こんにちは。からあげです。
オーストラリアに来てからなんだか雨が多い。内陸部の観光に最適な冬に合わせて来たのだが、こんなにも雨が多いとは思わなかった。去年の北海道では雨続きで厳しいツーリングとなったが、今年のオーストラリアでも雨の多さを引きずっているような気がしてならない。
明け方からの雨に備えて自転車カバーを付けておいたのだが、その甲斐もなく曇り空の朝となっていた。雨が降る前にテントを撤収しようと、炊飯中に不要な荷物をカバンに詰めていた。それでもヘッドランプの明かりで、忘れ物がないか確認しながらゆっくりやったため、それほど早く出発することができず。結局ほとんどいつもどおり。
夜明け前の出発のため、リアライトを点灯させて走り始めた。
今にも雨が降りそうな空になってきたため、いつものウインドブレーカーの代わりにカッパを着ておいた。
昨日に引き続き向かい風のスタートとなった。
走り始めて1時間ほどすると雨が降り始めた。カッパの防水性能が落ちているため、すぐに雨が滲みてきて体が冷えてきた。
まだ朝早いというのに、Uluru行きと思われる車と大型車が多い。
いつの間にか雨は本降りとなり、向かい風は強くなってきた。
目的地のPort Augastaまでおよそ50km3時間の道のりだ。
雨が降るまでに1時間走ったが、まだまだ距離が残っている。
レストエリアで休憩する。
じっとしていると体が冷えてくるので、短時間で休憩を切り上げる。冷たい雨が体に滲みる。
雨が本降りになると、ミラーが水でボヤケて非常に見にくくなる。ほとんどの車がライトを点灯しているが、一部点灯していない車もあって気を遣う。せめて大型車だけは点けて欲しい。
写真で見ると視界良好のように思えるが、実際はほとんど見えない。出発前にガラコを塗っておくんだった。
追い越しの車や対向車の水しぶきを浴びもう無茶苦茶。
指が冷たくなってカメラのボタンが操作しにくい。
もうすぐ町というところで検問所が現れた。
大型車が過積載していないかチェックしているところ。
こういう時に限って車が途切れるものだから、そのまま道なりに走って検問所を通過した。本来、自転車は検問所を通らずそのまま通過していい。
検問所を通過しようとすると、壁と屋根に囲まれた休憩場所を見つけたので引き返して雨宿りする。
休憩場所が欲しいときは見つからず、もう町まですぐのところに来た時に限って見つかる。文句を言わずに休んでいこう。
町の入り口に入るといきなり自転車レーンが現れて、ようやく殺伐とした車道走行から開放された。
早くゆっくり雨宿りできる場所に行こう。
町の中を走るRoad Train。スピードを落としてゆっくり走っている。郊外に出た時のような怖さは全然ない。
雨宿りを兼ねて駅までやって来た。
駅前だというのに閑散としていて全然駅らしくない。
すでに電車の役目は終わってしまったのだろう。貨物を運搬したり、大陸横断の列車を走らせていたりするだけ。
ホームに出てみるも、人影は全くなし。
駅員もいない。
その後、公園の東屋で雨宿りしながら、ようやく町の図書館を見つけた。
入り口に広い屋根があって助かった。
スマホなどを充電しつつ、今後のプランを練る。
今後、補給場所の少ないナラボー平原に入ってゆくため、確実に補給場所を押さえておく必要がある。
図書館内にあった充電コーナー。各種端子を揃えている。
昼過ぎに雨が止んだので、図書館に自転車を置いて近くのスーパーまで買い物にゆく。
倒れていたカートがあったので、ついでに持って行って上げようと起こしてみると、別のスーパーのWoolworthsだった。
こんなところまでよく持って来たな。
雰囲気の悪い町は必ずと言っていいほど、カートの置き去りがあちこちにある。ここPort Augastaの町は注意した方が良さそうだ。現に怪しげな人物やホームレスっぽい人間の姿がちらほら見える。
図書館から徒歩3分のColesにやって来た。1Fが駐車場になっていて自転車には嬉しい。
次の補給場所のKimbaまではおよそ150km、2日の行程だが、多めに食料を用意しておく。手前のピザパンはお昼の分。
3.5ドルのピザパン。冷えていない分お腹に優しかった。
こういう時は温かいラーメンを食べたい!
重たい20セントと10セント硬貨は募金箱の中に投入する。
半端なセント硬貨は募金箱へ、5ドル10ドルの少額紙幣はチップや募金用にとっておく。
その後、図書館に戻って休憩し、外が薄暗くなってきた4時半ころ出発する。ねぐらのあてはある。グーグルマップで探しておいた。
夕暮れの雨のなか、ねぐらに向かって走り出す。
野宿者にとって、雨降りの夕方ほど心細くなることはない。
いいねぐらが見つかりますように!
海沿いの公園を走る。雨だというのに、傘も差さずにゴミ箱を漁っている人がいる。彼らは行くあてがあるのか?
野宿場所の定番、橋の下に来てみると、橋桁が高くて雨が吹き込み地面が濡れている。多少乾いた場所もあるものの、車が入って来れる場所のため危険。それに橋の下で話しているホームレス風の人間がいる。ここはやめた方が良さそうだ。
Port Augastaの交差点は、オーストラリアで定番のランナバウト方式ではなく、信号なしのただの交差点になっている。
こちらが優先でも、通る気満々な車が来ると、行っていいものか非常に迷う。
あてが外れてしまい行き場を失ってしまったおっさんだが、始めに覗いてみた駅にやって来た。公園にも東屋があったものの、周辺の人気が多くてやる気にならない。
今日に限っては町の外での野宿はなし。再び体を濡らしてまで走りたくはなかった。
この駅、時々貨物列車が通過するものの、乗客が乗った電車が来るのは、大陸横断の列車しかなくて、明日の早朝に30分ほど停車するようす。
古い時刻表の情報なので、合っているかは不明。
他に行き場所がなく、人気がなく静かなのでホームの屋根の下で泊まることにした。ここなら雨に濡れることもない。雨の峠は過ぎたようで、風はそれほど強くは吹かない。
明日、早朝の電車をやり過ごしたあとで、駅から公園に移動して食事、自転車の整備と水の補給をして町を出る。
明日から水・食料の補給できる場所が少ないナラボー平原に入ってゆく。正確にはもう少し先なのだが、この際細かいことは気にしない。
先ほどからホームレスが遠くで大きな声を出していたが、今は静かになった。なぜか駅周辺では姿を見ないので、時々警備員が見回りに来ているのかもしれない。それはそうと、駅で寝るのは初めてのような気がする。昔はどこでも出来たようだが、今はごく一部の駅を覗いて野宿出来ないらしい。終電が遅く始発が早い駅は敬遠していたこともあって、これまで一度も駅で寝たことがなかった。さあて、明日電車が到着したらどうなることやら。おそらくPort Augastaで乗る乗客はおらず、乗務員の交代くらいがあるだけかもしれない。まだ夜明け前の到着だから起きている乗客もいないだろう。何事もなく電車は過ぎてゆくと予想している。
さて、当たるか外れるか。明日になってみたら分かる。
ねぐら 駅