こんにちは。からあげです。
現在、私は大沼の無料キャンプ場に滞在しているところだ。自転車で雨に降られると、急激にやる気をなくすため、天気に注意しながら少しずつ走っている。別にトレーニングするために北海道まで来たわけではない。精神修行は去年のPCTでもうたくさんだ。
私はおっさん。もう歳はそう若くはない。おっさんにはおっさんなりの走り方というものがある。闇雲に先を急いでも仕方がない。
それはそうと、昨日夜遅くから雨が降り始めて、朝までにかなりまとまった雨となった。耳栓をしていたが、外の気配に異変を感じて耳栓を外すと、ポツポツと雨が降り始めたところだった。
自転車にカバーをするか迷ったが、自分は雨に当たらないテントの中にいるのに、相棒を雨ざらしにするわけにはいかない。カバーを掛けると、おっさんは再び深い眠りに落ちていったのだった。
明けて今日、外の様子は濃い霧に包まれた状態だった。昨日、登山を見送ったのに、今日も登らないのは気分が悪いので、霧が晴れるのを待つことにした。
自転車カバーを掛けていたため、ダメージはほとんどなし。
嵩張るカバーをわざわざ持ってきた甲斐があったというもんだ。
やっぱりね、相棒を雨ざらしにして自分は寝袋の中でヌクヌクと寝るわけにはいかないな。
自転車は私の足であり、頼もしい相棒だ。そんな大事な自転車を粗末に扱うことができようか?値段の問題じゃない。
今日の朝ごはんは牛タマ丼と味噌汁。
インスタントものばかりで体調不良だったため、味噌汁に乾物多めにして白菜を入れて食べていたところ、少しずつ隊長が回復してきた。
ご飯を食べたあと、炊事場に水を汲みに行く時に同じような自転車を見かけたので、嬉しくなって話しかけてみた。すると日本一周中の兄さんで先日函館にフェリーで上陸して北海道を走り始めたばかりだそうな。しかも自転車はSURLYのディスクトラッカーというもので、世界一周サイクリストが好んで使用するアメリカの自転車メーカーのマウンテンバイクのディスクブレーキ仕様だった。
自転車を選ぶ時、SURLYのロングホールトラッカー(Vブレーキ仕様)も選択肢に入れていたため、興味深く見学させてもらった。
兄さんと話しているうちに天気が回復してきたので、北海道駒ケ岳を登りに出かけることにした。
Google Mapのナビを頼りに林道に入ってゆくと、草が生い茂った状態の悪い道に迷い込んでしまった。蚊の活動が活発でそこら中食われながら自転車を漕いでいった。
道はヤブの中に消えてしまった。
6合目登山口駐車場は近いはずなのに、どこにもそれらしいものは見当たらない。ちっくしょー、騙しやがったな!
なぜかGoogle Mapでは度々このようなことが起こる。
気を取り直して麓まで戻って先に進むと、駒ケ岳登山口の標識を発見する!あの訳の分からない林道に入らなければ、スムーズに来ることができたのに。
道なりに舗装路を上ってゆくと、5合目駐車場から未舗装の道路となる。やわい砂地のため、タイヤがスリップして登れない。仕方なく押して上がってゆくのだった。
終点の6合目駐車場にはトイレがあった。壁に自転車を立てかけて停めておくことにした。ここなら雨が降っても濡れることはない。
不要なものはすべてテントに置いてきた。もちろん自転車カバーも。
ゴソゴソと準備を行う。
自転車で登山をするには、ウルトラライト(UL)の装備品がないと厳しいだろうと思える。従来の重たくて嵩張る装備を自転車に積むのは無理。
自転車を漕いでばかりで登山なしのツーリングなんて、メンマのないラーメン、具のないおにぎり同然だ!自転車野郎となった今でも、歩くのをやめた訳ではない。
PCTでの経験が今回の北海道に活きているとハッキリ言える。この順番で良かったのだ!逆だったら登山はできなかっただろう。
登山届を記入、ポストに投函してから登山口を出発する。
道に迷ってしまったため、大幅なタイムロスとなった。しかし、道に迷っていたお陰でガスが晴れて空が明るくなってきた。いいタイミングで出発したといえる。
登山道は真っすぐの一本道で全く面白みがない。地面が砂地でスリップしやすいため、ポールが大活躍する。先日の熊野古道で新規投入したトレラン用のポールだ。
滑りやすい道でもグイグイ上ってゆくことができた。
途中で振り返ると、眼下に大沼を見ることができた。
ガスがくっきり晴れた訳ではないため、ぼんやりと霞んでいる。
またこういう景色もいいものだ。
途中で見かけたピンク色の花。名前は知らない。
北海道駒ケ岳は活火山であるため、途中の馬の背までしか登ることができない。ガスの切れ間から凶悪な雰囲気が漂う鋭峰が見えた。あれが駒ケ岳の山頂に違いない。
単調の道でつまらなかったが、一気にペースが上がった。
馬の背から北海道駒ケ岳山頂方向を望む。
この山容を見て思った。北海道駒ケ岳は歩きを楽しむ山ではなく、景色を楽しむ山だと。
富士山も登っても何にも楽しくない。景色が見えなかったら、ただの精神修行となる。一日待った甲斐があった。昨日なら、この景色を見ることはできなかっただろう。
山頂部分のアップ
規制が解除されて登れるようになったら、間違いなく人気が出る山だ。現在は200名山だが、潜在的には100名山級の魅力を備えている。
100、200名山とかなんとか、どうでもいいが。深田久弥が泣いているぞ。
火口周辺と向こうに見える名前の知らない山。
北海道駒ケ岳とこの山を周回コースで縦走できるのはいつになるやら。私が生きているうちは無理だろう。
馬の背の標識を入れて記念撮影。
なんでこんなもん撮るのかって?おっさんの妄想ブログだと思われないためだよ。ガスの晴れ間に登ることができてご機嫌だった。
あの道間違いがなければ、この景色は見れなかっただろう。寄り道も悪くない。
パンを食べる。モリモリむしゃむしゃ。
セイコーマートで購入したパンがあって助かった。やっぱりね。山頂で物を食べられないのは寂しい。
下山はあっという間だった。
今回のMVPはトレランポール。そして次にトレランもどきシューズ。意外に歩きやすい。先日引っ掛けて破いてしまったつま先だが、応急修理の結果は良好で耐久性が落ちているようには見えなかった。
鉄筋コンクリート製の休憩所兼避難所で休憩する。
大きな東屋で中にテントを張ることもできる。水場はないが、トイレの雨水タンクの水を使えば泊まることも可能となる。
自転車登山だと、こういう休憩所の存在は非常に有り難い。北海道は登山口までのアプローチが長く、こうして登山口に休憩所や避難小屋が整備されていることが多い。ありがたや。ありがたや。
下りはスイスイ下りたいところだが、砂地でハンドルをとられるため、スローで下ってゆく。軽い荷物で助かった。
キャンプ場まで戻る途中、竜泉洞という標識を発見したので、行ってみると、突き当りに小さな神社があるのみだった。
あれ?おかしいな。どこに洞窟があるのだろう?
少し手前に湖面に降りる怪しい鉄はしごを発見する。
うむ、なんだか下の方から水の音がするな。
おっさんは、竜泉洞を発見した!
しかし、湧き出る水を飲もうにも、濡れずに汲むことはできなかった!水の音だけ聞いて精神が癒やされたのだった。
【おっさんのHP少し回復!!】
テントに戻ると、下着類を着替えて洗濯して干しておいた。
これで多少身なりが小奇麗になったことだろう。
おっさんたるもの、常に人前に出ても恥ずかしくない格好をしていなければならない。
さっき、夕食のカレーうどんを食べて寝る用意はOKだ。しっかり胃の中身が消化されてから寝るとするか。明日は早朝出発しよう!
おわり
コメント
完全人力でスポンサー無しサポートスタッフ無しの田中陽希ごっこですね。
リアリズムが追求されております!
アドベンチャー生活者のからあげ隊長
田中陽希は今年は300名山やってますね。もうファンに追いかけ回されるのが嫌になったようで、リアルタイムの現在位置は明かさないようになりました。
彼も始めのころはテントで寝泊まりしていた時もありましたが、今では必要な時にしかしませんね。スポンサーの手前、貧乏くさいことはやってられないのでしょう。
普段何を食べているのかや装備品が気になるのですが、競合スポンサーの商品が映るとダメなためか、一切やりませんね。非常に気になるところです。
私は何の柵もないので、やりたいようにやり、書きたいように書きます。
隊長さんの冒険
北海道編、楽しみに読んでいます。
是非、
鮭が遡上する秋まで、
自転車でゆく北海道を紹介してください。
また、
礼文、利尻にも
自転車で再チャレンジしてみてください!
離島ネタは、
結構、
受けると思います。
現在、
函館周辺なら、
ソーラン・ラインの紹介も頼みます。
自分が行けないので、
隊長さんのリアルタイム記事が毎日の楽しみです。
はい、どうもありがとうございます!
実は今ソーランラインを走っているところです。険しい断崖が続きます。
今回は奥尻島に行こうかなと思いましたが、天気が悪い日が続くため止めにしました。
利尻、礼文島は機会があれば、行くかもしれません。
あれ、剣ヶ峰は、まだ登れなかったかな?
もう、規制解除されてなかったかな?
剣ヶ峰は、ちょっとした岩場なので、とても楽しいんだけど!
まぁ、山登らなくても、東大沼キャンプ場は、のんびり出来る良いキャンプ場だけどね~ww
はい、立ち入り禁止となっていました。
薄っすらとした踏み跡が続いていましたが、研究者が歩いた跡でしょう。
規制が解除されたら楽しい山になりますね。