こんにちは。からあげです。
昨晩はディンゴがテントの周りを彷徨いて眠りが浅くなった。食料の半分はテントの中に入れて、残り半分はカバンの中にキッチリ入れてフタを閉め、自転車カバーをしておいた。何度も追い払ったにも関わらず、大型車の走行音に紛れて近づいてきて、そっとテント内のようすを窺っていた。
最近、シャワーを浴びてない私は獣臭を発していたことだろう。その臭いに恐れをなして食料には手出し出来なかったようす。
彼らは4,5頭の群れで無料キャンプ場周辺をねぐらにしているらしく、夜中何度もディンゴの遠吠えが聞こえた。集団で襲ってくるかもしれず、ヘルメットを盾にして110cmのワイヤーロックを伸ばして鋼鉄のムチにして待ち構えいた。
しかし、そのうち眠たくなり、知らぬ間に寝てしまっていた。
朝起きると真っ先に自転車を点検すると、全く異常は見られずほっと胸を撫で下ろした。
今日は朝から横風でのスタートとなった。今朝の冷え込みはなかなかのもので、出発間際までフリースを着て、走行中は長時間手袋をはめていた。
風が次第に向かい風となり、強くなり始めた。始めは向かい風をものともせず走っていたのだが、次第に消耗してゆきスピードがだんだんと落ちていった。
時速10kmでは全然進まず、大型車の風圧に耐えながらの厳しい走行が続いた。途中休み休み漕いで行った。風は強くても気温が高くなってくると、どこからともなくハエが集まってきて、しつこくまとわり付いてくる。
数十匹程度なら我慢できるが、数百匹にもなると鬱陶しすぎて休みにならない。明日から虫除けネットを被って休むとしよう。
夜明け前の出発!
ようやく日が昇って来た!
ようし、暖機終了だ!ガンガン踏んで行くぜ!!とは言うものの、向かい風で消耗する。
こんな時はチョコバーを食べて元気を出す。
大型車とすれ違う時の風圧はまさに空気の壁。
常時下ハンはもちろんのこと、すれ違う時は深い前傾姿勢をとる。
今日の見どころはGreat Astralian Bightを望む切り立った崖の海岸線。遊歩道を歩いて先の方にゆくと、ビッグスケールな景色が飛び込んできた。今日、向かい風の中を必死になって漕いできたのが報われたような気がした。追い風で楽をしていたら、これほど感情を揺さぶられることはなかっただろう。風景はまさに地の果てというにふさわしい。ナラボー平原の端っこがこんな崖になっていたなんて驚きだ。本当に良いものを見させて貰った。
最近のおっさんお気に入りの休憩スポット。非常電話。
立てかける丈夫な支柱があって、下がコンクリートで物を置いても砂まみれにならない。
今日のお昼は袋ラーメン2袋。いつもの缶詰はなし。
強風が吹いていても、全周囲型の自作風防のお陰でいつもの通り調理できる。耐久性は未知数。おっさんの物の扱いが試されるときだ。
非常に使い勝手がよく、安価で軽くていい。また自画自賛してしまったな。
ハエを追い払いながら、ようやくラーメンの完成!
それにしても、スッゴイ向かい風。ナラボーの神様に嫌われたもんだな。
西オーストラリアまで130km。まだまだだ!
ちくしょー、腹いっぱい飯が食べたい。
風が強く写真を撮るのも一苦労。
どこまでも続く直線道路。風はほぼ真向かい。
完全に精神修行モードになっている。漕がないと水・食料が尽きてしまうので漕ぎ続けるしかない。
ん?軍の緊急用滑走路?
路肩が広がり風が強くなったような気がする。
こういう時に限って全然車が来ない。
物理的な方法で封鎖された未舗装路。
もうこれでは車は通れない。
オーストラリアでは、こうした道をよく見かける。
Look Outと呼ばれる展望スポットに到着した。
ふぅ〜、もうクタクタ。
周りはぺんぺん草が生えているのみ。
うぉ、なんだこれは!
圧倒的など迫力に腰を抜かしそうになる。響く波の重低音。
ナラボー平野の端はこんな風になっている。
また一つ、地球の謎を解き明かしたな!
次の展望スポットまで。。。
道路脇の窪地にテントを張る。自転車を風よけにする。
ハエが凄いので、テントに中に逃げ込む。
数百匹のハエに囲まれている。
チョコバーでも食べてお腹の虫をごまかそうぜ!
日が沈むと、ハエはどこかに行ってしまう。
お前たちはどこから来て、どこに帰ってしまうのか?
その後、消耗しきった体で走っていると、いい感じの剥げた窪地を見つけたので、15時半ころテントを早々と張ることにした。Boder Villageには明後日の午前中に到着予定にしているので、無理を重ねて向かい風の中を漕いでゆく必要はない。ハエに集られながらテントを張ると、すぐにテントの中に逃げ込んだ。外だと凄い数が集まってくるが、テントの中には少ししか入って来ない。ハエは閉鎖された空間が嫌いなのだろうか?
テントの中で横になっていると、風が弱くなって来ていつの間にかピタッと止んでしまった。
暗くなってハエがいなくなってから、ご飯を炊いて飯を食べた。いつもの量だと全然足りず、食後にビスケット一袋も食べてしまった。この分だと主食の玄米には余裕があっても、休憩の時に食べるおやつが不足すると思われるので、高くてもロードハウスで買うことにしよう。ナラボー平原を横断してNorsemanに行かなければ、スーパーマーケットはない。Norsemanで腹いっぱい食べられることを励みにして漕いでいこうか。
日が沈んてから夕食の用意をするのが最近の日課。
月見ご飯と行こうか。
玄米ご飯+イワシの缶詰では全然足りず、非常食にとってあるビスケットに手を出してしまう。
ねぐら 道路脇の窪地