こんにちは。からあげです。
ここ数日Perthに滞在しているうちに、自転車の整備など必要最低限のやることは全て済ませた。もう少し滞在してのんびり観光を楽しんでもいいのだが、冬のPerthは雨が多くて野宿者には厳しい季節だった。それなりのコミュニケーション能力があれば、ウォームシャワーを使って誰かの家に転がり込んでゆっくりできるのだが、英会話能力とコミュニケーション能力の両方を持ち合わせていない私にはかなり厳しい。無理して誰かの家に泊まっても、変に気疲れをするし、気まずくなると居心地が悪くなる。そんなことなら、一切他人を頼らずに野宿した方がいい。
ホステルなどの相部屋は、他の旅行者の生活音(いびき、ベッドのきしみ、ドアの開け閉め)に悩まされることがある。荷物の盗難にも気を使う必要がある。一般のバックパッカーは朝と夜が遅い生活サイクルで、早寝早起きのサイクリストとは相性が非常に悪い。そんなこともあって、今どき誰もやらない野宿を選んだのだった。
用が済んだのでPerthを出発する。今朝はいつものように5時半に起きて炊飯中にテントの撤収、荷物をまとめておいた。いつもそのようにできればいいのだが、雨が降ったり風が吹いたりしてできないでいる。
夜明け前から横のサイクリングロードをジョギングしたり自転車で走っている人の姿が多く見られる。オーストラリアでは町が大きくなるほど住んでいる人の健康志向が強くなる気がする。日本よりも顕著。田舎では、まず車で移動する人以外は見かけない。
いつものように7時過ぎの出発としたのは、道路が混む前に市街地を出たかったから。走り慣れつつあるサイクリングロードを走ってまずはフェリー桟橋方面に向かう。
密林地帯。
Perthの町は本当にきれい。金を惜しまず投入して景観を良くしている。それがかえって不自然だったりする。
水飲み場でペットボトルに水を汲む。
通常の水飲み水栓に加えて、ボトルに入れやすい蛇口が付いている。下の受け皿は犬用の水を溜めるところ。蛇口が付いていると、水を汲みやすくて本当に助かる。
市街地を出るまではサイクリングロードを走ることにした。
朝早くからロードバイクに乗った人の姿を多く見かける。
Perth市内は至るところにサイクリングロードが整備してあって自転車に優しい町となっている。
中心部ではバイクレーンがないところが多く、道路が混雑していて、路線バスがひっきりなしに通るので、お世辞にも走りやすいとは言えない。
しかし、サイクリングロードを使えば、より速くより楽しくより安全に移動が可能。
と言いたいところだが、今日走った限りでは、市街地を抜けるサイクリングロードは前触れもなく途切れ、どこへ行ったらいいか分からなくなることが多々あった。行ったり来たりしてかなりのタイムロスをしてしまった。
水鳥の多い湖として知られるLake Monger。季節柄なのか、水鳥の姿はかなり少ない。
Perthとはこれでお別れ。次回来ることはあるのだろうか?
来ようと思えばいつでも来れる。この来ようと思えばいつでもというのが曲者。またいつか今度と言っているうちに機会は永遠に失われてしまう。
ぶつ切れになっているサイクリングロードにストレスを溜めながら、なんとか辿って行った。
中心部を離れるに従って路面状態が悪くなってきた。
対向車線に倒れたショッピングカートとゴミが散乱していたところがあって、何にも気にせずにそのまま走って行こうとしたところ、対向のロードバイクが現れてかなりの慌てふためきようだった。おそらくスピードを落とさすずにそのまま反対車線に出て交わしていこうか少し迷っていたところ、急に私が現れたものだからビックリしたという感じ。正面衝突しなくて良かった。ちょうどそこは見通しが悪い緩やかなカーブだった。私もそういう場所ではベルを鳴らすなど、対向の自転車に注意を促すべきだった。
Perth入りした初日はロードバイクに邪魔者扱いされて腹が立ったが、数日滞在しているうちに彼らのマナーがいいことに気がついた。手信号はたいていするし、追い越す時はベルを鳴らすか声掛けをしてくれるし、前後のライトを日中でも点灯させて走っている人がいる。特に驚いたのは、ロードバイクでも、ミラーとベルを装着している人が多いこと。日本ではロードバイクに付いていることが少ないアイテムだが、オーストラリアではよく目にする。ヘルメットは法律で義務化されているとはいえ、いやいや被っているようにも見えない。日本より遥かに安全意識が高いように思える。
遅いツーリングバイクだからと言って好き勝手走るのではなく、他の自転車にも配慮すべきだったと今になって反省する。前方に歩行者がいるからといって、安易にセンターラインを割って追い越そうとすると非常に危険。一度それをやらかして対向のローバイクの人が怒っていた。そういうときは十分安全に注意してベルを鳴らしてからセンターラインをはみ出る。歩行者と対向の自転車へ注意を促す。
サイクリストとして、速さではなくマナーの良さを競いたい。
郊外に出たら、途中で途切れることがなくなって、ようやく走りやすくなった。
Fwy横を走っているところ。
歩道橋の上からFwyを見下ろす。
歩道兼サイクリングロードはそのまま駅に繋がっていたので、ひょっとして自転車ごと電車に乗れるかもしれない。人の多い中心部を除けば、全然問題ないように思える。
サイクリングロード脇にあった謎の窪地。
これは大雨の時に一時的に水を溜める遊水地だと思われる。
Perth周辺は雨が多く湿地帯が見られる。平で水はけが悪い地形のため、こうした遊水地で洪水から町を守っているようす。
Perthから離れる時は、ローカルな地名が多くて迷いやすい。
北に向かいたい場合は、Fwy沿いを走ればいい。
走れるもんなら走ってみろ!
これはFwyに入る車輌のための標識。勘違いしてはイケない。
この先、Fwyは終点となり、サイクリングロードも終わりとなって、再びストレスの溜まる一般道走行が始まる。
サイクリングロードから一般のHwyを走る。路肩は広め、道行く車は距離を離して通ってくれる。しかし、油断は禁物だ。面倒くさくても一台一台ミラーで確認してゆく。
今日の天気は朝から曇で時々薄日が差すこともあったが、肌寒い一日だった。先日までの暖かさはどこへやら。寒気が流れ込んできたようで、Tシャツ一枚になるには寒い。
町を出ると向かい風が急に強くなり出して来たので、途中休み休みして走った。
町にいる時は風向風速を全然意識しなかったが、町を出ると意識しないわけにはいかない。
今日Perthを出てきたところなのに、なぜこんな汚いのか!
Perthではシャワーを浴びることも洗濯をすることも一度もなかった。連日の雨でそんな気には全くならず。
これから北に上って行って乾燥地帯に入ったら身なりを整えるつもり。
久し振りの郊外の走行なので無理はしない。向かい風で消耗しきる前にねぐらを見つけて休むことにした。
初日は無理をするところでは全然ない。大都市生活の疲れをとっていち早くいつもの走行ペースを取り戻す。
3時過ぎ、レストエリアの奥の荒れ地にテントを設営した。
この周辺も下草の勢いが強くてテントを張れる場所が限られていた。いつなんどき牧場地帯が現れるとも知れず、贅沢言わずに張れる場所で張っておく。
張り始めは風が強かったが、夜になると風は収まり時々雨がパラツイた。さあて、再び始まったツーリング。Darwinに向かって毎日ペダルを漕ぎまくろう。
Perth~サイクリングロードを走って郊外まで
走行距離90km、走行時間6h、Av14.9km/h、Max35.3km/h
ねぐら レストエリア奥の荒れ地
おわり