【西日本ツーリング2020】屋久島で遊ぶ~カヤック体験とオタクの店~

こんにちは。からあげです。

 

自分はいったいいつまで屋久島にいるのだろう。そんな疑問が浮かばなくなるほど屋久島での生活が当たり前となった日常。自転車でせっせと食料の買い出しに行って自炊を行う。毎日、具を山ほど入れたごった煮ラーメンのようなものを食べている。

私の特技の一つに「毎日3食同じものを食べ続けられる」というBライフ向けのものがある。いちいち何を食べようか考える必要はないし、食材を腐らせてしまうこともない。だが、あまりに長期間だと栄養が偏り体調を崩すおそれがあるので他人にはおすすめしない。
止むに止まれぬ事情、必要に迫られて長時間かけて身につけた特技なのだ。そう簡単にマネできるものではない。

いい加減ごった煮ラーメンに飽きたころ、ふと思い立ち以前から気になっていたオタクの店に行ってみることにした。

おや、なんだ?この看板は。何だか遠い昔に見たことのあるキャラだな。

外観は普通の民家に見えるオタクの店。
入口のアムロっぽい看板が目印だ。

店の名前は「オタク系喫茶 ハンターショップちーぞー」。
簡単に説明すると、オタク趣味の猟師もやってる大将が趣味の延長で営む喫茶店。何か注文すれば、閉店時間まで遊ぶことが可能。
毎週水木が定休、12:00~16:00までの営業。ときどき臨時休業があるので、事前確認してから出かけてほしい。

 

ここではヤクシカの肉を使った料理が目玉。
メニューを見た瞬間に「からあげ定食」を注文。

ヤクシカの肉は噛みごたえがあって味わい深い。あっという間に平らげてしまった。

料理を待つ間、キョロキョロと店内を見回していると、なんとあの「川口浩探検隊」の青い長袖シャツを発見する。おっさん思わず大興奮。あの、隊長が帰ってきたぞ!

なんでも探検隊シリーズのDVDセットに付いてきたおまけなんだそう。むむ、なんと豪華なおまけなんだ。確かに背中の文字は刺繍ではなくプリントだし、やけに作りがよくて小綺麗。当時のシャツはもっと生地が分厚くて無骨だった気がするな。

記念撮影を行う。大将の大事なコレクションなので、譲って欲しいなどとは決して言えない。
こうして記念撮影をするだけに留めた。

おっさん、思わずにんまり。

懐かしい探検隊DVDが非常に名残惜しかったが、ほかにやることがあったのでお店を出る。
そう、この安房(あんぼう)地区まで来たのはほかでもない。

良心的な料金でカヤックをレンタルできる店があるからだ。
屋久島登山用品レンタルの山下(安房店)。なんと3時間3000円でレンタルすることができる。

店で料金を支払ったあと、安房川のカヤック乗り場に移動する。

 

あとに続いて桟橋に下りてゆく。

おお、あれがカヤックというものか。期待が徐々に膨らんでゆく。

これが1人乗りのレンタルカヤック。

救命胴衣、パドル、サンダルもレンタル品のなかに含まれている。
簡単に乗り方を教わりカヤックに乗り込む。

カヤックに乗ってパドルで水をかくと、滑るように水面を進む。スイスイ気持ちいい。
カヤック乗り場は安房川の河口付近にあって、流れが穏やかで風はあまり吹かない。初めての人間でも安心して乗れる絶好の場所。

今回の西日本ツーリングにGoproを持って来なかったことをとても後悔した。
こういうときこそアクションカメラの出番だ。

手持ちのデジカメ(OLYMPUS TG-4)で動画撮影してみたものの、Goproの画質と臨場感に遠く及ばない。メモリを食うだけなのですぐに削除した。

安房川を遡る。岸から離れると非常に静か。自分の水かき音しか聞こえない。人力のカヤックは自転車と通じるものがある。

松峰大橋を通過する。
県道の上流に架かるやけに立派な橋。橋から落ちたらまず助からない。

川幅が狭まり流れが速くなってきた。
それでも頑張って漕ぎ続ける。

カヤックは上半身のみ使うスポーツ。普段、自転車や徒歩ばかりの私にはキツい。

さらに上流へと進む。
ゴツゴツした岩が水面から飛び出し、川底の岩が当たるようになってきた。

もはやここまでか。これ以上は水深が浅くて進めない。よし、引き上げだ!

反転して川の流れに身を任せてのんびり下ってゆくと、水面上に浮かぶブイを見つけた。
魚のいけすでもあるのだろうか?
近寄っていって確かめてみると、水面下に沈んだ流木を発見した。

屋久島ではすでに屋久杉の伐採は禁止されており、このようにときおり上流から流れてくる流木、風雨で倒れた倒木でしか入手できない。どうやって引き上げるのかは知らないが、こうやって自分のものだと印を付けておかないと、他人に持って行かれてしまうらしい。

川に沈む屋久杉

伐採禁止になった屋久杉は相当な高値で取引されているらしい。
嵐のあとは、皆こぞって山に分け入り流木や倒木を探すのだそうだ。まるで宝探しのよう。

疲れたので川の中州に上陸する。

ふぅ~、日頃上半身を鍛えていないのでとても疲れた。もう両肩がパンパンだ。

レンタル品のカヤックを改めて紹介する。

入門用の一人乗りタイプ。初めてでも10分も乗れば、自分の思うように動かすことができるようになる。だが簡単に乗れると、飽きるのも早い。

後方にシートあり。長時間座って漕いでいると、腰が痛くなってくる。

手荷物が濡れないようにと、防水バッグも貸してもらえた。
誤って水に落としても、浮力で沈まないようになっている。

脚の間にはドリンクボトルを取り付けられるホルダーあり。
ちょうど自転車用のボトルがフィットした。

冬でも汗をかいて喉が乾いてくるので、飲み物だけは持って行った方がいい。
あとはおやつ。休憩するときに欲しくなる。

川を何往復かしたのち、漁港の方までやって来た。
安房川は穏やかで乗りやすいのだが、単調ですぐに飽きてくる。

飽きっぽいのはおっさんの性。こればかりは仕方がない。

2時間と少し経ったころ、岸に戻って帰ることにした。
もう十分。あまり頑張り過ぎると、帰りが大変になる。ねぐらまで戻る体力だけは残しておかねばならない。自転車だと疲れきるまで遊ぶ気にはなれない。

屋久島に来てようやく長年の念願だったカヤックに乗ることができた。
実際に乗ってみると、カヤックは大掛かりな道具が必要だし、同じ場所を回っているだけだとすぐに飽きてくるので、飽きっぽい私にはレンタルで十分だと思った。気が向いた時にちょこっとだけ乗ることができたらいい。だいたいこんな大きなものを自転車では運べない。川沿いに住むことになったら考えようか。

このあと、ねぐらに引き上げたのだが、カヤックで思いのほか体力を消耗して非常に辛い走行になった。そして数日間、全身に倦怠感が襲い何もする気にならなかった。生まれて初めて経験した全身筋肉痛。

なんせいい歳こいたおっさんなもんで。

 

おわり