ガソリンストーブ装備一式の軽量化を考える

こんにちは。からあげです。

 

現在は愛知県の実家に滞在しながら、サイト制作と来年のオーストラリアツーリングの装備品をチェックしているところ。最近は装備品の中でガスストーブを重点的にチェックしている。

日々こうしてガソリンストーブで玄米ご飯を炊きながら、少しでも慣れて個体の癖を見つけている。ストーブは海外ツーリングに備えて購入したMSR ウィスパーライトインターナショナル(Whisper Lite International)なのだが、中国を止めて北海道・東北に変更したため、使用する機会がなくなった。

 

日本国内でガソリンを入手するためには、ガソリン携行缶が必要だし、ストーブ本体と付属品が重たくて、日本国内で自転車ツーリングするにはガソリンストーブは使いづらい。それなので、今年オン北海道・東北ツーリングではカセットボンベ式のガスストーブを使っていた。だが、海外では一変して燃料を入手しやすいガソリンストーブが主流となる。

多少のメンテナンスと取り扱いに注意が必要だが、入手性に優れ火力が強く燃料代も安いことから、海外ではガソリンストーブがよく使われる。

 

装備品一覧と重量

ガソリンストーブ一式

手持ちの道具を寄せ集めて、来年のオーストラリアツーリング用に組み合わせて、全ての重量を個別に計量してみた。

ウィスパーライトインターナショナル(本体) 245g
燃料ポンプ 66g
燃料ボトル(20OZ=591ml)フタ付き 166g
ガソリン携行缶 750ml 271g
ストーブメンテナンスキット(ケース付き) 50g
ウインドスクリーン(MSR純正) 59g
アルミクッカー大 244g
アルミクッカー小 154g
クッカー収納袋 18g
チタン折りたたみフォーク 16g
遮熱板(薄い合板) 115g
ストーブケース(EPIガスストーブ APSAⅢ 用) 134g
マグネシウムファイヤースターター(火打ち石) 15g
ウエス 15g
MSR純正ストーブ収納袋(参考) 18g
エバニュー チタンクッカー(参考) 90g
ウインドスクリーン(ノーブランド 軽量化済み)参考 81g

標準構成重量

1,568g

 

燃料ボトルを2本持つか、予備ボトルとして携行缶を持つか。

手持ちの燃料ボトルとガソリン携行缶

左から11OZ、20OZ、30OZ、SOTO ガソリンポータブルボトル(750ml)

 

ガソリンストーブとクッカーなど標準の構成で重量は約1.6kgとなりテント並みの重さとなる。
燃料ボトルの容量が少ないと、頻繁にガソリンを給油しなければならず非常に不便。30OZ(887ml)1本でも不安になる。
ガソリンはストーブの燃料となるほか、自転車メンテナンス用(チェーン洗浄など)として使用する。燃料ポンプ着脱の際、燃料ボトルを倒してガソリンをこぼしてしまうこともあり得る。

オーストラリアのような広大な大陸では大らかな人が多いためか、燃料ボトルに直接ガソリンを給油できるようだが、規制が強化されてガソリン携行缶が必要となることもあるかもしれない。
燃料ボトルの紛失に備えて、2本ともMSR純正の燃料ボトルを持つ方がいいのだろう(携行缶とストーブを直接つなぐことはできない。)が、燃料ボトルへの給油を拒否されるおそれもあるため、念のためガソリン携行缶を持って行った方がいいだろう。

帰国後、羽田空港から家まで自走する時にも必要だ。MSRは世界中で販売されているストーブなので、万が一燃料ボトルが紛失しても、大きな町であれば購入することはできるだろう。見つからなければネット通販を利用すればいい。

ガソリンポータブルボトルの給油ノズルの先に付いている透明ビニールホース

経年劣化により硬化してしまっている。さすがに4年経てばこんなものだろう。

軽量化を兼ねてビニールホースを外したところ。
来年のツーリングに備えて、新たなパッキンを手に入れておこう。

 

MSR純正アルミ風防の欠点

MSR純正のアルミ風防

左がかなり使い込んだもの、右が新品。
このMSR純正のアルミ風防は59gと軽くていいのだが、キチンと折り畳めなくて嵩張るし、使いっているうちにあちこち裂けてくる。

横からみたようす

MSR純正の風防の欠点は嵩張ることと耐久性がないこと。
アルミは柔らかくて自由自在に曲げることができるが、跡が付くほどキツく折り畳むと傷んでしまう。そのため、きれいに折り曲げてコンパクトに畳むことができない。

長年使用した風防を広げたところ。
これは4年前に購入したXGK-EXに付属していたもの。将来の過酷な探検活動を見据えて、過酷な状況下でも安定した火力を保つことができるように購入したストーブ。しかし、まだ自分の活動にはオーバースペックで使用する機会がほとんどない。
北海道車中泊の旅では、車の燃料タンクからガソリンを抜いて使っていた。
最近ではガスストーブ用としてときどき使用していた。

 

長年の使用により、アルミ製の風防はあちこちが裂けてきた。
アルミテープを貼って直してみたものの、効果は一時的ですぐにテープが切れてしまい、元の状態に戻ってしまう。

一時使用には優れるMSR純正風防も、長期使用では耐久性のなさがハッキリと出てくる。

そこで折りたたみ式のアルミ風防を使い始めた。
重さはMSR純正に比べて、かなり重たいものの、繰り返し使用しても傷まないことと、コンパクトに折り畳めるのが良い。

折りたたんで押さえると、このようにコンパクトに折りたたむことができる。
蝶番が付いているため、繰り返し折りたたんでもほとんど傷むことはない。
それなので、重さを気にしなくてもよい家や車中泊では、度々使用していた。

 

しかし、軽量化しているとはいえ、81gもあってMSR純正と比べると、22gも重たくなる。
なんとかならないものか?

去年、MSRの純正風防と同じようなものを自作したのだが、アルミの材質が硬くて2,3回使っただけで裂けてしまい使い物にならなかった。55gと純正に比べて4g軽かったが、耐久性はガタ落ちした。

材質がかなり硬いため、折り曲げたり伸ばしたりしていると、すぐに裂けてくる。

これでは全く使い物にならない。

 

軽量・コンパクトなアルミ風防の自作

完成イメージは蝶番式タイプ。
このノーブランドの風防もアルミ製だが、かなり厚めとなっている。
もう少し薄くできれば、軽量コンパクトなところのいいとこ取りができる。

ノートに設計図を作製してみた。

だいたいこんなもんでいいだろう。事前にMSR ウィスパーライトインターナショナルとクッカーを載せて、必要な大体の高さを調べてある。

使用する材料は、以前ホームセンターで購入したアルミの薄板。
一昨年、アメリカPCTに向けて、軽量な道具を自作していた時に購入したもの。

アルミの薄板は2本あって、1本は使い物にならない硬め、もう1本はまあまあ柔らかい使えるものとなっている。今回は蝶番タイプのため、材質の柔らかさは関係ないが、加工しやすい柔らかいものを使うことにした。

アルミはロール状で売られている。
厚さ0.2mm、400×600mmの大きさで1,000円弱。

アルミ板を広げて図面どおりに油性マジックで線を引く。

普通の裁ちばさみを使ってカットする。最近刃を研いだため、かなり切れ味がいい。

切れなくなったら、また研げばいい。
アルミ板を紙のようにサクサクと切ってゆく。

風防の上下は二つ折りにして、怪我をしないようにする。
アルミサッシの角に押し当てて直角に曲げる。

そしてゴムハンマーで押さえつけてしっかり2つ折りにする。
この作業には手で持ちやすい木片など何でもいい。
たまたま物置にあったゴムハンマーを使った。確かこれより小さいゴムハンマーが100均で見かけた気がする。板金作業にはプラスチックハンマーかゴムハンマーがあると重宝する。ヘッドは小ぶりな方が扱いやすい。

上下を2つ折りにしたところ。

蝶番の部分は互い違いにしてある。

蝶番の部分はアルミサッシの角でこの字型に曲げておいた。

そのあとで棒を差し込んでから爪で押さえて丸くする。

ちょうどよい太さの棒がなかったので、今回は被覆付きの電気コードを使用した。

電気コードを引き抜くとこのように大体丸くなる。
あとは針金を通してから調整する。

蝶番の部分に針金を通して接続する。
使えそうな針金をそこら辺から引っ張り出してきた。
実家の物置には材料と道具が豊富にあるので、作業する時には便利。(ただし、あまり整理していないので探すのが結構大変。物置をきれいに整理整頓してしまうと、私の留守の時に家族が不用な物を置き始めてしまうので、かなり適当に片付けしている。この辺の調整は長年の勘が必要。)

風防1枚分のようす

蝶番の加工がかなり難しい。思ったほどきれいにできなかった。

何枚か同じものを作ったところで、針金を付けて繋げてみた。
どれどれ?

 

屏風のように立ててみると、蝶番の動きがぎこちなく、あちこち引っかかるので、強引に広げてみた。すると、あちこち歪んでいるように見えた。

特に蝶番部分の歪みが酷く、かなりの隙間が空いてしまっている。

ダメだこりゃ!(いかりや長介)

このまま作業を続けても、ロクな風防はできないと確信した私は、作業を中断することに決めた。
たかが風防4枚作るだけで3時間近くもかかっている。これ以上の作業は時間の無駄に過ぎない。人生の残り時間は有限。無駄だと分かっている作業に費やす訳にはいかない。

作業中はこのように足の踏み場がない状態となる。この時におかんに踏み込まれると面倒。
時々、私が作業中に掃除しようとするので、ああだこうだと言い合いになるが、最近はようやく諦めてくれたようで、邪魔に入ることは少なくなってきている。

残りの材料は物置の構造材の隙間に入れておいた。
1本増えたのは、ステンレスの薄板が出てきたから。別々に仕舞っておくより、まとめておいた方がいい。これは魅せる収納方法!

 

燃料ボトルの自転車への積載方法を検討する

アルミ風防の自作は諦めると、今度は燃料ボトルの自転車への積載方法を検討してみる。
ガソリン入りの燃料ボトルは、水に濡れても問題がないため、カバンの中に入れない。
完全防水のバッグの中でガソリンが漏れたら、ガソリン臭くなって始末に負えなくなる。

手持ちの燃料ボトルと携行缶はこれだけ。来年のオーストラリアはこれらを組み合わせて使用する。新たに購入することはしない。
自転車はもちろん11月に購入したディスクトラッカー。

燃料ボトルは本体がアルミ製となっている。

フタはチャイルドロック機構付きで強化プラスチック製となっていて、耐油性のゴムのOリングが取り付けられている。

ガソリンを入れても大丈夫な燃料ボトルではあるが、常時フタの部分がガソリンに浸っていると劣化してくるし、漏れてくるおそれもある。そのため、基本はフタを上にして収納することになる。

まずはハンドルステムに取り付けてあるボトルケージに20OZボトルを入れてみた。
100均の500mlペットボトルが入るものなのだが、ペットボトルより少し径が太いようだ。

これ以上無理に押し込むとボトルケージが変形してしまう。
いくら100円だからといっても、雑に扱わない。

ミノウラの自転車専用ボトル用のボトルケージに入れてみたが、こちらも途中で引っかかってしまう。20OZでこの状態なので、太い30OZでは到底無理。

30OZの燃料ボトルを当ててみる。
この太さのボトルケージはないので、収納袋を自作して取り付けることになるだろう。

ハンドルステムの他にはシートチューブに付けるのが良さそう。
垂直ではないが、これくらいの角度であれば、キャップが常時ガソリンに浸ることはないだろう。ただし、ダウンチューブに取り付けた1.5L用のボトルケージが干渉するため、移動用の台座を取り付ける必要がある。

試しに一番小さい11OZの燃料ボトルを挿してみた。
すると多少のガタツキはあるものの、しっかり入ってくれた。オーストラリアでは11OZは使うことはないだろう。

ミノウラのボトルケージに入れると、今度はスカスカだった。
緩衝材かなにかを巻いて入れることになるだろう。

他の燃料ボトルの積載場所として、フロントキャリアのサイド部分か天板部分となるだろう。
天板を有効利用をする方法があるので、近々試してみよう。

 

ガソリンストーブの収納ケースを省く方法

一日朝から再び元に戻って、ガソリンストーブの一式に軽量化を考えてみる。
こうして眺めてみると、ガソリンストーブは重たくて嵩張ることが分かる。

思い切ってアルコールストーブにする手もあるが、いくら軽量コンパクトと言っても、アルコールの入手性と燃費はあまり良くない。それに、風が多少吹いただけで吹き飛ばされるおそれもあるし、誤って踏んで壊してしまうことも考えられる。

自転車では徒歩のような極端な軽量化をする必要はないが、かと言って全ての物を積める訳ではないので、厳選した装備を持つことになる。あってもなくてもいいような不要な装備を削る代わりに、使い勝手の良い耐久性のある装備を持つ。

ということで最初のやり玉に上がったのが、ストーブの収納ケース。
MSR純正の収納袋は18g、ガソリンストーブ収納用として知られているEPI APSA-Ⅲのケースは134g。なんとその差は116g。

ハードタイプの収納ケースは、振動や衝撃には強いが、重たく他の使いみちがない。底に成形用の穴が空いているため、水くみ用のバケツとして使用することができない。
自宅保管用や車で運搬する時はよさそうだが。

 

EPIgas APSA-IIIストーブケースに入れたところ。
ストーブ本体(ウィスパーライトインターナショナル)、燃料ポンプ、風防、メンテナンスキットがキッチリ入る。

ぴたりとフィットするので非常に惜しい。

アルミの角クッカー大にストーブ類一式を入れてみるといい感じになった。
クッカー小は小さ過ぎて入らない。

ストーブはクッカーの中に入れると収納ケースが省ける。ソフトタイプの収納袋のままだと、自転車の振動でカバンやストーブ各部を傷めるおそれがある。

こうしてハードタイプの容器にいれて、あとは緩衝材のウエスを隙間に詰めるといい感じになるだろう。ただし、角クッカー小は別々に持つことになる。

なぜ私は重たいアルミのクッカーを使用いているのかというと、ご飯を炊いても焦げにくいためだ。特に火力の強く調整のしにくいガソリンストーブの場合、は熱伝導率が高くて焦げにくいアルミの方がいい。チタンは口当たりが良くて軽いが、熱伝伝導率が悪くて焦げやすい。角型はパッキングしやすいのと、注ぎやすい利点がある。

このモリタのクッカー大小のセットは、すでにメーカーのモリタ自体がなくなっているため、二度と新品では手に入らなくなってしまった。同じような角型はモンベルやユニフレームから出ているが、容量が少ない。

オーストラリアではPCT同様に麺類が中心となるだろうが、米が手に入ったら炊飯して食べたい。そのためにはアルミクッカーが必要。

クッカー1個だとスープ類を同時に作れなくて不便なので、角クッカーの小を持ってもいいが、小さい方ではご飯を炊くことはないため、アルミに拘る必要はない。

以前購入したエバニュー チタンウルトラライトクッカー1を使うことにする。
軽量化済みで85g。容量は0.6Lで袋ラーメンを割らずに入れられる大きさ。

多少嵩張るが、セットの角型小クッカーよりも69gも軽くなる。収納袋の重さをいれても50gは確実に軽くなる。この中に潰れてはイケない物を入れておけばいいだろう。

 

今回の軽量化まとめ

今回、風防の自作を失敗したが、収納ケースのみ軽くすることができた。
とりあえず、風防は折りたたみ可能な物を使用するが、再び自作に挑戦してみる。また新しいアイデアが浮かんできた。

あとはストーブの下に敷く遮熱板を変えることで大幅に軽量化が可能となる。
合板の切れ端で作ったもので、重さがなんと115gもある。まな板兼用として使っているのだが、それでもあまりに重すぎる。これは近々100均素材を使用して自作してみる。可能な限り折り畳めるようにしたが、薄いものなのでできなくても構わない。

 

こうしてブログの記事にしてみると、軽量化の方向性が明確となった。
道具選びのポイントは耐久性。いくら軽量コンパクトでもすぐにダメになってしまうようでは使えない。今後は自転車向きの道具を選んでゆくことになる。

軽量コンパクトさを求めつつも、耐久性と使いやすさを重視する。PCTで培ったウルトラライト装備の経験と最近流行りのバイクパキング(Bike Packing)のシステムを取り入れて自分に合うようにしてゆこう。

 

おわり