こんにちは。からあげです。
山専ボトルを買い替えることになった経緯
7年もの長きの間、煮え湯を飲ませ続けていた愛用の保温水筒、通称「山専ボトル」にとうとう穴が空いて保温しなくなってしまった。
雪山登山のほか、山林のテント生活でも大活躍してくれた。食後や重労働のあと、温かいお茶を飲むと体が温まり、心の底から寛ぐことができた。
そんな山専ボトルはいつしか塗装が剥げてまだら模様になり、何度も落としているうちにあちこち凹み、ついには穴が空いてしまった。冬期は乾く暇がないほど、一日何度もお湯を入れていた。外観のボロさは気にしなければいいだけだが、保温できない保温水筒は重たいだけ。それならペットボトルで十分。
スマホ同様気が付いたら、保温水筒は私の生活になくてはならない必需品となっていた。7年間も使い倒して十分元はとったため、今回新しいものを買うことに決めた。
新型山専ボトルの紹介
もちろん新しい水筒も山専ボトルだ。耐衝撃性と保温能力に優れ、軽量コンパクトで普段の生活から登山までこれ1本で対応できる。
容量は500ml、750ml、900mlの3種類。(いつの間にか中間の750mlサイズが追加された)
私は一人用にピッタリで以前と同じ500mlを選択した。500mlのペットボトルとほぼ同じ径であるため、ペットボトル用のボトルホルダーに入ってとても便利だった。
新旧山専ボトル
左が今回購入した新しいもの、右が7年間使った旧式。
底のカバーとボディーリングは邪魔になるため、取り外して使っていた。
表面の塗装が少しずつボロボロと剥げてきたため、全体を剥がしてステンレスの地金をむき出しにしようとしたが、途中で面倒臭くなって剥がすのを止めてしまった。以後は赤とシルバーのツートンカラーとなっていた。
新しく購入したボトルは、クリア塗装しただけのライムグリーン(LMG)。使っているうちに剥げてきても見苦しくないようにと考えた。旧型でバーガンディー(BGD)を選んだのは、雪の中で落としても目立つだろうという理由からだった。実際、雪の上ではよく目立った。
山専用ボトルの詳細
山での厳しい条件に対応した「山専用ボトル」
山のフィールドで要求される多くの条件を想定して作られました。しっかり握れるボディリングに、衝撃に強い底カバー、保温力・耐久性を高めた「山専用ボトル」です。
FFX-501の仕様一覧表
品番 | FFX-501 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
|
容量(L) | 0.5 | |
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保温効力(6時間) | 77度以上 | |
保冷効力(6時間) | 10度以下 | |
口径(約cm) | 3.6 | |
中せんの種類 | FFX中せん | |
本体寸法/幅×奥行×高さ(約cm) | 7×7×23.5 | |
本体重量(約kg) | 0.28 / 0.26(シリコンなし) | |
メーカー希望小売価格 | 5,500円(税抜価格) |
製品特徴
高い保温力
秋山・冬山での保温力を優先した、36mmの口径を採用。保温力を長時間キープ。
ノンスリップコップ
固さの異なる2素材の組み合わせにより、グリップ性を高めました。底面が広く安定した形状のコップです。
ダブルスクリューせん
蜂蜜や砂糖を入れたべたつきやすい高カロリードリンクでもお手入れしやすいシンプルなスクリューせんです。
ボディリング
グリップ性が高いシリコン製リング。グローブしたままでも扱いやすく、万一倒した場合にもダメージを軽減します。
軽量設計
荷物への負担の少ない軽量設計。ボディリングとソコカバーを外せばさらに軽量に。
底カバー
落とした時の衝撃をやわらげるシリコン製の底カバー。底部が傷つくのも防止します。
THERMOS製品情報ステンレスボトル/FFX-501より
メーカー公式HPにはない情報
製品情報はこれくらいでいいだろう、ここからはメーカーのHPに載っていない情報を書いてゆこう。
新旧ボトルで大きな変更点は、中せんが内部せんと外部せんの2つのパーツで構成されるようになったことだ。旧型はボトル内の温かい飲み物が冷えてくると、中の空気が収縮して圧が下がり、中せんが開けにくくなる症状があった。
こちらが新型ボトル
手前の2個が中せんだ。
上から見たようす
左が外部せん、右が内部せん
横から見たようす
パッキンのようす
外部せんに内部せんをして閉めたところ
内部せんと外部せんは、径が大きく異なっている。内部せんを開けて中身を注ぐ時、外部せんも一緒に連れ回りしないようにする配慮。
新旧中せんの比較
左 外部せん、中央 内部せん、右 旧型中せん
こうして比べてみるとよく分かる。
新型は中せんを2つに分けて、内部せんのパッキン部の径を細くして、グリップを太くすることによって、中身が冷めてもせんを開けやすくしている。
旧型の中せんは、先ほど説明したとおり、中身が冷えると開けにくくなる症状が出た。パッキン部の径が太いため、握力の弱い女性や高齢者には扱いづらかったことだろう。私も何度か気合を入れて開ける必要があった。この旧型の欠点だった開けづらさを、新型では見事に解消してある。
ただ、相変わらず注ぐ時に、切れが悪く中身が垂れる。
注ぐ時は多めに開けて勢いよく注ぐ方がいい。
切れの悪さは新型でもそのままで改良されず。
取り扱い説明書には、保温・保冷不良の原因になるため、「保護シートは剥がさないでください」と書いてある。触ってみると、成形工程で使用したと思われる穴が空いている。確かにこのシートを剥がしてしまうと保温能力が低下しそうだ。
こちらは旧型ボトルの底
特に穴は空いていない。型式とシリアル番号などが表示されたシールが貼られているのみ。
新旧ボトルの互換性
豆知識として、旧型の中せんとフタは新型にも合う。予備として旧型のパーツはとっておいた方が良いかもしれない。手が滑って崖下に落としてしまう、なんてこともありえる。
こうしてひっくり返しても中身は漏れない。一応互換性はあり。
新旧の違いについて、ほかにはコップの容量と高さが僅かに違う。
中せんとフタを外したようす
水筒本体の高さも違っている。左が新型、右が旧型。
中のようす
中のネジ山が1周と少しと少なくなったことにより、コップの素早い着脱が可能となった。
ネジ山が減っても密閉性は変わらず良好。
旧型の穴が空いた箇所は肉眼では発見できず。細い亀裂が入ったように思われる。
左が新型、右が旧型
写真でみると、コップの容量が明らかに違う。たくさん飲みたい時、何度も注ぐ必要がなくていい。
横からみたようす
グリップ感は良好、コップの底面が広くなり、安定感が増した。
内側のようす
上から見たようす
コップの底面に4つのポッチがあるお陰で、熱い飲み物を注いでも直に置くことができる。家で普段使いするにも良い。
新型山専ボトルを使用した感想
旧型に較べて軽く、使いやすくなった新型。保温性能は変わりなく、必要にして十分。
朝、温かいお茶を入れておけば、夕方まで十分温かいお茶を飲むことができる。新型に買い換えて正解だった。気になる点は、注ぐ時に垂れやすいということくらい。
あとは耐久性がどれくらいあるか。製造過程で空けられた底の穴が気になるところだ。この記事に追記してその後のようすも報告してゆこう。これは間違いなく良品。
軽量コンパクトで保温性能の高い水筒は山専ボトルをおすすめする。容量の選択は単独行動や徒歩での移動が多い人は500ml、団体行動や車、オートキャンプが多い人は900mlが良さそう。
実測データ(重量)
手持ちのデジタルばかりで計測。(最大表示2000g、最小表示1g)
新型
品名 | 重量 |
本体 | 174g |
コップ | 40g |
外部せん | 20g |
内部せん | 26g |
ボディリング | 10g |
ソコカバー | 15g |
合計 | 285g |
旧型
品名 | 重量 |
本体 | 224g |
コップ | 25g |
中せん | 31g |
ボディリング | 10g |
ソコカバー | 16g |
合計 | 306g |
旧型直径 67mm
新型直径 68.5mm
組み合わせデータ
新型本体+旧型中せん+旧型フタ OK
旧型本体+新型中せん+新型フタ OK
旧型本体+新型中せん+旧型フタ ダメ
旧型本体+旧型中せん+新型フタ OK
交換用部品
製品の交換用部品はメーカーのオンラインショップで購入できる。交換方法や部品の詳細については取扱説明書を確認して欲しい。
山専ボトルのカスタマイズ
シリコンリングやソコカバーを付けると、ザックの中から取り出す時に外れたり、安定性が悪くて倒れたりすることがあるので、常時付けずに使用していた。
ついうっかりして手を滑らせて落とすことがあったので、底の角にビニールテープを巻いて保護するようにした。
ビニールテープを引っ張りつつ貼り付けて、剥がれにくいように端を瞬間接着剤で留めた。底を最低限保護するとともに、引っ掛かりがなくなり扱いやすくなった。
シリコンカバーが邪魔だと思っている人にオススメのカスタマイズだ!
コメント
隊長さんも冒険家として活躍して「極夜行」を出版した角幡唯介さんあたりに煮え湯を飲ませくてください。
また、隊長さんも新品の山専ボトルを持って日本の冬を紹介してください!
同業者の角幡唯介さんの動向はチェックしてます。
妻子持ちで、鎌倉のマンションにお住まいだとか。
はい、分かりました!重たいので、自転車旅ではあまり出番がないかもしれませんが。