こんにちは。からあげです。
昨日のねぐらはかなり快適だった。ハイウェイから300m以上離れているうえに屋根付き。東海岸に入って湿度が高くなって来ているため、夜露が降りるようになり、屋根のひさしからポタポタ水滴が垂れていた。
誰にも邪魔をされずに朝を迎える。田舎の人は散歩をしない。ここオーストラリアでも同じで、都市部に行くと健康志向が高まり、早朝から運動を始める人が多くなる。そのため、都市部だと特に早めにテントを撤収する必要があり、睡眠時間が十分にとれない。
今日も炊飯中にテントを撤収する。ガスストーブに切り替えてから火力が弱くて炊飯に時間がかかるようになった。Sotoのウインドマスターは火力もあるが、ガス節約のために弱火にしている。
食後、クッカーを洗おうと蛇口を開けるとカエルが出てきた。
カエルの他に、アリや蜂、ハエが入っていることがある。
荷物をまとめて出発する。実に快適な場所だった。
痕跡を残さずひっそりと立ち去る。
今日の目的地は70km先の無料キャンプ場。まずは40km先のInnisfailに向かう。Innisfailと書いて「いにすふぇいる」と読むらしい。マクドナルドがあるくらい大きな町。
始めは無風だったが、次第に微妙な追い風が吹き始めた。方向が定まらず、時々いやらしい向かい風が吹く。最近は走行距離が短くて余裕があるので、向かい風などものともせずに脚に力を込めて漕いでゆく。
周囲は一面のサトウキビ畑。バナナ畑も点在するのどかな田園風景が広がっている。田んぼはないが。
鬱蒼と茂るはトウキビ畑からは刈り取りをする重機の音が聞こえ、あちこちで砂埃が舞い上がる。
サトウキビは竹のような節があってかなり丈夫。刈り取りされたものは運搬用のカゴに入れられて置かれている。観察した感じではある程度まとまってから、貨物列車かトラックでTullyの砂糖工場まで運んでいるようす。特に急いで運ぶ必要はないらしい。かなり嵩張るが、そこら辺に置いておいても傷まないし、運搬に気を使わないでいいところがいいようだ。
トラック一台分でどれだけの砂糖ができるのだろう?無駄に好奇心のあるおっさんはどうでもいいことを考える。おっさんの予想だと、意外にも結構できる。軽トラ一台分くらい。知らんけど。
サトウキビを運搬中のトラクター。脇道から出てきて低速走行することがあるので注意が必要。それでも時速40km程度は出るが。
荷物満載のディスクトラッカーでは無理。おっさんがペダルを高速回転させて頑張っても付いていくことさえできない。もともと速く走るための自転車ではないし。
3時間弱でInnisfailの町に到着。町の入り口から中心部まで無駄に遠くでサイクリスト泣かせの町だった。
朝から湿度が高くて大汗をかいてしまったわい。まずはスーパーマーケットに行ってなんか食おう。こうして頻繁に店に寄れるようになったのは東海岸に入ってから。それまでは飲み食いしたくても我慢するしかなかった。
スーパーはWoolworthsとColesの2つあり。近い方のColesに立ち寄る。なんと荷物積み込み用のレーンがあった。
自転車を丈夫な杭に立て掛けると、近くにYAMAHAのオフロードバイクが止まっていた。DTなんとか。たぶん排気量は400cc程度。オーストラリアではオートバイは都市部ではオン、その他の地域ではオフが人気がある。町が近くなって頻繁に見かけるようになった。その割にロードバイクはあまり見掛けず。
広々とした店内。お客の数が少ないのがオーストラリアの店の特徴。ゆっくりのんびり買い物をすることができる。無駄に歩かねばならないので嫌いだが。普段運動しない人にとっていい運動の機会になっている。たぶん、買い物以外歩かない人が多い。そのため、肥満体がやけに多い。
スーパーで買ったもの。目的地のキャンプ場のあるBabindaにはSparという田舎限定の店がある。多少高くてもそこで買えばいいだろう。
最近飲むようになったのが、弱炭酸の炭酸水。コーラなどの炭酸飲料ばかりだと体に悪い。時々炭酸が欲しくなった時に飲むといい。容量が450mlと中途半端。オーストラリアでは缶が600ml、ペットボトルでは1.25lというものがある。
なんだかよく分からんが、内容量を減らして価格を抑えたい時にしているのだろう。
町を出ても走行ペースは衰えることはなく、多少のアップダウンもグイグイ進んでゆく。途中、見通しの悪い区間があって気を遣った。
気を遣うのは大型車のときで、あまり距離を空けずに抜いてゆく時がある。ドライバー次第なので、常時警戒は緩めない。面倒でも、一台一台ミラーで安全確認をしてゆく。私はこれで命を拾った。
2両編成のLong Vehicleが東海岸のハイウェイの最大サイズとなっている。おそらく全長は30m前後。53.5mのロードトレインに比べると半分程度の長さになって抜かれる時も楽になっているが、交通量が増えてLong Vehicleにまとわり付いている車がいるので注意を要する。
前方に自転車がいるのに追い越しを掛けて、大型車が右に寄るのを邪魔する危険な車両がいる。ピタリと張り付いているから自転車が見えないのか、それとも頭に血が上って発狂しているのかは不明。いつでも道路外に退避できる態勢をとっておく必要がある。安全に自転車に乗るには、いかなるときであろうとも冷静になる必要がある。
普通、免許が必要な車の方が気を遣うのが当たり前のだが、悲しいことに免許なしでも乗れる自転車の方が遥かに気を遣わねばならない現実がある。やるせなし現代社会。まだ先進国だからいいものの、発展途上国だったらどうなるのか?想像しただけで怖くなる。やはり自動車の自動運転化が必要。
バス停で休憩
開口部が西側を向いていて日陰がたっぷり。非常に快適な場所だった。生温い風に当たって汗びっしょりかいた。
車輪付きのカゴに入れられて置かれているサトウキビ。
昼前にBabindaの無料キャンプ場に到着!
木陰たっぷりの広大なサイトがある。すでに多くのキャンピングカーが止まっていて日陰でのんびり座っている。
太陽の軌道を考えて、一番奥の日が当たりにくいところにテントを設営した。鳥の鳴き声が響き熱帯の植物が生い茂るジャングルの雰囲気漂う。
食事の前にまずはシャワーを浴びる。トイレの別棟にシャワールームがある。なんと6室もあるではないか!おっさんビックリ。
ホットシャワーは有料、コールドシャワーは無料。
もちろんコールドシャワーを浴びる。ペダルを漕いで火照った体には冷たい水の方が心地良い。
全身汗まみれだった体がスッキリさっぱり!
シャワーのついでにちゃちゃっと洗濯をしてジャングルで衣類を干す。なんだか蛇が出そうな雰囲気だな。奥には小川が流れているし。
涼しい木陰のテントの中で食事の準備を始める。ガスストーブに切り替えてからはテント内で気軽にできるのでいい。
スーパーで買ってきた小さいほうれん草。間引きした奴を袋詰して売っている。そう言えば、オーストラリア来てから緑野菜をほとんど食べていないことに気がついた。
これだけ入って2ドル。荷物を多く持てない自転車旅行者には、これくらいの量がいい。嵩張らないし、それなりに日持ちするし。
栄養満点のラーメンの完成。
テントの中で落ち着いて食べる食事の美味いこと美味いこと。狭いところが好きなおっさんは、テント内がもっとも寛げる。とくに人がいるキャンプ場だと特に。他人と目を合わせずに、淡々と自分のペースで生活する。
食後のあとはストーブの洗浄を行う。ガソリンポータブルボトルと燃料ボトルも同じく洗浄を行う。一度ではガソリン臭まで消し去ることは不可能。
燃料ポンプ、ストーブ本体を分解して丁寧に洗ってゆく。
オーストラリア製の強力な洗剤がいい仕事してくれる。
パーツを流さないように流しの穴にウエスを詰めての作業。
しばらく陰干ししたあと、テント内で組み立て作業を行う。
分解したまま陰干ししておきたいところだが、パーツを紛失してしまうおそれがある。
丁寧にパーツ1つずつウエスでフキフキする。煤汚れが付いているとイチャモン付けられるおそれがあるので丁寧に行った。
ガソリンストーブ一式
見違えるほどキレイになった。日本帰国後もガソリンストーブを使用するつもりだったが、ガスストーブを買って使うことにした。
なんと、SOTO ST-310の後継機種のST-330フュージョンが出た!分離式に変更されてさらに軽量コンパクトになった。350gから250gと一気に100gも軽くなったのが嬉しい。ブログのネタになるので、ST-330を購入することに決めた。普段の生活からツーリング、登山まで使うので、すぐにもとは取れる。
自作ペットボトルケースにピタリと収まるガソリンストーブ。
定番なAPSA-Ⅲのケースよりも大幅に軽量化できている。
ペットボトルでのストーブケースの作り方は帰国後アップすることにしよう。作り方は加工よりも、ペットボトル探しの方が難しい。本体とフタ、違うサイズの物を選ぶのがポイント。
フタを開けた状態で陰干ししておく。
ストーブの洗浄が終わり、あとはCairnsに行くだけとなった。
まだ帰国便には早すぎるので、このキャンプ場でゆっくりする。スーパーと図書館がある町で無料のキャンプ場があるのは珍しい。
のんびりしながら今後のことでもじっくり考えよう。