こんにちは。からあげです。
帰りたいのに帰れない。すでにオーストラリアに飽き飽きしているのに帰らない。今すぐ日本に帰っても暑いだけだし、経費節約のため直行便のあるCairnsまで行きたい。一時はリムが割れ、ヘルメットも割れて気分はどん底だったが、時間の経過とともに回復してきてようやく立ち直ることができた。
寄り道せずにまっすぐCairnsまで行こうと決めた途端、なんだか心に余裕が出てきて少し楽しく感じられるようになって来きた。本当に不思議なものだ。
とは言うものの、まだ4,000km弱も走らねばならない。しつこく向かい風に吹かれて嫌になる。ああ〜早く帰りたい!
今日はゆっくり目に起きて、まずは10km先のFitzroy Crossingを目指す。Fitzroy Riverのすぐ側にある小さな町。向かい風に吹かれながらも、余裕で町にたどり着く。町に入って目に付いたのはゴミが多いこと。道路脇にはゴミやガラス瓶の破片がたくさん散乱している。ゴミが多い町は住人の心が荒んでいる。よって注意せねばならない。昨日、あえて町の手前で泊まっておいてよかった。なんとなく治安の悪さを予感して町で泊まるのは止めにした。おっさんの第六感は当たる。
町に入ってすぐのところにあるガソリンスタンドでまずは給油する。普通に燃料ボトルと携行缶にガソリンを入れるも、店員から何も言われず。Wikicampsによると、町の中で飲料水を汲めるのは、ここBPのガソリンスタンドのみとなっている。キャラバンパークでも水は汲めるが、キャンピングカーの間で寝るのが嫌なので却下。会計の時にコーラとフライドチキンを買って客だと精一杯アピールする。そして飲み食いし終わったあと、心を落ち着けてからペットボトルを手にして店員さんにお願いしに行った。
なんと、あっさりOK!丁寧に外まで出て来て蛇口の位置を教えて貰った。蛇口が細くてペットボトルで直接汲めたので短時間で水を汲むことができた。
蛇口はキャンピングカーが便利なようにたいていネジ山の付いた太い蛇口で、直接ペットボトルには汲めない。まずは折りたたみバケツで汲んでからペットボトルに移し替える必要がある。これが非常に面倒臭くて、たかが20Lに満たない水を汲むのに15分くらい掛かってしまう。
飲料水を手に入れたあとはインフォメーションの軒下でゆっくり休む。おばちゃんは非常に無愛想だし、トイレは中を通って遠回りせねばならなくて面倒臭かった。それでも軒下の日陰が快適でゆっくり休むことができた。町を出るのは、日が傾いて来て暑さが和らいだ時。今日は半休みたいなもん。軒下で休んでいると、観光バスが数台やって来て観光客から声を掛けられた。疲れていないので愛想よく受け答えする。記念写真にも快く応じる。強い向かい風に吹かれながら必死になってペダルを漕ぎ続けようやく町にたどり着いた時に愛想よくできるわけがない!
インフォメーションでゆっくりしたあと、町のスーパーに行って食料を買い出しする。店の前には何をしているのか分からない人間がたくさんいたので、入り口の奥の方まで自転車を押して行ってしっかりロックを掛けて店内に入った。スーパーIGAの品揃えはまあまあ、値段は多少高め。それでもロードハウスに比べるとIGAは凄くいい。欲しいものが手に入るというだけでも有り難い。ただ欲しかったメモ帳が大きいのしかなくて買うか買うまいかかなり迷った。結局買ってしまったが。次のHalls Creekも似たような町と思うので、あるものの中で一番携帯に優れた物を買った。小学校の学習ノート。
スーパーで買い物したあとは、インフォメーション前の木陰のある芝生の広場で昼飯にする。安売りしていたロール状の食べ物と卵を茹でて食べた。ここFitzroy CrossingにはBBQコンロという気の利いた設備はないのでBBQはできず。その代わりにゆで卵を食べてタンパク質を補った。食後はゆっくり昼寝をして2時過ぎ出発する。次は289km先のHalls Creek、オーストラリアで最長の無補給区間となるところらしい。強い向かい風に吹かれなければ、これまでもかなり長い距離を走って来たので問題なし。ただ最近の傾向だと強い向かい風が吹き続けると予想される。自転車の最大の敵は向かい風。真っ向から勝負することはない。ほぼ中間地点に水のあるキャラバンパークに寄ることにした。未舗装路を4km走らねばならないが、水を汲めるのは大きい。早めに行ってその日は泊まる。289kmで向かい風だと4日の行程。一気に行くとなると、水が20Lでも心もとない。あと3Lは欲しいところ。そんなにたくさんの水を積んで走るなら、途中で水を汲むためにキャラバンパークに寄った方がいい。テントだと1泊10ドル。安いもんだ。
町を出て2時間ほど走って道路脇の適当な場所でテントを張った。明日はいつもどおり3時起きして出発する予定。できればキャラバンパークまで30km以内まで走りたい。
5時半のゆっくり目の起床。お陰でかなり疲れがとれた。
何もない平原を走る。もちろん向かい風。
余裕で町まであと5km。
蟻塚がたくさん。
町外れまでやって来た。
道路脇に転がっているベビーカー。
あちこちゴミだらけ。
一番手前にあるBPのガソリンスタンド。
ここに隠された貴重な水場がある。
入り口ドアは二重になっていて、夜間閉められるようになっている。
鉄格子も設置されていて非常に厳重な印象を受ける。
プリペイドカード販売機。
こちらもしっかりと鉄格子で囲まれている。
まずはガソリンを補給する。MSRの燃料ボトルにも入れたが、特に何も言われず。
ガソリンの会計時にフライドチキンとコーラも買って客だとアピールする。
久しぶりに鶏肉を食べると美味い!
よく分からないが、今日は機嫌がいいおっさん。
店員さんにお願いして水を汲ませて貰う。外の水道のハンドルを入手することができた!
日本にもあるような通常サイズの水栓。
ペットボトルに直接汲めるのが嬉しい。
昼飯の使用分も入れて多めに汲んでおく。汲んだあとで自転車に積むのに一番時間が掛かる。
ガソリンスタンドには、たいてい空気入れが置いてある。
口金は米式バルブ。
オーストラリア人はこまめにタイヤの空気圧を点検する。
道路上でよく目にするのがバーストしたタイヤの破片。
アスファルトの温度が高くなることと空気圧が低いために起こると思われる。
スピードを出している時にバーストすれば、重大事故に繋がる危険がある。正面衝突すれば、まず助からない。
ルーフラックに積まれた予備燃料と水。
オーストラリアでは、スペアタイヤや予備燃料など、重量物を屋根に積んでいるのをよく見かける。道路がほぼ直線のため、重心が上がっても走行に支障がない。
スペアタイヤは必ず1本は持ち、2本持つ車も多い。
BPのガソリンスタンドで燃料と水を補給したあとインフォメーションに向かう。
なんとも開放感のある町。
町のほぼ中心部にあるインフォメーション。
中のおばちゃんが非常に無愛想だったので即退散。
インフォメーション前の駐車場に続々とバスが入ってくる。
四駆仕様のスクールバス
AAT Kingsのバス
白い車体に赤い触覚のようなミラーが特徴。
おそらくBroomeからBungle Bungleに向かうツアーバス。
重厚な作りの四駆仕様になっている。
悪路も難なく走破できるように車高はかなり高め。
こちらがグレイハウンドオーストラリア。
バスなのになぜかLCCよりも運賃が高い。気軽に途中下車できるのが人気のようす。自転車を積めるのが嬉しい。
降りて来た乗客を観察すると、若者から高齢の外国人観光客が多め。乗車率は半分にも満たなかった。運賃の高いためか、貧乏人の移動手段ではなく、お金と時間に余裕のある旅慣れた観光客が乗っている感じだった。
トレーラーを引っ張っているため、全長はかなり長め。
赤いボディーで遠くからでもすぐにグレイハウンドだと分かる。
フロントバンパーのようす
バスの運転手さんによると、自転車は後ろのトレーラーに載せるのだそう。バンパーには自転車ラックなどの装備はなし。
自転車はカバンを付けたまま載せられるのかは不明。私の英語力では難しかった。防犯上のため、荷物の出し入れは必ず乗員が行うようなので、自転車盗難の危険はなし。
運転手は2名乗っていて交代で運転しているようす。長距離を乗っても安心していられる。
雑然としたインフォメーション建物の裏
トイレへ行くには中を通り裏手に回らなければならない。
直接外からトイレには行けず。
町のスーパーIGAにやって来た。あって良かったIGA!
田舎はIGA率が高い。他にはFoodworksやFoodlandというマイナーなスーパーがある。どちらもよくお世話になる。
スーパーの入り口は2重構造。外側は頑丈な鉄製になっている。
自転車は奥の入り口まで押して行ってロックを掛ける。
なんと、スーパーにママチャリが売っていた。
見た感じ自転車の形をしているだけの自転車のような乗り物。
持ち帰りダンボールコーナー。
すっごい適当なところがイカス。
店内のようす
品揃えはまあまあ。値段はそれなり。田舎町なのに頑張っている感じ。多くを求めたらダメ。
アウトドア缶の大が15.99ドル。カセットボンベは見当たらず。
一番左が普段使っている100均メモ帳。
オーストラリアのメモ帳は全然携帯に便利じゃない。
雑誌コーナー
車は圧倒的に四駆が人気。西部ではスポーツカーなんて役立たず。
なんと自転車雑誌もある。ロードバイクは見ないのに、なぜか雑誌だけはある。
買い出しの品
インフォメーション前の芝生の広場に移動する。
木陰で昼休みにする。
これが今日の昼。何とかロール。
タンパク質補給のため、ゆで卵を作って食べる。
2時ころ町を出る。出てすぐに一車線の橋があった。
Fitzroy River
町の名前ともなっている川。すでに干上がっていて流れはなし。手前に水たまりがある。
Halls Creekまで288km。オーストラリア最長の無補給区間。
インチキして途中のキャンプ場で泊まる。
道路を走っていると、道行く車から水・食料をたくさん貰って、手持ちがなかなか減らないという情報は間違い。それはどこの惑星のことだと突っ込みたくなる。
ロードトレインの全長は53.5m。いつの間にか長くなっている気がする。
今日は町の外まで出ればいい。と言いたいところだが、多少は距離を稼いでおきたい。
4時過ぎ、道路脇でキャンプ。
道路から目立たない場所であるが、全く見えない訳ではなし。
忌々しい柵。こいつのお陰でいつもねぐらを探すのに手間が掛かる。遠目だと見えにくい。
さて、今日はこれでおしまい。もう寝よう。