こんにちは。からあげです。
昨日、無事西オーストラリア州入りを果たしたところだが、困ったことが起きている。それは時差がややこしいこと。オーストラリアは広大な大陸のため、主に東部、中部、西部の3種類の時刻がある。さらに特定の地域の時刻がある。それはSA・WA州境周辺の中西部時間。ロードハウスのあるBorder Villageは中西部時間になっている。
昨晩いつものように日の出の1時間半くらい前にアラームをセットして寝たのだが、夜中トイレに起きた時にスマホの時計がおかしいことに気が付いた。少し前に時計を見た時から時間がほとんど経っていない。時計の設定を確認すると、中西部時間になっていた。はて?そんな時間はあったかな?ネットで検索してみると、ようやくマイナーな中西部時間が存在していることに気が付いた。なんてこったい!
木に囲まれた快適なねぐら。雨の多い時期はおそらく水溜りとなる場所。地面が柔らかく平で非常に寝やすかった。
走行中に日の出を迎える。
日が短くて走行時間が取れないが、涼しくて走りやすい。全ては思い通りには行かず。
サイクリスト殺しのグリッド。
野生動物の移動を阻止する鉄製のスノコのようなもの。四輪は減速せずに通れるが、自転車だと乗ったまま通過するのは危険。スノコの目が微妙に粗くてタイヤが嵌りそうになる。
今日もRoad Trainは道をゆく。
昨日泊まった場所は中西部と西部時間の境界付近のようで、スマホの時計が自動修正されて、西部時間と中西部時間を行ったり来たりする。ひょっとしたら、自分の希望する時間にアラームが鳴らないかもしれない。そのため、時差と日の出時間を計算してタイマーを設定して二度寝した。
その後、タイマーのアラームで起きて活動を開始したのだが、食事をしている頃に明るくなり始めてしまった。しかもなんと風が追い風ではないか!こうしてはいられないと、超高速でテントを撤収して出発したのだった。
追い風に乗って走るのはいつ以来のことだろうか?全く記憶にない。ペダルを漕ぐのを止めても、なかなか失速せずに進み続けてくれるのは嬉しい。次のロードハウスまではおよそ50km弱。3時間あれば、ラクラク着ける状況だった。
追い風に乗って楽々ロードハウスの5km手前までやって来た。
西オーストラリア一番目のロードハウス、Mundrabilla。
建物の前は日陰がいっぱい。
道案内をしてくれたロードハウスのワンコ。
おーよしよし。
なぜか動物はカメラを向けると嫌がる。
レストランのメニュー。
さあて、何にしようかな?
ロードハウスに入ろうと道路を逸れて未舗装路に入って行くと、どこからともなく黒色の犬が現れてまっすぐこちらにやって来た。犬嫌いの私は即座に身構えて、いつでもお仕置き棒を抜けるようにする。間近にやって来ると、しっぽを振って回れ右して前方を走り始める。周囲のキャンピングカーを避けて曲がると、犬も私に合わせて走ってくれる。そのままロードハウスの建物前に連れて行ってくれた。
自転車を停めると、犬が飛びついてきたので、頭ナデナデして可愛がる。なんとお手もするではないか!10分ほど犬と戯れたあと、ソーラーパネルで充電するため、日当たりの良い場所に移動してモバイルバッテリーとスマホを充電しておく。
値段が表示されていない飲み物たち。
怖くて手が出せない!
どの時計を見たらいいのかな?
ここも中西部時間となっているようだ。
トラック野郎の雑誌。
中古の大型車の情報が多数掲載されている。
ようやくやって来たのは、Mundrabilla Burger。
値段は15ドル。お腹の足しにもならないスナック類を買うくらいなら食事をした方が絶対にお得。
ボリューム感を増すためにケチャップを大量投入した。
残念ながらマヨネーズはなし。オーストラリアではまだ一度も見たことなし。
食事を終えると、日当たりの良いピクニックテーブルまで戻ってきた。肌がピリピリするくらい日差しが強い。
石のソファー。
夏はひんやりしていいだろうね。
水の残量をチェックし、食料を少しだけ購入。自家製のクッキーやパイなど。個別にサランラップで包んである。
しっぽをフリフリして見送りしてくれる犬。
犬とは思えない犬だった。ご主人様の役に立とうと、犬なりに考えて働いているようだ。
犬の出迎えと見送りのサービスはなかなかいい。
建物内に入るとまずは水を汲める場所がないか探し回る。トイレの水は飲用不可と書かれているのでダメ。建物内のどこを探しても蛇口はなし。図々しくも厨房で汲ませてくれとは言えず、まずはハンバーガーでも食べることにした。
待つこと20分。待っている間、暇だったので冷蔵棚に置かれていたジュースや水のペットボトルを見たが値札はなし。おそらく1.5Lで6ドル以上はするだろう。ミネラルウォーターを売っているのに、水をタダで汲ませてくれとはあまりにも図々しい。
出て来たバーガーはさほどボリュームはなかったが、お腹が空いていたので、途中でケチャップをたっぷり掛けて全て平らげた。
自転車に戻って手持ちの水を調べてみると、全部で9リットルはある。次のロードハウスまでの距離はおよそ120km。一日半でたどり着ける距離だ。しかも、この先にウォータータンクがあり、そこで水を汲むことができれば、高価なミネラルウォーターを買う必要もない。結局水の購入は止めて、自家製パイとクッキーを買って出た。道路にようとした時、またしても先ほどの犬が現れて先導を始める。道路は車が通って危ないからもういいよ。と犬に言い聞かせても、ご機嫌で前を走り続ける。200mほど走って標識のあるところでようやく止まってくれた。
いやあ、本当に可愛げのある犬だったな。ああいう犬なら大歓迎だ!
次は114km先のMaduraのロードハウス。
水くみ場の表示。
馬鹿でかい東屋の屋根の雨水をタンクに貯めている。
どうかありますように!
雨水だけど、煮沸消毒してから使用するようにと表示されている。
水はあった!非常にラッキー。
水の一滴は血の一滴。乾燥地帯では水は貴重品。
こぼさずに水を汲む。
プラティパスに浄水器を付けて直接飲む。これが1番効率がいい方法。時間がかかるので、直接飲む水だけ浄水器に通す。
すぐ先のウォータータンクに行ってみると、遠目で車が止まっているのが見えたから、水が汲めそうなことが分かってホッとした。手持ちの水が9Lあれば一日半なら十分持つが、強い向かい風が吹くかもしれない。できれば、もう少し余裕を持ちたい。ウォータータンクは大きな屋根の水を回収してタンクに入れる仕組みになっていて、大型のタンクが2つ設置されていた。どちらもかなりの年季が入っているようだが、まだまだ現役で稼働中だった。ここで水を3Lペットボトルに汲んで、あとは浄水器を付けたプラティパスで水をがぶ飲みする。
水を汲んで飲んでいる間も、追い風が吹き続けていたため、あまりゆっくりするのは勿体なさ過ぎると思い、ソーラー充電を中断して出発することにした。
気持ち良い青空のもと、自転車はスイスイ進む。
カンガルーとエミュー。
レストエリアの木陰で休憩する。
ずっしりとお腹にたまるベーコンエッグ。パイ生地もおいしい。
追い風はまだに吹いている。こんな日もあるもんだ!
その後も追い風に乗って快調に自転車を走らせた。ロードハウスで食べたバーガーの腹持ちがよく、いつまで経っても腹が減らない。途中、レストエリアに寄った時にベーコンエッグをパイ生地で包んだものを食べたが、中身がぎっしり詰まっていて、非常に食べごたえのあるパイだった。いつも腹を空かしてペダルを漕ぎ続けていたのに、今日はお腹満足状態で楽に漕ぎ続けられる。こんな幸せに満ちたツーリングは初めてかもしれない。
100km走ったところでもう十分ということにして、道路を逸れていつものロードサイドキャンプを行った。今日は特別開放的なところで道路から丸見えだが、全然気にせず明るいうちからテントを張って寛いでいた。
日が暮れてハエがいなくなったところで、スープを作ってロードハウスで買ったパイを食べる。パイではなく野菜入りの豆腐のような食べ物で、大きい割には食べた感じがしなくて物足りない。まだ自家製クッキーが残っているが、これは明日にとっておきたい。
開放的な場所でテントを張る。
自動で時差修正をしないサイコンの時計が一番当てになる。
夕暮れどき
空が真っ赤に染まる。
晩御飯はスープとロードハウスで購入した自家製の食べ物。
豆腐のような生地に野菜類がたくさん入っていた。
食べやすかった分、少し物足りなさを感じた。
もう少しガツンと腹にたまる物がいい。
明日はおよそ70km先のロードハウスに昼過ぎにたどり着いて、レストランで食事をして、何か食べ物を購入してから先に進む。水は補給しない予定。その次のロードハウスまではおよそ90km一日の距離なので、ロードハウスまでに4リットル消費したとしても残り8Lもあるので、向かい風が吹こうとも十分辿り着ける。
ただ問題なのは、明日何時にアラームをセットして起きればいいということ。中部時間だと日の出は7時30分ころ。今スマホは西部時間になっているので、時差を計算してセットする必要がある。ああ〜頭が混乱してきたな。もう適当に合わせて寝るか!そうしよう。