野宿の誘惑

こんにちは。からあげです。

 

8月10日〜12日の3日間、上士幌の航空公園で行われていた北海道バルーンフェスティバル2018は終わりを迎えた。

雨が降ったり止んだりの生憎の天気だったが、生まれて初めて熱気球を間近で見れたのでヨシとする。熱気球は繊細な乗り物のため、少しの雨や風でも飛べなくなってしまう。そんな乗り物だから、ベストコンディションで開催される年は非常に少ないだろう。

朝起きるとまたもやテントはずぶ濡れだった。夜中に雨が降り、朝になると霧が出た。

朝の案内放送で起こされないようにと、夜中トイレに起きても耳栓を外さずに眠っていたため、普段は4時に目が覚めるところを、6時過ぎになってようやく目を覚ました。

久しぶりの寝坊だった!チックショー!!

慌てて準備しても、忘れ物をしたりしてロクなことがないため、落ち着いてまずは朝食の準備を始めた。

タオルで水滴をフキフキする。

炊飯中、濡れたテントのフライシートをタオルで拭いておく。こうすると、かなり乾きが早くなる。

完全防水のオルトリーブのバッグに濡れた物を入れておくと、夏の時期は高温多湿の状態となり、カビが生えやすくなる。このことにようやく最近気がついて、小まめに拭いて乾燥させるようになった。

久しぶりのパッキングで少し手間取ってしまった。
やっぱり定住するよりも、常に新たな場所を求めて走り回っていた方がいい。

網走で初めて会ってから度々顔を合わせていた大阪のサイクリストは私がご飯を食べ終わる頃にはパッキングを済ませて出発して行った。
多分、今回はこれで最後だろう。縁があれば、またどこかで会うはずだ。

バルーンフェスティバルの会場

会場にはまだ多くのテントが残されていたが、近いうちに全て撤収されて元のだだっ広い公園へと戻ることだろう。

次回、来る時は真っ青な青空にカラフルな気球が上がるところを見たい。爺さんになってからの楽しみにとっておこうか。

キャンプ場を出発すると、まずは上士幌町市街地のセコマにやって来た。上士幌(かみしほろ)から三国峠(みくにとうげ)を越えて層雲峡(そううんきょう)までのおよそ70kmの区間には食料を補給できるような店がない。

通る途中で東大雪のどれかの山に登りたいのだが、生憎の天気と林道通行止めが多いため、今回の登山は見送ることにした。

今回は晴天の二ペソツ山に登りたかったのだが、これも爺さんになった時の楽しみにとっておくことにしよう。ああ、これだけやることを先延ばしすると、死んでも死にきれないな。

セコマ高齢の運試し。
ガリガリ君を食べて当たりを当てよう!

当たれ当たれ〜。

今回もハズレ!次回は必ず当ててやるぞ!!

セコマで食料を補給したあとは、不用品を実家に送るために郵便局までやって来た。

そう、先日交換したペダルなどを送るのだ!

郵便局のレターパックプラスだと、全国一律510円で送ることができる。A4サイズ4kgまで、ポスト投函OK。

レターパックプラスで送る不用品

ペダル1セット、熊よけベル、レシート(約2ヶ月分)、ノート1冊、登山地図(利尻・羅臼)

始めペダルは処分しようと思っていたのだが、ネットで調べて見るとかなり上等なものだと分かり、家に帰ってから整備して予備としてとっておくことにした。

レターパックプラスの専用封筒に入れたところ。

意外とスッカスカ。以前Amazonで購入してたっぷり余ったショックコードを入れるのを忘れてしまった!北海道から出る直前、函館からベアキャニスターなどを送る時に忘れないようにする。

ヨシ、これで不用品が減って軽くなったぞ!

国道273号線を走り、まずは糠平(ぬかびら)温泉に向かう。

途中、追い抜きや対向のバイクからかなり挨拶された。三国峠を越えてきてテンション高めだからと思われる。

ここでバイク乗りに一言。グローブが黒いと手を小さく挙げただけでは分かりにく。大きく挙げるか、振ってくれると助かる。そうすると、おっさんからご機嫌な返事を貰えるかも!?

旧国鉄士幌線の橋梁

すでにかなりの年月が経っているようで、ボロボロに風化している。

糠平ダム

まあどおってことない景色。

糠平ダムの手前からトンネルが連続する。
安全のためにリアライトを点滅させて走る。

フロントライトは当然のこと、リアライトを点灯させると非常に安心感がある。自転車は同じ自転車乗りからしても分かりにくい。

糠平温泉のビジターセンターで休憩する。

芝生の広場にテントを干し、バッグは全て口を開けて中を乾燥させる。オルトリーブバッグを使い続けてようやく分かった生活の知恵だ。

糠平温泉街をゆく。

糠平のキャンプ場で何日か泊まって登山のチャンスを待とうと考えもしたが、温泉街で食料を補給できる店はないため、他所で買い物をしてたくさん持って来なければならない。

車中泊だと簡単なことだが、自転車だとかなりの重労働となる。自転車を理由に言い訳はしたくないのだが、天気の悪い日が続くため、待つ気力が全く沸かない。

糠平湖の西側を走る。どこまでも続く直線道路となっている。
糠平温泉を出ると、人気のない山中の道となり電波は圏外となる。

西クマネシリ岳、南クマネシリ岳を合わせておっぱい山と言われているそうな。むふふ。

幌加除雪ステーション

トイレは24時間開放されているようす。トイレの横には展示室もある。ここは非常時のビバーク場所に使えそう。

圏外なのが残念。

十勝三股バス停

お昼過ぎ、お腹が空いていた頃に絶妙なタイミングでバス停の前を通りがかった。ピッタリの休憩ポイントだった。

待合室の他にトイレもある。ここなら急に催しても安心だ。

待合室の中はコンクリートタイルの上に絨毯が敷かれていてキレイ。隣のくみ取り式トイレから芳しい匂いがしてくる。

まるで時間が止まったように思えるほど静か。バイクや車が途切れると、周囲は静寂に包まれる。

忘れ物の黒板

チョークがあれば、何か気の利いたことを書くのだが。

本棚コーナー

手にとって読み始めると、あっという間に時間が経ってしまう。

古い本からそこそこ新しい本まで置かれているぞ。

なになに背後霊入門、奥様はパチンカーだって?地味に興味をソソられるな。

本棚のところには、スケッチブックと色鉛筆なども置かれている。からあげ画伯がペンをとるかにみえたが、面倒だったので止めておいた。

十勝三股時間

遅いようであっという間に時が流れる。ちょっとの休憩のつもりが、どんどん延びてゆく。どこまでもどこまでも延びてゆく。

もう延び延びだ!

気がついたら午後4時を過ぎていた。これから出発しても、三国峠を越えたところで日が暮れてしまう。自転車の夜間走行は非常に危険だ!

ここは安全のため、やむなくバス停で泊まることにした。

いやあ、これは仕方ない。こんな筈では全くなかった!

 

ということで、近くの川に水を汲みにゆく。こういうこともあろうかと、今回浄水器を持ってきてある。北海道では生水をそのまま飲むと、エキノコックス症に感染する恐れがあるため、生水を飲むのは危険だ。浄水器を使ってろ過するか、煮沸消毒してから飲む必要がある。今回は燃料と手間を省ける浄水器を使用する。

プラティパスなどの折りたたみ水筒で水を汲もうとすると、水圧で潰れて汲むことができない。こういう時に大活躍するのが、プラティパスを半分にカットした折りたたみバケツだ。

プラティパスは注ぎ口の部分が弱点で、使っているとたいてい注ぎ口の付け根に穴が空く。そういった使用済みのプラティパスを半分に切ってバケツとして再利用する。コンパクトに折り畳めて、水場や洗濯などでいろいろ重宝する。

床の絨毯の上にシートを敷いてからリッジレストを敷いた。
始め寝袋を掛けて眠っていたが、暑くて堪らなくなって、最後にはインナーシーツのみで眠った。

十勝三股バス停で夜は更けてゆく。

圏外でブログ更新ができないため、時間にゆとりが出来てゆっくりすることができた。

夜になるとかなり雨が振ってきたが、雨漏りしない建物のお陰で全く問題はなし。

 

明日は早起きして三国峠を越えてしまうとするか。

 

おわり