こんにちは。からあげです。
ナップサックの必要性
私は普段あちこちを放浪していて、買い物やお風呂に行く時などに、持ち歩きしやすい小さなカバンが欲しいと思っていた。しかし、私の欲しいような軽量でコンパクトのものが見つからず、スーパーのビニールの買い物袋を(現在は有料販売が多くなった)片手にぶら下げてよく出かけていたものだった。
ビニール製の買い物袋は軽くて防水性があっていいのだが、耐久性があまりないのが欠点だ。繰り返し使っているうちにいつの間にか穴が空いてしまい、いきなり裂けて荷物をぶち撒けたこともあった。こまめに穴が空いていないかチェックして、ガムテで穴を塞ぐのも面倒だし、ガムテの消費量も馬鹿にならない。それならば頻繁に変えればいい。しかし、環境に優しい活動を心がける私としては、使い捨ての買い物袋の使用は控えたところ。
去年、人生2度目の海外旅行で飛行機に乗った時、バックパックはカウンターで預けて、機内持ち込みの荷物は、買い物袋に入れて手に下げて歩いた。機内の狭い通路を片手が塞がった状態で歩くのは思いのほか大変だった。この時、軽くて気軽に背負えるサブザックがあればいいのになあと思った。バックパックも自分で作ったことだし、帰国したらサブザックを作ろうと心に決めたのだった。
メインのバックパックはRay Jardine(レイジャーディン)の自作キットで作った超軽量なもの。重さはなんと328gという超過激なバックパックだ!
当然、サブはメインのバックパックより軽くてはならない。サブの方が重くては問題外だ。
必要最低限の強度と耐久性を持たせつつ軽量化を行う。それには軽量なシルナイロンを用いればいい。構造はナップサックのような肩紐を引っ張ると口が閉じて背負えるようなタイプ。ちょうど去年、ポンチョタープを作った時に出たシルナイロンの端材がある。
よし、早速作ってみよう!
シルナイロンでナップサックを作る(1つ目)
袋に入れてあったシルナイロンを取り出して床の上に広げる。
端材は思ったより大きくて使い勝手がよさそうだった。
大きさはバックパックに合わせて、縦50cm×横30cmとした。
忘れないようにキチンと縫い代をとっておく。
この適当さが駄目だった。
最近、老眼になってきたのか、近くも見えにくくなってきた。近眼で遠くのものが見えないというのに、さらに老眼という試練を与えようとするのか?ああ、我らが神よ、我を救いたまえ!
チャコペンだと見えにくいので、黒の油性マジックで線を引く。さらにヘッドランプを頭に装着して手元を照らして作業をする。どんなもんだい!おっさんにガタがきたら道具で補ったらいいのだ。
このシルナイロンはリップストップという格子状に糸が織り込まれたもので、引き裂き強度が強くなっている。1つの格子が四角になっているので、このリップストップの線に沿って印を付ければ綺麗にカットすることができる。
生地を2枚切り取ったところ。これらを合わせて袋にする。
生地の端は2つ折りにしてほつれ止めをする。まずは全周2つ折りにした。
紐を通すループを作る。
幅12mmのテープを両端をずらして輪っかにして、長い方の端を折り曲げて縫う。
ほつれ止めした生地を合わせてループを付けて仮縫いしておく。
シルナイロンは滑りやすいため、手間を惜しまず仮縫いをする。
強度を高めるために、3方向をダブルステッチで縫う。一度縫ってから仮止めの糸を外してもう一度縫う。
ナップサックの口に紐を通す。
紐は1.5mmのナイロンロープ。
下のループにも通して紐を縛る。
軽量ナップサックの完成!
重さは驚きの26g!サブザックとして十分過ぎる軽さだ。
壁に吊り下げてまじまじと眺める。
うむ、随分細長くなってしまったな。これだと容量が足りないかもしれないし、ちょっと不格好でもある。
まじまじ・・・
コイツは靴を入れる袋にでも使うことにしよう。
よし、作り直しだ!まだ材料はある。
シルナイロンでナップサックを作る(2つ目)
端材の残りはこれだけ。もう失敗は許されなくなったので、慎重にサイズを決める。
今度は完成サイズを縦50cm×横40cmとする。
作業するうえで実物があると、どれくらいの大きさが良いか決めやすい。あらかじめ紙で模型を作っておいた方が良いことが分かった。一度失敗作を作ったお蔭でようやく分かった。
2つ目はより完成度を上げるために、端の3つ折りのところをアイロンを当てて折り目を付ける。
一度折り返す毎に縫うより、3つ折り返してから縫ったほうが、手間が省けるし、ミシン糸の節約にもなるし、見た目も良いし、軽量化にもなり、いいことづくめだ。ただし、アイロンはかなりの電気を使う。まあ、これくらいはヨシとしよう。
ミシンを使う前にボビン入れを外して掃除しておく。ここに糸くずが付着していると、下糸の調子がズレてしまうことがある。
付属のブラシで掃除して100均のブロアで吹かして綺麗にしておく。息を吹きかけても良いのだが、息には多くの湿気が含まれるため、金属パーツが錆びる恐れがある。些細なことだが、より長く道具を使うためには、使う人間が気遣ってやる必要がある。
アイロンで折り目を付けたため、3つ折りを縫うのも楽だった。スイスイっと縫えた。
手前の端っこはダブルクリップで留めてある。
ひと手間掛けるだけで、やりやすさが全然違う。DIY全般に言えること。裁縫でも変わりはない。
う~ん、グレイト!
自己満足に浸るおっさん。経験を積むとそれなりに綺麗に縫えるようになるんもんだ。
2回目は肩紐を通すループは違う素材を使うことにした。これは以前、Ripstop By The Rollというアメリカの通販サイトで購入した「MIL-SPEC Nylon Grosgrain Ribbon( 1/2″ / Black)」というもの。テープの幅は1/2″ (インチ)で、12.7mm。
長さ約12cmに切って両端をライターで炙る。
2つ折にしてミシンで縫う。今回は端をズラして折り返すことはしなかった。
端の処理をした2枚の生地を合わせてループを取り付けて仮縫いする。
この一手間を・・・・いい加減うるさい!
2枚の生地を縫い合わせて袋状にしたところ。
あとは裏返してロープを通すだけだ。
ループ取り付け箇所
何度か繰り返し縫って強度を高めておいた。
通す紐は1回目と同じ太さが1.5mmのナイロンロープ。1本の長さは約1.6m。計3.2mとなる。意外に紐の長さが必要となる。
ロープを通して超軽量のナップサックの完成!
ようし、では完成したナップサックを細かくチェックしてゆくことにしよう。
壁に下げてチェックする。縦横比に違和感はなし。
完成サイズは縦50cm×横40cmだ。
ナップサックの特徴は中に荷物を入れて背負うと口が閉じること。
コードロックで留めなくても口が空いて荷物が飛び出ることはなし。
道具はシンプルが一番。
細いロープを通すループは必要にして十分な強度を持っている。
このナップサックに重たい荷物を詰め込むことはない。
紐は簡単で丈夫な8の字結びで結んでおく。
仮に紐の片方が切れても、もう片方があるため、いきなりナップサックが外れて崖下に転落してしまうことはない。
お待ちかねの軽量タイムです!
うむ、31gか。切りの良い30gにしたかったが、これでも十分過ぎるほど軽い。
うう、苦しい!(それほどではない。)
試しに荷物を入れて背負ってみる。肩紐が食い込むが、耐えられないほど痛い訳ではない。短時間ならこれで十分だ。私は使用時より携帯時の快適さをとる。
使用した感想
先日歩いた熊野古道の一つである大峰奥駈道(おおみねおくがけみち)は、主に稜線上のコースで水場が少なく、水を汲むために下る必要がある。
こういう時こそ、軽量なサブザックが活躍する。分岐にバックパックを置いてナップサックに水筒を詰めて水場に下って行った。
2.5Lのプラティパス、1.5Lのペットボトル、500mlのペットボトル全てを満タンにして合計4.5Lの水を入れてナップサックを背負った。帰りは10分ほどの登りだったが、急斜面で手を使う場面もあって、非常に歩きやすかった。
細い肩紐が肩に食い込んだが、それほど痛いとは思わなかった。普段、サブザックに4.5Lもの水を入れることは無いため、1,2時間歩いても全然平気なように思われた。
ナップサックの軽さも良いが、折りたたむと非常にコンパクトになり、嵩張らないのが良い。バックパックに荷物運搬用の買い物袋を入れておくくらいなら、このナップサックを入れて置いた方が遥かに便利だ。
本当に良いものを作ったものだと自己満足に浸った。
おわり
コメント
大谷選手の負傷欠場で、日々の楽しみがなくなり寂しい思いをしておりました。
しかし、このブログが再開され新たな楽しみができ大変うれしいです。
そして今日の記事に中に「大峰奥駈道」の単語がありました。
いつか、その旅日記がアップされるのでしょうね。
楽しみにしております。
どうもありがとうございます。
私も贔屓にしているブログが休みだと寂しくなります。
これから今までの分も取り返すようにバンバン更新してゆきます。
熊野古道の記事はじばらくお待ちください。小屋に戻ってからになります。
寝たろうブログとのリンクが切れたので、からあげ隊長2を探すのに苦労しました。
データ量が多いのは理解しますが寝たろうさんとのリンクが切れるとやはり見に来る方が
減ってしまわないと心配です。
いつも楽しみにしてるので頑張ってください。
どうもお手数をおかけしました。
寝たろうさんのブログとリンクが切れたくらいで読者が減るようでは、そもそもブログの魅力がないと言うことです。
忘れないようにブックマークしておいてくださいね。
今後ともよろしくお願いします。
新サイト、スタートおめでとうございます m(_ _)m
隊長 益々のこだわり様で
縫い目とかステッチの写真、 プロ仕様に美しいですね。
自分もやってみようとか とてもおもえません… ヾ( ̄▽ ̄;)ノ
あ、でも 自分、普段使っている 手提げ袋があって、
その 内ポケットを 自作して くっつけようかな と 考えています。
それでは また !
p。s
…遡って、 PCTトレイルの記事とか 読みに行こうとおもっています…
なかなか 分量が…なので 一気に、と いけない所であります m(_ _)m
自作はハマりますね。
手縫いでも手間は掛かりますが、いろいろ作ることができます。
それでもっと速くキレイに縫いたいと思ったらミシンです。