こんにちは。からあげです。
本日、Cedunaを出発してナラボー平原(Nullarbor Plain)の横断が始まった。
ナラボー平原は、東のCedunaから西のNorsemanまでのおよそ1,200km。現在の予定では2週間程度かかる見込み。
この間、水・食料を補給できるところが少ないため、多くの水・食料を持って走らねばならない。しかも、遮蔽物がなく風が強く吹くという。仮に強い向かい風に吹かれても、頑張って漕いで手持ちの水・食料が尽きる前に次の補給ポイントに着かねばならない。
予定どおり着かなければ、道行く車に物乞いするか、飢えと乾きに苦しみながら昇天することになる。
さて、一体どうなってしまうのか?ブログ更新が途絶えたら、飢えと乾きでおっさんは逝ってしまったと思ってくれい。
昨晩は、蚊の大群に囲まれてテントから出るに出られなくなり、夕食はパンとバナナで済ました。今朝の冷え込みはたいしたことがなかったためか、テントの外に出ると蚊が待ち構えていて、体のあちこちを刺されてしまった。
朝食を済ませると、超高速でテントの撤収、荷物の積み込みを行い出発した!最近ダラケていたので、たまにはこういう刺激もいい。
海辺の公園に移動して自転車の掃除と各部の点検を行う。
これからナラボー平原の横断が始まるため、点検整備をしっかりと行った。
食料の補給は、この先ロードハウスと呼ばれる施設内のコンビニで必要最低限行うのみ。あとは手持ちの食料の消費を抑えるために、レストランで食事をしてゆく。
玄米は途中で入手出来ないので、全部で6.5kg持つことにした。あとはチョコバーと缶詰多め。足りなければ、適当なものを買って食べる。
およそ10日分の食料を詰めてずっしりと重たくなった自転車。まだ食料だけ。カバンの中には入り切らないので、カゴの上に載せて縛ってある。この自作のカゴがなければ、大量積載は実現出来なかっただろう。
ガソリンスタンドでガソリンを補給したあと、町外れのDump Pointにやって来た。ここはキャンピングカーの汚水を処理する施設だが、ここでは飲料水を汲むこともできる。
スマホアプリのWikicampsがなければ、この施設の発見は難しい。Dump Pointには、水なしのところとありのところがあって区別が付きにくい。キャンパーはどうやって見つけているのか、かなり気になる。水不足の経験がほとんどない日本人だと、オーストラリアの水道事情にはかなり戸惑うことだろう。
飲料水の蛇口。
オーストラリアでは飲料水が汲めるところにPotable WaterまたはDrinking Waterと表示されている。
蛇口にネジが切られていて、手持ちのホースに繋いで、ポリタンクなどに入れるようになっている。
自転車の場合は、広口ボトルを使って水を汲み、ペットボトルに移し替えることになる。貴重な飲料水はこぼしてはイケない。
ここで水をたくさん汲み、全部で8L持った。
水・食料を満載すると、タイヤが潰れてリム打ちパンクをするかもしれないため、空気を多めに入れておく。
始めはふらついていたが、次第に重さに慣れてくる。できるだけ自転車は直立させた状態でペダルを漕ぐ。自転車を左右にゆさゆさ揺すると、フレームが捻れて余計な負荷が掛かる。
本日の目的地は70km先のPenong。自転車の整備と水食料などの補給を行っていたため、出発したのは10時ころだった。
今日は出だしから、向かい風が吹いている。もう慣れたよ!向かい風が吹くと、ハエに集られにくくていい。
木陰で休憩中。
Cedunaを出発したら、急にハエが多くなった。乾燥地帯ではハエに集られるようになるのだが、なぜ集まってくるかは不明。
アブのように血を吸うわけではないが、鼻や耳の穴の中に入りそうになって鬱陶しい。たくさんのハエに混じって蚊も集まってくるから厄介。こんなところで、どうして蚊が生きられるのかが不思議。
ロードトレインを遠目で見る。
Cedunaを出ると、ロードトレインがさらに長くなったような気がした。いや、気のせいじゃない。確かに長くなっている。本当に電車のようじゃないか!
今日は出発が遅かったので、午前中の距離は全然伸びず。
こういう時は焦らず、腹ごしらえをするに限る。
それにしても凄いハエだな!いったいどこから集まって来るのか?おっさんの汗臭い臭いに釣られて3割アップかな。
いつもと変わらない袋ラーメン2袋にイワシの缶詰。時々、ラーメンの汁で溺れるハエを救出しながら食べる。
虫除けネットを被ると、食べられなくなるし、困ったもんだ。
いつまでも付きまとってくるハエ。全部で50匹くらいに集られている。このまま道路に出て走っていると、大型車とすれ違った時に、風圧で全部ふっ飛ばされた!
大型車もたまには良い仕事してくれるな。
行けども行けども同じような風景が続く。
すっかり景色に飽きて日常になっている。
途中でAdelaide在住のオーストラリア人のサイクリストとすれ違う。彼もバイクパッキングスタイルでハブダイナモを搭載していた。スマホをナビと音楽プレイヤーとして使用していた。長くは話さなかったので詳細は不明だが、彼もおそらく夜明け前に走行していると思われる。日照時間が短くて水の消費量を抑えられる秋から冬に、夜間走行を混じえて走れば、かなり楽になるだろう。
今すぐにでもハブダイナモを付けて、スマホ・モバイルバッテリーを充電しつつ、ナイトランを楽しみたくなってきた。日が短くて一日はあっという間に終わる。秋の夜長、ブログをしろってか?
今日のOver Size。何を運んでいるんだい?何やらキャタピラ付きの重機を運んでいるな!
それにしても、大型車の運転手は一日どれくらいの距離を運転しているのだろうか?ロードサイド野宿をしていると、耳栓をしていても大型車が通る時の地響きが聞こえてくる。まさか、AdelaideからPerthまで3日で行って下ろしてくるとかやっているのか?それとも、州境までを延々ピストンしているとか。多くの大型車を見る割には、レストエリアに停まって休んでいる車は非常に少ない。
緩やかなアップダウンを繰り返し、坂を上りきると遥か彼方にPenongが見えてきた。大きなサイロがあってよく目立つ。
よく一日でここまで来たな。町の手前で野宿かな?と思っていた。
Penong名物ウインドミル。風の力を使って水を汲み上げる時に使う。
大小様々な風車が設置してある。夕日を浴びてプロペラが光っている。
1番デカイのはComet。地下から水を組み上げてタンクに入れていた。風車があるってことはそれだけ風が強いってことか。
Penongに寄ったのは休憩のためでもあるが、水を補給するのが最大の目的だった。あてにしていた公園の水がリサイクルウォーターだったので、キャラバンパークに水を貰いに行った。これまで気にせずにトイレの水を飲んでいた(時々浄水はしていた)が、できることならちゃんとした水を飲みたいと思うようになった。
管理棟に行って事情を話すと、渡したペットボトルに水を入れてくれた。いやあ、本当に助かった。今日はタダでくれたが、買うこともあるかもしれない。水1L=1ドルでも仕方がないだろう。それだけ乾燥地帯では水は貴重だ。
町の公園には、至るところに「No Camp」と表示されていたので、町を出ていつもの道路脇でキャンプすることにした。
出たすぐのところに、建設中のオービスがあった。こんな見通しの良いところに設置しても、捕まる奴はいないだろう。いや、多分これは捕まえるために付けるんじゃない。少しでもスピードを控えて貰うために付けるんだ。たぶん。
Next 79km。次はNundrooの町まで。
なんとなくオーストラリアっぽい標識だな。右はウォンバットだって。たぬきのような生物だろう。まだ見たことはなし。
町を出て2,3Km走ったところで、いい感じの茂みの中でテントを設営した。地面に手が入っていて、下草が少なくテントを張りやすかった。
日が沈むと鬱陶しいハエはどこかに行ってしまった。ねぐらに帰ったのだろうか?今日は蚊の来襲はなし。昨日と今日の昼間は一体何だったのだろう?そう思えてくる。それだけ大地が乾燥してきたということだな。
明日は80km先のNundrooで休憩し、走れるところまで走って道路脇で野宿。さあて、そろそろ休むとしようか。明日も目一杯漕がねばならん。
ねぐら 道路脇