて嵩張るのが気に入らなかった。試しにアルミクッカーの中にストーブを入れてみたが、どうもしっくり来ない。

定番なだけあってAPSA-Ⅲのケースの中には、ストーブ本体・燃料ポンプ・メンテナンス道具・折りたたみ風防・ライターなどが余裕で入る。だが、重さが134gもあるのが、納得いかない。こんなに丈夫なケースではなくていいのに。何かAPSA-Ⅲに代わるものはないだろうか?

そんなことを考え続けていた。(暇だから時間はたくさんある。)

 

ペットボトルでストーブケースを作る

材料調達

ペットボトルでサングラスの携帯ケースを自作した時、ふとペットボトルならガソリンストーブのケースも作れるのでは!と閃いた。ところが手元に使えそうなペットボトルがない。そこで実家近所の資源ごみ集積所で調達することにした。単にペットボトルを貰ってくるだけだと、ドロボウになってしまうので、代わりの品を置いてくる。つまり物々交換だ。

これは物置にあった卓上グラインダー。物を削る時にあると便利な道具。スイッチを入れるとディスクが回転するのだが、電気系統の接触不良なのか、回転数が一定しない。もう一つちゃんと動くグラインダーがあるので、これを処分することにした。鉄の塊だから全く不足はあるまい。

自転車に乗って資源ごみを交換しにゆく。
リヤのカゴは重量物を載せても、ハンドルがぶれないので、非常に使い勝手がいい。

もう少したくさんあると思っていたのだが、間が悪かったのか2Lのペットボトルは非常に数が少なかった。その中で丈夫で使えそうな物を持ってきた。最近のペットボトルは薄くて工作の素材に向かないものが多い。

実際の作業

早速工作を開始する。
失敗は許されないので、切る前にじっくり考える。

一番悩んだのは、フタと本体の組み合わせ。同じ種類のペットボトルだと、フタとして上に被せることができない。

悩みに悩んで最終的に選んだのはこの2つ。右がケース本体で左がフタになる。

この組み合わせがピタリと合ってくれた。

始め左のボトルをケース本体にしようといたのだが、ボトルのくびれが少しでフタを被せにくいことが分かった。

ということで右のボトルをケース本体にする。はさみで慎重に切ってゆく。まずは大きめに切って、少しずつ完成形に近づけてゆく。

完成したストーブケース

ついに完成!ペットボトルで自作したストーブケース。

ポイントはボトルのくびれ。ちょうどボトルがくびれて細くなっているところを利用する。
フタは少しずつ切ってゆき、ちゃんと閉まって開けしめしやすい高さにする。

実際の工作時間は15分。ボトルの組み合わせに1時間以上も掛かってしまった。

試しにウィスパーライトインターナショナルを入れてみると、既製品のようにジャストフィットしてくれた。おっさん思わすガッツポーズ!!やったね。

MSRの燃料ポンプはプラスチック製で擦れに弱いので、袋に入れて保護しておくことにした。

重さを量ってみると、なんと58g。APSA-Ⅲのケース(134g)に比べて76gの軽量化に成功。
なんと言ってもダダ同然で自作出来たのが嬉しい。
サイズもAPSA-Ⅲに比べて一回り小さくなっていいことばかり。
耐久性が気になるところだが、実家でしばらく使用してもどこも問題はなかったので、オーストラリアトーリングで使用することにした。

重量58g
サイズタテ10.5×ヨコ8.5×高さ16cm

おっさんが工作に夢中になると、自然と物置の中は足の踏み場もない状態となる。
一昨日バックパックを作って自作病に取り憑かれてしまった。

 

オーストラリアツーリングで半年間使用した後

写真はオーストラリアで半年間使用後のストーブケース。左は定番のAPSA-Ⅲ用のケース。帰国前にキレイに洗浄したのだが、実家で再び使用するようになって汚れてきた。

ストーブケースの使い心地はとても良かった。定番のAPSA-Ⅲのはるか上をゆく感じ。ペットボトルでも耐久性は全く問題なく、当たりが付くとフタの開け閉めがスムーズなってより使いやすくなった。ただ、かなり軽いので、風が強い時は飛ばされないように注意する必要があった。

上から大きさを比べてみる。高さだけでなくタテヨコも小さいのが分かる。

ストーブケースとしてAPSA-Ⅲのケースを使用したくなかったのは、重たくて嵩張ること以外に、本体の底に穴が空いているため。穴が空いているとゴミが入りやすくなるし、容器として使用しづらくなる。

ケース本体とフタは自転車の整備をする時に小さなビスを入れる受け皿として使えるものの、穴が空いていると洗浄用の受け皿としては使用しづらい。テープで塞いでも、すぐに漏れてくるだろう。

実際に自作したストーブケースを受け皿にしてガソリンでチェーンを洗浄してみたが、なかなか使いやすかった。ただ、洗浄に使用するとかなり汚れてしまうので、あとの掃除が面倒だった。

そのため、途中からゴミ箱で拾ったペットボトルを使用するようになった。

ストーブケースとガソリンストーブ一式(MSR ウィスパーライトインターナショナル)

詳しい仕様は参考記事を見て欲しい。

 

燃料ポンプは保護用の袋に入れていた。そのため、ポンプ外観に傷はほとんどなし。
金属製のストーブ本体と一緒に入れていると擦れて削れてくる。

袋に入れていたおかげで、使用に関する注意書きはハッキリ読める。

ケース内側のようす

削れているところはなし。

ペットボトルの切り口に目立った傷みはなし。多少の擦り傷があるだけ。
半年間の使用でこれくらいだから、3年くらいは問題なく使用できそう。

当たりが付いてお互いのボトルが馴染み、スムーズに開けしめ出来るようになった。
開け閉めの硬さは適度で、知らぬ間にフタが取れてしまうことはなし。

茶筒並みとは言えないが、それなりに密閉することができる。ガソリンストーブの保管、携帯目的ならこれで十分。

ウィスパーライトインターナショナル本体を入れたところ。
ホースの曲がりは適度で負荷は掛かっていない。

燃料ポンプを入れてもまだまだ隙間はある。ライターなどの点火装置やウエスを入れられる。ストーブ本体が中で踊らないようにウエスを詰めておいた方がよい。

試しにMSRのEGK-EXを入れてみると、ストーブ本体がギリギリ入るくらいで燃料ポンプを入れる余地はなかった。ドラゴンフライは入るのかは不明。

 

まとめ

今回の素材のペットボトルは、出処不明のものなので、どんなものかは分からない。外観から分かるのは、2Lのミネラルウォーターかお茶のペットボトルということくらい。

商品名が分からなくてもなんとかなる。フタと本体の形状さえ合えば、ペットボトルでストーブケースを作ることができる。軽量コンパクトで使い勝手が良いストーブケースを手に入れるために、あれこれ組み合わせで悩むのも楽しい。手間を掛けるだけの価値は絶対ある。

これはおっさんおすすめのストーブケースだ!軽量なストーブケースを探している人は是非とも自作して欲しい。