静かな未舗装の道をゆく

こんにちは。からあげです。

 

今日は朝から清々しい晴れの天気で久しぶりに気持ち良いツーリングを楽しむことができた。それでは勿体ぶらずに今日のようすをお届けしよう。とは言っても時差更新だけど。

なかなか快適だったねぐら。
夕方犬を連れた散歩の人がやって来るというハプニングがあったが何事もなく日が暮れていった。

ああ、一般人に見つかってしまうとは!今後もこのような失敗が続けば、野宿研究家の看板を降ろさねばならんな。

早朝にも関わらず、意外にも交通量がある。
殆どは反対側のPenneshaw行きとなっているが。

面白みのない直線道路をゆく。

まずはすぐ近くのキャンプ場に寄って給水を行う。
大きな貯水タンクが設置されていて、東屋の雨水を集めてタンクに入れている。見つけられたのは、もちろんWikicampsのお陰。通り掛かる公園やキャンプ場すべて覗いていたんでは、時間がいくらあっても足りない。

Australiaでは確実に水場の位置を押さえておかないと、まず間違いなく途中でゲームオーバーとなる。万が一の時は通りすがりの車に貰えばいいけど。昔のサイクリストはどうしていたんだろうと不思議に思う。多分、持てるだけの水を持って走っていたのだろう。頭が下がる。スマホのアプリで楽をして申し訳なく思う。

大げさではなく、Australiaでは水の一滴は血の一滴に相当する。
本当にそう思う。水をこぼさないように、バケツを使用して水を受ける。

キャンプ場の目の前にあるBrowns Beach。ふむふむ、確かに茶色をしたビーチだな。

藻がいっぱい打ち上がっていて干からびて茶色になっている。
焚き火の焚付に良さそうだ。

水をもらったキャンプ場は有料だったのだが、システムがいまいちよく分からん。駐車料金がキャンプ代のような感じらしい。

とは言っても係員がいるわけではなく、ゲートもあるわけではない。金を払わずにキャンプをすることは可能。それでも、多分金を払わずに逃げることはしないような気がする。大きなキャンピングカーに乗ってくるような裕福な人間がそんなケチなことするはずがない。

ガソリンスタンドもセルフのくせに監視カメラを設置しているわけでもないので、その気になればガソリン入れ逃げすることも可能。それでも多分Australia人はしないような気がする。

普段郊外を100km/hで走っていても、町の中に入ると人が変わったようにスピードを落としてゆっくり走る。これが不思議でならない。

どこまで行っても真っ直ぐな道。今日はアップダウンは少なめで走りやすい。

途中、おっさんの第6感が働いて寄り道してゆくことにした。
未舗装路だが、スチールなんとか工法かしらないが、重機で固めて鉄のようにカチカチになっていて、舗装路並みに走りやすい。

これぞAustraliaの雄大な風景。Pennington Bay。
南氷洋の荒波が打ち寄せる海岸。時々大波が岩場にぶち当たって轟音が聞こえる。

うむ、満足満足。ごきげんなおっさん。

いやあ、キレイな砂浜だ。観光客はほとんど来なくて非常に静か。普通の人間は、こんなところ見向きもせずに真っ先にAdmirals Archに向かうんだろうな。

American River分岐にある帆船。なぜか星条旗が掲げられている。ここからAmerican Riverの町まで片道8km。行こうか行くまいか悩んでいたら、さっき入って行った車がすぐに出てきたのを見て行くのを止めた。どうみてもおっさん向きじゃない気がした。多分、行かない言い訳を探していたのだろう。

真っ直ぐな道路をゆく。時間が経つにつれて交通量が多くなってきた。おそらくAdelaide方面からやって来た観光客たちだ。

道路脇にある蟻塚。アリの巣の付近を歩いていると、アリが群がってきて脚をあちこち噛まれる。非常に攻撃性が強い。

気をつけていないと、本当に痛い目をみる。

交通量が増えてきた幹線道路を避けて未舗装路に入る。
途端に静かになって走りやすくなった。

路面の状態はいいが、ところどころ洗濯板状になっているので、ゆっくり自転車を走らせて行った。

途中でEmu Ridgeというところに寄った。
観光バスが入っているのを見て気になった。観光バスがわざわざ未舗装路まで入ってくる理由が知りたかった。

そうしたら、かわいいエミューが出迎えてくれた。オスは気性が荒くて寄ってきても非常に愛想が悪い。メスの方は好奇心旺盛でおっさんに興味を示してくれた。ご褒美にそこら辺の木の葉っぱをちぎってやると、美味しそうに飲み込んでくれた。つい面白くて何度もあげてしまった。

 

広い庭には開拓時代に使用した古びた機械が展示されていた。
いや、展示というよりは放置に近いかもしれない。そういえば、アメリカでもこんな感じだったな。

エンジンの銘板

あちこち錆びてボロボロになっている。

古びたトラック。もう動かないおじいさんの車。

この大きな重機は多分現在も使用しているようす。これも相当古いやつ。確か銘板に1920と表示されていたような気がする。

この機械は灌木を刈ってバラバラに粉砕するものらしい。牧場を作るために、辺り一面に生えている木を処分するのだろう。こんなのに巻き込まれたら、ひとたまりもない。

外の見るものを見ると、店内には入らずにそのまま出発する。
お金は一般の観光客が落としてくれる。野宿者には期待しないでもらいたい。

奥にゆくに従って路面状態が悪くなってきた。
路面は波打ち、砂が浮くようになってきた。

それでも交通量がほとんどないためか、走っていてもあまりストレスを感じない。むしろ楽しく感じる。

お昼頃になると、道の膨らみの木陰で休憩することにした。
今朝、キャンプ場で水を汲んできたおかげで、水は十分余裕がある。

休憩場所とタイミングはソーラーパネルで充電できるかどうかで決めている。ここ最近は雨や曇が多くて、なかなか充電する機会に恵まれない。今日は絶好の充電日和だ!

濃厚スープのラーメンは喉が乾いて、水を大量消費するため危険だが、今日は水に余裕がある。思いっきりこってり濃厚スープにしてやった。

なんとかスチール工法の路面。
白いところがそう。茶色はただ土を盛って固めただけ。

たまには未舗装の道を走るのも楽しい。
交通量がほとんどないのがいい。

静かな道を堪能する。ようやく私がイメージするAustraliaになってきた気がする。

多少のアップダウンは逆に変化があって楽しい。
道路脇からカンガルーやワラビーの親子が出てきて時々自転車と並走してくれた。いつも道端の轢死体でしか近くで見れなくて感激した。彼らは本気出したら、おそらく時速50km/h以上で走れるはず。やっぱり野生動物は凄いな。

ぴょんぴょんと跳ねて2足歩行するカンガルーは面白い。なぜ2本んなのか?Australiaには、カンガルーを襲う肉食獣はいないはず。なぜ2本の足で立ち、遠くを見ようとするのか。

洗濯板状の路面ではスピードを落としてゆっくり進む。
こういう時は頑張らない。一山一山ゆっくり越えてゆくと、自転車に負荷が掛かりにくい気がする。

どうせ力いっぱいペダルを踏んでもスリップするだけ。

ところどころ砂が深いところはタイヤを取られて転けそうになる。危ない危ない。先日、初めての立ちコケをしたところだった。車が見ている前で。車に気を取られたから、コケたというのもある。

またまたおっさんの第六感が働いたので寄り道をする。
木のトンネルを抜けてゆく。木漏れ日が心地良い。

トンネルを抜けると、小高い丘の上に上ってゆく。

すると、Murray Lagoonという湖を見渡すことができた。
Bald Hillという丘からの展望だ。思いがけずいいもん見れた。

野生の勘を頼りにねぐらを探すと、いい感じのところが見つかった。こんな奥までやって来る物好きはいまい。

木が風を遮ってくれて居心地がいい。ここなら数日間滞在しても問題なし。ただ問題なのが、水と食料。水は近くの淀んだCreekで汲むとして、食料はどうにもならん。

いちいち面倒臭いが、バッグを外してキャリアの取り付けビスなどの点検を行う。こんなこと雨が降る日にはやる気にならん。

それにしても本当に気持ちがいいところ。
久しぶりに車の音が聞こえないところで野宿できるな。全く聞こえないのは初めてかもしれない。

今日は思いっきり静かな夜を満喫しよう。ウィスパーライトインターナショナルの囁きが心地良い。

走行データ
Baudin Beach過ぎ〜Emu Ridge〜Murray Lagoon
走行距離 63km
ねぐら  Murray Laggon付近の森の中
 
おわり