乗鞍・上高地ツーリング2020【後編】〜酷暑の愛知へ〜

こんにちは。からあげです。

はじめに

乗鞍・上高地ツーリング2020【中編】〜国道19号線を南下する〜
こんにちは。からあげです。 はじめに 2020年夏、新型コロナのわずかな隙を突いて決行した乗鞍・上高地ツーリング。途中までで放置してしまった。そういえば、2020年西日本ツーリングもまだ終わらせていない。いやあ参った。 そんなどうでもいいこ...

 

途切れ途切れで細く長く続いたツーリング報告も、今回でようやく終了する。ほっ。

以前は丸一日走ったあと夜にテント内でスマホをいじり、更新していた時期もある。
それは2018年北海道と2019年オーストラリアでのツーリングの時だったが、あの時はよく続いたものだと今でも思う。
だがそんな無理が祟って、一時はWordPressの管理画面を見るのも嫌になり、しばらく放ったらかしだった。

そんなことがあり運営方針をすっかり改めて、今は活動中に更新することは一切なし。半年から1年以上経ったあとでの更新だが、更新回数を大幅に減らしたため大半のネタはお蔵入りになっている。もったいない気もするが、できないものはできない。一人で何から何までするのは不可能だ。
近頃、漫画家が立て続けに過労死してこの世を去っているように、ウェブサイト制作・運営でも十分ありえる。個人事業主は自分で自分を守らねばならぬ。多少の金と引き換えに、大事な健康を失っては元も子もない。

今はコロナで遠出し辛い状況。精力的にウェブサイトの更新に励みたいところだが、再び持病が再発。その名はハイテク機器拒絶症。パソコン作業を長時間続けると、頭痛やめまいなど拒絶反応が出るようになった。そのため最近はほどほどにしている。
また後ほど書くことにするが、これとはまた別のことで健康を損なっていた。隊長が体調を崩してどうする?

何事もほどほどがよい。だが、好きなことは徹底的に追求したい。よってウェブサイトの制作は二の次三の次。

 

さて前置きはこれくらいにして本文に行こう。

上高地~愛知まで 3日目最終日

昨晩は夜になっても気温が下がらず、非常に寝苦しい夜だった。
日付が変わるころ、うだる暑さに消耗してようやく意識を失ったのだった。

最終日は2時半に起床し、まだ夜が明けていない暗いうちから出発する。生暖かい朝だった。
走り始めて10分もすると、全身ずぶ濡れとなってしまった。

まずは馬籠(まごめ)峠の上りから。早朝の県道7号線をゆっくり上ってゆく。

本日1つ目の峠、馬籠峠に到着。
標高が低い峠だが、すでに暑さのためバテている。

ゆっくり休みたいが、残りの距離を考えると長時間休むわけには行かない。
日が照って暑くなる前に距離を稼いでおきたい。

愛知まで峠はあと1つ。
短い距離でなおかつ、高低差が少ない道を選びたい。昨晩テントの中で地図を穴が空くほど眺めていた。
だが、そんな都合良い道があるわけがない!

峠の出発前は、絶対に忘れ物をしないように何度も確認する。そこら辺に物を置いておくと、ついうっかり忘れる。
2018年北海道ツーリングでワイヤーロックを忘れて、片道120kmも走って取りに戻ったことがある。あの悪夢だけは二度と経験したくはない。
だが、あのとき取りに戻らなければ、札幌で北海道胆振東部地震に遭わなかったかもしれない。順調に行けば寄り道しても函館周辺、いやすでに本州に渡っていたかもしれない。あの体験はとても貴重だった。

峠の下りはあっという間に終わる。やって来たのは馬籠宿外れの見晴らしの良い公園。なんとも立派な東屋があるではないか。風通りのよいココで泊まりたかったな。

 

馬籠に来たついでに宿場町を散策する。
駐車場に自転車を停めて空荷で歩く。

観光客の姿は全く見られず、とても静か。

観光地図を手に入れる。
最近はどこの観光地もインバウンド(外国人観光客)に力を入れている。英語、中国語、韓国語、スペイン語など、各種の案内が並ぶ。

外国人たちに率直な感想を聞いてみたい。彼らの目には日本はいったいどのように写っているのだろうか?

通りは通行制限あり。

帰りは急な上り坂。自転車を置いてくるのではなかったと強く後悔した。

街道沿いに建ち並ぶ家にまじりポッカリと空き地があった。草が生えてこないようにシートで覆われていた。

ここには一体何があったのだろう?

県道7号線を経て国道19号線に復帰する。
中津川市内の県道7号線と合流するところから西は中央分離帯ありの片側2車線となっている。

交通量は多めで車の流れは速いが、自転車で走っても特に問題なし。ただし高低差がかなりあって体には負担が掛かる。
こういう流れの速い道では目立つ反射ベストを特に着用したい。空気抵抗が少々増えるが、安全には代えられない。トンネル内では絶大な視認性を発揮する。

 

国道19号線を西に走るのが一番無難で速いと思われたが、一部片側1車線の区間があるし、長距離トラックが多いのがやや気にかかる。
長時間、排気ガスと騒音に晒されて走るのが一番嫌。ということで中津川から国道363号線で岩村まで行くことにした。

地図には名前が出ていない峠だが、かなりの高低差がある。峠越えに備えて道路脇で休憩を取る。

今回のツーリングで履いているタイヤはシュワルベのマラソンプラス26×1.75インチ。オーストラリアで14,000km走行したもの。すでに溝がなくなり青色のパンク防止帯が繋がりつつあるが、驚異の耐久性を誇るマラソンプラスならまだまだイケる。雨の日には注意が必要だが、乾燥路ではしっかりとグリップしてくれる。

などと地面に座りながら自転車を眺めつつ、脳内で呟いていたのだった。

しばらくの間、中津川沿いはほとんど平坦。王子製紙を通りすぎると交通量はほとんどなし。快適な走行を楽しむ。

地獄の入り口まであと僅か。

中津川を離れると、いよいよ上りが始まる。
調子が良ければ何でもない坂だが、暑さですぐにバテてしまう。
山中の細い道なので木陰が多いことが幸い。だが風の通りが悪く非常に蒸し暑い。まとわり付いてくるような蒸し暑さに完全にやられた。

100~200m走っては倒れるように休むを何度も繰り返した。

峠付近は分譲別荘地になっていて、ちらほら別荘が見えてくると、長い長い峠の上りは終わり。
濃厚な排ガスを残して走り去ってゆく自動車が恨めしい。意識が朦朧となりつつも、なんとか峠に到着。しばらく横になって休む。

峠からの下りは実に爽快。交通量はほとんどなく、見通しの良い2車線道路。火照った体が一気に冷えた。
岩村に近づくと緩やかなアップダウンが現れるが、上りに差し掛かった途端に脚が動かなくなる。
昨日から熱中症の症状が出ていて、少し休んだくらいでは体が回復しない。今すぐ走るのを止めて休むしかないのだが、走らないことには実家にたどり着けない。

暑い。助けて!岩村中心部までやってくると、お寺の木陰に逃げこむ。木陰に入ってじっとしていると涼しく感じる。

岩村からはそのまま363号線で山岡を抜けて明智まで。
多少のアップダウンはあるものの、基本は下り基調。

静かな山村を抜けてゆく。

道は平坦なものの、暑さに参る。
上高地に長期滞在していたため、暑さ耐性が全くない。

夏期の自転車ツーリングは暑さとの戦いだ。いかに暑さに順応して走れるかが鍵となる。ある程度は予想していたが、肌身で体感するとまるで違う。

暑さに耐えかねてお堂の木陰に避難する。
ああ~涼しい。

直射日光を浴びなければ、まだなんとか耐えられる。だが一旦日差しを浴びると急激に消耗してくるのが分かる。ここは休み休み行くしかない。

まだ休めるところがあるだけマシだと思わなければならない。

休み休み走ってようやく明智に辿り着く。明智といえば、かの有名な戦国武将「明智光秀」生誕の地。
とりあえず木陰に避難する。

少し休んで元気が出てきたところで明智駅を見学する。
明知鉄道の公式キャラクター「てつじい」。大きなマスクをして出迎えてくれる。

色鮮やかに塗装された電車。とは言ってもディーゼル車だが。
大きなエンジン音が響いている。

電車側面には明智光秀が描かれている。

駅前のスーパーで買い物して日陰で休む。
食欲はないが、何か食べないとペダルを漕げない。

明智からは県道11号線で矢作(やはぎ)ダムまで下る。
長い長い下りで多少は回復した。

木陰の多い道は本当に助かる。
暑くてもまだ漕いでいられる。

昼前に愛知県内に入る。
あともう少し。もう少しの辛抱だ。

雑念を捨て頭を空っぽにして走るが、暑いものは暑い。
矢作ダムを離れると、日差しがたっぷりと注ぐようになった。

コロナ禍では川遊びが大人気。矢作川で遊ぶ家族連れが多く見られた。
私も彼らに混じって泳ぎたかった。

時間は正午を回り、厳しい日差しが照りつけるようになった。

道路沿いの神社に逃げ込んだ。もう走れない。

木陰でシートを敷いて1時間ほど眠った。

今になって思えば、ここで暗くなるまで休んで行けば良かった。
暑さ耐性がない状態で日中走るのは危険だった。
一刻も早くたどり着いて休みたい。そればっかり考えていた。

豊田市内は地獄の暑さだった。10分15分走っては高架下や建物の影で休む。
休んでばかりで全然先に進まない。

日没ころになってようやく実家に到着した。
物置内の気温は35度になっていた。

ムッとする暑さだが、じっとしていればなんとか耐えられる。

シャワーを浴びて汚れ物を洗濯する。
久しぶりに洗濯機で洗うと水が真っ黒になる。

おっさんエキスが大量に染み出している。

一足先に上高地で出したレターパックプラスが届いていた。
どれどれ中を開けてみようか。

細々とした物の数々。
これで1kg以上軽くできたのだから、送料は安いものだ。

自転車には生活必需品だけ積みたい。

クソ暑いのに熱々のラーメンを食べる。
浸け置きした発芽玄米がないし、食欲がないので刺激の強いラーメンを選んだ。

暑い時こそ熱いもの。温かいものは胃腸に負担がかからなくて体に良い。冷たい物を取りすぎると体調を崩す。
こうやって少しずつ暑さ耐性を付けていかねばならない。

食後のチップスターを食べる。

最近、やけに内容量が減ったスナック菓子。いかに見かけの量を増やすか苦心している。
どこのメーカーのお菓子も見かけ倒し。食べ終わると多くのプラスチックゴミが出る。
なのでここ最近はスナック菓子を控えるようにしている。

 

こうして終わった乗鞍・上高地ツーリング。乗鞍の内容はほんの僅かしかなく、全く参考にはならない。
今後近いうちにでもエコーラインからスカイラインへと通り抜けしたい。(スカイラインは元有料道路だけあって景色がいい。そんな道を下りで楽しむ。)できれば天気がよいときに時間に余裕を持って走りたい。寄り道して畳平から乗鞍登山も。
ついでに上高地にも寄って安房峠も越えたいし。

などとやる気が湧いてきたが、いつになることやら。
このあと物置では気温40℃超を記録することになる。

 

おわり