旧天城トンネルを抜ける

こんにちは。からあげです。

 

新車テストツーリング(2018年11月下旬~12月上旬)

6日目 天城峠手前から弓ヶ浜海岸

 

昨日、天城山を登ったあと、天城峠を越えるため、伊豆スカイラインを迂回して国道414号線の方に回ってきた。心配していた雨は大して降らず、早めに上がってしまった。

昨夜はアイドリングして長時間停まっていたトラック以外はほとんど気にならなかった。さっさとテントを撤収して出発準備を整える。

シャッターに掛けて干していたTシャツ。
夜風が吹いて内側に落ちなくて良かった。
営業開始まで待つか、長い棒のようなもので取る必要がある。
取れたところで、汚れまみれとなっているだろう。

美味しい山の水を汲んでおく。
こまめに水を汲むより、まとめて汲んでおいた方が気が楽。

水が必要な時に限って水場が見つからないことも多い。

道の駅を出発すると、国道414号線沿いにもわさび田の棚田があった。木を伐採して田んぼを切り開いたようす。

天城峠を抜ける道には、新道と旧道の2種類あるが、もちろん旧道の方を走る。走りやすい新道を走っても何も面白くない。

天城峠旧道入り口

旧道は未舗装となっているが、整備が行き届いているため、舗装路と変わらず走りやすい道となっている。

さあて、行こうか!

びっくりするほど走りやすい未舗装の道。
早朝のためか、通行車両はまったくなかった。

伊豆の踊子の著者、川端康成の石碑。
苔むしていてかなりの年代物のようだ。

トンネル手前の休憩場所に到着した。
走りやすい林道だったため、さほど消耗せず。

トイレと東屋がある。水は出るが、飲用不可と表示されている。

東屋のようす

ここで泊まれなくはない。ただし、水がないのでどこかで汲んでくる必要がある。

東屋横の道を登ってゆくと、天城峠に出てそのままゆくと、天城山方面まで縦走することができる。

旧天城トンネル

トンネル内には照明が点灯しているため、真っ暗ではなく走りやすい。
自転車のライトを点灯させてトンネル内に入る。

トンネル内をゆく。

幅は普通車がギリギリすれ違える程度。下はコンクリートで漏水はなく乾いていた。

味のある裸電球。わざとこのような旧式の照明器具を取り付けているのだろう。

トンネルを抜けると下りとなって、あっという間に国道414号線手前の分岐までやって来た。ここで国道には出ず、そのまま旧道をゆくことにした。

道幅が狭いが、対向車は全く来なかったので、快適に走ることができた。ディスクブレーキの安心感もある。

七滝ループ橋を下ってきたところ。グルグルっと2回転する。

なんか昔あったミニカーのおもちゃのような感じがした。

遠目で見ると、ループ橋はこのように見える。
山奥の山村にある巨大な人工物だ。

この上にある七滝には行かず。ループ橋が楽しくてつい通り過ぎてしまい、登り返してまで行く気がしなかった。

瓦屋屋さんの石垣の上には鬼瓦などが並べられていた。
あれ?以前見たことあるような気がする。

以前確かに天城峠付近に来たことがあるのだが、その時の記憶がほとんど残っていない。しかし、この瓦だけは見たような気がする。
なんでこんな細い道に入って来たんだろう?全く思い出せない。

ここに来た当時、どんな車に乗っていたのかも思い出せない。全くの記憶喪失。たぶん、記憶に残らないほどツマラナイ旅だったのだろう。

恵比寿さんとなんだっけ?

なんか縁起が良さそうだ。一つ欲しい。

 

峰温泉 大噴湯公園

開園時間 09:00~16:00
定休日  火・金
吹上回数 7回
吹上時間 09:30、10:30、11:30、12:30、13:30、14:30、15:30
*1回の吹上時間は約1分間。

入園料 無料

参考リンク 峰温泉 大噴湯公園(河津町観光協会HP)

 

峰温泉 大噴湯公園

大きな標識に釣られてやって来た公園。
いかにも入場料を取りそうな雰囲気があるが、なんと無料!

公園内に一際目立つ櫓がある。ここから温泉が湧き出ている。
昔、河津町の人が私財を投げ売って温泉を掘り当てたそうな。なかなか出なくて、次第に協力者が減ってゆき、しまいに一人になっても掘り続けて、ようやく温泉が湧き出てきたそうな。

櫓の中央部の地下から温泉が湧き出ている。

生卵を買ってゆで卵を作ることにした。2個で150円と良心的。

温泉に15分ほど浸けておくと、おいしいゆで卵が出来上がる。
源泉の温度は約100℃だそうな。

待ち遠しくて仕方がない。

食べているときの写真はなし。あまりに旨くて、気がついたら全部食べてしまっていた。この、食いしん坊め!

時々、おっさんはこういう失敗をやらかす。

テーブルの上に温泉を引いてきてあって、温かいおでんやお汁粉を食べることができるテーブル。

そうこうしているうちに、ついに間欠泉が吹き出し始めた。
一日7回元栓を開けて豪快に吹き出させる。バルブの開閉は、タイマーで制御しているのだろう。今日は1回目の9時半。

河津町で国道135号線に出ると、そのまま海岸沿いを下田方面に進む。快適な下り坂は、遠い昔の出来事のようになってしまった。
軽いギヤにしてマイペースで上ってゆく。

ずいぶんと高度を上げてきた。
写真だけみると、東北のように思えてくる。
しかし、ここは伊豆半島。懐かしい、あのリアス式海岸。

坂を上りきったところに、尾ヶ崎ウイングという休憩所があったので立ち寄った。屋根を見ると、素通りする訳にはいかなくなる。

先ほどの公園で買ってきたわさびの新芽。レシピを書いた紙をあげましょうか?と言われたが、ゴミになるので貰わなかった。

一部は生で食べてあとはラーメンに投入する。生で食べると、わさびの濃厚な味がした。(あとでお腹を壊すことになる。)加熱するとわさびの風味が飛んでしまうため、生食が基本らしい。生食とは言っても、醤油漬けにして食べるらしいが。

ラーメンはマルタイの棒ラーメン。3泊4日の登山をこの棒ラーメンだけで乗り切るというツワモノがいるらしい。

出汁が濃厚で結構好きなラーメン。たまに買って食べるが、そうしょっちゅう食べたくなるわけではない。そんな微妙なラーメンだが、結構いいのだ!

湯が沸いたところで、棒ラーメンを投入する。
先にわさびを入れたのはマズかったと、あとで気がつく。

やっぱり葉物野菜は最後に入れるもの。

わさびラーメンの完成!

わさびの風味が飛んでしまい、ただの菜っ葉ラーメンになってしまった。非常に勿体無いことをした。それでも十分美味かったけど。

白浜海岸

伊豆半島最大の海岸で、シーズン中は多くの海水浴客で賑わうのだそう。

海には結構な数のサーファーがいた。

下田市内まで降りてきて、まず初めにやって来たのは、道の駅手前にある公園。整備が行き届いた開放的な公園だった。

おお!なかなか良さそうな東屋があるではないか!

チッ、パーゴラかよ!

自転車乗りをぬか喜びさせるトラップ。何度やられたことか。

それでも外れのほうに、本物の東屋と水道が整備されていた。
これは遠慮せずに泊まって行きなさいということだな。

まだ時間が早いため、丁重に辞退させてもらった。

公園近くの岸壁には海上保安庁の巡視船が係留されていた。
均整のとれたかっこいい船だ。

ロープの整理はしっかりとしてある。
つい癖で見てしまう。さすがは保安庁だな。

道の駅の1F駐車場。2F部分が店舗となっている。
どこもお店ばかりで無料の休憩スペースはなし。
駐輪場は外の隅の方にあって、全然歓迎していないことが分かった。

つまり、雨の日以外は用無しの道の駅だ。

伊豆急行下田駅にやって来た。
人気が少なくて、駅前で堂々と写真を撮ることができた。

駅前のロータリーには大きなソテツとアロエが植えてある。
伊豆の温暖な気候に合うのだろう。

伊豆半島はアロエだらけ。あちこちにアロエが植えてある。植えておいたら、勝手にどんどん増えていってしまったのだろう。

滅多に見れないアロエの花も、伊豆では全然珍しくない。

坂本龍馬ゆかりのお寺。なんて言ったっけな?忘れた。

妙に腰の軽い住職みたいなのが呼び込みをしていた。

下田のマックスバリューで買い物。下田の駐車場は建物の1F部分にあることが多い。家電量販店方式。なぜなんだろう?

一度気になり出すと、気になって仕方がない。おっさんはいつもこんな調子。

写真は袋ラーメンのバラ売りコーナー。自転車乗りには嬉しい。
いつも5袋セットで買うので、しばらく同じ味を食べ続けないといけない。いくら同じ物を食べ続けられる私でも、袋ラーメンはキツイ。醤油、塩、味噌でローテーションしてゆきたい。

買い出しの品。

気がついたら、おっさんがアイスを放り込んでいた。ちくしょー、いつもお金を払うのは私だ。

下田港の片隅のペリー記念公園。だったかな?

なぜ、幕府が下田に黒船を付けさせたのかが分かる。あんな立派な黒船を江戸の港に付けられたら、幕府の面目丸つぶれとなる。それで、こんな端っこの港にこっそり付けさせたのだろう。

下田港のようす

寂れた地方の港といったところ。

下田を出ると、再びアップダウンの道となった。冬とは思えない暖かさでTシャツ1枚で漕いでいても汗をかいてくる。(もちろんズボンやパンツは履いている。)

国道をそれてやって来たのは龍宮窟。

トンネルを抜けると、突然砂浜が現れる。
トンネルだったところが、天井が崩落してこうなってしまった。

紅の豚のポルコの住処みたいな雰囲気がある。実際に住んだら、時化たとき大変な目に遭うのだろうけど。

上を見上げると、ポッカリと穴が空いている。

周辺には遊歩道が整備されていて、上から見下ろすこともできる。
海の澄んだ青がいい感じだ。

隣のサンドスキー場。自然にできた砂のスキー場。
雨と風の侵食で、このような砂の斜面が出来上がっている。

おお、やってるやってる!

ダンボールを下敷きにして滑っているぞ。でも、何か変?

サンドスキー場にやって来て下から見上げる。

ダンボールを片手に砂の斜面を上ってゆく。体が沈み、なかなか登ることができない。結構ハードだった。

5分くらい掛けてようやく一番上まで上ってきた。
上から見ると、結構高さがある。
早速、滑ろうとしたのだが、砂が前日の雨で湿っていて全然滑らない。先ほどの若者たちも、途中で歩いて降りていた。

なんだ、こういうことだったのか!気持ちよく滑りたければ、近所の宿でソリをレンタルしてこなければならない。

靴の中は砂まみれ。せっかく上まで上ったのに、歩いて降りてきただけ。

向こうの岩山に四角い形をした穴がある。よし、行ってみよう。

再び砂の斜面を登ってくると、石切場跡のようだった。

中でテントを張れないこともないが、道具をここまで持ってくるのが面倒。

砂場のあちこちに黄色の花が咲いていた。

キャンプ禁止の標識

ただし、6月1日から9月30日までの間。ということはそれ以外はキャンプOKということだ。

行き止まりの田牛の集落の中を通って弓ヶ浜方面に向かう。
すでに3時近くとなっていて、早めにねぐらを決めねばならない。

今日のうちに石廊崎方面にゆくと、途中で日が暮れてしまうおそれがある。今回はテスト走行を兼ねたツーリングなので、無理をしてまで走る気はしない。

集落の中に不思議な畑があった。
細い棒の先に何かを挿してある。なんだ?

なんとサザエの貝殻だった!カラス避けにでもなるのだろうか?

単なるサザエ好きのおっさんの気まぐれアートか?よう分からん。

その後もぐんぐんと高度を上げてゆく。来た道を戻るより、はじめての道を走りたい。そんなワガママな自転車乗りに気がついたらなっていた。

峠を越えてやって来た弓ヶ浜。砂浜のあちこちにキャンプ禁止の看板が設置されている。こんな開けたところにテントを張ったんでは目立って仕方がない。

良い雰囲気の砂浜だったんだけどなあ。

道路沿いに休憩施設を発見!
今晩雨が降る予報なので、できれば屋根付きのところで泊まりたかった。そんなおっさんの願望を神が叶えてくれた!

休憩所に入ると、気持ち良さそうに寝ているニャンコがいた。
おいおい、いくらなんでも無防備過ぎるだろ!とツッコミしたくなるような寝相。

自分の家のように寛ぐ猫。

猫を見ていると、親の介護や自分の老後のことなど、些細なことはどうでもよくなってくる。私も猫のように生きたい。

魚肉ソーセージをあげて仲良くなった猫。ちゃんと座ってこちらを見てくれた。

何して遊ぼうか?

3時過ぎに弓ヶ浜の休憩所に着いてからは、ベンチに座って波の音を聴きながらぼーっとしていた。

夕方になると、近所のお年寄りたちが続々とやって来て、猫に餌をあげるのだった。私に対しては怠そうだったのに、いつも餌をくれるおじさんなんかには、まっしぐらにゆくものだから、思わず嫉妬してしまった。

日が傾いてきた弓ヶ浜

先ほどまで、外のおじさんの膝の上に乗っていた猫が、いつのまにか休憩所にいる。

おお、こちらも丸々と太っているな。いっちょ遊んでやるか。

猫の前でタオルを上下させてみたが、関心を全く示さず。
じゃれついて来ると思っていたんだけどな。

餌をくれないおっさんの相手はしてくれないのか。魚肉ソーセージは、他の猫にあげてなくなってしまった。

日が暮れると、おじさん達は家に帰ってゆき、私だけがとりのこされた。こんな極上の宿泊スポットを偶然発見するにしては出来すぎている。

たまにこういう経験をする。

日が暮れて最終バスが出ていったころを見計らって、隅のほうにテントを設営した。
今晩雨が降る予報なので、雨が吹き込まない奥の方に設営した。

暗くなるのを待つ間、暇だったのでブログ更新をしていたのだが、気がついたら猫もどこかに消えていた。

こうして静かな夜を過ごすことになった。

 

走行データ

走行距離 57km
ねぐら  弓ヶ浜海岸

 

おわり