腹ごなしのために霧の函館山に登る

こんにちは。からあげです。

 

お昼にお腹いっぱいご飯を食べたため、今なおお腹が空かない状態だ。なぜそうなったのか、順を追って説明しよう。

昨晩は函館市の東にある恵山町の道の駅「なとわ・えさん」に泊まった。翌日の恵山登山に備えて、道の駅併設のキャンプ場に泊まることにした。ただ、霧が濃くてテントがずぶ濡れになったり、風が強くてバタバタとテントが煽られるのを防ぐために、テントは張らず建物の軒下で泊まった。海岸がすぐ近くのだだっ広い広場で、風を遮るものは全くないところだった。ただ、波の音が丁度よい音消しになって耳栓をせずに眠ることができた。

今日は5時に起床すると、周囲は相変わらず霧に包まれた状態で、外側の寝袋が湿っぽい状態だった。シュラフカバーがあれば、水濡れを防げるのだが、装備の軽量化のためにシュラフカバーを省いた。その代わり、汚れ防止のインナーシュラフを自作して持ってきた。水濡れは乾かすだけでいいが、汚れは簡単に落とすことはできない。

汚れて保温力が落ちた寝袋では、快適に眠ることができなくなる。去年のPCTで汚い寝袋で寝続けて不快な思いをしたため、インナーシュラフの重要性が分かったのだった。

霧は侮れない存在。風が吹くと軒下でも濡れてしまう。短時間ならいいが、長時間霧に晒されると全身湿っぽくなる。それでも雨よりはマシ。

7時過ぎ道の駅を出発する。テントを張っていなかったため、荷物のパッキングをスムーズに行うことができた。

道の駅出発直後のようす

依然、霧が立ち込めていて視界がきかない状態が続く。いったい何日連続の霧だろうか?いい加減嫌になってきた。

霧が濃いため、今日の恵山登山は中止して、まっすぐ函館に向かうことにした。

始め向かい風だったが、いつの間にか追い風に変わり、非常に楽チンに進むことができた。自転車は時として原付き並の機動力を出すことができる。癖になる追い風。霧で視界が悪いため、慎重に自転車を走らせる。追い風だからと言って、むやみにスピードを出して走らない。

馬出没注意の看板

どこにも馬は見えないし、牧場もない。いったいどこから馬がやって来るのだろうか?鹿という単語を付け加えたくなる看板だな。あっ、そうか自分のことか!

旧戸井線アーチ橋梁

未完成のまま残されているらしい。すぐ下には民家が立ち並んでいる。近くの汐首岬は北海道と本州の最短地点であるが、霧のため本州を見ることはできず。今私は道民だ!本州なんて見えなくても全然構わない。

函館が近くに見えるようになって、ようやく霧が晴れてくれた。
ただ函館山はガスに入ったままで見えない。

ちょっと脇道に逸れて函館市街手前にあるトラピスチヌ修道院にやって来た。凄い数の中国人たちが朝から賑やかにそこら中を歩いている。駐輪場がなかったため、観光バスの駐車場に停めておいた。普通車だと料金は200円する。そう言えば、前回車でやって来たのだが、駐車場が有料だったため、入らずに出ていったのだった。

観光地だから生活感を出してはイケないと思いつつ、一昨日洗って生乾きの下着を干しておく。

中国人だらけの修道院。中国人がたくさん来てくれるお陰で、日本はかなり潤っていると思うよ。

信仰心など欠片もないのに、やって来てしまった修道院。
外観のみの見学だけで、内部はできない。
まあ、これもブログ稼業の一貫だ。

途中で国道から逸れると、急に向かい風に変わり、さらに上り坂になって、かなりハードな道のりだった。

それほどまで労力を使ってくる場所だったのか?と疑問に思ってしまった。

修道院を出ると、坂を気分よくスイーっと下って湯川温泉までやって来た。ちょうど向こうから路面電車がやって来たので、すかさず写真を撮る。ブロガーたるもの、いつでもどこでも写真を撮れるように、カメラを取り出しやすい場所に携帯していないとイケない。

そうクマスプレーのように。

北海道では、ハーフパンツのベルトに付けたチョークバッグに入れて常に持ち歩いている。以前、ボルダリングをやるためにチョークバッグを買ったのだが、自分には無理だと思って直ぐに止めてしまった苦い思い出がある。

ちょうど交差点のところに足湯があったので、入ってゆくことにした。

自転車を停めて入ると、オーストラリア人の旦那に日本人の奥さん、そして赤ちゃんという若夫婦が入っていたのだが、彼らに変な爺さんが一方的に話しまくっていた。いったい誰が足湯に浸かってまで政治の話を聞きたいと思うのか。鏡に向かって話してろよ!そうジジイに言ってやりたかった。夫婦は困っていたではないか。

その夫婦が出てゆくので、私も逃げるようにして足湯をあとにする。あんなのに捕まると、30分は確実に時間を持っていかれる。悪意のない時間泥棒だから余計に始末に悪い!

石川啄木の銅像の前で記念撮影。

後ろはガスに隠れた函館山が見える。風が馬鹿みたいに強かった。ちょうどいい場所に三脚置き場が設置してあった。カメラが風で飛ばされないかヒヤヒヤものだった。

ちなみに石川啄木という人物には全く興味はない。

函館には成分献血ができる献血ルームがあるので、旅のついでにやって来た。先を急ぐ旅ではなし。まあいいではないか!
決しておやつを食べに来たわけではない。

献血ルームに入るとまずはタッチパネルでアンケートに答える。
いつもの献血ルームで使っているタッチペンとは違い、先が太くてソフトタイプで確実に反応してくれる優れものだった。

いつも反応の悪さにイライラしていたのだが、ここ函館ではスイスイ答えることができた。ボールペンの先のような細くて硬いタッチペンはダメだ。

忘れないうちにモバイルバッテリーとスマホを充電させてもらう。献血ルームでは、こうした図々しいお願いでも、たいてい嫌だとは言われない。嵩張る粗品ではなく、私は電気が欲しい!!

常に電気に飢えている野宿者だのだ!!

ジュースを飲もうと自販機のボタンを押すと、並々に入ったジュースが出てきた。なんというサービスだ!たいていあと1cmは水位が低い。

悲しいことに愛知県ではなくなってしまったお菓子のサービスも非常に充実していた。チョコレートや果物・野菜ジュースは冷蔵庫に入っていて飲み放題食べ放題だった!

私は大人なので、ガツガツは食べないのだが、追い風とは言えカロリーをかなり消費してしまったので、少しだけ食べさせて貰った。

 

献血をしている最中は北斗の拳を読んだ。ダイジェスト版でいきなりラオウにレイがやられてしまったところなど、ぶつ切り状態の漫画を読んでいる時に事件は起きた。

成分献血で戻りの血が入る時に針がズレて血管から外れてしまったようで、針を刺したあたりが腫れて来てしまった。
外れた瞬間傷みが走ったのだが、我慢していれば続けられるだろうと思っていると、機械の警報が鳴って緊急停止してしまった。

なんということだ!強制終了で献血は終了。

何度か針がズレて腫あがることを経験している。その看護婦さんが言うには私の血管ははっきりと浮き出ていなくて針を打ちにくいとのこと。

ろくに献血もしないのにパンも貰って申し訳ない限りだった。
しかし、遠慮は失礼になるので、一つだけ貰って食べた。

テスト用採血の時も嫌な傷みが走ったのだが、無理して平静を装っていた。もう少し体が温まってから献血を始めた方が良かったようだ。

献血ルームを出ると、ちょうどお昼になったので、ご飯を食べにゆくことにした。できなかったものは仕方がない。次回は札幌か旭川でやればいいじゃないか。

ということでやって来たのは、低料金でボリュームのある定食が人気の「たつみ食堂」にやって来た。

ツーリングマップルを見たらピンと来た!

年中無休、営業中とデカデカと書かれた看板が店先にデンと置かれている。なんと8500日以上連続で営業をしているという。
もうかれこれ20年以上経つ。

凄いの一言。多分、店をやるのが本当に好きなんだろうと思う。頑固オヤジは顔を出さずに、厨房で調理に専念している様子だった。

からあげ定食ご飯大盛り 740円

凄いボリュームだ。茶碗はどんぶりでかなり大きめ。
ご飯普通盛りの通常料金は640円。
私がご飯大盛りを頼む時、お店の姉さんから値踏みする目で見られたが、只者ではない雰囲気を放つおっさんだと気づきそのまま受け付けてくれた。

持ってくる時、ハイお待ちどうさま♪、とニヤリと笑い持ってきてくれた。見た瞬間やっちまったと思ったが、頼んだ以上完食しなければならない。持ち帰り用の箱をもらうようでは探検家失格だ!

日本昔ばなしに出てくるようなてんこ盛りのご飯。丼に山盛りで入れている。量は2合以上。

ご飯粒はぷりぷりしていて美味いのなんの。ただし、こういうときは慌てて飲み込んで食べてはイケない。胃腸に負担を掛けないように適度に噛んで食べなければならない。ただし、噛みすぎるとだめ。水分を取るとお腹の中で膨張するため危険。

メニューには唐揚げ3個と目玉焼き1個と書かれていたが、そのからあげは通常の3倍くらいの大きさとなっている。味は甘辛でジューシーな仕上げとなっている。からあげ研究家の私としては非常に満足できる。

写真は1個食べてから写したもので、2個しかないことを付け加えておく。間違えないように!

休憩せずに食べ続け、水を飲まずに味噌汁だけでご飯を流し込み、無事完食することができた。ちょっと本気を出さないと食べきれない量だった。ふぅ〜。

皿を舐めたようにキレイに食べるのが、作ってくれた人へのささやかなお礼。金を出せばいいってもんじゃない。

会計するとき、姉さんがどうです?お腹はいっぱいになりましたか?とニヤリと笑われた。私はどんなモンダイ!と言わんばかりに平静を装い、脱いだ上着を肩に引っ掛けて颯爽と店をあとにする。今日自転車漕いでおいて良かった。

満腹になって幸せ感いっぱいでペダルを踏み、飛び出た半島の先っぽまで行ってみることにした。

途中、路面電車の駅があったので、記念に撮影しておいた。車台番号が2001といい感じだった。

奥に進むにつれて道は細くなり傾斜が急になる。途中、啄木一族の墓を通過する。

ここ函館には石川啄木の墓がある。日本を代表する歌人だったかな。興味がないから知らん。

立待岬からの景色

ポツポツとハマナスの花が咲いて彩りを加えている。

風は強く市街地方面は霧で霞んでいる。

こちらは西側方向。なんとも言えない秘境感が漂ってくる。いい感じだ。

函館八幡神社に参拝してみた。

とうとう函館山の登り口まで来てしまった。登ったとしてもガスで何にも見えないというのに。

ちなみに函館山の山頂に通じる道路は二輪車通行禁止となっている。この先のゲートからは通行できない。

このようにデカデカと表示されているため、見えないフリして通ることはできない。

もうやけになって函館山を登ることにした。ちょうど腹ごなしになっていい。葉っぱに付いた霧が水滴となってポタポタと落ちてくる中をどんどんと登ってゆく。

からあげをモリモリ食べたため、元気一杯だ!

ロープウェイ山頂駅に着いたものの、強風が吹き荒れて霧が濃く何も見えない。ロープウェイは運行してはいるが、客は誰もいない。暇つぶしに三角点を探して遊ぼうかと思ったが、そんな気にはなれないほど風が吹いていたため、直ぐに下山することにした。

麓まで降りるとガスの下に抜けて視界は良好だった。
函館は坂が多く自転車には辛い。荷物満載の自転車だと、ブレーキが効かず怖い思いをする。常にブレーキ掛けっぱなしで握力がなくなってくる。

それにしても港町には坂が似合う。

函館ハリトス正教会

邪魔にならないところに自転車を停めて門をくぐる。周囲は中国人と修学旅行生でいっぱいだ。

教会は静かにするところなのに、修学旅行生が煩くて雰囲気が悪い。やっぱりね、こういうとこ連れてくる教師に問題があると思うな。クソガキ共はどうせ興味がないんだから、スルーしとけよと言いたくなる。

聖堂に入ると寄付金というかたちで200円徴収される。

海上自衛隊 函館基地隊の正門前を通過。若い水兵がたちんぼしていた。

JR函館駅前にやって来た。新しく建て直されて趣は全くなし。
広いロータリーにタクシーがポツポツと停まっているだけ。

赤レンガ倉庫の付近を通ったが、観光客向けの店ばかりで何にも興味が湧くものがない。そのままスルーして今はとある野宿場所にやって来た。今日は雨が降るため、屋内で泊まることにしたのだ!今日、屋内で泊まることにしていたため、できるだけテントを濡らしたくなかったのだ!ワハハ

 

いやね、ここ最近曇ばかりでソーラー充電が全くできなかったので、充電できるのは非常に有り難い。募金箱でもあれば、お金を入れたいのに。さあて、今日はひぐらしでもやって夜更かしでもするとしようか。

走行データ

走行距離 68km
恵山道の駅〜国道278号線〜トラピスチヌ修道院〜函館市街

ねぐら とある施設

 

おわり