こんにちは。からあげです。
自転車のリム割れを起こし、Broomeで自転車修理のため、一週間の滞在を余儀なくされたのち、今現在はFitzroy Crossingを通過してHalls Creekを目指して走っているところ。Fitzroy CrossingとHallls Creekの間は289km、オーストラリア舗装路の最長無補給区間といわれている。だが、ほぼ中間地点に水の汲めるキャンプ場があり、実はそれほど大変ではない。距離よりも暑さと風向きの方が重要。
現在、一番過ごしやすいと言われている真冬の季節なのに、日中の気温は30度を超える。(おっさんセンサーによる)暑さは体力を奪い水の消費量を増大させる。荷物の積載量に限りがある自転車では、水の消費を抑える乗り方が必要とされる。
心配性の私は一日6〜7リットルの計算で常に水を多めに持っているため、道行く車から水を貰う必要は全くなし。挨拶もしないのに水だけはちゃっかり貰うという極悪人にはなりたくない。
ということで今日のようすをお届けしよう。
今朝も3時起きして5時前に出発。最近手際が良くなって出発時間が早まっている。(早く日本に帰りたいから)
昨晩のねぐらはなかなか快適だったものの、朝の1時過ぎにロードトレインが近くに止まり、しばらくアイドリングしていた。多分、運転手がウ●コをしていたと思われる。トラックのエンジン音に目を覚ましてしまって睡眠時間が少なくなってしまった。
朝からOver Sizeがやって来た。前後に警戒車を付けたかなりBigな野郎だった!ちっ、驚かせやがって。鉱山で使用される超大型の重機のようだった。
道路脇に放置された事故車両
ドアは全て開け放たれて荷物はなし。タイヤは全てなくなっていた。荷室のテンパータイヤとジャッキも持ち去られていた。
カーステレオも剥ぎ取られていた。
オーストラリアでは事故車両からの剥ぎ取りをよく見かける。
こちらは事故車ではないのに、燃えてしまっている。どこにも大きな凹みはなし。
Halls Creekの手前の一部の場所だけに尖った蟻塚が見られた。
なぜだろう?高さは3m以上あると思われる。
効率よく高さを稼いでいる。
先には束になった有刺鉄線がめり込んでいる。作業員が掛けたのを忘れてしまったのだろう。
これが普通の蟻塚。団子状の太いもの。
Alice Springsへの最短ルートのTanami Road。
Tanami Desertの最深部をゆくダートロード。長大な無補給区間が続く道。
この道をゆくなら、サイクルトレーラーに水・食料を満載する必要があるだろう。パニアスタイルだと、リヤに過剰な負荷が掛かりホイールがまずやられる。奥地でのホイールトラブルは命とりとなる。完全な上級者向けのルート。自転車初心者の私が走れるような道ではない。
道路状況の案内板
この道を走る際は、事前に地元オーストラリア人のサイクリストから情報を仕入れておいた方がいいだろう。
Alice Springsへと続く道。入り口の周辺だけは路面状態良し。
奥へゆけば、深い砂や凸凹の路面に悩まされることだろう。
Halls Creekまであと5km。今日はかなり余裕。
町外れまでやって来ると、80km/h制限になってホッとする。
しかし、まだ建物が見えない!
町の中の公園は9時前だというのに、朝の散水タイム中だった。
おいおい、邪魔するな。
足を怪我したおじさんが一輪車で運ばれるようす。
町に着いたら、まずはインフォメーションで情報収集。RPGゲームと同じ感覚。おや、何か変だな?
建物の軒下は鉄格子が設置されて夜間近寄れないようになっていた。営業開始の8時半を待って中に入った。
特にめぼしい情報はなし。
道路を挟んでインフォメーションの向かい側に飲料水が汲めるDump Pointあり。なんとここも鉄格子が設置されていた。こんなの見るの初めて。
水栓は3つ。一つがキャンピングカー用でバルブは取り外し式、あとの2つがスプリング式の自動水栓。口が大きかったので、広口ボトルに入れてから移し替えた。
とりあえず水は18L汲んでおいた。町を出る時に2L消費して16Lとする予定。
町のメインストリート。交通量は少なめ。
何をしているか分からない人たちがたくさんいる。
町唯一のスーパーのIGA。田舎でよく見られるスーパー。
店の前のゴミ箱にはおしゃれな絵が描かれている。
蓋は何と鍵付き!ゴミ箱にも鍵とは初めて見た。ここHalls Creekは初めてみるものばかり。町の至るところに監視カメラがあり、柵で囲まれている。
12個パックの卵は半分に切られて6個パックで売られているものもある。こんな風にして切られているのは初めてみた。切り口がガタガタ。何で切ったのだろう?
玄米1kgが5.18ドル。普通高くても4ドル台なのに。Halls Creekは普通じゃない!
それでも日本で買うより十分安い。
ちゃんと小さなノートも売っていた。しかし、たかがノートで5,6ドルとは。どうなっているんだ?
チョコバーは驚愕の6ドル台。いったい誰がこんな高いもん買うというのだ?1本3.5ドルのロードハウスより高い。
キャンプ用品コーナーにカセットコンロあり。
ボンベは4本セットと単品販売もあり。オーストラリアではカセットボンベはたいてい4本セットで売っている。
カセットボンベの口金は日本と同じ。SOTOのST-301を持って来れば良かったかもしれない。
次のKununurraまで360km、4日の行程。お昼のおやつも入れて全部で約62ドル。
お気に入りのSnakesはなし。バカヤロー何やってんだ?
店の前に自転車を停めてもちろんロックして、店内に入ってハラハラしながら買い物を済ませた。戻ってきてディスクトラッカーの姿を見た時はほっとした。さすがに白昼堂々と盗みはやらんだろう。
インフォメーション横の公園東屋に移動する。
まずはガソリンストーブのメンテナンス。最近炎がオレンジ色になってきた。
昼食にラーメンを作る。ストーブの燃えが良くなって扱いやすくなった。
人が休んでいるのに、芝生を刈る機械が動いていて煩い。
暑さで食欲がない時にはレモンペッパーのツナ缶がいい。
サッパリしていて後味がいい。
代わり映えのしないラーメンの完成!今日は卵2個入りの豪華版。
ラーメンを食べて後片付けをしている時に、サイクリストが現れる!
Geraldtonから右回りでAlice Springs経由でAdelaideに向かうのだとか。途中のTennant Creekまでは同じコース。
ガスストーブで湯を沸かしているところ。クッカーは自作の品。
空缶に穴を開けて取っ手を付けただけのもの。取っ手はスポーク。
自転車は28インチ(700C)ハードレイルのMTB。タイヤは28×1.5のマラソンプラス。全体に荷物は少なめ。
センタースタンドを装備していた。
中でも目立つのはエンドバーに付けられた大型ミラー。車用のものを加工して取り付けたのだとか。視界はクッキリ。
この後、おじさんと数時間一緒に過ごす。歳と生まれがどこなのかは不明。流れで一緒に走ろうということになった。サイコンで確認すると、彼のペースが早いことが分かったので、私の方が先に出発することにした。午後2時を過ぎたころ、風向きが変わり若干の追い風になっていた。
次は359km先のkununurra。これからしばらくは補給区間の距離が短くて楽。
おじさんが水を汲んでいる間、距離を稼いで突き放しておかねばならない。すぐに追いつかれたら、私の面子が立たない。見た目20歳くらいの年齢差がある。
ミラーを確認していると、後方から急速接近してくる黄色いやつがいた。も、もう追いつかれてしまったのか!
サイコンで確認すると、おじさんの巡航スピードはおよそ18km/h、一方の私は13km/h。敵うはずがない。圧倒的なスピードさに驚いた。おじさんは化物か!
その後待っていたおじさんと話して、おじさんにはそのまま先に行ってもらって、私はここらへんで休むことにした。
悔しいと思わないほどの完敗だった。
これまで走って来た距離、荷物の重さは、大きな年齢差には敵わない。何を言っても言い訳にしかならない。ここは清く負けを認めよう。
明日、おじさんに一矢を報いるために早起きして出発する。私はスピードが遅い分、長く走って距離を稼ぐ必要がある。力強いペダリングでスイスイと進んでゆく自転車がどんどん小さくなってゆく。まるで付いて行けない。それにしてもおじさんの黄色い上着がよく目立つ。
さあて、明日に備えてもう寝るぞ!