熊野古道~大峯奥駆道を歩く(順峰)~【2日目】

こんにちは。からあげです。

 

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熊野古道 大峯奥駆道を歩く【2日目】2018年5月吉日

コース概要

香精山手前~笠捨山~地蔵岳~深仙の宿(泊)
水汲み場所 平治の宿、深仙の宿


*右下の「山行記録のページへ」をクリックすると、詳細なルートマップを見ることができる。

 

香精山手前から笠捨山まで

夜、気温がほとんど下がらずに暑いくらいで、タープが風に煽られてバタバタ音を立てて人の足音のように聞こえた。5時前に起床してゴソゴソと活動を始めると、お尻に鋭い傷みを感じた。何だろうと思って触ってみると、ダニに咬まれていた!お前はなぜ痛くする?痛くなければ、好きなだけ血を吸わせてやるのに!

タープを撤収したあとで、そのまま朝食を済ませて、出発の準備を始める。
荷物の多い自転車とは違い、歩きは最低限の荷物のため、直ぐに準備が整うのがいい。

退けた枝などを元に戻して痕跡を消す。
一晩お世話になりました!

本日は歩き始めて2日目で、まだ食料が多くて重たい。無理をせずにゆっくり目のペースで歩くことにする。
本気を出すのは明日からでいい。天気予報によると、吉野山まで下山するまで、なんとか天気が持ちそう。しかし、山の天気は変わりやすいのであまり気にしないようにする。

香精山過ぎの送電線下。
非常に分かりやすい目印となる送電線。地図を見れば、確実に現在位置が分かる。
鉄塔周辺は伐採されて、周囲の景色がよく見えた。

香精山を過ぎると、尾根が一気に痩せてきて険しくなってくた。
しばらくは気を引き締めて歩く。

木の根っこで躓きやすいので注意する。木の根っこで躓いて、膝を岩に強打するなどして、行動不能に陥る危険がある。
一部踏み跡が薄いところがあるが、基本尾根伝いの道なので迷うことはない。
ただし、がけ崩れなどで、道を付け換えてあるところがあるので、注意が必要だ。

夜間の歩行は、道迷い・滑落の危険があるため、修行以外では全くお勧めできない。

地蔵岳手前の鎖場

かなりの長さあり。落ちたら非常に危険。

鎖場を上から見下ろす。
足元に十分注意して力を抜いて通過したい。

ところどころにシャクナゲのキレイな花が咲く。

陶器製のお地蔵さま

頭が大きいのが可愛い。

嫌らしいアップダウンが続く。ここは我慢のしどころだ。

木の根で転ばないように注意。

冷たい風が吹き抜けて気持ちいい。
朝から生暖かくて、すでに大汗をかいている。
激しいアップダウンが確実に体力を奪ってゆく。

 

葛川辻(くずかわつじ)

笠捨山の西側にある分岐。
険しい地蔵岳を迂回するルートが山腹にあるのだが、道の状況は不明。
通行者が少ないため、あまり期待しない方がいい。

葛川と書かれた石碑

水場までおよそ10分、帰りは20分で往復30分。
北側の斜面を下りてゆく。

水場への踏み跡は、葛川辻から見る限りは、かなりしっかりしていた。
手持ちの水に余裕があったので、水を汲みには行かず。

わざわざ水を汲みに行かなくてもいいように、水を多めに持つようにしている。日中気温がかなり高くなる(体感30℃)が、木陰のお蔭でそれほど水の消費量は多くない。

笠捨山の急登を登る。ポールにずいぶん助けられる。
木の根が浮いていて非常に歩きにくい。

8時前、笠捨山山頂に到着!

広々としていて休憩にピッタリ。

2等三角点の杭あり。

山頂でセルフ撮影。
右肩上がりで調子が良くなってきたおっさん。
香精山からわずかの距離だが、厳しいアップダウンが続き、ずいぶんと時間が掛かった。

 

笠捨山から地蔵岳

笠捨山山頂から先に進むところで、東峰へ続く紛らわしい踏み跡があった。
そのまま真っ直ぐ下りて行ってしまうと、全く違う方向に下りていってしまうので注意が必要だ。特に霧など視界不良時は危険。

思わず誘い込まれそうになる踏み跡の手前で、左に90度曲がって別の尾根の方向に下りてゆく。
道を間違えて往復すると、踏み跡が濃くなって、ますます間違えやすくなる。
こうして道間違いしやすい分岐があちこちで生まれてゆく。

行仙宿山小屋

9時前、佐田集落方面に続く道の分岐がある佐田辻に到着した。
ここには行仙宿山小屋という避難小屋がある。

水場は四の川方面へ10分下ったところにある。まだ手持ちの水に余裕があったため、水を汲みに行かず。

行仙宿山小屋全景

かなり大きな建物で、トイレは外にある。この避難小屋の奥に小さな管理小屋があるが、施錠されていて中に入ることはできない。

避難小屋入り口

大きな屋根付きで、靴置き場も設置されている。
鍵は施錠されておらず、自由に使用することができる。

ドアを開けて中に入ると、板の間の広い大部屋となっていた。
床板の上には、クッションマットが敷かれている。

土間の通路の一番奥に設置された薪ストーブ。
薪は小屋の外の薪棚に置かれている。

流しの近くには水の入ったポリタンクがたくさん置かれている。
山岳会の人が水を担ぎ上げてくれているようす。

部屋の一番奥は、一段高くなっていて、下に絨毯が敷かれていた。
ここで寝るのが一番快適そうだ。

物干しコーナー

竹製の物干し竿にハンガーがたくさんぶら下げられている。

携帯電話充電コーナー

屋根にソーラーパネルが設置されていて、携帯電話を充電できるようになっている。

山小屋利用の注意書き。

小屋は、新宮やまびこぐるーぷという山岳会が管理していて、行仙宿山小屋のほかに平治の宿、持経の宿も管理されている。宿泊料は1泊2,000円で、小屋の中の納付箱に入れる。

原則予約で、連休中や大人数での宿泊の場合は、必ず予約しておく必要がある。
詳しくは新宮やまびこぐるーぷのHPで確認して欲しい。

参考リンク 新宮やまびこぐるーぷHP

 

トイレは外にあり。軒下沿いに歩けば、濡れないようになっている。
私は断然外トイレ派。内トイレは便利だが、くみ取り式だと中まで臭ってきて不快。
こうした山小屋は外トイレに限る。昔の家はたいてい離れにトイレがあった。

山小屋の調査と休憩を済ませて出発する。

行仙岳手前の分岐

白石トンネル方面から歩くことができる。分かりやすい標識が設置されている。
このルートは大峯奥駆道を分割して歩く人のためのものだろう。

行仙岳山頂には大きな大木が生えている。

行仙岳直下には謎のアンテナ施設あり。

周囲には、開放的な広場があって休憩にはピッタリ。

ここを過ぎて白石トンネル上の怒田宿跡は広場になっていて、周囲を木々に囲まれているため、風はそれほど吹かないように思える。近くの水場で水を汲むことができれば、良好な宿泊場所になること間違いなし。

倶利伽羅(くりから)岳

白石トンネルから緩やかな上りを坂を上ってやって来た。アップダウンが減ってずいぶんと楽になってきた。

 

平治の宿

11時過ぎ、水場のある平治の宿までやってきた。木陰がたっぷりあって休憩にはピッタリだ。
5月中旬とは思えないほどの強い日差しが降り注いでいる。

平治の宿全景

こじんまりとした小屋。通行可能な林道から遠いため、立派な小屋を建てられなかったのだろう。
この辺りは小屋が密集していて有り難みが少ないように思える。

屋根に降った雨水は、一旦水桶に溜めて排水されるようになっている。

小屋前にはテントを張れる場所もあり。

一番奥にあるトイレ。もちろん汲み取り式。
かなり傷んでいるように見えた。

早速小屋の中にお邪魔する。

入ってすぐのところに薪ストーブが設置されている。

薪ストーブは手作り。ガスボンベのような物をくり抜いて作ったようす。

掃除のことを考えたら、小屋の出入り口近くに設置しておいた方が便利だろう。

奥の方に6畳ほどの板の間あり。上には絨毯やゴザが敷かれている。

カセットボンベと非常食のカップラーメンも置かれている。
料金は箱に入れる。

携帯電話充電器コーナー。
使用できるどうかは不明。

この小屋も新宮山彦ぐるーぷの管理。宿泊料は1泊2,000円。

水は小屋から白谷側に7分ほど下った場所にある。
もちろん荷物を置いて空荷で向う。

水場への下りはかなり急で、非常に滑りやすい。地面が濡れている時は特に注意が必要。

岩の間から湧き出る豊富な水。かなりの水量あり。
ただし、5月中旬でのこと。渇水期の秋はどうなるのかは不明。

水汲みに活躍した自作のナップサック。シルナイロン製で31g。
このナップサック、コンパクトで超軽量で使い勝手がいいので、普段の生活でもよく使っている。
元は飛行機の機内持ち込みように作ったものだ。

 

小屋の前の木陰で昼食をとる。早めに昼食を済ませて、携帯する水の量を減らす。
このあと、宿泊する深仙の宿で水を汲めるため、必要最低限の水を携帯するだけでいい。
わざわざ下りて水を汲みにゆく必要があるが、水場があるだけでもヨシとしなければならない。

ルート上にはこうした大木がいくつもある。
どれもこれも非常に風格がある。

大峯奥駈道は木々が生い茂っていて強い日差しから守られる。
風が吹かないと暑いが、日差しを直接浴びないだけでもマシと言える。

ただし、夏場はかなりの暑さが予想されるため、修行目的でなければ、控えた方が良いだろう。
低山の夏場の登山は暑くて蚊が多く、精神修行要素が強すぎる。

持経千年松の根

かなりの老木で、ワイヤーロープで支えられて、辛うじて立っているような感じだった。

持経の宿手前までやって来た。
未舗装の林道をしばらく歩くことになる。

 

持経の宿

13時頃、持経の宿に到着。

この日のコースタイムは約14時間。なんとか深仙の宿までたどり着ける算段が立って気楽になった。

持経の宿の水場は林道の沿って400m下ったところにある。
行っていないので、詳細は不明。時間を書いていないところを見ると、直ぐに行けそう。

持経の宿全景

山の斜面に立つ小屋で、1F部分にトイレ、2Fに入り口がある。

トイレは汲み取り式。
壁に設置された窓のお蔭で、内部はかなり明るい。
大便器使用の際は、ヘッドランプが必要。

小屋の内部は細長い形状となっている。板の間に絨毯が敷かれている。
この小屋は囲炉裏と薪ストーブが個別に設置されていてかなり贅沢な作り。

酒を飲みながら、串に刺して焼きものをするのにピッタリな囲炉裏。

こちらが薪ストーブ。

鉄板とペール缶を利用して作られたストーブ。
どちらかと言うと、ロケットストーブのようなものだろう。
そこら辺に落ちている枝を放り込んだら、よく燃えそうな感じだ。

薪ストーブ周辺が特等席だろう。
ストーブの暖かさを感じながら眠りに就ける。

携帯電話充電コーナーに夜間照明スイッチもある。
さすがに夜間照明は不要だろう。

この小屋も新宮山彦グループが管理する山小屋で宿泊料は1泊2,000円。

小屋の前は軒下があって雨の日も出入りしやすくなっている。
ここが一番の休憩場所だ。

見頃を迎えるヤマツツジ。木の高さがあって、間近で見ることはできない。

木漏れ日の中をゆく。

ところどころの木々の切れ間から見える景色が良い。
汗ばんだ体が風に冷やされて気持ちいい。

まだまだ続く縦走路。

先に見える山はなんだろう?土地勘がない山域でよく分からない。

立ち枯れた高い木。

落雷の危険があるところなので注意する必要がある。

地蔵岳(子守岳)

新しいものから随分古いお札が積まれて山のようになっていた。

仁仙の宿まであと2時間。すでに16時を回っている。さっさとゆくとしよう。

 

地蔵岳から深仙の宿

天狗の稽古場という草地。
木々がまばらに生えているところで見晴らしはいい。途中で踏み跡が薄くなって間違いに気がついたが、そのま強引にま進んで登山道に復帰した。尾根筋から逸れなければ、道迷いをすることはない。

天狗山の上りに差し掛かる。

シャクナゲのトンネルを抜ける。
この付近だけ、なぜかシャクナゲが密集して生えている。シャクナゲにとって最適な場所なのだろう。

次第にゴツゴツした岩山が見られるようになってきた。

この岩は特に大きかった。

向こうに見えるのは大日岳。地図で確認すると、大日岳以外に考えられない。

深仙の宿までもうすぐだ。

太古の辻

ここから前鬼方面に下ることができる。名前の通り、昔からある分岐なのだろう。

標識にあるように太古の辻より南側が南奥駈道と呼ばれる区間のようだ。水場の少ない南部を抜けることができて本当に良かった。しかし、まだ先は長い。気を引き締めて歩こう。

大日岳分岐

行場のある大日岳の分岐。日没までまだ時間があるので、寄ってゆくことにした。

大日岳の入り口に設置されていた標識。

ここから先は神聖な行場で、ワイワイ騒いで行くような場所ではない。遊びの感覚で行くと痛い目に遭うだろう。自己責任で。

通常の登山ルートをゆく。行場へは別のルートを進む。

通常ルートであっても、足場が脆くて常に落石の危険がある。

コブができた木の根っこを交わしてゆく。

大日岳山頂

山頂は狭くて落ち着いて休憩しづらい。もともとゆっくり休憩するような場所ではない。
用が済んだらさっさと下りる。

大日岳から釈迦ヶ岳方面を望む。
鞍部に見えるのが深仙の宿。今日の宿泊場所だ!

仁仙の宿のアップ

行場らしい岩場を見上げる。
遠目で見ただけで、崩れやすい岩場の斜面のように見える。通りすがりの登山者が好き好んで行くような場所ではない。

分岐にバックパックを置いて、軽量なナップサックを背負って大日岳に登った。
日没間近のため、非常食や防寒着、ヘッドランプを持っていった。

大日岳周辺の標識には、目立つように反射テープが取り付けられていた。
修行僧たちが、夜間ヘッドランプの明かりを頼りに歩きやすいようにしているのだろう。

 

深仙の宿

18時過ぎ、余裕を持って本日の宿泊場所の深仙の宿に到着。

広い鞍部にあって手前の小屋が避難小屋、奥の茶色の壁の建物がお堂となっている。
平らな場所が多くてテントを張るにも困らない。

トタン屋根の粗末な小屋が深仙の宿。
すでに先客が3人いて休んでいたため、内部の詳細はチェックできず。
6畳ほどの広さはあった。ここは新宮山彦ぐるーぷ管理ではないため、無料で宿泊できると思われる。

トイレはなし。そこら辺で適正に処理をする。

少し離れた場所にあるのがお堂。
避難小屋よりこちらの方が立派だった。ちょうどお堂の前に平らな場所があったので、ここでタープを張ることにした。

お堂前の平らな箇所は広々としていてテントを張るにはピッタリ。
小屋の先客の一人はなんとブルガリア人で、日本語をしゃべれないので、英語での会話となった。
まさか大峯奥駈道で歩いていて英語を話すとは思いもしなかった。国際化の流れがこんな山奥まで押し寄せていた。もう海外に行かない日本人であろうと、世界共通語の英会話は必須となっている。東京オリンピックのアルバイト募集の要件に、間違いなく英会話が付け加えられることだろう。(おっさんは密かに交通警備のバイトを狙っている。)

フレンドリーなブルガリア人は、私に水場の場所を丁寧に教えてくれて、なおかつ飴玉を2,3つくれた。私はそんな彼に、十分楽しんでいってくれよな!とたどたどしい英語で返すのだった。

お堂の軒下はかなり広め。小屋で泊まる予定で泊まれなければ、軒下で泊まるのもアリかもしれない。時々、勝手知ったる悪質な団体が避難小屋を占拠して、他の登山者を締め出すこともあるので注意が必要だ。

水場は小屋から歩いて2分。大きな岩山の下にある。
ハッキリとした踏み跡が続いているので、迷うことはなし。
この水場は近くて便利。

トイレは水場の付近でするのは厳禁。水場とは反対側の西側斜面の茂みで済ませるのがいいだろう。

岩の隙間から滲み出る水。
まだ5月中旬だというのに、水量はかなり少なめ。

岩の隙間挿した塩ビパイプから湧き出る水。
小さなアルミクッカーで受けてある。水は冷たくて口当たりが非常にまろやか。

 

このあと、さっさと夕食を済ませて、暗くなるのと合わせて眠りに就いたのだった。
明日は勝負の3日目だ!気合を入れて歩いて、明後日余裕を持って下山したい。
とは言っても長大な大峯奥駈道。そうやすやすとは歩かせて貰えない。

 

つづく

熊野古道
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からあげ隊長の冒険

コメント

  1. みどり より:

    アドバイスというか大嶺奥駈道ではなくて大峯奥駈道なんです。

  2. 一式陸攻 より:

    蒸し暑く、湿度が高そうな熊野古道の記事を楽しく読みました。
    熊野古道にあれだけの休憩所や水場があるとは知りませんでした。

    現在、私は、アメリカ人親子が日本を横断した「スコット親子、日本を駆ける: 父と息子の自転車縦断4000キロ」(014/12/20)を読んでいるのですが、隊長の次の遠征もスコット親子のような感じで走るのでしょうか?

    もし、隊長に余裕があれば、オーストラリア遠征の目的と遠征先での自転車盗難や自転車損壊時に遭遇した場合、どのように対処するのかKaraage-Manifestoを公布してください。

    また、寄付に関しては、じっくり考えたいと思っています。この寄付も、現金だけではなく、からあげ隊長が商標登録したTシャツ、一枚、数千円~一万円とかの購入で応援できる方法などもファンの一人して欲しいものです。

    最後になりますが月間PVが30万~100万ある隊長のブランドも誰かが商標登録してしまうこともできますね。隊長は、からあげ隊長という五年の歳月をかけて育ててきたブランドの商標登録などには、興味がないのでしょうか?

    • karaage より:

      その本を読んだことがないのでよく分かりません。
      どのように走るか決まるのは、現地に行ってからですね。
      果てしない荒野を見たら、怖気づくかもしれません。

      グッズの販売とかは無理ですね。海外で活動中にトラブルがあっても対処できません。日々の活動に精一杯でブログ更新もどうなるか分かりません。
      見返りを全く期待しない善行をして欲しいと考えています。

      商標登録は全く興味ありません。そんな暇があったら、別のことをやります。登録するにも手数料や維持費が必要ですし。