こんにちは。からあげです。
はじめに
しっかりと整備された自転車に乗ると非常に気持ち良い。だが逆に整備不良の自転車に乗ると気持ち悪くて仕方がない。特に乗りっぱなしのママチャリなどは最悪だ。
愛車ディスクトラッカーは走行距離が増えるにつれ、変速が決まらなくなってきた。いくら調整してもすぐに調子が悪くなる。本来走ると気持ちいいはずの自転車だが、ストレスが溜まるようになっていた。
変速不良の原因を考えるうちに、リアディレーラーのプーリーの交換は一度もしていなかったことを思い出す。ちょうどチェーン交換の時期だったこともあり、チェーン交換と同時にリヤディレーラーのプーリーの交換を行うことにした。
RDプーリー交換作業
いつものように自転車を倒立させる。
ステムのサイクルコンピューターを外し、ハンドルを回してブラケットで支えるように調整する。
整備スタンドを持たない私はいつも倒立させる方法でやっている。機械式ディスクブレーキだと、気兼ねなくひっくり返すことができる。
前回のチェーン交換から5,000km走行
チェーンを切る前に、チェッカーを当ててみる。
状態はガバガバ。すでに使用限界を越えていた。
リヤディレーラー取り外し
リヤディレーラーはShimano ALTUS RD-M2000。
フロントトリプル、リヤ9速のMTB系コンポのALTUS。低グレードながらも耐久性は十分で変速もしっかりしてくれる。
リヤディレーラーにはプーリーが2つあって、スプロケットに近い方がガイドプーリー。遠いほうがテンションプーリー。
リヤディーレーラー周りをじっくりと観察する。ついでに各部の写真を撮っておく。
ディレーラーハンガー(エンド金具とも呼ばれる)
曲がりやすい金具のため、交換可能な作りになっている。
とはいうものの、ディレーラーと一体物で外すことはできない。
チェーンカッターでチェーンピンを抜く。
軽量化したスペシャルな携帯用。
チェーンを切り、シフトのインナーケーブルを外したところ。
スプリングの力でケージが跳ね上がる。
5mm六角レンチで付け根からリヤディレーラー丸ごと取り外す。
27,000km以上走って今回初めて取り外した。
反対側
テンションプーリーの取り外し
ケージの先に付いている方がテンションプーリ。
まずはこちら側から取り外す。3mm六角レンチを使用する。
取り外したテンションプーリー
取り付けビスには緩み止め剤が塗られていたが、簡単に緩めることができた。
もちろんプーリーの取り外しも今回が初めて。
軸受部分の分解
プーリーの軸受部分は、高価なボールベアリングタイプと安価なブッシュタイプの2種類あり。
写真で確認するまでもなく、ALTUSのプーリーはブッシュタイプ。軸穴にブッシュを挿入してから丸いプレート2枚で挟む構造。
テンションプーリー
ブッシュとプレート
とにかく酷い汚れ。これまでは外側をウエスで拭いているだけだった。
ケージの内側には酷い汚れあり。一度も分解しないとこうなる。
ガイドプーリーの取り外し
続いてガイドプーリーを取り外す。
こちらも3mm六角レンチを使用する。
ガイドプーリーの取り付けビスも取り外すと、ケージが2つに割れる。
こちらも簡単に緩めることができた。
ガイドプーリー一式
分解前に吹き付けた防錆潤滑剤でサビが浮いて赤茶色になっている。
プーリーの軸穴は筒状の金具で補強されている。
ケージ内側にはウエスの繊維くずが付着していた。
これでだけでも抵抗ありそうだ。
新しいプーリーセット
RD3300 テンション・ガイドプーリーセット Y5TT98020
ロード系コンポ SORA8速用(RD−3300)のプーリーセット。
Amazonのレビューによると、TIAGRA 10速でも問題ないとのことだったので、一番安いこいつを選んだ。実際、ALTUS 9速でも全く問題なし。
プーリーセット
右 テンションプーリー
左 ガイドプーリー
プーリーの径は同じだが、ガイドプーリーの方がやや厚め。歯数はどちらも11T。
取付ビスは付属しない。
プーリーの大きな違いは、ガイドプーリーの軸穴に金属製の筒が取り付けられていること。横方向の力も掛かるためだと思われる。
テンションプーリーとガイドプーリーの厚みと歯先の違い
角度を変えて撮影
薄いテンションプーリーの方は回転方向の指定がありそうな形状だが、全く気にしないで取り付けた。
プーリーの消耗具合
テンションプーリー
テンションプーリーの消耗具合
違いは歴然。歯先がやせ細っている。
ガイドプーリー
ガイドプーリーの消耗具合
こちらも酷い有り様だ。
分解時に気になった凹みは、成形用のものと思われる。
ガイドプーリーのみある。
厚みを比較する。
使用済みのテンションプーリーとガイドプーリー
リヤディレーラーの組み立て
組み立てる前にしっかりと掃除する。
バイスに挟んでウエスで磨き上げ、可動部にオイルを差した。
よくぞ今まで仕事をしてくれたもんだ。反省してこれからはこまめに掃除すると心に決めた。
見違えるほどきれいになったリヤディレーラー。オイルを差してスムーズに動くようになった。
ガイドプーリー取付部
ネジ穴もきれいに掃除した。
ビスに緩み止め剤を塗布して組み立てる。
3M TL43J 中強度タイプ・高粘度
プーリーの取り付けビス2本は径は同じだが、長さが微妙に違う。
ガイドプーリーの方が少し長い。
ブッシュ周りに惜しげもなくプレミアムグリスを塗る。
ブッシュを入れてからプレートで挟む。
リアディーレーラ−取り付け部分
角度を変えて後方から撮影。こんなところにもSURLYのロゴがある。
ついでにシフトのインナーケーブルを引き抜き、掃除してからグリスを薄く塗って取り付ける。
端をはんだ付け処理してあるため、何度も抜き差しすることができる。手間を惜しまずにやっておいて良かった。
9S用チェーンは安い方のCN-HG53。
ハイグレードなCN-HG93と500円程度の差しかないのだが、つい安い方を選んでしまう。
8s用チェーンは9sの半値近くで買えるのでコンポを8Sに変更したくなるが、残念なことに8sスプロケットの最大歯数は32T。
一方、9Sスプロケットの最大歯数は36T。
たった4Tの違いだが、重荷を積載して坂道を上るときに大きな違いとなって現れる。
立ち漕ぎは消耗するので、できるだけ座ったままで漕ぎたい。
既存のチェーンにリンク数を合わせる。
今回はチェーンピンではなく、ミッシングリンクで繋ぐので1個分短くする。
こうして並べた方が間違いがなくていい。
KMCの9s用ミッシングリンク
ロングツーリングなど出先でチェーン洗浄するときに便利。
ここで切ってチェーンをペットボトルに洗浄液とともに入れてシェイクするだけでいい。
3〜5回の繰り返し使用可能。
チェーンにオイルを差すときに目印にもなる。
チェーンを繋いで取り付け完了。
続いてリヤディレーラーのストローク調整とインデックス調整を行った。
ストローク調整はガイドプーリーの振り幅、インデックス調整はインナーケーブルの張り具合の調整のこと。
実は最近までリヤディレーラーの調整が苦手だったが、プーリーを交換するまで短期間で何度も調整してようやくコツが分った。
ピカピカのパーツは非常に気持ちいい。
ALTUSでも十分カッコいい。つい笑みが溢れる。
新品に交換して見違えた。
初めてのチェーン交換のとき、通し間違えてチェーンピン1本無駄にしたことがある。それ以降は注意するようになった。あのとき予備のチェーンピンがなかったら、1時間以上押し歩きせねばならないところだった。
チェーンが新品だととても見栄えがいい。
プーリー交換後の具合
プーリーを新品に交換すると、これまで変速しづらかったのが嘘のように、変速が気持ちよく決まるようになった。変速がスムーズでストレスなし。
なぜもっと早く交換しなかったのだろう。そんなことを思ったが、勉強になったので良しとする。プーリーはそれほど繊細ではないようなので、段数が違うものでも全然OKだと分かったのが収穫。
これからは5,000km毎にリヤディレーラーの分解洗浄、20,000kmを超えたらプーリーを交換したい。