霧の天城山に登る

こんにちは。からあげです。

 

新車テストツーリング(2018年11月下旬~12月上旬)

5日目 天城山中腹から天城山登山を経て天城峠手前まで

 

私は自称探検家のおっさんだが、来年のオーストラリア一周に備えて、新たな自転車SURLY Disc Truckerを東京の自転車屋さんで購入して、自走で愛知に向かっているところだ。

最近になって雨が降ったり止んだりするハッキリしない天気となって、急にやる気を失いつつある。早く実家に帰って、新しい自転車を弄りたい。そんなことを考えながら今日もペダルを漕ぎ続けるのだった。

昨日は天城山登山に備えて、登山口に向かっていたのだが、途中で時間切れとなり、登山口手前でキャンプを余儀なくされた。
偶然にも道路脇にキャンプ適地を見つけて、暗くなる前にテントを張り終えることができた。

テント内でプラティパスの水をペットボトルに移し替える。
気温が低くかったことが幸いして、水の消費量が少なくなって、これなら十分余裕を持って下山できる。

ネット情報に寄ると、登山口のトイレの水は飲用不可となっている。すぐ近くにはゴルフ場があり、そこら辺に出ている水を汲むのは危険と判断した。

テントを撤収してキャンプ地をあとにする。
拾った小枝を戻して、痕跡を消しておく。

しばらく経てば、僅かな痕跡は消えてしまうだろう。

道路に復帰し、昨日の続きから坂道を上り始める。
別荘分譲地を過ぎたころになって、ようやく傾斜が緩くなって楽になった。

焦らず淡々とペダルを漕いでゴルフ場までやって来た。ギア比が荷物満載のツーリング向けで、立ち漕ぎをせずとも上がって来ることができた。
この看板を過ぎると、一旦下り登り返すと登山口駐車場がある。

 

天城山登山

登山コース

天城山縦走路入り口~四辻~万二郎岳~万三郎岳~涸沢分岐点~四辻~天城山縦走路入り口

 

7時半ころ、登山口駐車場に到着。
ゴルフ場のクラブハウス前で左折すると、かなり大きめの駐車場がある。ところどころ、路上駐車禁止の看板が設置されていた。
夏山シーズン中は、駐車場に停められない車が路上に溢れ出して、通行車両の邪魔をするのだろう。

今日は日曜日ということもあり、もう少し混んでいるかと思ったが、だいたい3割埋まっていただけだった。すでに紅葉が終わっているため、登山者が減ったようだ。

登山口には立派な水洗トイレあり。
男子と女子トイレの間にちょっとした休憩スペースがある。

駐車場施設には、トイレと靴洗用の外水道、ピクニックテーブルがある。東屋などの屋根はなし。シーズンオフなら、駐車場の端っこの方でテントを張っても邪魔にならないだろう。

これが外水道。
水栓が3つあるが、使用可能だったのは1つのみ。
飲用可、不可の表示はなし。
雨水か隣のゴルフ場から引いて来ているのかは不明。
試しに飲んでみたが、腹痛にはならず。
水源が不明なので、飲むなら自己責任で。

水道は他にトイレ内の洗面所にもあるが、飲用可、不可の表示はなし。

トイレの裏の軒下に自転車を停めて準備をする。
自転車を停めるなら、目立つ場所か、人目にまったく付かない場所の2択。中途半端な場所は、盗難リスクを高めると信じている。

駐車場の隅っこの立木につないでおけば、まず大丈夫だろうと思ったが、念には念を入れた。

これが登山道具。

靴は履いているそのままのトレランシューズ。ザックは自作のフレームレス。防寒着のフリース、自作ポンチョ、水食料、トイレットペーパー、ヘッドライト、スマホ、デジカメ。

ざっとこんなもん。3,4時間の登山だからこれだけあれば、十分だろう。

 

ザックを背負って登山口を出発する!

登山届のポストはなし。登山道の詳しい地図が表示されている。
案内地図の写真を撮り、コースをじっくり見ておいた。

本当は地図なしは駄目なのだが、道迷いをしたら元来た道を引き返せばいいと思った。

登山道には、青と黄色の目印、分岐には矢印付きの標識などが整備されていて、日中ならまず道迷いはしないだろう。

ところどころ苔が生えていたり、木の根がツルツルで滑りやすい箇所あり。

そこのオマエ、大げさなんだよ!

ところどころ、大雨で流されて木の階段が傷んでいた。
標識は完備されているが、道の整備の方はイマイチといったところ。

この日は、終始霧に包まれていて景色はまったく見えず。
ただ、登山者がかなり少なく静かな登山を楽しめた。
昨日の天気がよいうちに登っていれば、富士山などを拝めたことだろう。

万二郎岳に到着!

霧はまったく晴れず、景色は見えないまま。
山頂でしばしの休憩を楽しむ。

木に付いた霧が水滴となってポタポタと落ちてくる。
風が強いこともあって、上にポンチョを着た。

天城山の主峰、万三郎岳に到着!
標高は1,405mで万二郎岳より高い。普通、三郎より二郎の方が高いと思うのだが、なぜか逆となっている。

山頂広場でパンを食べる。すぐ側ではガイド登山の一行が鍋パーティーを行っている。嫌でもそちらの方に注意が行ってしまう。くそ~美味そうだ!

さっさとパンを食べて下山することにした。

下山は来た道を戻らず、周回コースをとることにした。
急な木の階段のところで、土が流されていて木が浮いている状態だったため、かなり歩き難かった。

途中で見かけた巨木の根っこ。物凄い生命力を感じる。

こちらは苔むした巨岩。涸れ沢に転がっていた。

11時過ぎには下山してピクニックテーブルのところで、昼食のラーメンを作って食べる。
この時、かなり寒くてラーメンが出来上がるのが待ち遠しかった。

ペットボトルに空きができたので、念のため外の水栓で水を汲んでおく。水道水が切れた時に飲むことにする。

下山時は下に長袖シャツを着込み、革手袋を装着して出発した。
ゴルフ場からの長い下りもあっという間で、伊豆スカイラインを迂回して県道12号線に入った。

ディスクブレーキの効きが良くて、安心して下りを楽しめた。
ただ、よく効くからといって、ブレーキをカーブ手前まで掛けずにいると、パッドとローターの消耗が早まるので、じわりじわりと掛け続けて下ったのだった。ディスクの効きは、カンチとはまるで次元が違う。レバーは指2本で軽く握り、握力も消耗せずに下ることができた。

麓の集落内に怪しげな施設を発見!

なになに温泉スタンドだって?

自販機にジュースが売っているぞ!違う温泉の自販機だ。
お金を入れてボタンを押すらしい。何が出てくるのか?

近くにはガソリンスタンドの給油ノズルのような物がぶら下がっていた。

伊豆半島はわさびの栽培で有名らしい。
交通量のほとんどない道を走りながら考えていた。

実家にお土産を買っていこうかと。

たまたま通りがかったわさび農家のお店で何か買ってゆくことにした。クール宅急便で何か送っておこうと考えていた。

出発前、家族と言い合いになった時、実家に来る時くらい土産を買ってこい、と言われたのだった。無理に押しかけて居候している手前、家族との関係が悪化すると、実家を追い出されるかもしれない。年末には魚市場に魚を買いに行くつもりでいるのだが、それまでのつなぎとして何か買っておきたい。

おう、今帰ったぞ!ヒック

とりあえず嵩張らないわさび漬けを買っておいた。
家に帰るくらいなら、常温でも保存可能ということだった。

山深い集落の中の道をゆく。ところどころにわさび漬けのお店がある。

これ全部わさび田。

キレイな川の水を引いて栽培している。なんでも伊豆半島はわさび栽培に最適な気候らしい。

青々としたわさびの葉っぱ。
塩ビ管の輪切りの中にわさびが植わっている。

筏場のわさび田は伊豆半島最大級のものらしい。
駐車場に自転車を停めて見学しにゆく。
とは言っても歩いて20秒の距離。

駐車場は10分以内の駐車に限る。長時間は作業の邪魔になるため、ご遠慮願いたいということだった。

時々、オートバイや車が通ってゆくのだが、わさび田に気づかずに通り過ぎてゆく。

川沿いに一面にあるわさび田

上を向いても下を向いてもわさび田だらけだった。
わさびの花が咲く時期はさぞかしキレイだろう。

出発前にクランキーチョコを食べる。
これから峠を越えなければならない。

国士越という峠を越えてゆく。通行車両は少なくて自由なライン取りで走ることができた。

その後、国道414号線に出て天城峠方面に進む途中で湯ケ島という温泉町にやって来た。

どこかに安い公衆浴場があるということだが。。。

白い鉄橋前のタクシー会社が目印。

狭い路地を降りてゆくと、河鹿の湯がある。
入浴料は300円とリーズナブル。

ヨシ、久しぶりにお風呂に入ろうか!

 

湯上がりを楽しむおっさん。

石鹸シャンプーなしのこじんまりとした温泉だったが、泉質が良くて湯温も適温で非常に気持ちよかった。

タオルでゴシゴシ擦ったら、一皮むけたような気がした。

洗濯できる場所はないかと探していたら、建物の壁に水道の蛇口が付いていた。川で洗おうか迷っていた時に見つけたのだった。

ビニール袋に水を張って衣類を入れて揉み洗いをする。
するとみるみるうちに水が汚れていった。

しばらくは柵に掛けて水を切る。

自転車に付けて、走行風を利用して乾燥させる。
脱水できれば早いのだが、手洗いの場合は時間を掛けて乾燥させる必要がある。

明後日から天気が崩れるようなので、早いうちに乾かしておきたい。

湯上がりに湯ケ島周辺を散策して楽しむ。
国道に出る道を探していたら、地元の人が抜け道を教えてくれた。

紅葉は終わりかけのようで、葉っぱが散っている最中だった。

川沿いにある温泉旅館。風情があっていいなあ。

よく見ると、屋外にこたつが設置してあって、こたつに入りながら食事できるようになっている。これは人気がありそうだ。そのまま寝てしまう客もいるのではないか?

お客さん、もう時間です。お部屋に戻っておやすみください!

集落の中にはこのような細い水路がいくつも流れている。

国道に出る前の急な坂。さすがにこれは漕げない。
押して上がった。

国道414号線を上ってゆくと、途中に浄蓮の滝があった。
100名瀑ということなので、寄ってゆくことにした。

サイクルラックにロックして、洗濯物を干しておく。
これがサイクルラックの正しい使い方。

夕暮れ迫る遅い時間にやって来る自転車などいない。

急な階段を下って下まで下りる。
上りの観光客が息をゼーハーしていて、何かの冗談かと思ってしまった。

浄蓮の滝

落差はかなりのもの。歩いて10分もせずに来れるため有り難みはまるでなし。少なくとも1時間以上歩くところがいい。

面白い記念撮影用の看板。

鍋で煮られていると気づかずに喜んでいるイノシシ。

すでに4時半を過ぎて、周囲は暗くなりかけている。
急いでねぐらに向かわねばならないと焦るのだが、急な上り坂のため全然進まない。

それでもマイペースで漕いでゆく。

暗くなる前ギリギリに到着した道の駅。

あまり道の駅は好きではないのだが、今晩雨が降りそうな予報のため、贅沢を言ってられない。駐車場が静かになるのを待ってテントを張ってさっさと眠ったのだった。

 

走行データ

走行距離 53km
ねぐら  天城峠手前

 

おわり