こんにちは。からあげです。
今日はとっておきの道具を紹介しよう!
軽量コンパクトで携帯に便利なP-38型缶切りだ!またの名を缶オープナーと言う。
ああ面倒くせーここは単に缶切りでいい!!
小型の缶切りが必要な理由
とっておきの缶切りを紹介するまえに、なぜ小型の缶切りが必要なのかを説明しよう。
今年はオーストラリア自転車ツーリングをすることにしたのだが、一番の問題は栄養補給だった。ペダルを漕いで自分自身の力で進まないとイケない自転車はとにかく腹が減る。まだ1,2月程度の短期なら、ジャンクフードでも骨身を削れば、なんとか持ちこたえられるのだが、半年以上の長期になるとジャンクフードだけではとても身が持たない。
一昨年2017年に約5ヶ月かけてアメリカ西海岸のパシフィッククレストトレイル(Pacific Crest Trail 通称PCT)を歩いた際に、過度の疲労と栄養失調のために脚を疲労骨折してしまった。(自己診断なので真偽は不明。)脚を傷めた直後は、疲労骨折は単なる酷使によるものだと思っていたが、時間が経つにつれて栄養失調も大きな原因のように思えてきた。
カリフォルニア州南部 Idyllwild(アイディルワイルド)手前のパラダイス・カフェ
ハイカーフレンドリーなお店で、大盛りや荷物の受け取りなどハイカーたちに各種便宜を図ってくれる。そこで食べたスペシャルメニュー。草履並みの大きさのステーキ、スクランブルエッグにマッシュポテト。さらにこのあとトーストも出てきた。
アメリカの庶民が行くようなレストランの定番メニューはハンバーガー。大盛りのフライドポテトも付くが、お腹が空いているため、あっという間に平らげてしまう。
これで約$15。山から下りた時は歩いたご褒美にレストランで食事をすることにしていた。アメリカは肉食中心で野菜類はほとんどなし。
荷物は自分で担いで歩かなければならないため、軽量重視でインスタントラーメンを主食にしていた。袋ラーメンのマルちゃんはアメリカでも人気のようで、スーパーマーケットには必ず置いてあった。
食料を詰めているところ。
マルちゃんにスパム、パワーバーなど。
まだ初期の頃は良かった。何でもお腹が膨れるものを食べれば歩くことができた。
しかし、後半頃に差し掛かると、グリス切れを起こした機械のように体の節々が軋むようになっていた。町に下りた際にはスーパーマーケットで果物を買って食べるなどもしていたが、全然栄養が足りなかった。
アイスクリームやお菓子などもよく食べた。それまでは健康を気遣って砂糖が入ったものは食べていなかったのだが、PCTハイキングではより好みできる状況ではないため、砂糖を解禁して何でもよく食べた。それでも体重は減少の一途を辿り、歩き終えるころには肋骨がハッキリと浮き出るガリガリになった。
5ヶ月間におよぶPCTハイキングを歩き終えてからは、グレイハウンドバスを乗り継いでバックパックの旅をしていた。その時、猛烈に食べたくなったのは野菜類だった。もう歩かなくてよくなったため、缶詰なども重い食料も買えるようになった。
アメリカでは野菜や果物類は非常に高いかわりに、スナック菓子や炭酸飲料などのジャンクフードが安くて、貧乏人は自然と不健康になる社会となっている。
私は脚の痛みを少しでも和らげるために、そして本能の求めるままに、ホステルに泊まった際は缶詰を中心に食べるようになった。
共同キッチンで食事する。
単に缶詰を開けて温めるだけ。
この時に困ったのは、アメリカの缶詰は缶切りが必要なものもあるということ。(おっさんの記憶によると、3~4割の缶詰が缶切りが必要だった。)
$4,5する高価な缶詰は缶切り不要なプルトップ型がほとんどだったが、$2,3で売っている安価な缶詰は缶切りが必要な従来型が多かった。
アメリカの缶切りは馬鹿でかくて、とても携帯できるような代物ではなく、ホステルのキッチンなどに置いていないこともあった。そのため、割高なプルトップ型の缶詰を買わざるを得なかった。たかが缶詰1個に500円以上払うのは馬鹿げている。かと言って背に腹は変えられない。レストランで食事をすることを思えば、$4,5もする缶詰でも十分割安だった。(北米では食事代の他にチップも加わる。)
アメリカとオーストラリアとでは食料事情が多少違うかもしれないが、同じく肉食中心だと思われる。食べ慣れない日本人が肉ばかり食べていたら確実に体を壊す。(そもそも日本人の消化器官は肉食を消化できるようにはなっていないらしい。)国土の大半を砂漠などの乾燥地帯が占めるオーストラリアでは生野菜は貴重品だろう。缶詰で最低限の栄養素を補う必要がある。
今回は自転車で多少の余裕があるので、重たい缶詰も少しだけなら持ち運べる。缶詰を中心とした献立を考える。
以上のようなことから、野宿放浪の旅には小型軽量な缶切りが必要なのだ!
p-38型缶切りの紹介
ネットで検索していると、私が求めていた缶切りがようやく見つかった!
早速購入してみた。
今回は和製Amazonを目指すヨドバシドットコムで購入した。
過剰包装もAmazonに習っているのか?
さすがにこれはやり過ぎだろう。最近のAmazonは過剰包装を改めつつある。
特に急ぎでもないのに、注文してから24時間も経たない翌日に届いてしまうことにも驚く。
本場のAmazon.comのように通常は5~7営業日での配達で、翌日配達は有料で$10~20とした方が良いのではないか?このクソ忙しい年度末に空気ばかり入った箱を運ばせられる運送会社の人が不憫でならない。直ぐにでも欲しい人だけが、高い送料を払ったらいい。(アメリカを真似ると衝動買いが減り儲けも減るという事情もあるのだろう。)
これがP-38型缶切り。
日本メーカーブッシュクラフトがサバイバル・ブッシュクラフト系道具を製造販売しているもの。最近ちらほらブッシュクラフトという用語を耳にするようになってきた。ブッシュクラフトとは、自然環境の中における『生活の知恵』の総称とされているそうな。
値段は200円程度と非常に安価なもの。
もともとアメリカ軍で使用されていた缶切りで、太平洋戦争時に開発されてベトナム戦争まで使用されていたものらしい。これはP-38のコピー商品。
袋から缶切りを出してみる。驚くほど軽く小さい。
MIL-J-0837の刻印あり。
実際に使用されていたものだと、すごく価値がありそうだ。
缶切りの全長はおよそ38mm。
缶切りを裏返してみる。
折りたたみ式の刃が付けられている。
横から見ると、薄っぺらい。
この缶切りを使用するには、刃を拡げてグリップとの角度を90度にするだけ。
初めて拡げた時はやや硬めだった。
刃を拡げた状態
ん?よく見ると刃先が曲がっている。
最初はケガ防止かと思ったが、ここが切り初めの穴を空ける最も重要な部分。
わざわざ翌日配達してもらった缶切りを返品するのはできなかった。
こんなもの、ヤスリで磨けばすぐに直る。
通常の缶切りと比べてみると、軽量コンパクトさがまるで違う。
どちらか一方を選べと言われたら、間違いなくP-38型を選ぶ。
(使い心地も通常型に全く引けを取らない。)
通常型の重さは52g。
こちらはP-38型。驚きの4g。
曲がっていた刃先はヤスリで削って砥石で研いで尖らせた。
これで十分。あまり刃を薄くすると刃こぼれしやすくなる。
ツールナイフとの組み合わせを検討する
お気に入りのレザーマンSQUIRT Ps4には、あいにく缶切りが付いていない。
プライヤー機能が搭載されていて非常に便利。
今回はラジオペンチを持ってゆくため、SQUIRT Ps4のプライヤ機能は不要。
携帯性よりも作業性を重視して通常のラジオペンチを持つことにした。
ブレーキやシフトのインナーケーブルを切断するには、専用のケーブルカッターがあった方が便利だが、ケーブルを切るだけしか能のない専用工具を持ち歩く気にはなれない。そのため、ラジオペンチで代用することにした。(ケーブル交換時は長めに切っておいて、あとで自転車屋さんに行った時に、ケーブルカッターでキレイに切ってもらえばいいだろう。)
SQUIRT Ps4はコンパクトだが、中身が詰まっているため、見た目よりかなり重たく感じる。
缶切りなしの他に不満な点。
こちらはビクトリノックスの定番のヤツ。
おっさんがピチピチだった10代の頃に購入したもの。缶切りや余計なコルク抜きはあるが、ハサミが付いていない!
刃の長いナイフが魅力的だが、頻繁に魚をさばいたりする訳ではないので、刃の長いナイフは不要。重たいだけだ。
今回はビクトリノックスのコイツを持ってゆくことした。
PCTを歩いている時に拾ったもの。必要最低限の機能を搭載しただけのシンプルなモデルだ。
ハサミがスプリング付きで使いやすい。ほつれてきた衣類を直す作業は頻繁にあって、ハサミはその裁縫作業で活躍してくれる。
ビクトリノックスのナイフとP-38型缶切りに加えて爪切りを持ってゆく。
こいつは貝印のもので、コンパクトで非常に使い勝手がいい。これも10代の頃に買ったヤツで、いまも大事に使っている。
ひよこちゃんが可愛らしくておっさんのお気に入り。
重さは25g。
P-38型缶切りにストラップを付けて紐を通せるようにしておいた。
ストラップの紐の太さは1.5mm。
缶切りとビクトリノックスを靴紐で結んで失くさないようにする。
靴紐が切れた時の予備としても機能する。
こうしておけば、小さな物でも失くすことはなし。
収納袋に入れる時は、靴紐でぐるぐるに巻いておくと、缶切りの刃で袋を傷めることはなし。
専用の収納袋に入れる必要はなし。
刃物は切れ味が命!
砥石で丁寧に研いでおく。この小さいナイフで野菜を切ったり、魚を捌いたりすることもあるだろう。もう少し大きなナイフが欲しくなったら、現地で購入すればいい。現地で購入した品は旅の思い出となる。
ハサミの刃も丁寧に研いでおく。刃先が直線で研ぎやすい。
小型のビクトリノックスに超軽量コンパクトなP-38型缶切りが加わったことでスキがなくなった。道具は状況に合わせて最適なものを選びたい。
実際にP-38型缶切りを使ってみる
では実際にP-38を使って缶を開けてみよう。
実家にあったのはプルトップ型ばかりで缶切りが必要なものはなかった。
ゴミ箱に捨ててあったプルトップ型缶詰の底を切ってみることにする。
刃を拡げて缶詰に取り付ける。
ポイントは缶の端にしっかり爪を引っ掛けること。
使うまで全然大したことないだろうと思っていたが、全く期待を裏切られた。
フルーツの缶詰がサクサク切れるではないか!通常の缶切りと比べて使いやすさにそれほど違いはない。
さすがはアメリカ軍で正式採用されていた缶切りだと思った。
ファーストレビューまとめ
現在では缶切り不要のプルトップ型の缶詰ばかりになっているが、ごく稀に缶切りが必要なものがある。他にもプルトップの取っ手が取れてしまうときがある。(これまで何度か経験した)
警視庁のサイトでは、スプーンを使った缶切りの方法や道具を使わずに缶詰を開ける方法が公開されている。この方法はあくまで非常時だけにしたい。非常に面倒臭い方法で毎回缶詰を食べる度にやる気にはならない。それでもやり方だけは絶対知っておいた方がいい。
缶切りが不要になった現在でも、やはり缶切りくらいはあった方がいい。おっさんはそう思う。このP-38型缶切りなら軽量コンパクトでなおかつ安価。非常持出し袋に入れておけば、役立つことがあるかもしれない。
オーストラリアツーリングで使ってみた感想
先進国のオーストラリアにも缶切りが必要なタイプの缶詰があった。
これは1缶およそ5AUDのカレーの缶詰。野菜たっぷりでたまの栄養補給に食べていた。
日本同様ほとんど缶切り不要なプルトップ式のものだが、1AUDほどの安い缶詰などでたまに缶切り必要なものも見られた。
P-38型缶切りでフタを空けて直にストーブに掛けて温めているところ。
缶切りがあるだけで食品の選択肢が広がる。
ちなみにオーストラリアにある缶切りは大きくて携帯しづらいものばかりだった。
使用頻度は非常に少ないが、あると便利な缶切り。
炊きたての玄米ごはんの上に缶詰カレーをかけてカレーライスの完成!
半年後のようす
半年間のオーストラリアツーリングでは数えるほどだけの使用。全体的に黒ずんだだけで機能上の問題はなし。今でもスムーズに缶を切ることができる。
P-38の相棒はシンプルで軽量コンパクトなビクトリノックス クラシックに決まり!
歯先のようす
歯先が丸まっているのはヤスリで研いだため。使用上全く問題なし。
角度を変えてもう一枚。
使用済みカセットボンベの穴あけに便利
日本国内では入手性がよく簡単に捨てられるカセットボンベ仕様のガスストーブが便利。
ガソリンを使用した凶悪事件が発生し、現在では携行缶なしではガソリンを給油できない。
空になったカセットボンベを捨てるときは安全のために穴を空けて捨てるようにしたい。
缶の底ではなく弱い側面だと簡単に空けられる。その方が缶切りを傷めずに済む。折りたたみ式のP-38缶切りは軽量コンパクトで携帯に特化したもの。想定外の使用はできるだけ止めておいた方が無難。
ということでこのP-38は非常におすすめなことに変わりはなし!