下北半島の攻防

こんにちは。からあげです。

 

今日から東北編がスタートする。

昨日、函館から大間にフェリーで渡り、本州最北端の地にやって来た。3ヶ月間滞在した北海道に別れを告げて本州にもどって来たぞ!!

行きとは逆の苫小牧から名古屋行きのフェリーに乗れば早く帰ることができるのだが、そんなに早く帰ってもやることないし、まだまだ暑いので、自走して帰ることにした。

昨日は大間崎のキャンプ場に泊まり、久しぶりにフカフカの芝生の上で眠ることができた。12時前にはキャンプ場に着いて、あとはスマホでゲームしたり、昼寝したりして時間を過ごした。

今日も朝から日が照ってなかなか良い天気だな。

本州初日としては上出来だ!

実はキャンプ場に連泊してゆっくりすることも考えたのだが、近くの岸壁で工事をしていて杭打ち機の音がガンガン煩いし、スマホゲームをしていても直ぐに飽きるので、天気がいいうちに出発することにした。晴れの日に走らず、雨の日に走るのはなんだか間違っている気がした。

最北端の石碑の前で記念撮影。
天気がいいため、北海道がかなり近く感じる。(実際かなり近い)昨日までいた函館の町がハッキリ見えた。

7時前、大間崎を出発する。

函館で自転車の整備を行い見違えるほどの走りをするようになった。自転車屋さんにシフトワイヤーの調整とリアディレーラーの修正をやって貰って、変速が非常にスムーズになった。

レバーを操作すると、シャキン!と一発で決まって凄く気持ちいい。

もう一つ本州に来て変わったのは、車のスピードが遅いこと。北海道のような暴走車がいない。私を抜いてゆく時の風切り音が全然違う。無用な緊張を強いられることなく、リラックスして走れるようになった。

本日のルートは、大間崎から海岸線に沿って南に下り、海まで出てしまう予定だ。

始めにやって来たのは、女願掛け岩。
隣には少し大きい男願掛け岩がある。一昨年の東北車中泊の旅の時にも登っている。縁起がいい名前なので、今回も登っておきたい。登り口には神社の赤い鳥居がある。

女願掛け岩からの景色

南の海岸線の方を撮影した。海が真っ青だ。

続いて男願掛け岩に登る。
踏み跡を辿ってゆく。登る人が少ないようで、道がふわふわと柔らかかった。

男願掛け岩の頂上

これから先は非常に危険なので、柵のあるところで止めておいた。

男願掛け岩の途中からの景色

先ほどとあまり景色は変わらない。

左が女願掛け岩、右が男願掛け岩。

この付近の景色はなかなか見応えがある。

ただし、アップダウンがあってかなり疲れる。

佐井漁港近くの公園に寄ってテントを天日干しする。
昨晩は少し冷え込んで夜露が下りて、少し湿ってしまった。
今日は日が照っているため、10分もあれば十分乾く。

公園内には2つも大きな東屋がある。

おっさん大興奮だ!

よし、公園の位置を覚えておこう。トイレと水道もあって野宿適地だ。

近くの船揚げ場で漁船の整備が行われていた。

真っ青な空に船底の赤が良く映えている。

今日のルートはアップダウンがあってかなりキツイ。
紙の地図がないため、スマホでグーグルマップを見ているのだが、距離感を掴みにくい。休憩の度にスマホを取り出して現在位置をチェックするため、スマホのバッテリーの消耗が激しい。

写真を撮っていると、向こうからランドナーのおじさんが下ってきた。ピカピカの赤のランドナーにフロントバッグとサドルバックのみの軽装スタイルだった。引き締まった体が真っ黒に日焼けしていてなかなかカッコ良かった。私もあんな風になりたいものだ。

おじさんは輪行でやって来て、龍飛岬と下北半島周辺を回っているのだとか。

途中の漁港に寄って早めの昼飯にすることにした。アップダウンが想像以上に多くて体力が消耗してしまった。車とは全然違う。

巨大なテトラポットに守られた小さな漁港。

名前はなんだったっけ?紙の地図がないから地名が分からない。
周辺の雰囲気が良くて、一昨年も寄ったところ。

防波堤の影にシートを敷いてお昼にする。

静かに休もうと思っていたのに、次から次へと軽トラがやって来て、ウニの抜け殻を捨てていた。なんだか落ち着かない。とんでもないところで休んでしまったな!

具沢山のカレーうどんを食べる。
ラーメンより麺が太くて食べた気になる。

近くの広場には昆布が天日干しされていた。北海道の昆布よりかなり小さい。

国道338号線はまだまだ続く。

それにしてもアップダウンが多いな。補給ポイントはなく、ただひたすらペダルを漕ぎ続ける。

山道をひいこら走っていると、道路で猿の群れが休んでいた。
交通量がほとんどない道なので、自分の家のように寛いでいる。

落石防止柵に跨って見下ろす猿。

下北半島は、日本ザル生息地の北限となっている。

ノミ取りする猿。

あんまりおっさんのことを怖がっていないようす。猿も一般人とはなんか違うと思っているのだろう。

自分のイメージとはかなり遅れて仏ヶ浦に到着した。
駐車場から海岸に向かって下りてゆく。

始めは緩やかで、海岸近くになると急になる。

仏ヶ浦の海岸に降り立つ。

仏ヶ浦は恐山と並ぶ下北半島の見どころ。極楽浄土のような風景が広がる。

山肌が削られて白い岩がむき出しになっている。

なかなか凄い。

もちろん一昨年も来ている。

奥には一眼レフを持ったおじさんがいて早くどこかに行けと全身からオーラが出ている。ああ、気分悪い。

静かな海岸のようす

キレイな海の中を覗くとびっしりとウニがいる。

水中撮影をしてみた。
TG-4が持つ高い防水性があればこそ可能。

海の中に落とさないように手をストラップに通して撮影した。落としたら回収不能となる。

338号線をさらに進む。
途中でルートの選択ミスに気がついたが、今さらもう遅い。
こうなったら、何が何でも進むしかない。

薬研温泉を通るルートにして温泉に入ればよかった。

広大な牧場に黒毛和牛が放牧されていた。

どの牛も愛想が全くなし。おっさんのことなど無視しで草を食んだり、休んだりしていた。

行けども行けどもゴールは見えて来ない。
途中から海が見えなくなり、完全に精神修行モードとなってしまった。

私は精神修行をやりに来たわけじゃない!もうちょっと手加減してくれないか!

途中にあった公園で休憩する。

もうヘロヘロだ。お腹が空いて元気が出ない。カロリーメイトもどきを食べたが、全然食べた気がしない。

手持ちの水は残り500mlとなった。

これだけ水を減らしたのは久しぶりだった。給水ポイントの道の駅はまだか?

公園からようやく海が見えた。

公園を過ぎると、曲がりくねった下り一辺倒の道になり、ハイペースで麓まで下りてきて、ようやく道の駅に辿り着くことができた。

駐車場はガラガラで人の気配が少ない。今日走っていて見た車は地元車以外で20台ほど。こんな山奥に道の駅を作って客が来るんか?

とりあえず、入口トイレ横の水場で水を汲んでおく。
おっさんは時々忘れっぽくなることがある。

忘れないうちに汲んでおこう。

道の駅近くの野猿公苑にやって来た。入場料は200円。
猿がたくさんいるので、エサ代に結構な金が掛かる。

券売機で入場券を買ってそのまま入る。係の人は作業に忙しくて、暇な客などに構っていられないようだ。

写真は大きな猿山を写した。どれがボスザルか見てみたが、イマイチ分からず。

客が来るのが珍しいようで、親ザルに威嚇された。

おい、こっちは客だぞ!ちょっとは気を遣え!!

野生のサルが出没しますので注意してください。

ここに来る必要がないではないか!

来て欲しいのか、それとも来て欲しくないのか、どっちなんだ?

始めは警戒していたが、静かに観察していると、害はないと思ったのか、警戒を解いて普通に過ごしてくれるようになった。

子猿はわんぱくざかりで、フェンスに登ってはぶら下がって飛び降りるなどを繰り返していた。

子猿を見ていると、全然飽きない。

下北半島もすでに秋。

キレイなコスモスが咲いているところがあった。

17時前、ようやく麓の集落までやって来た。

今日はこの付近にある公園に泊まる。グーグルマップにアップロードされていた画像に東屋が写っていた。行ってみてなければ、海岸でテントを張るつもりだった。

天気は全く問題ない。

その愛宕山(あたごやま)公園にやって来た。

駐車場から奥へは行けないようになっている。さあて、東屋はどこかな?

よし、発見したぞ!

集落の外れにあって民家から遠い。しかも駐車場から離れているため、野宿にはピッタリだ!

予想通りの東屋があったな。

中央のテーブルが邪魔だが、周りのベンチに直に寝たら良かろう。贅沢は言うまい。

田舎の人は、わざわざ公園までやって来ることは少ない。どこにも自然が溢れている。わざわざ公園までやって来る必要はない。

海岸の沖には鯛島と呼ばれる島がある。

灯台の位置もGOODだな。これは鯛以外には見えない。本当にめでたい島だ。

公園の下には、海釣り公園と海水浴場がある。
もう好きに野宿してください、と言われているような気がする。

 

今日はアップダウンの道で疲れたし、寒くなってきたので、これでおしまいにする。明日は下に見える公園を散策してからむつ市方面にゆこうか。

それはそうと、ようやくマウスのカーソルが暴走する原因が分かった。マウスパッド代わりに使っていた厚紙が悪かった。片方がコーティーングされていて、これが悪さをしていたようだ。押したいボタンに持ってゆくと、カーソルが逃げるので、イライラしていた。はぁ、よかったよかった。

 

おわり