眼鏡サイクリストのサングラス選び

こんにちは。からあげです。

はじめに

サングラスは目の乾燥や異物(ゴミ、ホコリ、虫など)が入るのを防ぎ、眩しさを抑えて見やすくして目の疲れを和らげる。自転車の中でも高速走行するスポーツ自転車にはサングラスが必需品だ。

視力が悪い私は眼鏡を常用しているが、眼鏡用のサングラスは種類が非常に少ない。初めのころはサングラスなしで走っていたものの、走行距離が伸びるにつれて目の疲れが増えて、心の底から眼鏡用のサングラスが欲しいと思うようになった。

 

眼鏡用サングラスの種類

眼鏡用のサングラスには大まかに3種類あり。度付きサングラス、クリップで眼鏡に挟ん使うクリップオンタイプ、そして眼鏡の上から掛けるオーバーグラスだ。それぞれの長所・短所を挙げてみよう。

度付きサングラス

デザイン、大きさ、機能ともすべて良し。だがその反面非常に高価。常に破損や紛失のおそれのサングラスに大金を使いたくない。外すと見えなくなるので、ほかに用事があるときは普通のメガネも携帯する必要がある。さらに替えがすぐに入手できないのが難点だ。

よって私の場合は選択肢には入らない。

 

クリップオンタイプのサングラス

クリップで留められて着脱が簡単、しかも安価(2000円程度)。片手操作ですぐにはね上げることができ、暗いトンネルに入っても慌てることはない。交通量の少ない山間部では節電のため中央付近が消灯されていて中が真っ暗なトンネルがあったりもする。

上から見たようす

はね上げたときのようす

強風に煽られると勝手に上がったり飛ばされるおそれあり。
長所が弱点にもなりうる。

留め金の部分

リベット留めで構造的に弱く壊れやすい。
少しぶつけただけで壊れてしまうことがある。

クリップで挟んで眼鏡に装着する仕組み。
だがクリップの力は弱く野外活動では心もとない。

プラスチックレンズの場合、クリップオンタイプを長期間使用しているとレンズに必ず傷が付く。ガラスは硬くて傷が付きにくいが、重たく落とすと割れてしまうので屋外使用には向かない。

写真はクリップオンタイプのブルーライトカット眼鏡を装着してできた傷。光線の加減で写っていないが、左にもはっきりと分かる擦り傷がある。

眼鏡のレンズよりも大きいものの、顔に密着しないので防風・防塵性能は低い。横から風を巻き込み目が乾燥したり、目にゴミが入ったりする。

クリップオンタイプは屋内または自動車向けかつて車の運転で愛用していた。

 

マグネットタイプ

ついでに紹介。こちらは磁石でくっつけるタイプのサングラス。
見た目が全く普通の眼鏡にサングラスを付けられる優れもの。セットで販売されていた。

これは予備用サングラス兼眼鏡として今でも大事に持っている。

蝶番部分に強力な磁石が仕込まれていて着脱できるが、自転車走行中に片手で装着するのは難しい。屋外では外したサングラスの置き場所も問題となる。
サングラスが眼鏡と密着するので多少の風に煽られても飛ばされることはないが、木の枝が当たったり手が当たったりすると外れることがある。

軽い野外使用も可能なサングラスだが、着脱しづらく防風・防塵性能が低いので自転車向けではない。

 

バネタイプ

追加でもう一つ紹介する。こちらはバネで眼鏡に挟んで使うサングラス。
アメリカ西海岸のスーパーマーケット購入した品だ。クリップオンタイプがなかったので仕方なしに購入した。

眼鏡に装着しサングラス両端の爪で引っ掛けてバネの力で保持する仕組み。

左右のレンズを繋げる役目もあるバネと金具部分。
はね上げ機能はなし。屋外から屋内に入ったときに外す手間がある。

購入後しばらくして、外したサングラスをポケットに入れたまま寝てしまい、体の下敷きにして壊してしまった。

このサングラスも自転車向きではない。

 

オーバーグラス

最後に眼鏡の上から掛けられるオーバーグラス。着脱しづらく眼鏡によっては合わない場合があるが、比較的安価(4000円~5000円)で確かな防風・防塵効果があり、掛け心地がよいサングラスだ。
構造的に眼鏡よりも大きくなりどうしても目立つ。小顔の人には向かない。

Amazonの高評価のレビューを見て購入してみたが、オーバーグラスや眼鏡がズレるなどイマイチだった。
ところが試しに手持ちのストラップを装着してみると、掛け心地が一気に良くなり以後自転車でこのオーバーグラスを愛用するようになった。

オーバーグラスはストラップを付けると、自転車だけでなく屋外活動全般に向くようになる。

 

AXE オーバーグラス(SG-605P)

AXE オーバーグラス(SG-605P)

大型のメガネでも上から掛けることができるパノラミックビューレンズを搭載し、180度以上の視界が確保できるオーバーグラス。
株式会社アックスは大阪に本社を置く老舗のゴーグルとサングラスのメーカー。眼鏡のフレームも製造している。

サイズ 幅163㎜×高さ50㎜
重さ  34g
可視光線透過率 34%
※幅145mm×高さ46mm以内のメガネに対応。

SG-605P | 株式会社アックス[AXE]
株式会社アックス。大阪市東住吉区でスポーツゴーグル、サングラスやメガネフレーム等の製造、卸を行っております。製品紹介など。

 

内容物

サングラス本体、説明書、収納袋のみ。
*ケースは別売り

見た目が良くないが、角型ペットボトル(500ml)2本で簡単に作れるケース。
失くしたり壊したりしても惜しくはない。重量はわずか33g。

ペットボトルでサングラスの保護ケースを自作する
こんにちは。からあげです。はじめに自転車に乗っているとメガネを掛けていても横から風を巻き込んで目が乾燥してくるので、サングラスをするようになってしばらく経つ。今回のツーリングの舞台のオーストラリアは雪山並みに紫外線が強いため、サングラス無し...

 

箱から取り出したところ。
実はこのSG-605Pは特別仕様のグリーンスモークで可視光線透過率が15%のもの。
通常の可視光線透過率34%よりも少し暗め。

正面からみる。

Amazonレビューによると見た目かなりゴツいということだったが、私はそれほどでもないと思った。
SG-605Pより少し小さいSG-604Pという型もある。

SG-604P | 株式会社アックス[AXE]
株式会社アックス。大阪市東住吉区でスポーツゴーグル、サングラスやメガネフレーム等の製造、卸を行っております。製品紹介など。

 

折りたたんだ状態で逆さにして置くと、ツルを下にして置くよりも安定する。

上から見たところ。

上部の大きな出っ張り部分が光やゴミなどの侵入を防いでくれる。

下側を見たところ

顔にフィットするように出っ張りは低め。

広い視野を確保するサイドリムのないパノラミックビューレンズ。
フレームが視野に入ることはなく、視野が広々。

内側から角の部分を見る。

フレーム一体型のノーズパッドは低め。
下の眼鏡と干渉しないように低くしていると思われる。

フレームの内側には型式が表示されている。

フレームの色はSMがクリアスモーク。BKが艶あり黒のシャイニーブラック。

テンプルの先のゴム部分。
通常の眼鏡と同じく顔に合うように曲げることが可能となっている。

測りに載せてみると公称値どおりの34g。
眼鏡の上から掛けてもほとんど気にならない重量だ。

 

SG-605Pを眼鏡に合わせる

普段使用している眼鏡がこれ。上がメタルフレームのナイロール。落ちないようにナイロンの紐で留めている。 

画像の眼鏡のサイズは「53□17 140」レンズ幅53mm、ブリッジ幅17mm、テンプル140mm。
フレーム幅は123mmで高さは約30mm。

このオーバーグラスは幅145mm×高さ46mm以内に対応するので十分余裕がある。

サイズについて | 眼鏡市場オンラインショップ
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レンズはプラスチックの非球面。歪みが少なく自然な見え方でとてもよい。
眼鏡はレンズが重要なので、レンズだけは良いものを選んでいる。

十分過ぎるほどの余裕あり。大型眼鏡に対応するようにあえて大きめな作りにしていると思われる。

ブリッジ周辺

干渉している箇所はなし。

気になったのは眼鏡の端。
フレームの角がオーバーグラスのレンズ内側に当たっている。

オーバーグラスは緩やかな丸みを帯びているが、眼鏡はほぼ水平。

上から合わせてみる。

構造上の問題で眼鏡のフレームの角が当たるのは避けられない。
考え方を変えてみると、オーバーグラスが押さえてくれるおかげで眼鏡がズレないとも言える。

内側の角が当たる部分のスレ。
長年使用しているとこのような傷が付く。

傷がついても視界は良好。傷が目に入ることはなく、外側からは傷は見えない。SG-605Pの使用はこの傷を許容できるかどうかにかかっている。

 

SG-605Pにストラップを装着する

自転車走行中にオーバーグラスや眼鏡がズレることがあり、正直言って掛け心地がイマイチだったSG-605P。
試しに手持ちのストラップを付けてみると、掛け心地が一気に良くなりまるで別物になった。

ストラップは以前自転車屋さんでもらった自転車雑誌(BiCYCLE CLUB)付録のもの。

このようにストラップ端の筒状のシリコン部分を先セルに装着するタイプ。
しなやかで弾力性があり心地よいフィット感がある。

 

SG-605P(GSV) マヅメグリーン

SG-605Pの素晴らしい掛け心地に気を良くした私は、薄暮時に有効なSG-605P(GSV)という型を購入した。何でも早朝夕方の薄暮時に良く見えるという。

レンズはマヅメグリーンという黄色みがかった緑色で可視光線透過率は33%。通常版のSG-605Pクリアスモークと同じ透過率となっている。

SG-605P(GSV) | 株式会社アックス[AXE]
株式会社アックス。大阪市東住吉区でスポーツゴーグル、サングラスやメガネフレーム等の製造、卸を行っております。製品紹介など。

 

フレームの色はグラデーションシルバー。なぜか目に入る内側がシルバーになっている。ここが気に入らない点だった。

通常のSG-605Pとの比較。
レンズの色が違うことがはっきりと分かる。

オーバーグラスなしの状態

フードデリバリーの仕事では、夏場は17時過ぎから19時過ぎくらいまでの夕暮れ時が稼ぎ時と重なる。西日が眩しくて危険が伴う時間帯となる。少しでも見えやすいようにSG-605P(GSV)を手に入れた。

オーバーグラスあり(SG-605P(GSV))の状態

全体的に視野が黄色みがかり違和感がある。西日の眩しさはさほど変わらず。そのうち慣れるだろうと思ってしばらく掛けていたものの、一向に慣れる気配はなし。
逆にオーバーグラスがない方が見やすいように思えた。

しばらくして日が暮れて周囲が暗くなると、視界は一気に暗くなり車や歩行者が非常に見づらくなった。継続使用は危険と判断して装着は止めにしてオーバーグラスなしのまま仕事を続けた。

結局、SG-605P(GSV)を使用したのはこの一日だけですぐに手放した。薄暮時の自転車走行には不向き。夜間は使用しない方が遥かに見やすい。
釣りや登山には良いかもしれないが、高速走行する自転車には合わないように思える。

 

SG-605Pの感想とその後

2019年オーストラリアツーリングでは本当に大活躍してくれた。
秋から冬にかけての旅だったにも関わらず、日本とは比べ物にならないほど厳しい日差しだった。
可視光線透過率15%のものでさえも、晴天の日は眩しく感じた。
日本であれば晴天でも可視光線透過率34%の通常版で十分だ。実際に購入して使っているが、雨天や曇天から晴天まで非常に見やすくバランスがよい。
可視光線透過率15%では雨天、曇天、薄暮時には暗く感じる。雪上または晴天向けのように思える。
夜間は暗くて見づらいので、外して眼鏡だけで走行している。

現在、可視光線透過率34%よりも低い11%のものはケースが付属した特別仕様(SG-605PCS)でのみ販売されている。

今までSG-605Pを掛けて自転車で3年30,000km以上走行しているが、部分的に傷んできてはいるもののまだまだ使える。品質、デザインともに文句なく(眼鏡フレームの角が当たること以外)大変気に入っている。顔との隙間が適度にできて真夏でもなんとか我慢できる。
空調の効いた空間に出入りするとレンズが曇ってしまうが、拭けば視界はクリア。外を走っている限りは曇って見えなくなることは少ない。

ストラップを付けるとフィット感が増し、このSG-605Pなしでは自転車に乗りたくないと思えるほど。ストラップなしだとズレることがあるので、ストラップの使用強く推奨したい。

レンズ内側のようす

レンズ内側(右)

レンズ内側(左)

長年の使用でレンズ内側に傷が入っているが、外側から見ると全く分からない。

上から見たようす

強い紫外線に晒されるうちに先セルと呼ばれるテンプル先のゴム部品が傷んできた。
ベタベタとネバつき鬱陶しい。

先セルのアップ

どうしようかと悩みながらアックス社のウェブサイトを見ていると、パーツ販売がされていることに気がついた。

アックス社製の良いところは、オンラインショップでレンズ、テンプル、ビス、先セルなどの消耗品を単品で購入できること。しかも発送は送料が安価な普通郵便で対応してくれる。

長く使えるSG-605Pは本当におすすめできる。


予備部品の一覧は公式ウェブサイトの上部メニューのSPARE PARTSから見ることができます。

オンラインストアの左サイドバーのparts(パーツ)のカテゴリーの中から選んで注文できます。先セルはかなり下の方にあります。
SPARE PARTS | 株式会社アックス[AXE]
株式会社アックス。大阪市東住吉区でスポーツゴーグル、サングラスやメガネフレーム等の製造、卸を行っております。製品紹介など。
SG-605P パーツ 先セル | AXE オフィシャルECショップ powered by BASE
サングラス SG-605Pのパーツ、先セル(テンプル先のラバー)のみ左右ペアのみ バラでの販売は行っておりません。主に修理用としてご購入ください。※GSVカラーは先セルのカラーに僅かな違いがございますので、GSVカラーと同じカラーをお望みの...

 

SG-605Pの修理(先セル交換)

アックス社のオンランショップで注文すると、なんと2日後に商品が届いた。
Amazon並のスピード発送にとても驚いた。

先ほども説明したとおり、低料金の普通郵便で送ってくれるところが非常に嬉しい。
おっさんのこれまでの人生で普通郵便でも紛失などの郵送事故は一度もなし。

新しい先セル。
穴の空いた方が外側になる。

やや強引だが、力ずくで引っ張ると先セルは抜ける。

プラスチップ部分の付け根に多めの接着剤が付けられていた。

外した先セル。片方は外すときに裂けてしまった。

新しい先セルは瞬間接着剤でくっつける。
金属部分とプラスチック先の部分に薄く塗りはめ込むだけ。

先セルの交換は5分で終了。
ついでに傷んでいたストラップを自作のものと交換した。
自作ストラップについては後日詳しく紹介したい。

 

以上、自転車向けのオーバーグラスの紹介はこれで終わり。