オルトリーブ(ORTLIEB)パニアバッグの改造と軽量化

こんにちは。からあげです。

はじめに

たとえ荷物を満載できる丈夫な自転車でも、キャリアとバッグがなければ、ただの自転車だ。多くの荷物を積むことはできない。今回は自転車旅行者にとって大事なバッグの話。

チューブス(cubus)のキャリア、シュワルベ(SCHWALBE)のマラソンタイヤに並び、世界一周サイクリストたちにとって三種の神器となるオルトリーブ(ORTLIEB)のパニアバッグがある。これは日本だけではなく、世界各国のサイクリストたちに共通する認識だ。不思議なことにメーカーは全てドイツとなっている。

完全防水でしかも耐久性抜群、キャリアにワンタッチで付けられるパニアバッグ。それがオルトリーブだ。2018の北海道ツーリングでは、7割くらいのサイクリストがオルトリーブのパッグを使用していた。

 

オルトリーブバッグの良い点と不満な点

去年、Panasonic OJC4の納車のあとで、直ぐに購入したもの。
フロントは目立つオレンジ色で、リヤはグレー。
前後バッグの色を変えた方がカッコいいというのはあと付けの理由で、実際はオレンジが一番安かったのが、本当の理由。

バッグの生地は分厚い帆布で表面にしっかりとした防水コーティングが施してある。縫い目のない特殊製法により完全防水を実現している。

オルトリーブバッグ最大の特徴、完全防水のほかに、ワンタッチで簡単に付け外しができること。いくら丈夫で完全防水と言っても、付け外しに手間が掛かるようでは使いづらい。

肩から下げられる肩紐も付いている。

こうしてみると、全てが良いように思えるが、実際使ってみるとあれこれ不満なところがある。
その一つは肩紐。

これまでを思い出してみると、ツーリングや日常生活でも、肩紐を使うことは一度もなかった。何度か試してはみたものの、肩紐の付け根の生地が突っ張って傷みそうで止めた。しかも肩紐はバッグにキッチリ付けておかないと、ホイールに巻き込んでタイヤがロックする危険もある。

初期に付いていた滑り止めのゴム当てとコの字型の押さえは、北海道ツーリングの途中で邪魔になったので、取り外して処分した。

 

肩紐のゴムパッドなどの取り外し

肩紐に付いていたゴムパッド。
リヤのバッグのものは取り外して、フロントのバッグのみ肩紐を付けていた。

紐の末端のプラスチックパーツ。これも邪魔。

不要なゴムパッドとプラスチックパーツを外して軽量化した。

 

バッグの肩紐と口の閉じ方

肩紐がホイールに巻き込まれないように、必ず下のフックに掛けておきたい。
こうするとバッグの端を押さえ付けられて、中に雨水が入らないようになる。

しかしフックが曲者で、平たい肩紐を隙間に嵌めるような仕組みとなっている。カバンを開け閉めする度に、いちいち付け外しせねばならず、これが本当に面倒くさかった。

荷物をたくさん入れて肩紐を使ったら、まず間違いなく付け根が千切れてしまうことだろう。こんな使いもしない肩紐のために煩わしい思いをするのはまっぴら御免だ!

きちんとバッグを閉めた状態。
横から見るとこんな感じになる。

荷物の膨らみを押さえて口の端の部分を押さえるようになっている。

上から見たようす

バッグの口は折り曲げてから、プラスチックバックルで留める仕組み。
廉価版のシティーとは違い、上部をバックルで留められるようになっている。この紐に洗濯物を挟んで乾かすこともできて何かと便利。次回、シティーと通常のバックローラーのどちらかを選ぶなら、間違いなく次回もバックローラーの方を選ぶ。

ファスナーだとどうしても耐久性が低くて壊れやすいし、隙間から雨水が入ってきてしまう。バックル方式の方がシンプルで開け閉めしやすくていい。

肩紐を取り外した状態で丸めて閉めると、カバンはこのようになる。
口の端に付けたプラスチックバックルが飛び出て見苦しい。

この状態だと、肩紐同様にホイールに巻き込まれる恐れがある。

横からみたようす。
支えの肩紐がなくなって、お腹のあたりが少し出ているように思える。
矯正下着で押さえていた腹が出たような感じだ。非常にかっこ悪い。

バッグは横に出ると走行安定性が悪くなる。
バッグはできるだけ自転車に密着させた方がいい。

このように肩紐を付けるプラスチックバックル同士を繋げると良さそうに思える。だが、閉め方が悪いと隙間から雨水が入って中が浸水する。一度、このような閉め方をして下の荷物が水浸しになった。先に丸めてからバックルを繋ぐ。廉価版のシティーは、このように口のバックル同士を繋いで閉める仕組み。

完全防水のオルトリーブのバッグだが、正しく使わないと浸水するので注意したい。
一旦浸水して中が濡れると、完全防水なだけに全然乾いてくれない。
天気の良い日の休憩中には、バッグの口を開けて湿気を飛ばすようにする。そうすればカビが生えることはない。

バックル同士を繋いだ状態で口を閉めたようす。
こうしてちゃんと閉めると、浸水することはない。

ただし、この閉め方だと中に荷物をたくさん入れられない。容量の7割程度まで。
肩紐を使えば、容量いっぱいまで積められる。雨さえ降らなければ、口を完全に閉められなくても問題はなし。
これが廉価版のシティーと通常版のバックローラーの最大の違い。

 

不要なバックルの取り外しと肩紐の交換

本当に邪魔な肩紐。しかし、取り外してしまうと都合が悪い。
そこで細いロープに変えることにした。

ロープに変えると、このプラスチックバックルも必要なくなる。こんなもの付けていると邪魔なだけ。

不要なものは一切要らない。それがおっさんの美学。

肩紐の代わりに使用するのは、太さ3mmのナイロンロープとコードロック。
ロープの長さ調節のためにコードロックを使用する。ロープは2mmではなく太めの3mmを使用することにしたのは、扱いやすいようにと、ロープで擦れてカバンが傷まないようにするため。

3mmのロープだと、コードロックの穴の大きさは直径6mm程度が適当。穴が大きすぎるとズレやすいので、ロープの太さに合わせたものを使用する。今はAmazonでもコードロックは販売されている。傷んだ道具を処分する時に、再使用できるパーツをとっておくといい。

 

プラスチックバックルの付け根で切り落とす。
始め解れてこないように折り曲げて縫おうと思ったが、無駄な作業だと思い直して真っ直ぐに切り落とした。

切り口はライターで炙ってほつれ止めをしておく。

ロープは8の字結で縛っておくと緩まなくてよい。

輪っかにして縛る8の字結びはちょっとしたコツがある。
このようにあらかじめ8の字結びをしてから輪っかに通す方法だと簡単だ。

折り返して既存の8の字に沿わすようにしてロープを通す。
キレイな結び目となるように整えておく。

あとはロープの端をある程度出し、引っ張って結び目を整える。
この方法だと簡単に8の字結びができる。

切った部分にロープを通した状態。

こちらは小さい方のスポーツローラークラシックでペアで容量は25L。

以前はフロントローラーという名称だったが、フロントに限定しない使い方ができるので、容量が少なくて軽量なこちらをスポーツローラーと改名している。

片方の端にはコードロックを付けて長さ調整しやすくしている。これだと余ったロープがブラブラしなくていい。

横からみたようす。

違和感は全くなし。非常にスッキリした感じがする。

平ぺったい紐から丸いロープにしたことで、格段に操作しやすくなった。

面倒くさかったフックへの付け外しも非常に楽になった。
自転車に跨った状態でも簡単に操作できて、前バッグの中の荷物を出し入れできる。

こちらは容量の大きいバックローラークラシックで、容量はペアで40L。
トンネルの側壁に擦って少しキズが付いたので、パッチ当てして修理しておいた。

横から見たようす。

これがロープを取り付ける前のようす

コンパクトさが全然違う。肩紐からロープに付け替えて良かったと思う瞬間だった。

取り外したバックルと肩紐は予備と自作の材料にする。

壊れやすいと言われている上部のプラスチックバックルも、予備が4つもあれば安心だ!
長時間紫外線を浴びることになる上部のバックルは劣化しやすいのだろう。

世界一周サイクリストたちの酷使の仕方は半端じゃない!

仕上がりのようす

折りたたんだ状態でも嵩張ることはなくなりスッキリとなった。
この押さえ用の3mmロープは他に優先順位の高い物のロープが傷んだら、これを外して交換したらいい。まあ、このロープはあったら便利な程度のもので、絶対必要というわけではない。

 

改造したオルトリーブバッグの感想

バッグを改造したあと、東京から愛知まで新車を自走して帰るときに長い距離を走った。
開け閉めがしやすくなり、フロントなら自転車に跨ったまま、バッグの中の荷物を出すことができるようになった。余計な物がなくなって見た目もスッキリ。気持ちよく使える。
今回の改造で不具合はなし。ツーリングから日常生活での使い勝手が大きく向上した。めでたしめでたし。

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