こんにちは。からあげです。
季節はもう春。近所の公園に行ってみるとすでに桜は満開だった。
辺り一面ピンク色に染まった春の公園には、多くの家族連れが賑わっているが、何となく浮かない顔をしているような気がする。いや、単なるから騒ぎか。元気よく走り回る子供たちをうつむき加減で見つめる大人たち。その表情には陰りが確かに見える。
それもそのはず、とどまることを知らぬ新型コロナウイルスは感染拡大を続けてあっという間に全世界を飲み込んでしまった。。。
WHOの発表では感染防止にマスク着用はほとんど効果なしとのこと。それなのに町に出かけると道行く人のマスク着用率は9割以上。逆にマスクをしていない人間を見つける方が難しい。
私はしない派。効果の疑わしいマスクをいちいち付けるのストレス。メガネをかけている人間だと自分の吐く息でメガネが曇る。
そんなマスク嫌いの私だが、必要に迫られて人混みの中に出かけることもあるかもしれない、そう思ったのでマスクを買いに出かけてみた。しかし時すでに遅く薬局やスーパーのどこにも置いていない!マスクはどこも品切れ状態なのに、なぜ道行く人はみなマスクしているんだろう?
どうしたものか?マスクが売っていないなら自分で作ればいい。不織布(ふしょくふ)でできた使い捨てマスクに比べると布製マスクは目が荒く防御力がないに等しいが、少なくとも喉の粘膜の保護にはなる。このタイミングが悪い時期に大震災が起きて周囲が瓦礫の山と化すかもしれず、マスクはないよりあった方がいい。
頼れるのは自分のみ。未知なるウイルスから身を守るためにマスクを作ることにした。
布マスクを自作する
マスクの作り方をネットで検索してみた中で一番分かりやすく参考になったサイト「無料型紙と布の通販サイト nunocoto fabric」の記事をもとに作業をすすめた。
型紙のダウンロードとプリントアウト
上記のリンク先から無料型紙(PDF版)をダウンロードしてから印刷する。
型紙はA4等倍印刷して使えるようになっている。
私はプリンターを持っていないので、USBメモリーに移してからコンビニのマルチプリンターで印刷した。
標準型紙は女性用。A4等倍で印刷したあとA3に110%拡大コピーした。
型紙倍率
子供用 90%縮小
大人女性 等倍
大人男性 110%拡大
型紙を切り取ったところ。
左右対称で同じものなので表と裏用に使い分けることができる。
マスクの素材
マスクの素材を調達するためあちこち走り回ってみたが、ガーゼもどこにも見当たらず。
今回は入手可能なもので作ることにした。ということで100円ショップのダイソーに行って材料になりそうなものを適当に買ってきた。
綿100%のタオル。これが一番マスクに適しているもののように思えた。
200円商品で大きさは60×110cm。
生地のようす
こちらが100円商品で大きさは34×82cm。
生地のようす
100円と200円の違いは大きさのみで、生地の品質に違いはなし。
マスク用のゴムひもに幅8.5mmのゴムを買ってきた。
マスク用の細いゴムひもは置いてなかった。
白でなく黒にしたのは汚れが目立ちにくいようにするため。
ついでにミシン糸を買ってきた。普通地用#60。
この機会に100均品質を確認しておくことにした。
ミシンでタープやカバンを縫っていると、ミシン糸はあっという間になくなる。
少しでもコストを下げるために100均のものを使用する。
裁断用のハサミはできれば専用のものを使用したい。紙やダンボールなど何でも切っているものは切れ味が悪い。完成品の出来栄えははじめの裁断によって決まると言っても過言ではない!
しかし、マスクを1,2つ作るくらいなら文房具用のものなんかでも問題ない。いいハサミは裁縫が趣味になってから買っても遅くはない。
上が糸切りバサミでミシンを使う時に頻繁に使う。下が裁断用ハサミで布生地を切るための専用品。スレンレス製で切れ味はイマイチだが錆びにくくて手入れが簡単。
通常、裁縫にはチャコペンという色鉛筆のようなもので裁断線を引くが、タオル地の場合は線が付きにくくて使いづらい。老眼が進行中のおっさんにはチャコペンで引いた線が見えない。
そこで普通の油性マジックで線を引く。
型紙を使って線を引いているところ。コピー用紙だと型紙に沿って線を引きづらい。型紙には厚めの古カレンダーが最適。マスクをたくさん作るのなら、使いやすくて耐久性のあるカレンダーを使用した方がいい。
こちらは裏地用。
大人女性サイズだと、表地より3cm短い。
裁断線に沿ってハサミで切る。
糸で縫うのとは違って裁断はやり直しがきかないので慎重に行う。
表と裏地用の各2枚を重ね合わせたところ。
使用するミシンはBrotherの家庭用ミシン。
高齢の母親はミシンを使えなくなり、今では私の専用機となっている。
厚い生地を縫う時はパワー不足を感じるが、下糸調整を自動でやってくれたり、いろいろな縫い方をできたりするので非常に便利。ミシンに一度慣れてしまうと、手縫いする気は起きない。ミシンは今では私の生活必需品となっている。
針 中厚地用 #14
*糸は数値が増えると太くなり、針は逆に細くなる。
裁断用ハサミより使用頻度が高い。
表裏それぞれ同じ生地を合わせてR部分を縫い代1cmで縫い合わせる。
ミシンの生地押さえと針の位置を目安にすると、だいたい1cmで縫うことができる。
R部分を縫い終わったところ。
広げて平らにしやすいようにR部分にハサミで切り込みを入れる。
縫い目まで2mmのところで止めて切りすぎないようにする。
縫い目をしっかりと折ってきれいな形にするためアイロンを使用する。
縫い目を折ってアイロンを当てたところ。
タオル地のためピシッと折り目が付かず。
表側を内側にして表と裏地を重ね合わせたところ。
まち針ではなくダブルクリップを使うのがおっさん流。
作業に夢中になると針が指に刺ることがよくあるので嫌い。
重ね合わせた生地を縫い代1cmで縫っているところ。
着脱しやすいのもダブルクリップの利点。
表と裏地を縫い合わせたところ。
袋状に縫った生地を裏返す。
裏返したところでしっかりアイロンを掛けて形を整える。
生地を裏返して表面が出た。
左右の両端を除いて切り口が内側になっていて綻びにくくなっている。
ゴム通しを作るために、表面の生地の端と裏面の端が合うように折る。
さらに同じ幅でもう一度おる。
これを3つ折りといい裁縫ではよく使う折り方。切り口を内側に隠してほつれないようにする。
ゴム通しを縫っているところ。
生地の厚いタオル地を3つ折りにすると、中厚地用くらいの針が最適。
最後にゴム通しを縫ってマスクの形ができあがった。あとはゴムを通すだけ。
さきほど紹介した100均のゴム。
長さを30~40cmでカットする。
ゴムひもを穴に通すにはひも通しを使用する。
安全ピンでも代用可。太い針金で自作することもできる。
ゴムを通しているところ。
平ゴムだと少しキツめ。
ゴムは2つに合わせ輪っかにして端を通して結ぶ。
あとは試着してゴムの長さ調整を行い結び目をズラして中に隠す。
自作マスクの完成!
完成したマスクを試着するおっさん。
110%拡大印刷した大きさでちょうどいい。立体のため顔にフィットする。
横から見たようす
端材と使わなかったタオルは道具箱に入れておく。
いつでも好きな時に使うことができる。
いつでも手元に置いておくメモ帳と同じ。私の数々の自作の品はこうした積み重ねで生まれる。
マスク自作まとめ
今回初めてのマスクの自作で掛かった時間はおよそ30分。そのうち慣れたら10分もあれば作ることができそう。
マスクは構造が単純で作るのは簡単だった。ミシンでなくとも手縫いでも十分可能。アイロンは形を整えて見栄えを良くするためだけだからなくても構わない。マスクの上に重しとして本を載せておけばしっかり型がつく。
今回タオルを素材として使用したが、着古したTシャツやハンカチでも十分代用できる。二重のガーゼでなくても十分。しばらくガーゼも品薄状態が続きそう。
効果が疑わしい布マスクだが、あるとやはり頼もしい。これからは首タオルに加えて布マスクもしようか。不審者と間違われて通報されそうだが。
おわり