こんにちは。からあげです。
Kangaroo Islandに向かって海岸線に沿って進んでいたのだが、Lake Alexandriaに行く手を阻まれて大きく迂回することになってしまった。グーグルマップの情報によれば、自転車は通れそうだったのに、現地のインフォメーションに聞いてみたら、湖の出口に架かる橋は一般人は立ち入り禁止になっていた!ああ、なんということだろうか。
でもまあいい。別に急ぐ旅でもなし。帰りの飛行機の予約はまだしていない。12ヶ月のビザを有効に活用して、帰国は年明けになるかもしれない。Darwinに着いた時のおっさんの気分次第。
夜間は渡し船が止まって、道路の通行は途絶えると思っていたのに、夜中もたまに爆音を立てて走行する車がいた。なぜなんだ?
ひょっとして24時間稼働していたというのか?まさか。これまでAustralia人を観察していたところ、夜中も働くとはとうてい思えない。
しかし、車は通って行った。夜中は無人でボタンを押すと迎えに来てくれるシステムなのか?
今日も何もない見渡す限りの牧場を見ながら進む。
風はなく朝から日が照り絶好のツーリング日和となっている。若干寒くて手の動きが鈍くなった。
道端にある建物は牛の乳を絞る作業をやっていたようで、次から次へと牛が入ってゆき、反対側から続々と出てきた。
出てきた牛は一箇所に固められて過密状態となっていた。
周囲は電気柵に囲まれてどこにも行けないようになっている。
それにしても凄い牛の数だ。
今日はLake Alexandraを迂回して海に面したGoolwaに出る。あとは着いた時に考える。余計なことを考えずにペダルを踏むんだ!
ここでAustraliaの電柱の紹介。
ごく普通の田舎にある電柱。都市部は違ったような気がした。Melbourneは人が多くて嫌になってすぐに脱出したため、ほとんど記憶に残っていない。
コンクリートをH鋼で挟んでボルト留めしている。コンクリに鉄筋が入っているかは不明。ひょっとしたら、廃線になった線路を再利用しているのかもしれない。
見た感じそれほどコストは掛かっていない気がする。
昔のワインの製造工場
1つ目の休憩場所となるLanghorne Creekにやって来た。
ここはワインが有名で一面にぶどう畑が広がっている。
町の公民館のトイレの近くで休憩。
途中便意を堪えてここまでやって来た。我慢したあとはすっごく気持ちいい。このLanghorn Creekで驚いたのは、トイレの洗面所で汲んだ水が美味いこと美味いこと。たいていのAustraliaの水は塩素消毒がキツくて薬品臭かったり、塩分濃度が高かったりしてすごく不味い。
この町だけは特別だった。さすがワインを製造しているだけのことはある。浄水にかなりの手間暇を掛けている。こんなに美味い水を飲んだのは、Australiaで初めて。さぞかしワインも美味いことだろう。この町を通りがかった人はトイレの洗面所で水を汲んで飲んでみて欲しい。ここは当たり!
歩道の脇にあったミニ図書館。要らない本を置いたり、欲しい本があったら持っていっていい感じ。たぶん。
中に遊戯王の解説本が置いてあった。
日本語の本は何もなし。当たり前か。
こんな感じのぶどう畑が丘陵地帯一面に広がっている。
どちらを向いてもぶどうだらけ。
自走式の散水マシーン。
牧場の片隅に置いてあった。動いているところを見てみたい。
姿勢制御はGPSかなんかで行っているのだろうか?
こんだけ長いもの、まっすぐ動かすのも大変だ。
Adelaideまではすでに60kmほどになっている。Adelaideに行く前に野生動物の宝庫のKangaroo Islandに寄ってみたい。おっさんたっての願いだった。
Kangaroo Island行きにフェリーターミナルがあるCape Jervisまではあと114km。あと1日半かかる。
今日は朝から交通量が少なく、道行く車は気を使ってくれて非常に走りやすかった。こんなことが毎日だったら、どれほどいいだろうか。今日は風がない代わりに、丘陵地帯でアップダウンがある。始めは珍しかったぶどう畑の景色も1時間もしないうちに飽きてくる。
おいしい水を飲みながら、快調に飛ばして次の町、Strathlbynまでやって来た。まずはインフォメーションで情報収集だ。
Kangaroo Island行きのフェリーの予約ができると表示されていたので、身振り手振りとグーグル翻訳を駆使して聞いてみたら、フェリーに乗るには予約が必要とのこと。あら、どこかのインフォメーションで聞いた話と違うぞ。
すでにCape Jervisまで100kmほどになったことだし、いっちょフェリーの予約をしてみるか!ということになった。
公式ウェブサイトでは、なぜか自転車込みの予約ができず、車とオートバイのみとなっている。
ついに、Kangaroo Island行きのフェリーチケットを手に入れた!自転車込みで片道60ドル。予約サイトを使うと6,000円弱の料金だったので、1000円儲けることができた。やったね!
乗船日は2日後26日の午後12時。30分前にはチェックインの手続きをしなければならない。これだけ余裕があれば、パンクやメカトラブルがあっても乗り遅れることはないだろう。
フェリーの乗船券を手に入れて、浮かれ気味のおっさんはすぐ近くのスーパーにやって来た。ほほ〜、営業しているな。
店内は広く充実した品揃え。
明日はAnzac Dayなので、いちおう多めに買っておく。Kangaroo Islandにもスーパーはあるのだが、多分高いと思われるので、多めに持っておきたい。
昼はスーパーで買ったもので適当に済ませると、本日の目的地のGoolwaを目指す。
Strathalbynを出ると、一気に交通量が増えてきた。Adelaideからの日帰りドライブの車が多いように感じる。
午前中の走りやすい道はどこへ行ったのか?緊張に包まれる緊迫したツーリングに変貌してしまった。しかも風が出てきて向かい風となってしまった。
道行くドライバーは道端で休むサイクリストを見て、なぜこんなところで休むと思っていることだろう。
だって、こんなところしか休むところがないから。サイクリストのセーブポイントのレストエリアは町と町との距離が短いためか、姿を消してしまった。車だと30分ほどの距離でも、自転車だと2,3時間は掛かる。向かい風でアップダウンがある道を荷物満載の自転車で3時間ぶっ続けで走れる訳がない。やれるものならやってみろ!ただし、1回だけじゃだめ。3時間ぶっ続けを2セットを一週間続けられたら、あんたは凄いと認めてあげよう。
何にもない道。無情にも向かい風が吹き続ける。
Goolwaの手前で現れた標識。ん?こんなの初めて見たな。
しばらくゆくと道路と線路が並走する区間があって、汽笛の音が聞こえたと思ったら、向こうから蒸気機関車がやって来た。
Goolwaの町に入ると、なんとも華やかさのある雰囲気に包まれた。車や人が多くて、歩道に人が溢れている。
インフォメーションで蒸気機関車はどこに行ったら見れるのか聞いたら、港の方に行ったら見られるわよとのこと。早速行って駅のところで待っていた。すると汽笛を鳴らしながら走って来たではないか!
いやあ、動いている蒸気機関車を実際に見るのは初めて!
蒸気機関車はもくもくと蒸気を吐き出す。
見ていると生きているように思えてくるから不思議。
石炭を満載する機関車。
時々、こうして蒸気を吐き出して圧力を下げる。
Gopro撮影は機材の準備が間に合わずに出来ず。勿体ないことをしたな。今度どこかで機会があれば、撮影してみたい。
機関士は3名乗車していて、交代で見張りや操作、石炭を入れる作業をしているようす。カメラを向けたら、いかついおじさんがカメラ目線をくれた。どうだ!これが男の仕事だ!!とすごく誇らしげだ。
客車と連結して出発する機関車。発車オーライの動作がこれまた古めかしくて良かった。
窓を開けて手を振る子どもたち。すごく楽しそう。
乗っている乗客はほとんどAustralia人。外国人観光客の姿はなし。おそらくAdelaide方面から多くの人たちがやってくるのだろう。
駅の看板もイカス。
岸壁に係留されている船の後ろで何やら作業をやっているぞ!
ベルトコンベアーで流れてくる薪を手渡しで船に積み込んでいる。なぜか、お年寄りが多い。
えっ、これはひょっとして?
なんと、この船は薪を燃料とする木造の外輪船だった!
いや、薪は調理用かな?燃料にしては少なすぎるように思える。でも、わざわざ薪で調理するか?
ここGoolwaはMurray Riverの河口に位置する港町で、昔はここから船が内陸の奥の方まで遡っていたようす。
まだ車が普及する前は、蒸気機関車や外輪船が大活躍していたんだな。
奥に見えるのが外輪。
動くところを見てみたい!
ここGoolwaの町は雰囲気が凄くいい。古き良き時代のオーストラリアを感じさせてくれる。外国人観光客が全然いないのには驚いた。地球の歩き方にも載ってなかったような気がする。あっても、ほんのちょっと。ここはかなりいいので、Kangaroo Islandのついでに寄ってみてはどうだろうか?
野宿者の悲しい定め。遅い時間までウロウロしているわけには行かない。さっさと今晩のねぐらを見つけてしまおう。暗くなってしまったら、良好なねぐらはまず見つからなくなる。
ここGoolwaはAdelaideから近いだけあって、立派な別荘風の建物が海岸付近に立ち並んでいる。明日はAnzac Dayとなるため、やって来ている人は多いだろう。別荘を持つ人間は、なぜか犬を飼う傾向にあり、その飼い犬にしつこく吠えられることがある。できるだけ人気のない場所に行こう。
写真の道路脇に並んでいるゴミ箱は隣の家に住んでいる人のもの。勝手にゴミを捨てると怒られる。収集しやすいように、道路脇に置いてある。アメリカでも見られる風景。
車が入れないサイクリングロード沿いは野宿場所の宝庫。
別荘地帯を抜けるといい感じの場所になった。野生センサーを最大限の感度に設定してねぐらを探す。すると怪しげな踏み跡を発見!
自転車を置いて下見に行くと、極上の野宿場所を発見した。雨の多い時期は水没する場所のようで、下草が生えておらずフラットな砂地になっている。しかもサイクリングロードからは見えない位置。
ここで野宿のコツを伝授しよう。テントを設営する時は、できる限り静かに行う。ポールを出す時放り投げるのは厳禁。ペグを打つのはもってのほか。可及的速やかに設営したのち、すばやく荷物をまとめてテントに入る。意味もなく外でフラフラしていると、勘の鋭い人に見つかる恐れがある。目立つ色の服などは脱いで、外では目立たない地味な服で活動する。
まあ、見つかってもどうってことはないが、野宿研究家を自称する私としては、一般人には見つかってはならない。意外に子供は勘が鋭いので注意が必要。見つかったら、指を縦にして口にあててにこやかにシーっと言おう。多分、これの意味するところは万国共通。よし、これで万事解決だ!
ここ最近、ロードサイド野宿ばかりで落ち着かなかったので、今日の極上のねぐらでゆっくり夜を過ごしたい。
焚き火にピッタリな乾燥した枝が落ちているが、目立つし危ないので焚き火はダメ。延焼のおそれがなく、人気のない水辺でやるべき。
ここなら2,3日テントを張りっぱなしにしても多分問題なし。
荷物を置いて身軽な自転車で出かけたいところだが、フェリーを予約してしまったので、明日ゆっくり目に出発しよう。
さあて、明日はサイクリングロードの続きを走って、気持ち良い潮風を堪能しようか。
ねぐら 海岸近くの森の中
おわり