八幡平アスピーテラインを走る

こんにちは。からあげです。

 

一難去ってまた一難。またもや自転車に気になる箇所が見つかってしまった!私は神経質なのか?確かに神経質過ぎるが、裏を返せば細かいところによく気がつくということだ。何にも悪いことじゃない。むしろ、ロングツーリングするうえで、必要な資質と言えるだろう。

何でもプラスに解釈すれば、おっさんだってなかなか捨てたもんじゃない。時代がまだ私の能力を必要としていないだけで、そののうちきっと求められる時がくる。その時まで精進しておこう。

昨日は、軒下の有り難さを痛感した日だった。強気でそこら辺でテントを張っていたら、ずぶ濡れとなって出発準備に手間が掛かっていたことだろう。

ここにやって来た時には、小雨が降ったり止んだりしている状態で、雨はもうすぐ止んでくれるだろうと思った。しかし、日没後しばらくして雨脚が強まり、結構な大雨となっていた。

人が来ないうちに荷物をまとめて出発した。鹿角市内は、3連休中日のためか、まだ静けさの中に沈んでいた。

今朝は朝から日が照って、昨晩降った雨の湿気を飛ばしてくれる。

郊外に出ると、見通しの良い直線道路になって走りやすくなった。まだ交通量はほとんどなくて気楽に走れる。さあ、今のうちに距離を稼いでおこうか。

今日の目的地は八幡平(はちまんたい)だ。標高1,613.5mで百名山に選ばれている。山頂付近まで道路が通っているため、小さな子供でも楽に登ることができる。その分、自転車は坂道を上るハメになるのだが。

朝靄に包まれる田んぼ

稲穂が黄金色に輝いている。爆音機の音はせず、非常に静かだ。

道路脇にいがぐりがたくさん落ちていた。

トゲトゲを踏んだらパンクしてしまいそう。(そんなはずはない。たぶん。)ホタテ貝でパンクしたことが脳裏をよぎる。できるだけ踏まないようにして走った。

見ているだけで痛くなってくるいがぐり

序盤は快調に走る。多少の向かい風はものともせずにペダルを漕ぎ続ける。

最近私を悩ませているのはクランク周りから発する異音。ペダルを漕ぐとカチカチ音がしていた。弘前の自転車屋でBB周りの点検をしてもらって、異音が解消されたかどうかが気になって仕方がない。

昨日は雨の走行だったため、異音はしなかった。(これまでも雨天走行では異音はなし。)今日ようやく晴れて確かめられる。

坂道に差し掛かると、遠慮せずに力を入れてペダルを漕ぐ。やはり、増し締めして貰ってクランク周りの剛性が上がっている。異音なしで漕げるのは、本当に気持ちいい。辛い上りで音がすると、集中力が持続せず直ぐに疲れてしまう。

とかなんとか言っても、疲れるものは疲れる。
途中の潰れたオートキャンプ場でテントとカッパを干す。

オルトリーブのバッグの口を開けて内部を乾燥させる。完全防水の頼もしいカバンだが、湿ったものを入れておくとカビが生えてしまう。

天気の良い日は、こまめに口を開けて乾燥させる必要がある。ということをテントにカビを生やさせてから初めて知った。

このオートキャンプ場。施設はかなり立派なのだが、数年前に閉鎖されたようで、あちこち劣化が目立っていた。

なんと勿体無い。潰れた原因は、中途半端な位置にあるためだと思われる。谷あいの場所で景色は見えず、買い出しに行く町は遠く、八幡平にも微妙に遠い。すべてが中途半端。時代はより快適なグランピングを求めるようになっている。そんななか、従来型のオートキャンプ場ではやっていけるわけがない。

ちなみに私はグランピングは大嫌い。自然に過大な負荷を掛けて何が面白い?地球はもう壊れかけているのだよ!

北緯40度のモニュメント。アスピーテラインの入口にある。
トイレと東屋が整備されている。

県道23号線、通称八幡平アスピーテラインの始まり始まり〜。

よっしゃ、行くぜ!気合だけは十分なおっさんだったが、すでに焼き肉パワーが切れているため、なんとなく体が重たい。(焼き肉パワーは一日しか持たない。)

地面から突き出たパイプから勢いよくガスが出ていた。
看板を見ると、地熱発電の施設らしい。

上れど上れど、全然峠に辿り着かない。
時間が経つにつれて、交通量が増えてきた。

通行車両のほとんどが観光客が乗った車で、距離を空けて抜かしてくれるため非常に走りやすかった。必死に漕いでいるおっさんの後ろ姿を見て可愛そうに思えたかもしれない。

大沼ビジターセンターに寄って一休み。
すぐ近くの大沼を歩いて一周した。紅葉が僅かに始まり木々の葉っぱが色づき始めていた。

大沼の隣の湿地帯は草紅葉が始まっていた。

どこまでも続く坂道。
一番軽いギヤにして淡々と漕ぎ続ける。汗が吹き出してTシャツが濡れる。

標高1,560mの大深沢展望台

汗まみれになってようやくたどり着いた。見返り峠まであと少しだ。車でやって来た観光客は寒い寒いと言って車に逃げ込むのに、私はTシャツ1枚で汗をかいて座っている。このギャップが凄い。

展望台からの景色

まずまずの天気だ。左手の奥の方に風格のある山が見えたが、直ぐに岩手山だと分かった。

それにしても気持ち良い風だ。火照っていた体が急激に冷やされる。ガリガリ君があれば、最高なのだが。

展望台から見返り峠まであとわずか。駐車場にある建物がチラッと見えた。しばらく上ってから、峠まで一気に下ってゆく。

見返り峠に到着!

馬鹿みたいに漕いでたどり着いたぞ。なんだか凄く嬉しい。大変な仕事をやり遂げた感じがするな!

峠の駐車場は有料だが、自転車は無料!建物の壁に立て掛けて停めた。オートバイはたくさんいるが、自転車の姿は全くなし。

駐車場から近くの展望台に上がってみる。

展望台からの景色

向こうに見える山は岩手山。いやあ、こんなに天気が良くなるとは思いもしなかったな。

こっちは南側。なんという山かは知らない。

展望台から駐車場を見下ろす。
8割以上は埋まっているように見える。車の駐車料金は500円。妥当な金額と言えるだろう。

駐車場奥の平らな山が八幡平だ。30分ほど登れば、山頂に立つことができる。

ナップサックにパンとペットボトルを突っ込んで登山開始だ!

続々と山頂に向かっているぞ。私もあとに続こう。

登山道はコンクリートで固められているため、靴は汚れることがない。道の幅が広くて、歩きながら十分すれ違うことができる。

草刈りや泥濘の整備の手間を考えると、コンクリートで固めてしまった方がいいのだろう。なんと安直な考えだ!

不思議な窪地

詳細は不明。遅くまで残雪があって、窪地の斜面がお花畑になるんだとか。

山頂付近には、いくつかの沼がある。これはメガネ沼の片割れ。右隣にもう一つ沼があって、眼鏡のレンズのように見えるんだとか。言われて見たら、そんな気がしてきた。

緩やかな上りが続く。

今日初めて気がついたのだが、自転車で上るより、歩いた方が楽なことに気がついた。

山頂に到着!

真っ平らな山頂に木製の展望台が建てられていた。大勢の人で賑わっている。

立派な山頂標識

駐車場から歩いて30分だが、麓から自転車で上がってきたため、ちゃんと登山したような気になる。

展望台からの眺め

八幡平はフラットな山頂のため、見晴らしはあまり良くない。その代わり、たくさんの沼や湿地帯を見ることができる。

展望台に登らなければ、単に森の中にいるような気になる。

一番大きな八幡沼を見下ろす。沼の周りを一周するように遊歩道が整備されている。

ガマ沼に近づいて写す。なぜガマ沼というのは知らない。

岩木山を間近に望む木製ベンチの上で休憩することにする。
駐車場に下りると、人だらけで休む場所がない。ここなら思う存分ゆっくりできる。

峠から下る前に十分体を休ませておく。

パンパンに膨れ上がったプチの袋。

おやつを食べたあと、10分ほど昼寝してリフレッシュした。

駐車場に向かって下りているところ。
見通しの良い笹原となっていて、周囲の景色を堪能することができた。

今朝、自転車の拭き掃除をしていて気がついたのだが、リムが削れて凹んでしまっていた!

走行距離4000kmでブレーキシューを交換した時には、リムはほとんど凹んでいなかった。

昨日の雨の下りで馬鹿みたいにブレーキレバーを握ってブレーキを掛けたのが悪かったのか?いや、そうしないと、減速さえできなかった。ブレーキを思いっきり掛けないわけにはいかなかった!

これがリムのようす。

中央のインジケーターの部分はあまり削れておらず、その両側が削れて凹んでしまっている。

そういえば、ブレーキシューの調整を一度も行わなかった。均一にすり減るように、位置をずらした方が良さそうだ。

ということで、カバンを外してブレーキシューの調整を行った。

下りでブレーキが効かなくなると、命がないので集中して作業した。

テスト走行してようすを見る。よし、これでいこうか!

下りは風を受けて寒くなるため、ウインドブレーカーを着た。

さあ、お楽しみの始まりだ!

見返り峠から麓の柏台まで一気に下ってゆく。途中、登り返しが2箇所あったが、なんなくクリアして下り坂に抜けた。

下りは集中して走らないと、大事故に繋がるため、集中して真剣に走る。途中、緩やかなところでブレーキテストを行っておいた。

途中の見晴台のようなところで止まって写真を撮った。
ここから見下ろす景色もなかなか良かった。

熊出没注意の看板。東北は山深くて熊が出没するため、気を抜けない。ビジターセンターの掲示板には、目撃情報が多数載せられていた。

あっと言う間に下って麓のビジターセンターにやって来た。素敵な軒下を見つけて胸がときめいてしまった!

今日はここでは泊まらない。明日の岩手山登山に備えて登山口近くのキャンプ場に泊まる。

岩手山を間近に望む岩手山パノラマライン

麓から見上げる岩手山も美しい。ここまで来て登らないのは勿体ない!明日、午前中くらいまでなら天気は持ちそう。速攻登山で雨が降る前に下山する。

岩手山焼走り国際交流村キャンプ場にやって来た。

トイレ、炊事場の基本設備が整ったフリーサイト。
なんと1泊300円。本州では格安なキャンプ場だ。

3連休とあってかなりの賑わいをみせている。

テントを設営したところ。

地面は軽石のような石がゴロゴロしていてペグ効きは悪い。自立式のテントが良いだろう。

こうしてテントを張るのは大間以来となる。コソコソしないでいいので、かなり寛げる。普段は暗くなるのを待って準備を始めていた。

テントの外で炊事を行う。
寒くもなく暑くもなく過ごしやすい季節。間近の岩手山を見ながら夕食の準備を行った。

夕焼けに染まる空。

このようすだと、明日の午前中はなんとか天気が持ちそうだ。明日は早起きして、明るくなったら出発できるように準備をしようか。登山の鉄則の早出を忠実に守る。

自転車で登山の場合は、前日に登山口に泊まっておかないと、出遅れて悪天候に捕まる可能性が高まる。

いつものメニュー。

周囲から肉を焼く香ばしい匂いがしてくる。ああ、堪らん。
うなぎ屋の前で空腹のまま長時間待たされているような気分だ。

さっさと食事を済ませて、ブログ更新して寝よう。

 

さて、終わったぞ。明日に備えてさっさと寝よう。

 

おわり