浦河町の秘境 神威岳に登る

こんにちは。からあげです。

 

眠気を我慢してのブログ更新1つが限界だった。貼り付く瞼、朦朧とする意識に負けて眠ってしまった。

今日はライダーハウスに寄って、バッテリーの充電がてらにブログ更新を行っている。

それでは、神威岳登山した昨日のようすをアップするとしよう。

昨日は、夜遅くに戻ってきたおばさん2人組に起こされ、さらにいびきと寝言の攻撃を受け続けて散々だった。重低音のいびきは、高性能耳栓でも防ぐことは出来ない。
かなり頭に来たので、激辛キムチを口の中に放り込んでやりたくなった。いや、ホント。彼女らは、それだけのことをしてくれた。

夜が遅い割には、朝が遅く私が準備をしていても起きる気配はなし。気を遣いながら(そんな義理は全くない。むしろバタバタやって起こしてやるくらいでちょうどいい)準備をして5時過ぎに山小屋を出発する。

朝のお通じもあって、体の軽量化ができて準備万端だ!

今日の神威岳は、浦河町の奥深くにあって熊の出没が予想されるため、ベアスプレー、熊よけ鈴を装備して歩く。

天気は曇で、徐々に空が明るくなりつつある。今日は好天を期待できるかもしれない。

旧作業道のようなところを歩いてゆくと、1回目の渡渉となった。水量が多いが渡れない程ではない。

トレランポールを補助に使ってさっさと渡った。

登山道は川を歩いたり、ヤブの中を歩いて進んでゆく。
何度も渡渉しているうちに勘が戻ってきた。

朝露で濡れる笹をかき分けて進むため、すでに全身ずぶ濡れとなっている。

ニシュオマナイ川沿いは、大雨によって荒れ果てていて、倒木や流木が山のように積み重なっている箇所があった。

ところどころ付けてあるピンクテープを頼りに進んでゆく。

やはりトレランシューズは北海道の山に合っている。

そこそこのグリップ性能で高い排水性と乾きやすさを兼ね備えている。耐久性も申し分ない。釧路で買ったアシックスのトレランシューズで何不自由なく歩けている。今後もトレランシューズで自転車を漕ぎ、登山をしていくだろう。

幾度とあった渡渉も、去年のPCTで学んだため、全然問題はなかった。3年前より頼もしくなった自分がここにいた。あとはよりおっさんになったということか。

川歩きは続く。

大雨直後の増水している時だと、危険で登れないだろう。
途中、何箇所かどちらに行くか分かりにく二股があったが、ピンクテープと踏み跡を頼りに進んでいった。(地図を見てもどこかさっぱり分からず。)

尾根に取り付くと、いきなり急登が始まる。

笹が覆いかぶさり、地面が泥濘んでいるため、非常に歩きにくい。ストックを突いたり、笹を掴んだりして登って行った。

急な尾根を登っている途中でガスが晴れて隣の中ノ岳方面を望むことができた。これが本日、一番の景色。

もう少し高度を上げたころには、ガスが出て来て山が隠れてしまった。少しだけ中ノ岳の向こうにペテガリ岳が見えたような気がした。

笹は上部に行くにつれて濃くなり、そしてハイマツが現れだす。ハイマツの枝も登山道に覆いかぶさっているため、かなり歩きにくい。

ガスの晴れ間から神威岳の山頂が見えた。

あれだ!あれに違いない。急登を登り続けてようやく終わりが見えてきた。息をつく暇がないほど、急登が続いた。

気が緩んだ隙きに大惨事が起きた。

なんと、ハイマツの枝に引っ掛けてズボンを破ってしまった!
なんということだ。アメリカで70ドルも出して買ったハーフパンツが1年で破れてしまった。

今年の北海道では毎日履いて酷使しているため、生地が薄くなってきた。そろそろ限界が近づいているようだ。

ハーフパンツを破いて直ぐに山頂に立った。すでに周囲をガスに囲まれて景色は見えない。

なんてこったい!雨が降らないだけマシと言うべきか。

昔の山頂標識が下に置かれてベンチ代わりとなっている。
あと数年経ったら、朽ちでボロボロになってしまうだろう。

さあて、用が済んだらさっさと下りようか。

ガスが次から次から湧いてくるため、待っていても視界が良くなることはないだろう。

下りはトレランポールを仕舞って、笹を掴んで下りてゆく。
いい感じで下りて来て川に立つことができた。

下りは迷うことはないため、自分の歩きやすいコースを選んで歩いてゆく。

木の幹に熊の爪痕が残っていた。

縄張りのアピール、それとも単なる爪研ぎか。

倒木にキノコのようなものがビッシリと生えていた。

そうだ!以前、旭川21世紀の森の温泉に入った時、話したおじさんからもらったキノコだ。

もらったキノコは一晩水に浸して蟻を出して乾燥させていたのだが、雨が多く湿気てきて腐りそうになったため、途中で放ってしまった。

このキノコをすり潰して飲むと、凄く元気が出るのだとか。

結構な値段で買い取ってくれる業者もあるということだが、どこに業者があるのかも分からない。

これはこのままそっとしておく方がいいだろう。持って帰ってもどうせ腐らせてしまう。

軽快に渡渉するおっさん。

セルフで撮るのは難しいと感じた。何度もやっているうちに、滑ってハマってしまいそうに思えた。カメラなど気にせずに真剣に歩くんだ!

水辺の近くのあちこちでトリカブトの花が見られた。
これはどちらかというと、くすんだ紫色。

小屋まで戻ってくると、荷物を出して外で休憩する。
小屋の中は薄暗くて荷物を整理するのをやりにくい。

まずは濡れたバックパックから荷物を出してそこら辺に干しておく。トレランシューズは近くの沢で洗って干しておく。

すぐにやるべきことは、ハーフパンツの修理。
山頂近くのハイマツ帯で枝に引っ掛けて破いてしまった。
このまま放置しておくと、糸が解れてボロボロになってしまう。

さっさと直しておく。

ズボンの修理が終わったら、Tシャツとズボンを沢で洗濯して、そこら辺に干しておく。ようやくこれで食事の準備に取り掛かれる。

途中で下から上がって来たおじさんにバナナを貰う。
私はこれを待っていたのだよ!これを。

自分にはハートウォーミングな出来事はないと思っていたのに、やっと来た!いよ、待ってました!!自転車乗りの欲しているものは、温かい言葉などではなく、お腹が膨れる食べ物だ。パンやお菓子、果物など、直ぐに食べられるものが好まれる。

お昼はキーマカレー。

時間短縮のため、味噌汁はなし。あまりゆっくりはしていられない。アプローチ林道はアップダウンがあって、帰りもかなり時間がかかる。

飯を食べると、さっさと荷物を整理して出発した。

前回、河浦のバス停でワイヤーロックを忘れた苦い経験があるので、これでもかというほど荷物の点検をして出発した。いやあ、二度と無駄なことをしたくない。

さらば神威岳。

体力の消耗が激しいことと、残りの食料が乏しいことを考慮して、今回はペテガリ岳登山は止めにした。先にペテガリ岳を登っておいてから、余裕があれば神威岳という方が断然いい。

神威山荘に到着した時はすでに3時を回っていたため、峠を越えてペテガリ山荘まで行くのは厳しかった。食料を切り詰めて登ることはできたが、圏外の山中であと2泊となるため、ブログ更新が溜まってしまう。

正直言うと、ブログが溜まってしまうのが一番嫌だった。無理をすれば、ペテガリ岳は登れた。しかし、下山してからの後片付けやブログ更新作業を思うと、無理する気にはなれなかった。

今回は車中泊ではなく自転車だ。無理をしすぎると、単なる精神修行となってしまう。何事もほどほどにするのがいい。

神威山荘までのアプローチ林道がなかなかの曲者。
おじさんが言うには、未舗装区間はおよそ15kmという。

路面が乾いていれば走りやすいのだが、あちこち泥濘んでいて水たまりがあるため、ハンドルを取られて走りにくかった。

途中、伐採作業を行っていて、重機が出入りしているところは、ドロドロのぐちゃぐちゃになっていた。

足を着くと汚れるし、かと言って漕ぎ続けるのもシンドイ。そんな区間は気合で乗り切った。

重機のキャタピラの跡は抵抗が大きくて凄く疲れる。

せったく洗車した自転車も直ぐに泥まみれとなってしまった。

雨が降れば、自然に洗車できるのだが、それまで待っていられない。近いうちに自分ですることになる。

間伐された木を積んであるところ。
間伐材でも、トラックに積んで運び出してゆく。

柱になりそうで、僅かに細い微妙な丸太。

小学校跡地

こんな山奥にも小学校があったとは。尋常ではない。

それで尋常小学校というのか?まさか、そんなことはあるまい。

舗装路に出たときには、すでに午後4時を回っていた。
早くしないと、ねぐらを見つける前に暗くなってしまう。

ほとんど休み無しで走り続けてキツかったが、ねぐらを求めて漕ぎ続けた。

牧場地帯に出た時には日没が迫っていた。

昨日、電話番号を教えてもらった牧場主に電話したら、家に泊めてくれるかな、などと考えながら漕ぎ続けた。

もう、国道まで出るのは無理っぽい。とりあえず、ねぐらを探す前に水を汲んでおかなければ。

バス停泊も視野に入れて、まずは水の確保をすることに。

公民館のようなところに運良く水道を見つけたので水を汲ませてもらった。その後で来たのは、JR荻伏駅。

先日泊まった浦河駅のように、バス代行区間となっていて電車が来ない。

中を覗いてみると、十分寝られるだけの広さがある。トイレはあるが、水はなし。先ほど汲んでおいて助かった。

電車が通らなくなると、一気に寂れた雰囲気が出てくるような気がする。

駅は集落の中にあって、周囲に車や人の出入りがある。こうした場所で野宿する際は周囲に同化することが必要。殺気を消して周囲と同化する。するとあら不思議、不自然には見えなくなって、以前からいるような人間に見えてくる。

日が暮れると、バチンとスイッチが入り照明が点いた。タイマースイッチで明かりを点けたり消したりしているようす。

夜になると周囲はすっかり静かになり、虫の音しか聞こえなくなった。

自転車を引き入れて、床にシートとマットを敷いて寝袋で眠る。
始めは暑いくらいだったが、次第に冷えてきてちょうどよくなった。

前日はおばさんのいびきと寝言で眠りが浅かったが、静かな駅でゆっくり休むことができた。書いている今でも眠くなってきた気がするな。

 

さあて、ブログ更新は終わりだ。ゆっくりしよう。

 

おわり

コメント

  1. 山びと源 より:

    おっ、カムイに行かれたんですね~ww
    ペテガリ岳には、行かれなかった様ですが、ペテガリは、日高でも、遠い山だから、カムイ岳でお腹いっぱいでしょうね?
    北海道一周をチャリとは、30年前を思い出します。
    カムイ岳に行く林道で、ヒグマの子供をスーパーカブで引きそうになったので、チャリで遭遇しないで良かったですね~ww
    カムイ山荘の近状アップしてくれてありがとうございますm(__)m

    • karaage より:

      アプローチの林道で疲れたのと、食料が乏しかったので、ペテガリだけを登るのは止めました。
      山荘は薪ストーブが新しくなれば、かなり居心地が良くなると思います。