天国と地獄を味わった一日

こんにちは。からあげです。

 

Adelaideの町で3泊してしっかりと休養をとり、チェーン交換をして出発の準備は整った。明日から天気がしばらく崩れるようなので、天気がいいうちに雨の降らない乾燥地帯に逃げ込みたい。

ということで今日も5時過ぎに起床して準備を整えて、7時ころにねぐらを出発する。昨晩は遅くまで競技場から歓声が聞こえていたが、途中で耳栓をして眠ったのでその後どうなったかは不明。テントを張る前に現れた不審者はその後現れることはなし。

夜明け前だというのに、市内は交通量が多く慎重な運転を心がけた。まだ市内はいい。たいてい自転車専用レーンがあるから。問題は郊外に出てからだった!

20分ほど走っただけで、まだAdelaide市内だというのに田舎町のような雰囲気になった。やっぱり私はAdelaideのような町が好きかもしれない。

郊外に出ると工場や倉庫が立ち並ぶ工場地帯になった。徐々に大型車の交通量が増えて来て緊張を強いられる走行になってきた。

まだ路肩が広いところはいい。こうして写真を撮っていられるから。

工場地帯を走っている時、突然後方から来たロードバイク集団に追いつかれた。この時、車の流れが悪くなってきたところで、あまり後方確認をしなくなっていた。

突然、後ろから声を掛けられたかと思うと、追い抜きざまにあれこれ言われた。一緒に走ろうぜ!みたいな。

一旦抜かれたものの、意外にゆっくりだったので、風よけに利用すれば、楽して走れるかもと思って頑張って加速して後ろに付けた。この時スピードメーターは30km/hを示していた。普段15km/h前後がやっとだというのに、今日は体調万全で20km/h巡航ができていた。その後も頑張って付いていったが、途中でこのままだと完全にバテると分かって離脱した。

やっぱりロードバイクはツーリングバイクとは別ものだ。乗っていた人たちも多分かなり凄い人。サポートカー2台を従えて、前方サイクリスト注意の標識まで車に付けていた。

ロードバイクの集団が完全に視界外から消えたあとも、なかなか息が落ち着かなかった。スローペースに落としてしばらくすると、ようやく落ち着くことができた。

余計なことするんじゃなかった!

その後もしばらくは流れが悪い道を走行することになったが、車が遅い分逆に安全に走行できて楽だった。

大型車の荷台からは生ゴミのような異臭が臭ってくることが度々あって、市内の家庭や商業施設から出たゴミを郊外のどこかに持ってゆく途中のように思われた。

郊外に出ると道はスカスカ。時々団子状態の集団が通るので要注意。

途中で補給と休憩を兼ねてTwo Wellsに寄る。小さな田舎町といった雰囲気だった。お店で会計を済ませる時、あまりに素敵な笑顔の女性にドキドキしてしまった。まさに天使のような笑みだった。一体どうすれば、あんな風に笑えるのか不思議でならない。日本ではほとんど見かけることはないが、海外だと男女問わずたまにある。

大都市のスーパーだとたいてい不貞腐れたおばちゃんがレジにいるので、できるだけセルフレジを使うようにしている。

Adelaideの圏内から脱出し、交通量が減って来たところで事件は起きた!

片側2車線の中央分離帯あり路肩が20〜30cm、白線の内側30cmくらいのところを走行していた。
交通量が減って来たとは言え、車が完全に途絶えることがないくらいの往来はある。大型車の割合が高いため、ミラーで後方の確認を頻繁にしていた。注意力の配分は前方4割、後方6割くらいに。

後方から接近してきた左車線を走行する大型車は、100km以上のスピードを出していると思われた。かなりのスピードで近づいて来ているというのに、右にハンドルを切って避ける素振りを見せない。その後もミラーをじっと見続けていたが、直進し続けている。そのまままっすぐ来られると、路肩にいっぱいに寄っても引っ掛けられる恐れがあるので、道路外に出てトラックをやり過ごす。そのまま道路内を走行していれば、まず間違いなく轢かれてバラバラにされていた。

私の側を通過したあとで、トラックの挙動がおかしくなっていたので、スマホをイジっていたか、鼻くそをほじっていたかして前方をよく見ていなかったのだろう。直前で慌ててハンドルを切ったが間に合わず通り過ぎたあとでフラツイたという状況。

命拾いしたあと、次のレストエリアに入ることにした。
気分がむしゃくしゃしていたし、お昼時だったのでラーメンでも作って食べて気分転換しようと思った。

大きな東屋付きのレストエリア。ちょっと屋根が高すぎやしないかな?

ここはDump Pointと言って、キャンピングカーが糞尿や生活排水を処理するところ。ちょっと違和感があるのは、すぐ近くに飲料水の蛇口があること。

キャンピングカーにとっては使いやすいのだろうが、どうしても不衛生に感じてしまう。ここは浄水済みの水が出る貴重なところ。文句は頭の中で思うだけにして、ペットボトルに水を汲んだ。

日陰に座って昼食の準備をしていると、車でやって来た爺さんから素敵なプレゼントを頂いた!

まさかこんなところで貰えるとは思っていなかったので、非常に驚いたと同時に嬉しくなった。先ほど死にかけたことはすっかりどうでもよくなった。

キンキンに冷えたコーラ。

おや、珍しい。自転車野郎があそこで休んでおるな。よし、なんか持っていってやろう。

爺さんはものを渡すだけ渡すと、回れ右してすぐに車に戻っていった。せっかく貰ったコーラが温くなるとイケないので、すぐにコーラを飲み干した。いやあ本当に嬉しかったな。

さらにしばらくして、今度はシンガポールの方がやって来て話しかけて来た。冷えたコーラなどを貰ってご機嫌だった私はあれこれ答えているうちに、なんと100ドル札を頂いてしまう!三つ折りで貰ったので、緑色の札ということしか分からなかった。はて、これまで緑色の札なんてあったかな?そんな風に思ってポケットに突っ込んで話を続けていた。

今回は娘さんの大学に夫婦でやって来たのだそう。先日Adelaide大学では卒業式が行われていたので、たぶん娘さんの卒業式に出るために遥々シンガポールからやって来たのだろう。娘さんはいなかったので、後片付けを済ませてから戻るのか、はたまたオーストラリアで就職するのかもしれない。

彼も自転車でツーリングをするそうで、私の自転車を興味深くみていた。彼の話す英語は非常に聞き取りやすかった。私も頑張って英語の勉強をして早く話せるようになろう。乾燥地帯に入れば、電気不足が解消されて、スマホ使いたい放題になるので、スマホに入れてきたラジオ英会話を何度も聞いて勉強しよう!

レストエリアで水を汲んで合計7Lの水を持った。
水場が少ない乾燥地帯を走る前に、少しでも水を多く持って重たさに慣れておきたいのもあるし、いつも水のことを気に掛けながら走りたくないというのもある。

後ろカゴの横に縛り付けている1.5LコーラのペットボトルはAdelaideで拾ったもの。あともう一つ手に入れる予定だったが、大きいのが見つからなかった。500ml前後の小さいボトルならよりどりみどりなのだが、大型となるとなかなか落ちていない。

今日道路脇に1.5Lのペットボトルが落ちているのを見つけたが、わざわざ戻ってまで拾う気にはなれず。まだ拾うチャンスはいくらでもある。行く先々のレストエリアのゴミ箱を漁れば必ず見つかる!そう見つけるんだ!

楽しいツーリングは安全であってこそ実現される。
いやあ、これで見落とすかね、普通。

オーストラリアのサイクリストは、道路工事の人が着るような蛍光の黄色やオレンジ色のベストを着用しているのを見かける。私は黄色のウインドブレーカーを着ているので、まあベストまでは必要ないかな。

Tシャツ一枚で走る時は、少しでも目立つように後ろカゴのロープに挟んでいる。それでも高速で接近する車には不十分かもしれない。時速100km/hで走る車は一秒間に約28mも進む。少しでも早めに発見してもらった方がいい。できればリアに高輝度のLEDランプを付けたいのだが、そうすると今度はバッテリー問題に頭を悩ませることになる。それで今回は電池不要で目立つピンク色の旗を自作したのだった。

オーストラリアでこそ高輝度LEDランプは効果を発揮するだろう。

路肩が50cmほど広くなっただけで消耗具合が全然違う。
車にはたいしてありがたみのない路肩だが、自転車には非常に重要。

拡張してくれてどうもありがとう!

ミラーのおかげでおっさんの命は助かった。

Adelaideで手に入れたミラーと既存のミラーのいいとこ取りをして完成した。多少の振動でも全然視界がブレないし、ミラーもズレず調整要らず。本当に使いやすくなった。

これまでオーストラリアで4人ほどのサイクリストに会ったが、ミラーを付けていた人は誰もいなかった。なぜミラーを付けないのだろうか?ミラーがあると助かる命もある。

運転マナーの悪い発展途上国を走ったら、避けないと轢かれて死ぬような出来事が毎日のように起こるかもしれない。まだオーストラリアだから、一月間走って1回になっている。

これからは後方から接近する車の確認を一台一台やっていこう。精神修行と身の安全のためだ。海外に楽しく走るためにやって来たのに、車に轢かれて死んだら意味がない。道端に転がるカンガルーのようにはなりたくない。私の死場所はきっと他にある!

ビュンビュンと過ぎ去ってゆく車。
交通量が少なくて右車線に簡単に避けられるのに、そのまま嫌らしい距離で抜いてゆく車。なんなんだろうね本当に。

ろくに仕事もしないで自転車を漕ぐことがそんなに悪いのか!命まで取られないとイケないことなのか!!

これからドライバーは血の通っていない機械だと思うことにする。機械だから融通が効かない。予めプログラムされた通りにしか動かない。自分で考える頭がない。このくそったれめ。

大型車のイメージ画像。
こんな大きなトラックが時速100km/h以上で走っている。そんな道を自転車で走っている。高速道路を走っているようなもの。

正直すっごい怖い。

今日からRoad Trainと表示されたトラックを見かけるようになった。最大で3両編成まで。今後4両編成の長大なロードトレインに遭遇することだろう。

どうなることやら。

今日は午前中飛ばしまくって10時過ぎには走行距離が60kmを越えていた。本当にビックリ。午後からは急に失速していつものペースに落ち着いた。

レストエリアで休み休みゆく。

途中、陸軍の演習場のようなところの横を通った時、となりの未舗装の道を迷彩柄のトラックが猛スピードで走るものだから、砂煙で道路が視界不良になった。

写真はかなり視界が回復した時のようす。本当にやばかった。
プップじゃねーよ。挨拶はいいからスピード落とせ。

その後も変わらない風景が続く。周囲は荒れ地。
牧場は見当たらなくなった。乾燥地帯で草が育たないのだろう。

いつの間にか鬱陶しいハエが増えた。これがアウトバック名物か。ハエがアブだったら、発狂ものだろう。

次の町の手前になってようやく片側1車線になった。

中央分離帯があると、正面衝突の危険はなくなるが、ドライバーの緊張感がなくなり、だらしない運転になるような気がする。

やっぱりよそ見していたら死ぬかもしれないという命の危険が必要だ。サイクリストばかり常時危険にさらされるのは納得いかない。車も少しは危険を味わえ。

いやあ本当に真っ青な空。今日の目的地Port Wakefildまでやって来た。海岸近くのレストエリアはキャンプ禁止の表示がされている。近くにキャラバンパークがあるからか。

公衆トイレのある広場に大きな木が生えていた。

デカイ割には樹齢が数百年だったような気がした。

町外れの荒れ地に出てねぐらを探す。

もう今日は十分走った。そろそろ休もう。

道路から見えない木の影にテント設営した。
風が多少吹いていたが、日が沈むと収まってくれた。

明日は昼前から雨雲が掛かるみたいだから、いつもどおり早起きして少しでも雨雲から遠ざかろう。あと50kmほど走れば、雨が降ってもそんなに大したことにはならないだろう。少なくとも以前のようなずぶ濡れみたいにはならんだろう。

さあて、夜も更けてきたことだし、さっさと寝るか。

走行データ

Adelaide市内〜Two Wells〜Port Wakefild
走行距離 104km 
ねぐら  町外れの荒れ地

おわり

現地レポート
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からあげ隊長の冒険