自転車にオートバイ用の可倒式ミラー(ラフ&ロード RALLY690)を取り付ける

こんにちは。からあげです。

はじめに

以前から不満だったことは、「自転車用のミラーには、まともなものがない」ということ。
ミラーは安全確認のために欠かせない重要なものなのに、なぜか見た目重視でミラーが小さくて見づらかったり、過度の軽量化で強度が不足していて、ぶつけるとすぐに壊れたり、と本当に使えないものばかり。

これまではドロップハンドルのバーエンドにミラーを付けていたが、視点移動が多くて肝心な時に見づらかった。

 

自転車のハンドルバーは直径22.2mmでオートバイと同じ。ネット検索してみると、自転車にオートバイ用のミラーを付けている人の情報がちらほらと出てくる。
なんでもオートバイ用ミラーは丈夫で一生モノらしい。早速、私もマネして取り付けてみることにした。

私があえてドロップハンドルからマルチポジションハンドルに交換した理由は、ミラーを取り付けしやすくするためでもあったのだ。

 

可倒式ミラー ラフ&ロード RALLY690

選んだミラーは可倒式のラフ&ロード RALLY690。以前Kawasakiのスーパーシェルパに乗っていた時に付けていたもの。驚くべきことに、20年近く経った今でも当時と全く変わりなし。
収納時や自転車カバーを掛ける時に邪魔にならないように、完全に倒れるRALLY690にした。

オフ車定番ミラーには、ほかにタナックス ナポレオンラジカルミラーがある。ミラーが完全に倒れないという大きな欠点があるが、安価で左右共通なところがいい。このミラーも以前使ったことがあり、完全に倒れない構造であることを知っていた。

ミラー(RALLY690)は右正ネジ用を選択。取り付け用のネジは10mmで強度は十分。
ミラーのほか別途ハンドル取り付け用のホルダーも購入した。

ミラーRALLY690は左右の区別がある(左右非対称)ので注意が必要です。

RALLY690 商品情報
可倒ステー・フルアジャスト機能・三次元ステーと機能満載。転倒時のダメージを研究し尽くしたミラーです。RALLY独自のユニバーサル機能によりミラーの細かな位置調節が可能。ライダー・車体にあったミラー位置を見出せるため、後方視認性もUP!
ベーシックな左右10mm正ネジ仕様に加えて、SEROWやWR250R/XなどのYAMAHA車にも対応する右側10mm逆ネジ仕様(RY690R2)もラインナップ。

 

重量は262g。
かなりの重量アップになるが、安全のためには仕方がないだろう。

ガラス製の大型ミラー(ガラス 直径102mm)で、歪みはなく非常にクリア。

ミラーの角度・位置を調整可能。

隠れた3次元テクノロジー ユニバーサル機能搭載でミラー調節は思いのまま。
切り欠きが付いてステーは可倒式になっている。

ピロボール部分を分解する。
ユニバーサルハウジング中にはブッシュとスプリングが入っている。

ピロボール部分

ネジを締めすぎると、ピロボールの付け根が折れることがあるらしいので注意が必要だ。

左からハウジングロックナット、ボティーボルト、ボティーロックナット。

ミラー取り付けには17mmスパナ2本必要となる。自転車には重たくて嵩張るスパナ2本の携帯は正直キツい。六角レンチだといいのだが。

ボディーボルト内にブッシュとスプリングが入る

スプリング

ブッシュ

凸部にスプリングを取り付ける。

ブッシュの凹み

ピロボールが当たる部分。

取り付け前、一度分解してピロボール周りにグリスを塗布しておく。

 

キタコ ユニバーサルミラーホルダー

ハンドルバーにミラーを取り付けるには、ミラーホルダーというパーツが必要。
ミラーに合わせて正ネジ10mmのものを選択した。

 

よこから見たようす

アルミ削り出しで高級感が漂う。重量は37g。

ネジ穴部分を見下ろす。

ミラー取り付け作業

ミラーはマルチポジションバーの右上に取り付けた。
定位置は手前のフラット部分。ここが邪魔にならず、ミラーがもっとも見やすい位置。

ミラーを倒した状態

取り付けのポイントは、自転車を倒立させてもミラーが当たらないこと。
出先で整備する時に倒立させたいため。

ハンドルが幅広になって、倒立させた状態でも安定するようになった。

ホルダーは汎用Φ22.2mmだが、しっかりと締め付けてもわずかに動く。

そこでビニールテープを巻いてから締め付けることにした。
するとしっかりと固定できた。

取り付けが完了したミラー。

斜め上から見たようす。

試しに近所を試走すると、ちょっとした段差でもミラーが倒れてしまうことに気がついた。
ミラーはこのように前方に大きく突き出した状態のため、余計にアームが倒れやすくなっている。
サスペンションがない自転車は、少しの段差でもかなりの衝撃を受ける。

しっくりこないオートバイ用のミラー。
ものは試しにと、これまで使っていた自転車用のミラー(タナックス ベロガレージ イージーミラー)を取り付けてみた。

ミラー本体はガラス製で歪みなく見やすいが、ジョイントホルダーと呼ばれるプラスチックパーツが割れやすく信頼性に欠ける。これまで2個購入して使ったが、2個ともジョイントホルダーが割れた。そのうち1個を瞬間接着剤で修理して別の自転車に付けている。

 

ミラー本体は悪くない、だがジョイントホルダーの強度が圧倒的に不足している。
ミラーを回してハンドルの内側に格納してみた。いい感じなのにもったいない。

段差でミラーが倒れるのを防ぐために、つっかえ棒を付けてみるとこにした。

竹の棒の先端を針金で前カゴに固定する。悪くはないアイデアだったが、ミラーを倒す度に付け外しが非常に面倒臭い。

結局、この方は止めてミラーを立てた状態で取り付けることにした。(倒立させるとミラーが当たるので、ホルダー固定ネジを緩めて当たらない位置に回す必要あり。)

ミラーを立てたり倒したりしているうちに、ピロボール部分のペンキが剥がれてきたので、キレイに拭いてグリスを再充填しておく。

新品のミラー取り付けでは、これは必ず必要な作業。

ペンキが剥がれてピカピカになったピロボール。
滑らかに動くのはいいのだが、ミラーが倒れやすくなるのは考えもの。かと言って、動きが鈍いとピロボール付け根で折れるおそれあり。とても困ったやつだ。

 

ミラー取り付け完了後の詳細チェック

試行錯誤してようやく取り付けが終わったオートバイ用のミラーRALLY690。

では詳細をチェックしてゆこう。

正面から見たようす

ミラーは大きくなり、長いアームで視点移動が少なく、圧倒的に見やすくなった。この点は非常に満足。

走行中の写真

ミラーに写る像はクリアで非常に見やすい。
ただ、段差があるところではブレやすく、アームが段差の衝撃で倒れてくる。

後ろから見たようす

ミラーの存在感はバッチリ。周囲のドライバーには安全に配慮するサイクリストだと伝わることだろう。

ミラーのようす

横から見たようす。

段差を越える時にミラーが倒れにくいように、立てた状態で固定した。

これで多少はマシになったものの、ボディーボルトを強く締めても倒れてくる。
あまり締め付け過ぎると、ピロボール付け根が折れることがあるらしいので注意が必要だ。

ナット部分には蛇腹状のゴムが付く。

ビニールテープを巻いて取り付けたミラーホルダー。
しっかり固定できるようになった。

ゴムの蛇腹をとってナットとボルト部分を出す。

フルアジャスト機能搭載で好みの位置に調整可能。

ミラーを倒す

寝かした状態から立てた状態に変更した結果、自転車を倒立させるとミラーが当たるようになった。

ハウジングに切り欠きを付けて完全に倒すことができる構造となっている。

切り欠き部分を上から見る。

折りたたんでも、大きく出っ張っている。

角度を変えた写真。

 

オートバイ用ミラーを取り付けた感想

オートバイ用のミラーは丈夫で見やすいのは確かだった。
目の前にあって視点移動が少なく、ミラーが大型で非常に見やすい。

収納を考慮して可倒式ミラーRALLY690を選択したが、少しの段差でもミラーがブレたり倒れてきたりするため、全然使えなかった。

しっくりこないマルチハンドルバーに、自転車では使いものにならないミラーだったこともあり、このあとドロップハンドルに戻して、元のように自転車用のミラーをバーエンドに取り付けた。結局元のまま。

スーパーシェルパで使っていた時は、舗装路ではミラーが倒れてくることは少なく、高速走行すると風圧に押されて倒れてくることがあるくらいだった。未舗装路では次第にミラーが倒れてくるので、倒したまま走ることが多かった。

 

可倒式ミラーはとても便利な代物に思えるが、実際使ってみるとそれほどいいものではないことが分かる。自転車にはサスペンションがなく(MTBを除く)、小さな段差でも衝撃が加わりやすい。走行中は常にミラーの位置を調整する必要があって、注意が逸れるし、片手運転になり、安全になるどころか逆に危険になった。

取り付け取り外しに17mmのスパナ2本が必要なのは大きなマイナスポイント。人力の自転車にとって、ロングツーリングの時にスパナ2本を携行するのは辛い。ひとつは小型モンキーで代用しても、もう一つは必要。

こうして試しに取り付けてみると、「やはりオートバイにはオートバイ用のミラー。自転車には自転車用のミラーが良い。」という結論に至った。
今後も見やすく使いやすいミラーを探し求めてゆこう。