時代は変わっても、いつまでも変わらないもの

こんにちは。からあげです。

 

オーストラリアの準備は順調に進んでいるところ。あとは荷物の箱詰めを終わらせて発送するだけとなっている。毎日、ダンボールから荷物を出しては軽量化できないか考えている。

そんな慌ただしい日々のなかで、気分転換を兼ねて名古屋に献血しに行くことにした。

今日はOJC4の出番だ。ディストラは分解して箱に入れられて、あとは発送を待つのみとなっている。こういう時、本当に予備の自転車があって良かったと思う。ギリギリまで待って分解して箱詰めとなると、問題が発生した場合慌てることになる。

それに事故や盗難の恐れもある。OJC4の有り難みを感じる。OJC4はブレーキこそ効きが悪いが、なかなか乗りやすい。今は前後キャリアを外して、荷物はバックパックに背負っているが、キャリアを付けて荷物を満載できる丈夫さを持っている。

今回初の試みとして、クソ重たいU字ロックはフレームに直付けしてみることにした。
専用のフレーム取り付け金具があるのだが、もう少し簡素なものにしたい。

単にショックコードで3点留めただけのもの。結果を言うと、イマイチだった。U字ロックが重すぎて段差を越える時にガタガタ音がした。それでもバックパックに入れて背負うことを思うと、非常に楽できた。このU字ロックの重さは約1kg。重量は丈夫さの証。もちろんオーストラリアに持ってゆく。ワイヤーロックだけでは心許なすぎる。

昼間点灯の効果を知ると、もうライトなしでは走れなくなる。これは以前自転車屋さんでもらったもの。ボントレガーというメーカーのライト。
おっさんは心の中でボンちゃんと呼んでいる。

ライトを点滅させていると、2km先からでもハッキリと見える驚きの視認性。なぜそんなことが分かるのかというと、対向のロードバイクが点けていると見えるから。たぶん同じメーカー。遥か遠く自転車が見える前から、チカチカ光っているのが分かり、あれ何だろうと思うくらい。本当にコイツは凄い。

ただし、バッテリーの持ちが悪くて、昼間の点滅点灯でも、バッテリーは6時間くらいしか持たない。ツーリングで常時点けるとなると、点灯時間が少し短い。通勤通学にはピッタリだと思う。最近はもう少しバッテリーが長持ちするものが出ているのかもしれない。

おっさんの理想は、ハブダイナモを搭載で、前後昼間点灯をしつつ、USB充電できるくらいの余裕が欲しい。自転車を漕いでいさえすれば、電気に困ることがないようにしたい。日照時間が短い地域に非常に有効だ。おっさんが北極圏を走る頃までには、そんな夢のハブダイナモが出てきて欲しい。耐久性と信頼性があるしっかりしたものなら、多少高くても絶対に買う。そんな物が出てきたら、世界のサイクリスト達がこぞって買うはず。

リヤには10年以上前にマウンテンバイクに付けていたライトを取り付けた。
明るさはそれほどではないが、明るさセンサーがないため、常時点灯させることができる。

これは確か電池の持ちが非常に良い奴。一日点けっぱなしにしても全然大丈夫。

今日は朝から風が強く向かい風の中を必死になって走った。
名古屋の中心部に来ると、ビルの谷間を吹き抜ける風に襲われた。
歩行者のようすを見て風が吹いているか注意して走った。

年度末だけあって、車の交通量が多いような気がした。出国直前に事故を起こして怪我をしたら、オーストラリアには行けなくなってしまうかもしれないので、いつも以上に慎重に走った。

献血を済ませたあと、今回始めてコーヒーを貰うことにした。
時間はお昼をとうに過ぎていたが、飲みたい気分だった。

遅い時間にコーヒーを飲むと夜寝られなくなるので、これまでは辞退していた。

今回をもって今年の献血は終了!健康くらいしか取り柄のないおっさんのせめてもの社会奉仕だ。

献血前、弱虫ペダルを取りに本棚に行くと、近くに置いてあったスポーツ新聞の記事が目についた。

イチロー引退のニュース。

イチローと私は、同い年で愛知県生まれ、血液型が同じB型ということくらいしか共通項がないが、昔からなんとなく親近感を持っていたのだった。イチローの不器用だが、野球一筋の人生に心惹かれるものがあった。最近の成績とか全然知らないが、私は50歳くらいまでやるものと思っていた。潔いイチローの引き際に拍手を送りたい。

イチローは子供の頃から、プロ野球選手を目指してバットの素振りをやっていたそうな。近所の人にからかわれても、自分はプロ野球選手になるんだと公言していたそうな。いつからか人の見る目が変わったが、そんなことお構いなしに野球を続けたイチロー。

一方の私はというと、子供の頃から貧乏でおかしな家に生まれたことに絶望し、すでに人生投げてしまっていた。私の真の人生が始まったのは、会社を辞めた40歳から。探検家の川口浩隊長に憧れてはいたものの、何も行動には移さなかった。隊長の家に押しかけて行って、何でもするから隊員に入れてくれと懇願すれば、今とは全く違う人生を送っていたかもしれない。実際は入隊は無理でも、誰かそれなりの人を紹介してくれたかもしれない。

しかし、私はやるだけ無駄だと、何もせず不貞腐れていただけだった。
何も行動を起こさなかった。

献血ルームを出ると、いつものようにエレベーターホールの片隅で玄米ごはんを食べる。
玄米を食べると元気が出てくる。

献血して失われた血小板を作り直すために、食べなければならない。

食べることは生きる基本。食べ物をないがしろにしていると、健康になれずに本当に生きたい人生を送れなくなる。よく噛んで玄米を食べる。

今日、久しぶりにユニクロに行ってボクサーブリーフを買った。
会社を辞めてから初めて。

店内に足を踏み入れた瞬間に、以前とは違う何かを感じた。私は以前のなんだかパッとしない、ただ安いだけのユニクロを想像していた。エアリズムというパンツを手にすると、その質感に驚かされた。縫製を確認すると、ベトナム製にも関わらずしっかりしている。私の勝手な想像なのだが、ベトナム人はそれほどしっかりしているとは思えない。おそらくユニクロが時間をかけて教育したのだろう。

オーストラリアで心置きなくツーリングするためには、ユニクロのパンツが必要だった。本当はモンベルのメリノウール製のパンツが欲しかったのだが高くて断念した。なぜ、今回ユニクロに決めたのかというと、PCTで高回転で履いていた赤パンツが去年の北海道ツーリングで酷使しても、穴が空かなかったから。荷物の軽量化のために最小限の着替えしか持たないので、結果高回転で着続けることになる。ハードなPCTを歩いても痛みはほとんどなく、北海道ツーリングで着倒してもまだまだイケる感じだった。ついうっかりして山梨の小屋に置いてきてしまった。

耐久性がないパンツを履くと、毎日のように裁縫して穴を塞がなければならず、修理に無駄に時間が取られてしまう。ユニクロのパンツなら、日々の裁縫から開放されてストレスなくツーリングを楽しむことができる。

今回は大修理したアメリカで買ったハーフパンツを投入する予定だが、いつの間にか穴が空いてからあげJrがこんにちわしているかもしれない。そうなったら警察に連れて行かれて大変な目に遭うかもしれない。1000円出せばその心配がなくなるのなら、非常に安いもんだ。

家に帰る前にあちこち寄り道してゆくことにした。

これは昔からある大きな楠。私が物心付いた頃から、田んぼの中にぽつんと生えていた木。
会社を辞めて実家に出戻りすることになった時でも、昔と変わりなく出迎えてくれた。この木を見たら、家に帰って来たんだと思えてホッとした。

大昔の人もこの木を見上げていたんだと思うと感慨深い。当時の人は何を思っていたのだろう?

木の下にはお地蔵さんあり。

こうしてお祈りをするのは初めて。この辺りだけ昔と何にも変わらない。
単に市街化調整区域ということもあるが、地主の方の強い意志を感じる。先祖から受け継いだ土地を手放してなるものかという。

木の周辺はキレイに草刈りされてスッキリしている。周囲に日を遮るものは何もなく、伸び伸びと生えている。私もこの楠のように生きたい。

ここは家の近所の湧き水が湧いているところ。

昔はコンコンと湧き出ていて、この池にタップリと水が溜まっていたはずだが、いつの間にか水がほとんど湧かないようになってしまった。池の中に沈んでいた土管が今はむき出しになっている。そのうち、完全に水が枯れて干上がってしまうかもしれない。

子供の頃、毎日通ってフナ釣りをした池。
かつてここでエースにまで登り詰めたからあげ少年は歳を取りおっさんになってしまった。

あの頃は魚の気持ちが分かるような気がした。始めは全然釣れなかったが、次第にやり方が分かると面白いように釣れだした。私が側でバンバン釣るものだから、大人がどんな道具や餌を使ってるのか聞きに来た。私が粗末な竿とサツマイモにマッシュポテトを混ぜた餌だけで釣っていると知って、機嫌が悪くなる大人が多かった。

そんな池に久しぶりに来てみると、確かに池はあるのだが、かつてのような魚の気配をあまり感じなかった。フナや鯉がいなくなったわけではないだろうが、流れ込む水の水質が悪くなり、(いやそもそも流れ込んでいた上流の池が消えてしまった。)数は減っているように思えた。
今度、自作した竿を持って釣りに来てみるかな?以前釣っていた場所はコンクリートで固められていなかった。

ヨシ、オーストラリアから戻ったら、遊びに行ってみるか!

家の近所をぶらつくと、昔と全然変わっていないところや、全く変わってしまったところがあり、楽しくもあり寂しくもあった。それでも、時代はどんどんと進んでゆく。

 

あと数十年すれば、私はあの世に行き土に還ることになる。20代の頃は全く死を意識しなかったが、30代になると体のあちこちがガタが出て来て意識するようになった。40代になると死神の足音がしっかり聞こえるようになった。永遠に続くように思われた私のクソッタレな人生も、有限だと思わない訳には行かなくなった。この6年間で結構遊んだから、もう死んでもいいかなと思わないこともないが、まだまだ遊び足りない気もする。

 

今年のオーストラリアツーリングでは自分に課題を与えることにする。それは、迷ったら行く。ということ。やる前、行く前から、頭であれこれ考えても、何も始まらない。やってみて行ってみてだめだったら、止めて引き返したらいい。迷うということは、何かしら気を惹かれるということだ。

うむ、そうしようか。何か刺激的な日々が待っているような気がするな。オーバーステイしないようにだけ気をつけよう。

 

おわり

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からあげ隊長の冒険