こんにちは。からあげです。
はじめに
実家で以前から気になっていた物がある。
それは部屋の片隅で物置場と化したパソコン机。かつて親父がノートパソコンを置いて使っていたものだ。
親父は一時パソコン教室に熱心に通っていたものの、先生から教えてもらった瞬間から忘れてしまうような根っからのアナログ人間だった。結局パソコンを使いこなすことはできず、PCはホコリを被りただの置物となっていた。
パソコンを止めてからパソコン机を本棚に改造し、雑多な物が置かれるようになった。ときどき私が片付けても片付けても、時間が経つとすぐに余計な物が増えてくる。
そんなようなパソコン机だったので以前から気に入らなかった。棚としても使い勝手が悪く、見た目も悪い。
コロナで暇だったこともあり、パソコン机のさらなる改造をすることにした。
修理・改造前のPC机
荷物を片付けて外の作業スペースに出す。
これがパソコン机の全貌だ!
座って使うタイプの座卓。これで長時間のPC作業を行うのは苦痛以外の何物でもない。
私はこのような座卓で坐骨神経痛になった。
棚が手前に引き出せるようになっていて、デスクトップのキーボードやノートパソコンを載せて使う。使わない時は収納できて邪魔にならないが、スライド式で安定性に欠けるので使い勝手は非常に悪い。
以前、こういうタイプの机でデスクトップPCを使っていたことがあるのでよく分かる。キーボード棚が不安定、なおかつ天板が狭くて資料などを広げにくい。打鍵圧が強いとグラグラ動いて落ち着かない。
やはりパソコンは安定している広い天板に置いた方が断然良い。
これが現在の私のパソコン机周り。この机も元は座卓だったが、脚を継ぎ足して座って使える机に改造してある。
長時間作業しても疲れにくくなったが、調子に乗って長時間作業を続けるとやはり疲れる。単に疲れにくくなっただけで、疲れないわけではない。
横からみたようす
鬱陶しい突き出た脚。
キーボード棚を引き出した時に手前に倒れないようするものだが、パソコン机として使用していない今はただの邪魔ものでしかない。
脚の底につけている木はフローリングが傷まないように親父が自分で後付したもの。
後ろからみたようす
小さな本棚が引っ掛けられている。
一見するとよく考えられているように思えるが、実に中途半端で使い勝手が悪い。
重たい本棚を引っ掛けているため、横の補強材に過大な負荷がかかっていた。
意外に重たい引掛け式の本棚
ネジが外れかかってグラグラしていた。
ついでに補強材を付け替えることにした。
改造作業のようす
キーボード棚を取り外したあと慎重に下に寝かせる。
グラグラしていて今にも解体しそうな感じがする。横方向に補強材1本では強度が全然足りない。
不要なスライド金具を外しておく。
机の素材はウッドチップを圧縮して固めたパーティクルボードというもので、安価な家具によく使用されている。軽さと安さが魅力。
補強材の固定ボルトを受けるナットが長年の使用によりスカスカ状態。
まともなところは4箇所のうち1箇所のみだった。写真はまともな箇所だ。
スカスカ状態の箇所。パーティクルボードは湿気に弱くもともと強度が低いので、長年使用しているとこのようにつなぎ目がボロボロになってくる。これまで安物の本棚を何度か修理したことがある。
ボルト・ナット
今後のDIYのためにとっておく。
資材置場を漁って補強材に適した材料を引っ張り出してきた。
以前、本棚を増設した時の残り物だ。この材料ももとは廃材。
廃材は新品にはない味があってとても良い。
ここで電動工具の登場だ!マキタ充電式4モードインパクトドライバーTP141DRGX。
これはインパクトモード、ドリルモード、振動ドリルモード、ネジ締めモードの4つの機能を搭載する優れもののインパクトドライバーだ。各機能の性能は高くないが、1つでなんでもこなしてくれるのが良い。一般素人のDIYでは必要にして十分。いや最高の道具だろう。ただ重たいのが玉に瑕だが。
補強材を鉄製の脚に取り付けるにはドリルで穴あけする必要がある。
6角軸(6.35mm)のインパクトドライバーにはドリルチャックアダプターを使うと丸軸の鉄工用ドリル刃を取り付けられるようになる。幸い丸軸の鉄工用ドリル刃は売るほどある。わざわざインパクト用のドリル刃を買い揃えるのは馬鹿らしい。
ボッシュのドリルチャックアダプター(CKR-10)。しっかり締め付けられてドリル刃がズレにくい。
ここでドリルモードの出番だ!インパクトモードからドリルモードに切り換えた。
まだ使い慣れていなくてアイコン表示が少し分かりにくい。繰り返し使用していけば、そのうち無意識に操作できるようになるだろう。
金属の穴あけには先にセンターポンチで穴の位置を決めておくことが重要。僅かな手間を惜しむと穴の位置がずれることになる。
探してもポンチが見当たらなかったので、普通のビスをポンチ代わりに使用した。
今回は中空の角材なのでビスでも十分用は足りる。
やはりドリルモードは便利だ!
奮発した甲斐があったというもんだ。道具には妥協をしないのがおっさん流。
穴を空けたあと、再びインパクトモードに切り換えてビスを打ち込む。
補強材の取り付けが終わったところで、今度は本命の出っ張った脚を切断する。
まずは傷防止の板を取り外す。
くり抜いてビスで固定してある。なんと小癪な!
ディスクグラインダーを用意する。片方には切断用ディスク、もう片方には砥石用ディスクが取り付けてある。複数台あるといちいち付け替えなくても良いのがいい。
どちらも親父が入手した中古品だ。
ディスクグラインダーは非常に危険な電動工具だ。ブレーキなしなのに非常に力がある。
軍手は回転部分に巻き込まれるおそれがあるので使用してはいけない。
今回は手に馴染んだ革手を使う。主に自転車などの機械いじりで使用していて油で汚れている。
サンダル履きも非常に危険だ。うっかり落とすと足の指を切り落としかねない。
安全靴が推奨だが、最低限の安全は確保できる運動靴でやる。
最後に保護メガネは絶対に必要だ。飛び散った切り屑が目に入るおそれがある。
このサングラスは眼鏡の上から掛けられるオーバーグラスで、縁があるので保護メガネ代わりにもなる。普段自転車に乗る時に付けているものだ。
細い角パイプなど、ディスクグラインダーの敵ではない。簡単に切断できる。
砥石で削ったあと、手動の鉄工用ヤスリでバリをとって滑らかにする。
最後にキャップを付けて脚の加工は終わり。
う~ん、実によい出来栄えではないか。などと自己満足に浸る。
スライドの棚は長さが足りないのでほかのものに変える。
資材置き場を探して取り出したのは、かつて愛車ジムニーの荷室に敷いていたコンクリート用合板だ。
実に懐かしい。もう数十年前の遠い昔のことのように思える。
作業台にクランプで固定してのこぎりで切る。
DIYの必需品クランプ。一人で作業する時に威力を発揮する。
ブレずにきれいに切れる。最低限2個あるととても役立つ。
切った棚板は元のスライド棚の位置に固定する。
最後に下の脚の傷防止用の木材は強力両面テープで固定する。
ボルトナット留めの箇所を片方切り落としてしまったため。
いちいち木材をくり抜くような加工をするのは面倒くさい。大して重要ではない部分は手抜きをする。
この両面テープは超強力でたいていのものはくっつく品。小さく切って数点留めておくだけで強固にくっつく。貼ってから24時間安静にしておくことが需要だ。
修理・改造後のPC机
ついに完成したパソコン机改。棚板も補強材になり全くグラグラしなくなった。
脚の出っ張りもなくなりスッキリ。
横から見たようす
背面の補強材は棚板から上に出して奥に落ちないようにした。
細部を観察すると、、、隙間が空いている。
これも素人DIYの味。完璧な仕事をする必要はない。
気の赴くまま、最低限使用可能なものにすればよい。
今回のDIYの感想
実施前
実施後
自分で言うのもなんだが、まあまあ良い仕事をしたと思っている。
Good job, Ossan!
家族の反応は良好。不用品を処分して置く向きを変えてより使いやすくなった元パソコン机。
既製品は使い勝手が悪い品が多い。かと言って一から作るのは時間が掛かる。こういう時は既製品の改造で劇的に改善する。新たに買い直す必要もないし、最小限の資材で改造できる。中古の模様替えは財布と地球にやさしいDIYと言える。
これからも実家の片隅で活躍してくれることだろう。また荷物置き場にならないといいけど。