こんにちは。からあげです。
会社を辞めて早6年。まさか自分も働きたいと思うようになるとはなあ。
長年勤めた会社を定年退職して悠々自適の生活を始めたところなのに、なぜか再び働きに出る人がいるという。なんでも毎日が日曜日だと、やりたいことをやり尽くしてしまい暇で暇で仕方がなくなるのだとか。私も同じ状況に陥ったものと思われる。
退職してしばらくは自由の飢餓感を癒やすべくあちこちに出かけていたが、次第に遠出するのも億劫になり山梨の小屋と愛知の実家を行ったり来たりするようになった。そして徐々に長期間実家に居座るようになり、気がつけば実家依存の生活を送るようになってしまった。そのため次第に家族との関係は悪化して、居づらくなってしまったのだった。今回、オーストラリアにやって来て、ようやく長期間実家を離れることができてホットした。
それにしても、会社を辞めてからいろいろ遊んだな。あれこれやるうちに、当初の飢餓感はなくなり、もう死んでも悔いはそれほど残らないと、思えるようになった。サラリーマン時代は金はあるが、船に縛られて自由がほとんどない生活を送っていた。毎晩のようにやけ酒を飲みながら、死んでも死にきれないとばかり思っていた。それがどうだ!6年間遊んだ結果、私のあれもしたいこれもしたいという欲求はかなり発散することができた。
今は働きたくて仕方がない。
日本に今すぐ帰りたいところだが、現在はあいにくオーストラリア北西部の辺境の地に居て、帰るに帰れない状態となっている。だが金を大量投入すれば、今すぐにでも帰れないことはない。しかし、終わりよければすべてヨシという諺があるように、去り際をしっかりやらねばならない。具体的に言うと、次につながるツーリングをするということ。オーストラリアから逃げ帰るのではなく、自分がある程度納得できるように、自分のツーリングを完結させる。
それでジェットスターの直行便があるCairnsまで走ることにした。長距離バスのグレイハウンドオーストラリアに自転車が載せられることが分かり、一時は心が大きくグラついたが、バスに乗って轍を断ち切るのは良くない。散々な結果に終わったが、次に繋がるように轍もつなげたい。
今回、逆コの字というわけの分からない走行ルートとなってしまったが、次回来る時はオーストラリア縦断という変化に富んだルートを走ることができる。まだ50台であれば、内陸部は抜けられる体力は残っているだろう。キツかったら、途中モーテルに泊まって休めばいい。
次回オーストラリアに来る機会があったら、DarwinからAdelaideを通って東海岸に抜ける。このルートなら、今回と重複する区間が短くて十分楽しめる。
さあ、Cairnsから日本へ帰ろう!まだ4,000kmもあるけれど。
Kimberleyの朝。朝焼けがやけにキレイ。
今日も夜明け前から風が吹く。追い風なんかであるものか!
クソッタレめ。毒づきながらペダルを漕ぐ。
道路脇に生えているバオバブの木。
バブバブとわけの分からないことをつぶやき続ける。どうやらおっさんは頭がイカれたらしい。緊急手術が必要だ。
気にするないつものことだ。放っておけ。構うと図に乗る。
バオバブの木を見ていると、不思議と勇気づけられる。
私もバオバブのような人間になりたい。
道路脇で草を食む牛の群れ
しかもみんな野生。
徐々に強くなる向かい風が鬱陶しい。
いつもおっさんの体力を奪いやがって!覚えておけよな。
Willare Bridge RH手前になると川が現れた。
クロコダイルがいないか探してみるが、どこにもいない!
川が氾濫しても道路が水没しないように、堤防が築かれていることに気がついた。
なになに、一車線だって?
ロードトレインが来なくてよかった!ふぅ〜、緊張させやがって。冷や汗をかいたではないか。
川のようす
クロコダイルが好きそうな濁った水。そんなたやすく見つかるものか、彼らは景色に同化しじっと獲物を待っている。
水辺に近づいてくる動物をがぶりと噛んで水に引きずり込むのが奴らの戦略。
背中にコブのできた牛
あまりジロジロ見るなって。こっちが恥ずかしくなってくるだろう。
歩行者注意の標識
どこに人がいるんだい?
次の長い一車線の橋は歩道付き。お陰でゆっくり走ることができた。
それにしても、ここらへんの橋だけなぜ一車線にするのだろう?
Willare Bridge RHに到着!
8時前という暇な時間がポイント。ここでは重要なミッションがある。
まずは自転車を止めて気を落ち着かせる。
リラックスだリラックス。
まずは客であることをアピールするために、フランクフルトとコーラを買う。まだそんなに腹が減っている訳ではないのだが。
トラックの荷台に乗った犬に凝視される。
だから、そんなに見るなって。
食べ終わったあと、深呼吸して気持ちを落ち着かせ、ペットボトルを両手に持ち、再び売店に向かう。
そして控えめに「Could you please give me water?」と言う。
ペットボトルをかざしながら。すると、女性店員は快くOKを出してくれて、蛇口の位置を教えてくれた。
ふぅ〜、やればできるじゃないか!
読者から教えて貰ったんだけど、英語圏で人にものをお願いする時は、とりあえずCould you〜から始めるといいらしい。遠回しな言い方になって好感を持たれるのだとか。そら、あかんだろう。何も飲み食いせずにGive me water.と言うのは。
次のFitzroy Crossingまで231km。何とまた非常識な距離だこと。余裕を持たせて3日の行程。水は全部で18L持つ。
蛇口から水を汲むと、黒っぽいカスがたくさん入っていたので、走りながら飲む飲料水だけフィルターを通すことにする。普段は全然気にしないおっさんだが、今回は浄水することにした。汲み上げた地下水に混ざっているのか、それとも配管かポンプに原因があるのか?
観光客に話しかけられて、なんと高価なツナ缶をもらう。
いつもツナ缶コーナーで見かける奴だが、1缶で3ドル以上するもので全く手が出なかった。もうBroomeに帰るだけだからあげるだって。
タダで貰えるものは拒まず、有料になった途端ものすごく控えめになるおっさん。
お気に入りのヘビゼリーをセットする。いつでもお腹が空いた時に食べられる。これ、日本でも売ってくれないかな?行動食にピッタリ。
砂埃が舞い上がって暗くなるほど強風が吹く。
ああ、出たくない。
しゃーねーな。出てゆくとするか。
ロードハウスの貯水タンク。
荒野のオアシス。
ロードハウスからしばらく走ると、DerbyとFitzroy Crossingの分岐に行き当たる。もう日本に帰りたくて仕方がないので、楽なHwyのFitzroy Crossingを目指す。
道路には交通規制なし。通行可の状態。
気を引き締めて行こうぜ!
それにしてもこの旗。見ただけで嫌になる。向かい風の強風時は極力旗を見ない方がいい。視覚効果で風力3割り増し。
そんなアホな。いや本当。自転車はメンタルをやられる乗り物。
バオバブの木は生えているでちゅ〜。バブバブ〜。
増改築を繰り返している蟻塚。
意外にも蟻塚の周辺にはアリはあまりいない。みな家の中に引きこもっているようす。こんな立派な家があるんじゃ働く気がしないのだろう。
夢と希望を載せて走るグレイハウンドオーストラリア。
アメリカにいる時はかなりお世話になった。公共交通機関が全くと言っていいほど発達していないオーストラリアではバスはリッチマンの乗り物。
鮮やかな赤いボディーがひときわ目立つ。
暑さに負けておっさんダウン!ここで休憩に入ります。
全く吹き止まない強い向かい風。暑さと風にやられる。
おおっとまたしてもおっさんダウンだ!
もうヘロヘロ。助けて。
ロードトレインが行き交う道。
対向車とすれ違う時は空気の塊をぶつけてくる。
大型車のブレーキ痕。消しゴムで擦ったように跡が残っている。
車は無事だったのだろうか?
今日はもう十分頑張った!
道路の水はけを良くする溝のような場所に奥にゆく。いつもおっさんが好んで泊まる場所の一つ。
Broomeでパンクしてからは、トゲトゲにより一層気をつけるようになった。あいつは本当にやばかったな。
道路から見えない茂みの奥にテント設営。
まだ3時を過ぎたばかりで非常に暑い。
自転車カバーを付けて直射日光を遮ったが、テント内はかなり暑くなった。日陰でゆっくりしてからテントを張った方が良かったな。
暗くなってから裁縫を始める。いつも左前ポケットに入れているワイヤロックとU字ロックの鍵。時々鍵同士が当たってカチカチ音が鳴っていた。神経質なおっさんは気になって仕方がなかった。
4ヶ月経ってようやく作る気になった。どんだけ面倒くさがり屋なんだよ!とツッコミたくなる。
鍵にカバーを取り付けた。これでカチカチ音がしなくなるし、鍵が傷まなくて済む。鍵は重要。
神経質なおっさんもこれで満足するだろう。