こんにちは。からあげです。
はじめに
山岳用テントで有名なエアライズにオールメッシュのカヤライズという種類がある。
通気性に優れて夏でも快適。軽量コンパクトで携帯しやすく自転車や登山に向く。
さらにエアライズとの互換性があり、オプションの冬季外張りやDXフライなども使用でき、年間を通して快適にキャンプできる。
そんなカヤライズは今はなくてはならない装備の一つになっている。
とても優秀なカヤライズだが多少の欠点もある。確かにエアライズと比べると通気性が良いが、メッシュが細かくて風の通りがそれほど良くない。
出入り口は短辺側にあって間口が狭く、本体横に小さなベンチレーターが1つあるのみ。
全面を覆うフライシートを被せると、カヤライズでもテント内が暑くなって汗をかく。タープを張って開口部を全開にしても、やはり風の通りが悪くて暑い。
2020年7月 長野県松本市内のキャンプ場で梅雨明けを待ってしばらく待機中
毎日のように雨が降り続きテント内が湿気て非常に不快だった。こうして100円ショップのレジャーシートをタープ代わりにして雨をしのいでいたものの、やはり暑くて堪らなかった。外は蚊の大群が待ち構えていて前室では調理できず。汗を垂らしながらテント内でガスストーブを使用していた。
この時、カヤライズ全体を覆うタープを心の底から欲したのだった。
自作タープの素材
市販品のタープはあるが、カヤライズ1(間口100×奥行205×高さ100cm)の大きさにピッタリと合うものがないし、どれも高価。ということでいつものように自作することにした。
タープの素材は防水性があって軽量なシルナイロン(シリコンコーティングされたナイロン)がいいが、結構な値段がする。日除けにも使いたいので、とにかく安いやつがいい。
ネット上をあちこち探していたところ、Amazonで中国メーカーのグランドシートを見つけた。
Spitze Forgeというブランドのグランドシート。
大きさは280×220cmで自然の風景に溶け込む濃い緑色をしている。値段も約2,600円とかなり手頃。気に入った。
生地は420Dということだが、多少の厚手という程度。メーカーの文句を鵜呑みにしては駄目。縁取りありで縫製はそれなりにしっかりしている。
2枚の生地を縫い合わせて一枚もののタープにしている。
縫い目にはシームテープが貼られている。
8箇所にハトメ付きの穴が付けられている。
裏側はあて布で補強。
自在付きのロープ4本が付属している。
ロープはおまけ程度で質は良くない。
ロープと収納袋込みの重さは650g。
タープの自作
このグランドシートを素材にしてカヤライズ1用のタープを自作する。
まずは不要なハトメ金具をラジオペンチで外す。
しっかり留まっていて少々手こずった。ハトメ金具を外すと丸い穴が現れた。
外したハトメ金具
続いてリッパーを使用して縁のテープを外してゆく。
アウトドア用品の改造、主に軽量化でよく使用する道具だ。
縫い目は粗いので、それほど手間は掛からなかった。
外した縁取りテープ
もちろん外したテープはとっておく。
生地の補強(バイアステープ)、ループなどに使える。
端を三つ折りにしてミシンで縫ってゆく。
補強するために2重で縫っておく。
ループを付ける箇所には裏側からあて布をして補強しておく。
あて布はグランドシートの端材。
ループの素材は以前とっておいたバックパックなどのストラップ。
ループの取り付け完了。
少し丈夫にし過ぎたかな?
四隅のループ
自作タープの試し張り
別売りのアンダーシートの上でカヤライズを設営する。
地面の上に直接設営すると、テント本体のグランドシートが傷みやすくなる。
重たくて面倒になるが、私は必ずアンダーシートを敷くようにしている。
カヤライズの設営完了。
単にポールを通して立ち上げただけ。
エアライズシリーズはクロス型の単純構造で非常に扱いやすい。
なんでもシンプルが一番。
各部調整してタープを張った。
ポールはヘリテイジ ULトレイルポール(110cm)を使用した。
完成品の大きさは275×212cmでちょうどいい感じ。色合いもヨシ。結構合うではないか。
前室・後室は十分ゆとりのある広さ。
後室は荷物置き場。前室は靴置き場、調理スペースとしようか。
折りたたんだようす
付属の収納袋は小さくて使いづらいので、エアーマットの袋を使用した。
テントやタープの収納袋は多少大きめの方が使いやすい。慌てて撤収したときや濡れたときはピッタリだと袋に入らなくなる。
自作タープの重さは収納袋込みで585g。元の重さは650g(自在付きロープ4本込み)で65gの軽量化に成功した。
収納時のようす
長さ約30cm、直径約10cm。
自作タープの感想
タープの自作は非常に簡単だ。縁を縫ってループを取り付けるだけで完成となる。
今回は安いグランドシートを素材にして自作してみた。
前回のタープは30Dのシルナイロンで作って結構なお金が掛かったが、今回はエアライズやカヤライズにぴったり合うのを安く作ることができて非常に満足した。これで雨が降っても快適にキャンプすることができる。タープ単体としてもちょうどいい大きさだ。
実はこのタープ、試し張りしただけでまだ一度も使用していない。どこか行こうとは思っていたが、コロナ禍ということもあり、出かける気が全然起きなかった。
今年こそ、どこかに行こうか!そんなふうに思っている。