丈夫で使いやすいスチール製のタイヤレバーを探し求めて

こんにちは。からあげです。

 

丈夫なスチール製のタイヤレバーが必要な理由

自転車ロングツーリングでの定番のタイヤ、シュワルベ マラソンプラス(Schwalbe Marathon Plus)。5mm厚のパンク防止帯が内蔵されていて驚異の耐久性を誇り、世界中のサイクリスト達に支持されているタイヤだ。

北海道ツーリングでは、ついうっかりホタテ貝を踏みパンクするというトラブルに見舞われたが、それ以外のパンクはなく7,000km走って無事にツーリングを終えることができた。

 

パンクしづらいタイヤのマラソンプラスだが、ワイヤービートのため、タイヤ交換する際にタイヤレバーが折れそうになる。私は軽くて使いやすいシュワルベのプラスティックレバーを使っているのだが、硬いビートを外そうとしてレバーに力を加えると、折れるのではないかとヒヤヒヤすることが度々ある。タイヤレバーはいつも紛失に備えて常に3本持つようにしているが、立て続けに2本折れないとは限らない。さすがに1本ではタイヤ交換は辛い。

 

シュワルベ(Schwalbe)タイヤレバー

マラソンプラスと同時に購入したシュワルベのプラスチック製タイヤレバー。
3本一組で販売されている。平らなレバーで3枚重ねてコンパクトに収納することができる。
パナレーサーのレバーと使い比べてみたところ、私にはこちらの方が使いやすいと感じた。

他社にはないクリップ機能があって、タイヤを嵌める最後で役立つ。

仕様
長さ 105mm
26.5mm
厚み 4.25mm
レバー先端の幅 21.6mm
重さ 13g

 

横から見たようす

先端以外は平らな作りとなっている。3枚重ねるとコンパクトになる。
レバーの厚みは4.25mm。通常のケブラービートのタイヤであれば、強度に問題はなし。

思いっきり力を入れてレバーを曲げてみる。
夏場にワイヤービートのタイヤを着脱する際、これよりもう少し曲がる。

タイヤレバーのグリップ部分に装備されているクリップ機能。
タイヤを嵌める際、最後のビートを入れる部分で活躍する。

クリップのようにビートを挟んで留めると、嵌めたビートが外れないようになって作業がやりやすくなる。

レバー先端部のようす

幅は21.6mm。中央部分に比べて細くなっている。

横からみる

レバーは先端部分の形状が重要。

 

パナレーサー(Panaracer)タイヤレバー

家電メーカーのパナソニックの関連企業で自転車のパーツなどを扱う。
これも3本セットで販売されている。

これは10年以上前にMTBに乗っていた時に購入したもの。100均レバーとの違いに驚いたことを覚えている。若干のデザイン変更があるものの、現行版と大きな違いはなし。手に持つと一番しっくりくる。さすがはパナレーサーといった感じ。

仕様
長さ 128mm
20mm
厚み 5.75mm
レバー先端の幅 18mm
重さ 12g

 

裏側は余分な部分を肉抜きにして軽量化している。

パナレーサーのレバーは先端部が大きく曲がっていることが特徴。
テコを使うことにより、軽い力でタイヤを着脱できる。

スポークに嵌めて固定するところ。

シュワルベに比べてしっかり固定し、作業中レバーが外れにくくなっている。

先端部のようす

この曲がりがシュワルベとの大きな違い。
軽い力で作業できるが、収納時のコンパクトさに欠ける。

2つのレバーを比べてみると、違いは一目瞭然。
先端部の角度もキツくなっている。

スチール製タイヤレバー(TOOPRE 拓派 TP-205)

プラスチック製のタイヤレバーだと、ワイヤービートのマラソンプラスの交換には強度が足りないので、今回スチール製のタイヤレバーを買ってみた。

Amazonで約500円。他のスチール製レバーと比較して先端部の幅が広いものを選んだ。

仕様
長さ 11.15mm
9.4mm
厚み 3.4mm
レバー先端の幅 8.7mm
重さ 28g

 

タイヤレバーは3本セット。

途中で曲がりあり。

曲がり部分のアップ

タイヤレバーのおもて

レバーの表中央には、歯車の絵と「TOOPRE 拓派 TP-205」と表示されている。

レバー先端のようす

薄くなって横に広がっている。他の安物のレバーよりは多少は広い。

レバー先端を横から見たようす

緩いカーブとなっている。あとで気がついたのだが、この形状だとビートが外れにくい。
ただし、強度は十分。パナレーサーのような曲がりが付いていたら完璧。

レバー先端の裏側のようす

レバー手元の切り欠き部分

ここにスポークを嵌めてレバーを固定する。

切り欠きを横から見たようす

レバー手元の先端のようす

長さは約11mm。普段使用しているシュワルベのプラスティックレバーを並べてみた。

重さを計測してみると、1本28g。

比較対象物としてシュワルベのプラスチックレバーを量ってみると13g。

スチール製のレバーはプラスティック製のおよそ倍の重さがある。

 

スチール製タイヤレバーでタイヤ交換(マラソンプラス)する

東京から乗って帰ってきたディスクトラッカーには、新品のマラソンプラスが付いている。新品は来年のオーストラリアツーリング用に温存しておくために、手持ちの中古に交換することにした。
北海道・東北ツーリングで7,000km走行したタイヤだ。
ディスクトラッカーのホイールにはブレーキローターが付いているが、リムブレーキ用のホイールと大した違いはない。
まずはやりやすい前輪から行う。

新品でビートが硬めなので、躊躇うことなくタイヤレバーを差し込む。
スチール製は中のチューブを傷めやすいので、慎重に作業を行う。

タイヤレバーを2本突っ込んで遠慮なく力を加えると、ビートが簡単に外れてくれた。
リムやビートには、ほとんどキズは付かず。

あとは手で強引に外してゆく。

最近は寒くなったので、プラレバーでも曲がりにくくなったが、スチール製はレバーの曲がりを気にすることなく落ち着いて作業することができるのがいい。

前輪を終えると、続いて後輪のタイヤ交換を行う。新しいタイヤに付け換えて、最後に空気を入れているところ。
あれ?さっきから頑張って携帯用ポンプで空気を入れているが、なかなか圧が上がらない。

ひょっとして、パンクさせてしまったのか?

タイヤを外してチューブを水の中に入れてみると、気泡が出てくるではないか!

タイヤを嵌める時の最後でビート硬くて入りづらかったので、レバーを差し込んだのだが、レバーをこじた時にチューブを挟んでしまったようだ。
先端の形状がやや丸みを帯びたカーブで、プラレバーに比べるとチューブを傷めやすいようだ。

やってしまったのは仕方がない。

パンクした箇所にペイントマーカーで印を付ける。
なかなか大きな穴が空いている。穴の左の白い跡はレバーが当たった跡か?

100均のパンク修理セットで修理したあと、水に沈ませて漏れがないかチェックする。

ヨシ、では今回は慎重に取り付けることにしよう。

結局、最後のビートを完全に嵌める時に、プラスチックレバーを使った。
スチール製のレバーを使うとまたパンクさせてしまうような気がした。

これまで何回かタイヤの付け外しをしてきたが、チューブをパンクさせてしまったのは始めてだった。

 

3本のタイヤレバーを比較する

普段使用しているシュワルベとスチール製レバーを比べてみた。
今回の失敗で、タイヤレバーは材質よりも、先端部の形状の方が重要なことが分かった。

まず幅は狭い方より広い方がいい。力が分散してくれて、チューブやタイヤを傷めにくい。

先端部のR部分が全く違う。
スチール製レバーは丈夫だが、テコを使用しづらい形状となっている。
一方のシュワルベのレバーはテコを利用しやすい形状となっている。

シュワルベとパナレーサーを比較してみる。
パナレーサーの方が大きな曲がりで、よりテコを利用しやすくなっている。
先端のRもキツく、不用意にレバーを差し込んでもチューブを挟みにくいようになっている。ただし、先端部の幅はシュワルベ(21.6mm)より細い18mmとなっている。

パナレーサーとシュワルベのレバーを比べてみる。
パナレーサーの方が長く、複雑な形状をしている。
レバー先端の格子状のグリップがGOOD。

横からみると、パナレーサーは大きな曲がりがあることが分かる。
この曲がりで作業がやりやすいのだが、携帯性が多少悪くなる。

 

私の個人的な感想を言うと、シュワルベの方が使いやすいと感じる。スチール製は論外。パナレーサーは手に馴染みやすくて扱いやすいのだが、先端のRがキツくてレバーを差し込みにくい。ただRがキツい分、チューブを傷つけにくいと思われる。

スチール製レバーは不用意に差し込むと、まず間違いなくチューブを挟んでしまう。
今回、スチール製レバーの取り扱いに十分注意をしていたにも関わらず、チューブをパンクさせてしまった。パンクさせた原因は、材質より先端部の形状の方が問題だと思われる。(もちろんおっさんの腕の悪さもある。)硬い金属で加工しにくいためか、厚みがあってRが緩くなっている。

このスチール製レバーを使うと、再びチューブをパンクさせることになるので、今後使用するのは止めて、新たなレバーを買うことにした。オーストラリアの砂漠で自走不能となる事態はなんとしても避けたい。40℃近い炎天下の作業には曲がらないスチール製レバーがぜひとも欲しい。糞暑い中パンクして、冷静に作業できるとはとうてい思えない。

 

鉄芯入りタイヤレバー

スチール製タイヤレバーで失敗をやらかした私は、新たに鉄芯入のタイヤレバーを購入した。
表面はプラスチック製でリムやチューブを傷つけにくい仕様となっている。

タイヤレバーの先

以前のスチール製と比べると、かなり扱いやすい形状になっている。

決して太いとは言えないが、それなりに幅広になっている。もう少し広くして欲しいところだが、そうすると重量増となってしまうのが鉄芯入りの悲しい定め。扱いやすさと重量バランスを考慮して最適な幅としているのだろう。

実際に何度か使ってみたところ、チューブをパンクさせることはなかった。これなら使える(自分の未熟さを棚上げしておいての発言)。今年のオーストラリアには、この鉄芯入りタイヤレバー2本とシュワルベのプラレバー2本を持ってゆくことにした。レビューについては帰国後行うことにするので、期待せずに待っていて欲しい。

 

おわり

コメント

  1. やまねん より:

    私はタイヤレバーは1本あればタイヤ交換出来ます(自慢)

    • karaage より:

      荷物満載、向かい風、日没間近、100km走行後に鼻歌まじりでレバー1本で10分でタイヤ交換できたら、私はきっとあなたのことを尊敬します。(笑

  2. k より:

    ビートではなく、ビード (bead) ですね。

    • karaage より:

      どちらでも意味は通じると思うのですが?
      waterのことをウァワーラーと記載した方がいいですか?

      英語をカタカナにすると、違和感があるのでいつも悩みます。