自転車ツーリング熱が急速に冷める

こんにちは。からあげです。

 

悪いことは重なるもので、風に吹かれて自転車が倒れて、ハンドルに下げていたヘルメットが下敷きになり割れてしまった。
これまで何度か同じようにしてヘルメットを自転車の下敷きにしているが、多少の傷が付いただけで割れることはなかった。倒れた瞬間、これまでにないパカンという音がした。

右後頭部が割れたヘルメットを見ているうちに、これまで頑張って自転車を漕いで来たことがバカみたいに思えてきた。これまでも度々心身の不調を感じることがあったが、なんとか踏み止まってツーリングを続けていた。

しかし、それも今回までだった。余計なことをしてリムを割ったほか、リヤホイール丸ごとの交換、そして不注意でヘルメットを割る。

パーツが届くまでBroomeで待機しているうちに、自分の本心にようやく気がついた。これまで無理して旅を続けながら、雨にしつこく降られたり、長い無補給区間に入ってゆっくり走れなくなったりして、自分と向き合う機会が全然なかった。それが今回パーツが届くまで待機を余儀なくされているうちに、ようやく気がついた。いつだっただろう?しまなみ街道や剣山スーパー林道、乗鞍スカイラインを走りたいと思ったのは。たぶん、その頃からオーストラリアでの自転車旅に嫌気がさしていたと思う。

走っても走っても次の町になかなかたどり着けないし、補給できる場所がほとんどないため、多くの水・食料を積んで走らねばならない。自転車と人間に掛かる負荷は相当なものだった。まだ自転車はいい。負荷が許容範囲を超えなければ壊れることはないが、人間は疲労が蓄積して来ると普段通りにペダルを漕げなくなる。

去年の北海道ツーリングでは気が付かなかったことが、今回のオーストラリアではハッキリと表に現れてきた。

自転車で行けるところは車でも行けることと、自転車を生かすも殺すもドライバー次第ということ。

Adelaideを出て初日に、中央分離帯ありの片側2車線道路を走っている時にトラックに轢かれそうになった。路肩が狭かったので、白線の内側を走っていた。そんな時、後方からトラックの走行音が近づいてきた。ミラーで確認すると、走行車線を走るトラックが単独で近づいて来ており、邪魔になるような車はいないことから、追越車線に出て抜いてゆくものだと思っていた。ところが、走行音は大きくなるばかりで嫌な予感がしたので、ミラーで見直すとトラックはまっすぐこちらに向かってくる。もうこれは危険だと判断してすぐさま道路外に退避した。直後にトラックは私が走っていたところを通り過ぎ、その後で車体がフラツイていた。おそらくドライバーは前方不注意で自転車の私を見落としていたようす。

Perthの北にあるGeraldtonの町を出てから無補給区間が長くなると、ロードハウスを繋いで走ることになった。あと5kmの標識を見ると自然に出るガッツポーズ。しかし、ロードハウスに着くと、あまりの場違い感に愕然とさせられる。ロードハウス付近で歩いている人は、みな小奇麗で石鹸シャンプーの匂いをプンプンさせて涼し気な顔で歩いている。他には車内のクーラーで冷え切った体を温めるように木陰で休む人々。そういう光景を目の当たりにすると、私のこれまでの頑張りは一体何だったのだろう?と考えさせる。

車で行けるところを自転車で走って何になる?同じ風景しか見られない。車はシートに座っているだけで目的地にたどりつくのに、自転車は日差しと風雨にさらされながら、ペダルを漕ぎ続けて目的地に着くころには疲れ切っている。そんな状態では観光をできる訳もなく、いつの間にか道路をただ走るだけの旅になっていた。

ここ最近、観光らしい観光はしていない。毎日義務のように100kmを漕いで道路脇でテントを張って野宿するだけ。頑張ってようやくたどり着いたロードハウスでは、焦げたパンやまだ凍りかけのパンで挟んだハンバーガーが出てきたりする。先日、初めてFish&Tipsなる物を頼んで食べてみたが、ただの白身魚のフライとポテトフライの詰め合わせ。そんな子供のおやつみたいなものに20ドルとか本当に馬鹿げている。箱を開けた瞬間、唖然とした。

早朝のキャンプ場

多くの客はたいてい朝は遅いが、中には朝早起きして食事を済ませて出てゆく人間がいる。

ワーキングホリデーで来ている外国人の若者たちで、どこかに働きに行っているようす。中には夜遅くに帰ってくる人間もいる。ワーキングホリデーとは聞こえはいいが、実態は働きながらダラダラと旅行を続けているだけ。何が楽しくて外国に来てまで働くのだろう。

2泊したキャンプ場を今日出発する。パーツの入荷が今日の予定で、修理完了後に補給を済ませて先に向かって旅立つつもりだった。

昨日倒れた拍子に前カゴが歪んでしまっている。
おそらくヘルメットが当たったのだろう。

ヘルメットはとりあえずガムテで修理しておいた。
新しいヘルメットを買おうか買うまいか悩み続けた。

それにしても、今回のオーストラリア自転車ツーリング。計画段階では大きかったものの、変更に変更を重ねた結果、かなりショボいものになってしまった。

まあ、それでも自分が楽しめたらいいのだが、全然楽しめていない。走れば走るほど、つまらなさがUPしてゆく。なんだろうこの感覚。

9時前に荷物をまとめて準備完了!
親切にも空いている場所を教えてくれた隣の若いカップルに挨拶をして出発する。

キャンプ場を出ると、すぐ近くの公園に移動して木陰で休む。
自転車屋さんには、11時になったら来るようにと言われている。

木陰がこんなにも気持ちいいと知ったのは、オーストラリアに来てから。あまりの気持ちよさについシートを敷いて寝たくなる。

周囲をみると、同じように何をするでもなしに木陰に座ってただ休んでいる人の姿が多く見られる。

もう待ちきれなくなり、11時前に自転車屋さんに行ってみると、まだパーツは入って来ていない、と言われてしまった。航空便で来るからひょっとしたら遅れるかもしれないとのことだったが、そのひょっとしたらが起きた。ここはオーストラリアでも特に町と町との距離が遠い辺境の地。遅れるのは仕方がないだろう。

ということで、自転車屋さんをあとにしてホームセンターで接着剤を購入した。合成ゴム系の接着剤でヘルメットの修理?を行う。

行くところがない時の定番、図書館にやって来た。
館内には、パソコンやスマホで何か作業をしている旅行者がかなりの数がいる。おそらくネットで稼ぎながら旅を続けているのだろう。いちおう私もその端くれ。それらの人を観察していると、どうもそんなに旅を楽しんでいるようには見えなかった。

スマホとバッテリーの充電だけは忘れない。
最近、日差しが強すぎのためか、ソーラーパネルの調子が悪い。まだ穏やかな冬なのに、調子が悪くなるとは!

接着剤でヘルメットを修理する。
どうもくっつきが悪い。

発泡スチロールが溶けて段差ができてしまった。
これはやっぱりマズイよな。しかし、買うとなるとおそらくかなりする。日本に帰ってから買いたい。どうせ車に轢かれたら助からない。

図書館を出てビジターセンター隣の公園の木陰で休んでいると、アボリジニーのおじさんが近寄ってきて声を掛けられた。

どこから来たのに始まり、いつもと同じような内容。最後にやはりタバコ持っている?と聞かれた。やっぱりな。タバコを吸うなら、手持ちのタバコをあげるが、普通のサイクリストはタバコを吸わない。それを教えてあげようにもなんと言ったらいいのか分からないので、挨拶だけして立ち去る。中には凶暴そうな奴もいるが、たいていは皆穏やか。口癖のようにタバコ持ってる?と聞いて来る。こんな短いコミュニケーションでも面白かったりする。

昨日は思いがけず日本人に会い久しぶりに日本語で会話できて楽しかった。人間嫌いで普段人と滅多に話さない私だが、オーストラリアに来てからは日本人と話をしたくてしたくて仕方がない。まさかね、自分がこんな風になるとは。

パーツの到着が遅れてもう1泊Broomeですることになったが、同じキャンプ場に泊まる気はなし。意外に居心地がよいところだったが、ある種のだらしない雰囲気が気になった。見た感じ多くの若者が大麻を吸っているようす。アメリカでも薬物が若者の間でかなり蔓延しているようすだった。私は薬物に手を出す気は全くなし。一度やると止められなくなるのが目に見えている。これまでの酒タバコで明らか。

警察に捕まって前科者になると、いろいろと自由がなくなる。ビザがとれなくなるのは勘弁。バレなきゃいいと言うが、悪事はそのうちバレる。バレたらおしまい。もう二度と日の当たる場所で生活できなくなる。それが薬物。

茂みの中を抜けて空き地に出るまでの間に再び植物のトゲがタイヤに刺さった。空き地に出たところですぐに気がついたので、パンクは免れた。面倒だが荷物を取り外して自転車を倒立させて、1本1本トゲを抜いていった。前後ともに20本以上。

明日は自転車を担いで道路まで出ることした。押して出るとまたトゲが刺さる。刺さった状態で乗ると、必ずパンクするので注意が必要。ヤブの中に入った時は気をつけなければならない。どうしてこんなサイクリストをいじめることばかりするのか。

Broome周辺はトゲトゲ植物が多くて危険。

今日は昼飯は抜き。まだかまだかと電話を待っていたら、食べそびれてしまった。やっぱり飯は食わんといかん。

悩みの種がまた一つ増えてしまった。

新しいヘルメットを買えば済むことだが、オーストラリアでは高いに決まっている。こういう時、Amazonコンビニ受け取りができる日本は便利だと思う。

まあ、好きでオーストラリアに来たのだから仕方がないな。

 

おっとそうそう、ここで重大発表!
もうUluruに行くのは止め。Darwinにまっすぐ行くか、Cairnsまで行って日本に帰る。ひょっとしたら、グレイハウンドに乗って空港まで移動するかもしれない。おっさんのツーリング熱はとことん冷えてしまった。もう大きくは回復はしないだろう。

走行データ
Broome市街地ウロウロ
走行距離20km、走行時間1h30m
 
ねぐら 町外れの空き地
 
おわり
現地レポート
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からあげ隊長の冒険