カヤライズ1を半年間毎日使い続けた感想とその後のようす

こんにちは。からあげです。

 

帰国して一月以上が経ち、疲れがすっかり取れてようやく気持ちに余裕が出てきたところ。ぼちぼちやっていた自転車の整備も大方終わり、あとはダイナモ付きのホイールの到着を待つだけだ。

今回も決して楽しいことばかりの自転車旅ではなかったが、若干のトラブルが起きて実り多かった。いろいろ経験したことを詳細にまとめることでより理解が深まる。

 

オーストラリアでの使用

ということで今日はテントの話。

 

今回のオーストラリアは乾燥地帯が多くて暑いということで、通気性の良いメッシュテントを選んだ。
一昨日の北海道ツーリングでは、湿気と暑さに悩まされて寝苦しい日々が続いたためだ。寝られない夜を過ごすのはもう懲り懲り。内陸部は夜間少し冷え込むかもしれないが、マイナス何十℃というような厳しい冷え込みはないだろう。寒さより暑さに重点を置いたほうがいい。

そこで選んだのはアライテントカヤライズ1。オールメッシュの通気性抜群のテントで、互換性のあるエアライズ1のフライシート・ポール・アンダーシートが使える。現在のところ、国産メーカーでメッシュ生地のテントを出しているのはアライテントのみ。

 

旅の前半、Melbourneから海岸線沿いに西へ進み、ナラボー平原を横断してPerthまでは、雨が多くて気温が0℃まで下がることもあったので、フライシートとセットで使った。
風景に溶け込むフォレストグリーンは、人目に付きにくくて落ち着いて野宿できた。

Perthから北へ1,000kmほど上ってゆくと、いつしか周囲は乾燥した荒野となり夜でも気温が下がらないようになってきた。そこでフライシートなしにしてカヤライズ本体のみで眠るようになった。

単体のカヤライズは本領を発揮してくれ、自転車を漕いで火照った体でも暑さを感じない。風が吹いてもメッシュ生地が適度に風を遮断してくれるため、オールメッシュでは寒くて仕方がないということは一度もなかった。

出入り口ファスナーの傷み

だが、長期間にわたる酷使によって出入り口のファスナーが傷んで来てしまった。

初めての設営の時、ポールがキツいと感じたが、まあなんとか最後まで持つだろうと始めのころは気にもしなかった。テント撤収時ポールの先端をグロメットから引き抜く時にキツくてヒヤヒヤすることが何度もあったり、生地が張りすぎてファスナーの操作が重たかったりするなど、次第に不安を覚えるようになった。しかし、海外ではどうしようもない。

当初の予定では、期間は8ヶ月間で年内には帰国する予定だった。Melbourneを発ってちょうど4ヶ月が経ったころ、ファスナーが壊れてしまった。

ポールの差し込みがキツくてテントの生地が張りすぎてファスナーの開け閉めの際に負荷が掛かっているように思われた。そこで少しでも生地が弛んで余裕ができるように、通常のグロメットの先にロープの結び目を作って、そこにポールを挿して使うようになった。

旅の中頃、一度ソファーの革張り職人の人にスライダーの金具を締めてもらいファスナーの調子が良くなったのだが、所詮一時しのぎの方法に過ぎず5ヶ月目にして完全にファスナーが壊れてしまった。それからというもの、出入り口に自転車カバーを付けて虫が入って来ないようにしていた。

生地が厚い自転車カバーでは若干の隙間ができたが、蛾などの虫が入って来ないようにするには問題はなかった。何度かムカデやクモが侵入してきたことがあるが、帽子で優しく捕まえて外に放り出した。

ただ、東海岸に近づくにつれて湿り気が増し蚊が多くなってくると、奴らは隙間からテント内に侵入してきた。

そこで、生地が薄い自作のポンチョタープで出入り口を塞いだところ、隙間がなくなり蚊を寄せ付けなくなった。

ポンチョを留めていたのは、洗濯バサミのほかにダブルクリップ。プラスチック製の洗濯バサミは紫外線で脆くなって割れてしまうが、ダブルクリップだと全く劣化はなし。
出入り口を完全に塞ぐには、少なくとも6個は必要だった。

また、東海岸の付近ではヘビが見られるようになったので、ファスナーの下の部分を糸で縫って中に入りづらくなるようにした。オーストラリアには猛毒を持つヘビが多数いるため危険だった。

遮光性のある自転車カバーと併用すると快適性が大幅アップ

毎日毎日自転車で走っていると疲れが溜まってくるので、定期的に休養日が必要だった。経費を節約するため、モーテルなどの宿に泊まることはせずに、いつものように金のかからない野宿を行った。

通気性抜群のカヤライズといえども、日差しを直接浴びると暑くてテント内にいられないようになる。早い時間から休む時は、川沿いの木陰にテントを張った。乾燥地帯の干上がった川沿いには、背丈の高い木が生えていて木陰が豊富にある。川床の木陰にテントを張って自転車カバーを掛けて日除けにしていたのだった。

天頂部のポールのクロス部分に自転車カバーのストラップを通してプラスチックバックルで留め、端の方は洗濯ばさみで押さえておくと、風が吹いてもカバーがめくれてしまうことはなかった。しかしテントにカバーを掛けると、通気性が損なわれて暑くなるので、タープのように張ってテント本体とカバーの間に隙間を作って通気性が良くなるようにもした。

カヤライズは遮光生地の自転車カバーなどを組み合わせることで、カヤライズの快適性がさらにアップする。袋状の自転車カバーは、本来の使用目的としては使いやすいが、タープとしては使いづらいので、タダのシートの方がいい。

 

半年後のようす

旅は当初の8ヶ月間の予定を切り上げておよそ半年間で帰国した。
現地では毎日カヤライズを使用した。その結果、かなり汚れてしまった。

ただ汚れてはいるものの、テント本体に目立った劣化はない。出入り口のファスナーを交換すればまだまだ使用できる。

テントの汚れのようす

ガソリンストーブの煤やラーメンの汁が付着してかなり汚い。

ファスナーのようす

完全に壊れてからはスライダーを弄ることはなし。

本来、テントは洗うものではないのだが、あまりにも汚いので優しく手洗いすることにした。
おっさんの体臭と食べ物の匂いなどが合わさって凄く臭い。

洗剤は入れずに軽く手洗いしただけ。すぐに水が真っ黒になってしまった。

 

修理改造後のようす

帰国後、自走して山梨の小屋に寄って草刈りなどの手入れをしたあとで愛知の実家にやって来ると、早速メーカーに連絡して点検修理に出した。

その際、ポールの差し込みがキツくてファスナーの開け閉めが重かったことを伝えると、通常のエアライズも送って欲しいとのことだった。そこでファスナーの壊れたカヤライズと一緒にエアライズ本体とポールも送って点検してもらった。すると、エアライズのポールは最新版で、カヤライズはモデルチェンジ前の古いタイプであることが判明した。

一つ古いタイプのカヤライズは、2010年から2015年にかけて製造されていたもので、ポールの挿し込みがキツかったようだ。2017年にそのほかも改良された新しいタイプが製造されているとのことだった。

私のカヤライズは今年になってネット通販で買ったばかりのものだったが、おそらく倉庫の奥底に長い間眠っていたのだろう。そういえば私はこれまでカヤライズを使っているのを一度も見たことない。使えば凄く快適なのに、その良さが全く知られていない。そんな知名度の低さも手伝って、長期間在庫で眠っていた物が私の手元に来たように思われた。

そこでメーカーの方と話をして、太めのファスナーに付け替えて、さらに追加のグロメットを付ける改造をしてもらうことになった。

通常のカヤライズの出入り口のファスナーは、3号というサイズでエアライズなどのテントを同じ。それをフライシートのファスナーと同じ5号にサイズアップする。そうすることで、生地に余裕ができるし、ファスナーの開け閉めもしやすくなって耐久性も大幅に上がる。

メーカーの方に今回のファスナーが壊れた件についてじっくり話を伺うと、やはり毎日酷使していたからだと言われしまう。やはりそうかと納得する。通常では、長期間毎日使用するなどありえない。確かにポールがキツかったこともあるが、いくら丈夫で耐久性のあるYKKファスナーでも長期間の酷使には耐えられない。ファスナーの間に砂が入って開け閉めしづらくなったこともあるだろう。遮蔽物のない荒野で強風に吹かれて、テントが砂まみれになることが度々あった。

YKKのファスナーは丈夫なので、スライダーの口金が広がることは滅多にないという。単に摩耗して開け閉めしづらくなった状態のようだった。ペンチなどで口金部分を締めると、一時的には症状が改善してファスナーを開け閉めしやすくなるが、負荷が掛かってエレメント部分もダメになるそうな。そういう時は修理に出してファスナーを交換するのが望ましいとか。今回は長期海外のため、修理に出すことはできなかった。

次回からは交換用のファスナーを用意して行った方がいいだろう。メーカーの方も「言ってくれれば、いつでも交換用ファスナーを用意しますよ」とのことだった。

参考リンク YKK商品豆知識(ファスナーの仕組み)

 

キレイに畳まれたカヤライズ。早速広げてみよう。

追加されたグロメットのようす。通常2個のところ1個追加されて3個になった。

グロメットのアップ

うむ、全く違和感なし。

交換されたファスナー部分のようす

RIPENとは、英語で熟練を意味するアライテントのオリジナルブランド。

じっくり見るとわずかに針の跡が残っているのが分かる程度で、交換修理したようには全く見え見えない。さすがは熟練職人だな!
5号ファスナーにサイズアップしているが、全く違和感なし。

ファスナーはもちろんYKK。サイズアップしてスライダーの引手が大きくなり操作しやすくなった。

収納袋込みの重さは720g。

新品の時の重さは695gで、今回改造を施してもわずか25gしか増えていない。
正直もう少し増えるものと思っていたので、かなり満足している。
ちなみにエラライズ1テント本体の重さは収納袋込みで595g。

 

修理後カヤライズの設営

修理されたカヤライズ1を設営して再度各部を点検してみる。

広げてみると、ファスナーの周囲にシワができた。
5号ファスナーになって多少の柔軟性が失われたようす。こうなることは予想していた。

ポールをスリーブに差し込んでテント本体を立ち上げる。
グロメットは増設した一番外側を使用した。

修理前はキツかった生地だが、ゆとりが生まれてグロメットに差し込みやすくなった。エアライズと同じくらいの力加減になった。

グロメット付近のようす

特に無理な力が掛かっているようすは全くなし。

出入り口パネルとファスナー付近に若干の余裕あり。

横からようすを見ても特に問題は見当たらない。

出入り口のファスナーを全開にしてみる。
ファスナーがスーッと軽く動いてとても気持ちいい。開け閉めが非常にスムーズになった。

新品時の操作の重たさは全くなくなった。

テントの中に入ってファスナーの開け閉めをしてみる。外側からと同様にスムーズに操作できる。グロメットを追加し、大きめのファスナーに付け替えたことで、テント生地にゆとりが生まれて、ファスナーの開け閉めが重たい症状が完全に直った。

内側からファスナーの縫い目を点検する。素晴らしい仕上がりだ。自分でせずに修理をお願いして本当に良かった。

通常のエアライズ1の出入り口のようす

エアライズは出入り口パネルがメッシュ生地との二重構造になっているため、開け閉めする回数が減って、カヤライズよりファスナーが長持ちする。しかもフラップ付きでファスナーに汚れが付きにくい。

メッシュパネルのみフラップなしで、単体でも使用するカヤライズは、ファスナーが消耗がしやすいと言えるだろう。次回海外にカヤライズを持ってゆく時は、替えのファスナーを持ってゆく。

フライシートを取り付けたようす

特に違和感はなし。テントの修理完了!!

まとめ

今回オーストラリアを無事に自転車で走ることができたのは、快適な居住空間を提供してくれたカヤライズの力も大きい。肌に刺すような日差しが降り注ぐ昼間でも、自転車カバーで日光を遮ってやれば、テントの中で横になって休むことができる。

軽量コンパクトで通気性抜群なカヤライズは、自転車旅行向きのテントと言える。今後は国内ではカヤライズがメイン、国外では状況に合わせてエアライズとカヤライズを使い分けることになるだろう。今回の件で仮にファスナーが壊れたとしても、ポンチョで塞げば蚊の多いところでも凌ぐことが分かった。

実に頼もしいカヤライズだ。今後も使い続けてゆきたい。

 

おわり