こんにちは。からあげです。
今現在、Cairnsまで60kmほどのところにあるBabindaという小さな町の無料キャンプ場で滞在している。荷物が軽くなった自転車で60kmだと、半日あれば余裕で着く。帰国便までまだかなりの時間があることだし、ここでゆっくりして疲れを取ることにした。
帰国後は自走して家まで帰ることもあり、休める今のうちに休んでおいた方がいい。台風シーズンの10月だから、悪天候の走行も予想される。余裕を持った走行をするためにも、十分な休養が必要だ。
朝は6時過ぎのゆっくり目の起床。鳥のさえずりが木霊する静かな朝。
そこら辺には、観葉植物のような植物が普通に生えている。葉っぱがツヤツヤしていて勢いを感じられる。
朝のうちは大きな木の木陰になるので涼しくて過ごしやすい。
しかし、しばらく経つと直射日光が当たるようになり、テント内の温度が急上昇する。
自転車カバーを掛けて日光を遮る。これでずいぶんと違ってくる。本来は一枚布のタープで覆いたいのだが、袋状になっている自転車カバーなので仕方がない。今度はタープとして使いやすく目立ちにくい色の自転車カバーを自作したい。だが、カバーに最適な安い遮光生地が見つからない。
テントに直射日光が当たるのは1時間程度。一日中当たらない場所はどこにもなし。これでもじっくり場所を吟味してテントを設営した。
すぐ近くを流れる小川。昨晩子供たちがやって来たのは、小川に行くためだったらしい。突如、テントから出てきたおっさんに意味不明の言語で怒られた。とにかくあのテントにはもう近づかないほうがいい。そう思った子供たちは二度と私のテントに近づいてくることはなかった。
人のテントのすぐ近くを通ったり、夜間テントをライトで照らすのは失礼極まりない。優しく教えてあげたかったが、英会話能力に乏しい私には無理だった。
今回のオーストラリアツーリングで結構役に立った浄水器を洗浄しておく。もう使うことはないだろう。
洗浄用の注射器を使用して、出口側からキレイな水を入れて内部のフィルターに付着した汚れを押し流す。汚れた水を通すと一発で詰まって使用不能になるため、洗浄用注射器は常にセットで持ち歩く必要がある。
洗浄したあとは、よく水を切り陰干ししておく。浄水器内部は水切りが悪いので、出口側から口で息を吹いたあと、出口側から水を出すようにして振る。水が出なくなるまで、息を吹き込んでは振るを繰り返す。
浄水器の取扱については、帰国後ねっちりみっちり解説することにしよう。ブログのネタ満載でいつになるか分からないが。
不要なペットボトルを処分する。擦れ防止のアームカバーを付けているのが、前カゴの下に吊っていたペットボトル。容量は1.5L。
左のキレイなペットボトル2本は、サドル下のリアキャリアーステーの上の金網に載せていたペットボトルで容量は2本とも1.25L。
あと60km走行するだけなので、水は4L持っていれば十分。
不要な荷物とカバンを取り外して身軽になったディスクトラッカー。盗まれやすくなるので注意が必要だ。
昼食を作って食べたあと、テントの中に荷物を入れて町に出かけることにした。
改めて考えると、自転車旅行者って本当に無防備だな。盗難にいつ遭ってもおかしくはない。絶対盗られてはならない貴重品類は持って出かける。
一応少しでも盗みにくいようにポンチョタープの上から自転車カバーを掛けて二重にしておいた。
メッシュテントだから、中に人がいないのがバレバレ。
今回、初めて使ったかもしれない。自作のバックパック。アメリカPCTを歩くために自作した超軽量のバックパック。修理を繰り返しながら大事に使っている。
自転車に乗ってばかりでほとんど歩かなかったので、活躍の機会はなし。
Babindaの町の中には売り家が目立つ。便利なCairnsまで出て行ってしまうのだろう。
キャンプ場から町の中心部まではかなり近い。踏切を渡るとすぐそこが中心部。自転車で5分程度の距離。
通過する電車の本数が少ないため、踏切で待つことは滅多にない。
町に入る前に、ハイウェイ沿いにあるインフォメーションセンターを覗いてゆく。初めての町に来た時はインフォメーションに寄って情報収集するのが基本。RPGで酒場に寄るみたいに。
中はジャングル風に飾り付けられていて面白い。棚に各種パンフレットが置かれている。ざっと見たところ、おっさんの興味を惹くようなものはなし。
もう観光はいい。ただ無事に日本に帰えれさえすればいい。
Tubingと呼ばれるアトラクション。
単に客を浮き輪に載せて川に流すだけ。ヘルメットと救命胴衣を付けていれば、それほど危険ではないだろう。ラフティングよりさらにお手軽。
Babindaのメインストリート
通りには車がたくさん駐車されていて人もうろちょろしている。コーヒーショップやパン屋さん、雑貨屋さんなどがずらりと並ぶ。
ひときわ目立つ大きな建物はBabinda Sate Hotel。
風格を感じさせる建物だ。
ホテルの入り口
ドアは開け放たれていて、階段を4段登ると玄関ホールとなっている。人気はなし。通りに面したレストランは営業中だった。
町の映画館
週末だけの営業らしい。ネットで映画を見られるようになった昨今、経営は非常に厳しいだろう。
営業は週末の金、土、日の3日間だけ。週ごとに放映される映画が変わる。
オーストラリアで珍しい自販機。金網を設置してしっかりガードされている。驚いたことに360mlのコーラが2.5ドルで売られていた。店で買うより安い。
微妙に合わない金網と自販機。
ジャングル風の雰囲気が漂うカフェ。外は暑くても、日陰に入るとあら不思議、快適に過ごすことができる。遅いランチをとっている人の姿が見られた。
自転車駐輪禁止の標識。よくある田舎のようにほとんど自転車は走っていない。リアキャリアに箱を付けたママチャリを1台見ただけ。
駐輪禁止の標識は初めてみた。
工事中のお店
音楽を流して楽しそうに仕事をする作業員。オーストラリア人は朝早くから暗くなるまで本当によく働く。こんなに働き者の人たちだとは思いもしなかった。(失礼)
不毛のアウトバックを人が住めるように手を加えて行くには莫大な時間が必要だろう。深夜目を覚まして準備をして暗いうちから現場に向かって車を飛ばす。夜間走行中、そんな作業車がよく通り過ぎて行った。
彼らの頑張りは子供、孫の世代にしっかりと受け継がれて行くはずだ。親の背中を見て子供は育つ。
おっさんが町にやって来たのは、ほかでもない。スーパーで食料品を手に入れることと図書館でのんびりするためだ!
まずは東海岸の田舎で見られるSparでお買い物♪いつもお世話になりますスパーさん。
中に入ると、奥に細長い店で売場面積はなかなか広い。
品揃えはまあまあ。整然と商品が並べられている。
スパーブランドのツナ缶。お求めやすい価格で提供。
いつも買う玄米1kg入り袋は3.9ドル。大手スーパーだと3.4ドル。かなり頑張っている方だろう。
帰国間近で手持ちの現金を減らすため、会計は現金で支払った。
大事にとっておいたシンガポール人に貰った100ドル札を使用した。同年代だった彼は、見ず知らずの自転車旅行者に何もないからと言って100ドルを渡してくれた。
貰った時は金額を確かめずにポケットにねじ込んだが、彼が去ったあと紙幣を確かめてみると金額の多さに驚いた。なぜ、彼は私に100ドルも渡す気になったのだろう?娘さんの大学の卒業式に来たついでに観光しているところだと言っていた。見た感じ人生の成功者らしい余裕がみてとれた。
一方の私はトラックに轢かれそうになってムシャクシャしていた時だった。彼は神の使いだったのだろうか?それ以降、私は貰った100ドル札を財布に入れて大事にしまっていた。これを使う時は帰国する前に高級レストランで食事する時だと。
それなのに、どうしたことか、高級レストランで食事する気は全くなし。この際だから使ってしまえと、会計時に100ドル札を使用したのだった。この時の若い女性店員の反応に違和感を感じつつも店を出た。あとになってその理由を知ることになる。
買い物ついでおやつを購入。もうバカ高いロードハウスで買い物する必要もない。良心的な価格のスーパーで適正価格で食料を手に入れられる。
チーズ入りのソーセージ。地味に美味い。
オーストラリアの飲み物は量が中途半端なことが多い。
これはオーストラリアで生産されたコーラ。なんと中途半端な375ml。なぜなんだろう?
日本では250mlと350ml缶しか見ることのないコーラだが、多くの中途半端な量のコーラを見かける。生産工場がそれぞれ容量を決めているのだろうか?
ジュースが高いオーストラリアだが、実は冷えていないものはかなり安い。冷えていない1.25Lのペットボトルのジュースが1.65ドルで販売されている。
以前Tennat Creekのキャンプ場で冷蔵庫に入れていた時に盗まれたコーラは冷えていないやつを買って冷やしていたもの。野宿系自転車旅行者には、冷えていないやつを買う選択肢はなし。どこかに冷蔵庫代わりの残雪でもあれば、話が変わるのだが。
味のある壁画。山に入れば、色とりどりの鳥が住んでいることだろう。面倒くさいので行くことはないが。
町の中心部を横断する線路あり。これはサトウキビ運搬用のもの。
警告灯は横から来た車にも見えるように90度横を向いている。
サトウキビのカスが落ちている線路内。
まだ現役で使用されているようす。
スーパーで買い物したあとは、町の入り口にある図書館へやって来た。日陰の駐輪場に自転車を停める。この駐輪金具はスタンド付きの自転車用のため、スタンドのない自転車を停めると、前輪に負担が掛かる。できるだけ負荷が掛からないようにつっかえ棒で支えておく。
田舎町だからといって油断は禁物。しっかりロックしておく。駐輪金具に通しておいた。
図書館の中に入ろうとすると、扉が閉まっていた。
なぜだろう?開館時間の表示を見ると、12:30〜13:30までは休館時間だった。田舎の交代要員のいない図書館では、図書館員が家に戻って休憩できるように、昼休み時間だけ閉館するところがある。
しばらく入り口で待った。
館内はこじんまりしていて、少ない蔵書が本棚にキレイに並べられている。
なんだかよく分からない猫の大きなぬいぐるみが出迎えてくれる。なんとも味のある猫だ。
パソコンコーナーあり。それなりのスペックのPCが3台も設置されていた。使用料は無料。プリント代だけ掛かるシステム。フリーのWi-Fiも飛んでいた。
ここで2,3気になる雑誌と本を紹介。
これは四駆でオーストラリアをハードに旅するRoothyおじさん。
愛車の前で誇らしげにポーズを決めている。
給排気管の出口がルーフにあって、水の中でも平気で走れるようになっている。
ここでおっさんの疑問。ファンモーターやオルタネーターの電装系の防水はどうしているのだろう?構造が単純なディーゼル車とはいえ、電気回路は付いている。
車内にも水が入ってきそうな水深のところを走る。もう潜水艦のよう。これで車がよく動くもんだ。
続いてトレジャーハンターの雑誌GOLD。
オーストラリアには趣味で金を探す人がいるらしい。
金属探知機の広告のページ。
いろいろ種類がある。
なんと水中用の金属探知機もある。沈没船のお宝を探そうってわけか。
欲望を唆るページ。こんな大きな金を見つけたぜ!
そして最後はオーストラリアでキャンピングカーで暮らす人々を特集した雑誌。普段は自給自足農業の内容らしい。オーストラリア版Bライフか?
ベース車は消防車。後ろを取っ払い箱を載せて中身を改造。居住性を高めて持続可能な生活ができるようになっている。
これがキャンピングカーの中。ロフトにベッド、階段を棚にするという定番スタイル。狭い車内だとは思えないほどの空間が広がる。必要最低限の設備が効率よく配置されている。
3時前早くもキャンプ場に戻ってくる。館内の冷房がキツくて体が冷えた。外に出るとムッとする暑さだが、10分もすると体が慣れる。
キャンプ場のすぐ近くを流れる川。ここで川遊びをすることが可能。
木陰に座って涼んでいる人の姿が見られた。
その後はテント内でゆっくりする。蛇は出没することはなく、蚊が少なめで過ごしやすい。
晩飯のあと、日記を整理しつつ財布の中を確かめた。
すると、どうだろう。釣り銭が合わない。財布の中身を全て出し、カバンの中をひっくり返すなどしてみたが、あるはずの20ドル札が見当たらない!
お店で22.25ドルの買い物をして100ドル札を出して77.75ドルのお釣りを貰うはずだった。いつも財布の中身を把握しているので、手持ちの現金と間違えることはない。
この時になってようやく分かった店員のあの時の反応に。
英語を話せない通りすがりの外国人観光客が高額紙幣の100ドル札を出した。この時、彼女は瞬時に決意した。コイツから釣り銭を誤魔化してやろうと。この時の彼女の中に残る僅かな良心との戦いでオカシナ挙動を見せてしまったのだろう。努めて冷静にバーコードを通していたが、お釣りを渡す時は札を重ねて確認しづらいようにした。
欧米では合計金額が店員側にしか表示されないレジが多くて、口頭で金額を言われるだけ。ここで英語に不慣れな外国人は慌てることになる。
次のお客が来ていたこともあり、私は釣り銭を受け取ると確かめもせずに財布に入れてしまったのだった。普段はカード払いで現金を使うことはない。最後の最後で気を緩めてしまったようだ。
私が店を出ると、店員の彼女も店を出てゆき、少し離れたベンチで昼休憩をとっていた。私のことなど気を留めずに通りがかった知り合いと話しながらサンドイッチを食べていた。20ドルせしめることができたあとのサンドイッチはさぞかし旨かったことだろう。
私はというと、そんなことも知らずに図書館に寄り、キャンプ場に戻ってのんびり午後の優雅な時を過ごしていた。日が暮れてから発覚した事件だった!
ヤラれた。あのアマに!
今後は現金を使う時はセルフレジのみとする。やむなく有人レジで現金を使う時は20ドル以下の少額紙幣を使うことにする。小さな買い物しかしない私には高額紙幣は使いづらい。今回、100ドルではなく50ドルを出していたら、こんなことにはならなかっただろう。10ドル5ドルを誤魔化すことはやるまい。
せっかくシンガポール人から貰ったお金をこのように後味の悪い使い方をしてしまうとは。海外に行くと、ちょっとしたミスで100ドル200ドルが飛んでいくことが多い。つい先日、TelstraのSIMカードのチャージをしようとしたところ、ヘマをやらかして10ドル溝に捨てる行為をしてしまった。まあ、昔みたいに両替商にボッタクラれるよりマシだろう。
まだ店員にヤラれたとは確定していない。単に私がどこかに落としただけかもしれないし、誰かにスられただけかもしれない。状況的に彼女は黒だが、この際些細なことは忘れてしまおう。元は天から降ってきたようなお金だ。その一部が消えてしまっただけ。
罪を憎んで人を憎まず。さて、寝るか。