低気圧接近のためVarleyへ避難する

こんにちは。からあげです。

 

今日、10時前にVarleyという小さな町に着き、町のキャンプ場に逃げ込んだ。冷たい雨の中を走っていたら、体が冷えて震えが止まらなかった。あのまま強風に晒されていたら、精神修行のような辛いツーリングになっていただろう。

オーストラリアは一旦天気が崩れるとかなり荒れる傾向があるようだ。去年の北海道を思い出す厳しい環境。しかし、そんな厳しい自然環境がオーストラリアの雄大で素晴らしい景観を形作っていると言える。風は向かい風になると激しく消耗させられるが、追い風に変わった途端楽に走れるようになる。何でも一長一短がある。そんなことを再確認した日だった。

6月7日現在、南西の海上から低気圧が接近中のため、晴天の日々から一転して天気が崩れてきた。ここ最近の追い風に助けられて天気がいいうちにWave Rockを見学できたのは非常にラッキーだった。

寝る前に天気図を確認すると、朝方から雨が降り出すようだったので、5時前に起床して出発の準備を始めた。昨日夕方一旦風が弱くなったものの、その後風が強まり一晩中強風が吹き荒れて、風の音が気になってなかなか眠れず。3時頃急に突風が吹き自転車が倒れ、4時ころになるとポツポツ雨が降り始めた。

食事を済ませてもまだ外が真っ暗で活動するには早かったので、しばらくテント内でじっとして待機していた。そして明るくなり始めたころにテントを出て撤収作業を開始した。まだ雨は小降りでさほど降っていなかったので、荷物をあまり濡らさずにパッキングをすることができた。

今日は6時半すぎに出発。路面状態がなんとか分かるくらいの明るさだった。

前部のライトは点滅させて走った。
常時点灯だと電池の消耗が激しいし、最低限の明るさしかないため目立ちにくいため。

今回は夜間走行を全く想定していなくて、貧弱なライトしか装備していない。外灯が全くない道を走るのは、このライトでは心もとなさ過ぎる。

後部のライトはいい仕事をしてくれていた。十分とは言えないが、まずまず目立って後続車にアピールしてくれる。

日本では明るくなると、日の出前でもヘッドライトを消す車が多いが、オーストラリアでは日が出てからもしばらく点灯してくれるので非常に助かる。

出発時は小降りだった雨は一時止んでいたものの、次第に本降りになる。風は強くおっさんの背中を思いっきり押してくれる。

どうしたんだ?最近サービス良すぎだろ。

11月〜2月までの間はキャンプファイヤー禁止

今は比較的雨の多い秋で、山火事の現場は目撃したことはない。

今日の目的地は50km先のVarleyまで。スマホアプリのWikicampsによると、町には無料のキャンプ場がある。なかなか快適な場所らしい。

今回の天気の崩れはしばらく続きそうなので、キャンプ場にゆっくり滞在して体を休めることにした。ちょうどいい休養の機会だ。

干上がった湿地帯に水が溜まり始めている。それほど雨が降ったわけではないのに、このような状態。赤茶けた土は保水力がなくてすぐに流れてしまうのだろう。

今日水溜りのある道路を走って気が付いたのだが、泥除けがなくても全く水跳ねがない。
ダウンチューブ上側に付けたMSRの燃料ボトルが水跳ねを防いでくれている。

ランドナーには定番装備の泥除けだが、私は必要性を全く感じない。汚れないよりも安全の方が遥かに重要と声を大にして言いたい。泥除けよりもよく効くブレーキ。つまりディスクブレーキ。荷物を満載してただでさえ効きにくいブレーキが雨に濡れてさらに効きにくくなる。

今回、機械式ディスクブレーキ搭載のディスクトラッカーでやって来たが、雨天走行のストレスが少なくなった。その結果、より集中して自転車に乗れるようなった。特に長い下り坂での安心感が頼もしい。選んで良かったディスクトラッカー。

間違いなくいい自転車なのだが、オーストラリアではまだ一度も見ていない。兄弟車のロングホールトラッカーでさえも。定番過ぎて敬遠されるようになったのか?

Varleyまで13km、Lake Kingまで54km

HydenからAlbanyまでのルートは、安全確実な舗装路を通ることにした。Hyden~Varley~King Lake~Ravensthorpeに出て、海岸線のHwyをゆく。内陸部は道がゴチャゴチャしていて分かりにくい。未舗装の道を走って近道もできるが、自転車とおっさんの安全を最優先させた。

Varleyまであと5kmの標識を見た時は、すでに全身ずぶ濡れだった。カッパ上下を着用していたにも関わらず浸水した。長年使用したままで防水スプレーを掛けていない。

寒さで手がかじかんでデジカメのシャッターボタンがなかなか押せない。

追い風の強力なバックアップのお陰で10時前にはVarleyの町に到着した。なかなか町が現れないものだから、ついうっかりして通り過ぎてしまったと思った。

良かった町があって。

まっすぐ無料キャンプ場にやって来た。
雨が降っていてあちこち水溜りが出来ている。他のキャンパーの姿はなし。

こんな嵐のような日にキャンプしている場合じゃない。

東屋の下に自転車を停めて、キャンプ場内の施設を確認する。

その後で小屋に逃げ込む。
入り口のドアがなく、自転車をそのまま入れられる構造だった。

水を滴らせて小屋の中に入ると、ようやくひと心地つくことができた。しばらく寒さで震えが止まらず。濡れたカッパを脱いで防寒着を着る。

ストーブでラーメンでも作ろうかと思ったが、面倒くさくてやる気が起きず、持ってきたお菓子を食べた。

いくら人が来ないからとは言え、小屋の中でテントを張って占拠するわけにはいかず、外でテントを張ることにした。
とは言うものの、外は風が強くテントを張れるような状態ではない。頑張って物置と塀の間に張ろうと試みたが、思わぬ突風で吹き飛ばされて撤退を余儀なくされた。

地面は砂地でペグがすっぽ抜けてテントを固定できない。
何かないか探していたら、積み上げられたレンガを発見した!

続いて念入りにキャンプ場内を歩いてどこかに張れる場所がないか探した。すると壁際が一番風が弱いことに気が付いた。
水入りペットボトルを重しにして時間を掛けてテントを張り終えた。

テントは風に立てて張り綱をガッチリ固定すれば、多少の嵐は全然平気♪しっかり張り綱を張れるかが重要になる。

一人で設営する場合は、風の弱い時を見計らってすばやく行う。日頃の訓練の成果を試される時。

それにしてもアライのエアライズは惚れ惚れする耐風性能だ。
強い風に吹かれても受け流す。旗を立てて風向風速が分かりやすいようにした。

いやあ、一時はどうなることと思ったぞ。テントを張れて良かった。

味のある鶏の絵。

どこかで鶏を飼っているのだろう。

テントを張って落ち着いたら、玄米ご飯を炊くことした。
一台車が入ってきたが、中のようすを見て出て行った。

悪天候で自分以外はいなくて快適に過ごすことができる。遮蔽物がなかったら、とてもではないがテントを張れなかっただろう。いつもはそこら辺でブッシュキャンプで、悪天候時は町でキャンプ。

たっぷり炊いた玄米ご飯。

つけ置き時間が短い場合は、途中で水を足すといい感じで炊ける。以前読者から教えて頂いた炊き方でビックリ炊きと言うらしい。一晩つけ置きしたものには敵わないが、そこそこ美味しい。

ご飯を食べてから昼寝をすると、起きたら8時過ぎで真っ暗になっていた。再びご飯を炊いて食べてゆっくりする。休養時は体にいいものをたくさん食べておかないと体が回復しない。

よし、そろそろ止めにしてゆっくりしようか。

今日は電気もあるから、久し振りにネットし放題だ!

走行データ
Varleyまで約50km走行する。
走行時間2h55m、Av18.2km/h、Max34.3km/h
ねぐら Varleyキャンプ場
 
おわり