静かな益救参道を歩いて三神杉まで

こんにちは。からあげです。

はじめに

せっかく遠い屋久島まで来たのに、ただゴロゴロと寝転がっているだけではもったいない。
日々空を見上げ天気のようすをうかがう。しばらく雨続きの鬱陶しい天気が続いていたが、天気が回復して登山日和となりそうだった。

「どこか日帰りで気軽に行ける山はないものか」と登山地図を眺めていると、益救(やく)参道の先に竜神杉・雷神杉・風神杉という3つの杉が目についた。縄文杉の北に位置するものの、三神杉から先は廃道になっていて、まず一般登山者は通らないだろう。シーズンオフの冬でさえも縄文杉周辺は人気が多く、うんざり気味だった私。三神杉まで行ってみることにした。

登山ルート

神の川林道入口~益救参道入口~トロッコ道跡~トロッコ道分岐~三神杉

コースタイム 往復約6時間 
水場あり トイレ・携帯用トイレブースなし

*注意点 渡渉2箇所あり。三神杉から高塚小屋までの旧宮之浦歩道は廃道。
 

益救参道で三神杉まで

2020年1月
今回も暗いうちから出発してまずは登山口を目指す。
白谷雲水峡方面に向かう県道594号線を離れ、屋久島総合自然公園までやって来た。
公園前の湯川橋は渡らずに、宮之浦川右岸沿いの神之川林道を走る。
通りがかったついでに公園内を調査することにする。
すると広大な芝生の広場の奥に屋根付きの野外ステージを発見した。
自然豊かな屋久島に似合わないほどの立派な建物だった。
今度こちら方面に来ることがあったら、利用させてもらうことにしよう。どう利用するのか、というツッコミは勘弁。
神之川林道入口
龍神杉登山口まで3.3kmの表示あり。
林道の大部分は未舗装だが、傾斜は緩く路面は荒れていなくて走りやすい。林業や工事関係の車は一切見かけず。
ゲート手前に広めの駐車スペースあり。
普通車10台弱といったところ。
小腹が空いたのでアンパンを食べる。あっという間におっさんの体に吸収される。
人気が全くないところなので、念のため自転車を茂みの中に隠しておく。屋久島にはいないとは思うが、魔が差して持って行ってしまう人間がいないとも限らない。自転車がないと、おうちに帰れなくなる。
林道すぐ奥にチェーンによるゲートあり。
真っすぐの小道が三神杉方面へ続く。
登山届のポスト。最近使われた形跡は全くなし。
歩道案内図
月日の経過を感じさせる看板。イラストマップと違い分かりにくい。
コンクリート舗装が途切れると、しばらく荒れた林道が続く。
三神杉への益救参道はマイナールートなので踏み跡が薄くて分かりづらいと思いきや、石畳の道でとても分かりやすかった。
グリップは良好。非常に歩きやすい。
ところどころ林野庁のピンクテープあり。
静かな登山道を静かに歩く。
聞こえるのは自分の足音のみ。
北側斜面で日当たりが悪いためか、森一面に苔が生えている。
益救参道では珍しい標識。
森林鉄道の軌道沿いにあった平らな場所。
生活の痕跡があちこちに認められた。
しばらくは軌道跡を歩く。緩やかな上り坂で歩きやすい。
レールは撤去され、枕木だけ残されている。
削られた斜面
軌道跡から離れると、いよいよ本番。ここから急登が始まる。
気温はTシャツ1枚だと肌寒さを感じる程度。勢いよく登って行っても汗をかかないのが良い。
おっさんはすぐにオーバーヒートしてしまう。なんせ旧式のポンコツエンジンなもんで。
渡渉箇所
穏やかな流れの沢を渡る。水量は少なく靴を濡らさずに渡ることができた。大雨が降ると水量が一気に増えそうな危険な感じがした。
残された切り株
枯れた屋久杉の大木
三神杉と見間違うほどの立派な屋久杉。
さらに道は続く。周囲に冷気が漂い始めた。三神杉は近い。
三神杉に到着したものの、表示があるのは龍神杉のみ。
どれが風神杉と雷神杉なのかはハッキリせず。ただ風格のある巨木が数本生えていた。
龍神杉前に朽ち掛けているウッドデッキあり。時間は11時半を過ぎたところ。
ここで昼飯にする。
座っていると体が冷えてきたので、防寒着のフリースを着た。冬でも温かい屋久島では珍しい。
龍神杉
柵はなく木の根元まで近寄ることができる。
そっと幹を触ると、得体の知れない力を感じた。
上へと続く踏み跡
立入禁止の標識あり。整備されている区間は三神杉まで。すでに昼前で遅い時間。これより奥の探索はまたの機会にすることにした。
よし、下山するぞ。
登山道脇に捨てられているワイヤーケーブル。
崩れた山の斜面
苔むした切り株
白谷雲水峡は観光客が多いが、三神杉は皆無。
見ごたえのある苔むした森が広がる。おっさんおすすめ。
荒れた林道まで下りてきた。
登山口入り口までもう少し。
下山後、自転車を出して荷物の整理を行う。結局今日一日誰とも会うことはなかった。
電波の届かない山の中で怪我をしたらどうなるのだろう。その時はその場で土に還るだけだ。そんなつまらないことを考えてどうする。そんなもん知らねーよ。
林道入口まで下りてきたところ。これからまた自転車でしばらく走ってねぐらに戻った。
 
おわり