【西日本ツーリング2020】志布志~鹿屋~垂水

こんにちは。からあげです。

 

今になってふと思い出すと、屋久島上陸前のようすを記事にするのをすっかり忘れていた。
時が経つのは早いもので、すでに半年以上の月日が流れてしまった。決して楽しいことばかりの西日本ツーリングではなかったが、それなりに楽しめて新装備ハブダイナモの良さを感じられた旅になった。

それでは記憶を巻き戻して当時のようすを書いてゆこう。

私は50前のいい年したおっさんだが、特定分野での記憶力だけは無駄に良い。自分の都合の悪いことはすっかり忘れ、自分が夢中になっていることはどうでもいい細部まで動画で撮影したかのように記憶している。

 

大阪南港を出発した「フェリーさんふらわあ きりしま」は9時ころ、鹿児島県の志布志港(しぶし)に到着した。たった一晩だけの2等船室での船内泊だったが、新造船のあまりの快適さにフェリー船内に住み着きたくなってしまった。

いかんいかん。下船した身だった。

志布志の天気は晴れ。風はほとんどなく気温は肌寒さを感じるくらいの絶好のサイクリング日和。

フェリー下船後、駐車場の片隅で荷物を整理する。
忘れ物がないか何度も確認する。

よし、準備が整った。出発しよう。

フェリーターミナル周辺の道路を走行しているところ。

周辺は港湾地帯で食料を手に入れられるような商店は全くなし。国道手前で東屋付きのなかなか快適そうな公園を発見。

大型車両が多いので慎重に走行する。

国道220号線に出たところ。

今日の目的地は鹿屋(かのや)の航空基地史料館を見学したのち、鹿児島湾沿いに出て適当な場所で野宿する予定。

大型車両の割合が多い国道をゆく。

国道沿いの途中のドラッグストアで食料を補給する。
フェリーで食べてしまって手持ちの食料がほとんどない。

袋の可愛さに釣られてくまモンの白米2kg、その他適当に購入する。

おにぎり1個80円と恐ろしく安かった。
普段の生活でコンビニに全く行かない私は、出先でもおにぎりを食べることは少ない。
ときどきスーパーの惣菜コーナーで買うだけ。

できるだけかさが増すように、ふわっと握ったおにぎりを食べていると、ボロボロと崩壊してくる。薄い海苔は途中からちぎれてキレイに取れた試しはないし。
コレなんとかならんか!おにぎり業界の陰謀か。

国道220号線は路肩はそれほど広くないものの、道行く車が気遣ってくれてとても走りやすい。
交通量が少ないせいもあるだろうが、鹿児島県人のやさしさを肌で感じる。これは鹿児島を出るまでに変わることは一切なかった。

実家滞在が長くて体が鈍り過ぎているので無理はしない。休み休みしながら走ってゆく。

ハブダイナモと2インチ幅のタイヤの走行抵抗がおっさんを鞭打つ。ひぃ~もう止めてくれ。

昼ころ鹿屋市内に入る。航空基地への緩やかな坂が続く。

昼過ぎに航空自衛隊基地内にある史料館に到着する。
自転車を建物前に横付けしようとすると、ものすごい勢いで出てきた係員に注意される。
目立つ反射ベストを着ていると、よくこういったことに遭遇する。気にしない気にしない。

駐車場の片隅の片隅の駐輪スペースに自転車を停めようとしたが、立て掛けるものがない。
仕方ないので芝生のなかの街灯ポールに立て掛けておく。

自転車を停めるとまずは昼飯を食う。緩やかな上り坂が続き地味に体力を削られた。

史料館には若くして亡くなった特攻隊員の遺書などが多数展示されている。
涙なくしては見られない遺品の数々に平和な時代に生きている自分の境遇に感謝する。

入館料無料。年末年始の休館日を除き無休。(09:00~17:00)

現在、新型コロナ感染拡大防止のため、入館制限実施中。詳しくは鹿屋航空基地のサイトを参照。

 

現存する唯一の二式飛行艇

航空基地内の広大な広場に展示展示されている。

鹿屋から爽快なダウンヒルを楽しみあっという間に鹿児島湾に出る。
いつの間にか雲が出てきて日が陰ってしまった。

季節は冬。海沿いに出ると多少の風がありウインドブレーカーを着ていても肌寒く感じる。こういう時は漕いで漕いで漕ぎまくる。もともとない頭をからっぽにして。

おっさんの野宿センサーに反応あり。国道を離れて坂を上ってゆくと東屋付きの公園を発見する。屋根付きの祭のステージのようなものがある。高い屋根は横から雨が吹き込むので耐候性は低い。テントを張るなら屋根下中央。

遅い時間であれば泊まるのだが、まだ2時を過ぎたばかりで早すぎる。休憩だけにとどめる。

おや?青字に白文字の「財宝」という看板を目にする。

なんだろう。好奇心から他人の建物に入って聞くわけにも行かず、そのままスルーする。

垂水(たるみず)の道の駅

まだ真新しい道の駅。とりあえず施設のチェック。時間はあり余るほどある暇人ななもんで。

立派な建物の前には広い屋根下スペースあり。
緊急避難する時に役立つだろう。

私の場合、道の駅で泊まることは滅多になし。人の出入りが激しくて落ち着かないことが最大の理由。繊細な私は五感がとても敏感。ときどき鈍感な人を羨ましく思う。

道路を離れて海岸に立つと前方に桜島が見えてきた。
今日もモクモクと噴煙を吐き出している。

桜島の噴煙で曇ってしまっているのか。いや、そんなわけないか。いやいや、ないこともないかも知れない。よそもんにはよう分からん。

本日2度目の買い出し。

疲れたので休憩がてらに寄る。半額セール品を中心に必要なもののみ購入。
じゃがりこじゃがバター味が地味にうまかった。久しぶりに食べるじゃがりこは悪くない。

ときどきのじゃがりこは必要。生活に潤いがなくなると、日々が楽しめなくなる。

夕方ころ、おっさんの野宿センサーが強烈に反応。集落内の小路の奥の方にゆくと海辺の公園を発見する。一目惚れ。今日の野宿場所はここで決まりだ。

だがまだ時間が早い。早すぎる。日没まで暇つぶしをするとしよう。

公園内の立派なトイレ。別に飲み水場も設置されている。

奥は漁港。大きな倉庫がいくつか建ち並んでいる。

漁港をぶらり散策する。
漁船の出入りは皆無で、釣り人がポツポツといて釣りをしているだけの長閑な漁港。
漁港が活気づくのは早朝。

通路の片隅に捨てられている氷の山。
近寄るとひんやりとした冷気が襲ってくる。これ以上の接近は危険。

かわいいニャンコが現れた。

さきほど買った煮干しをあげると、喜んでハグハグと食べる。煮干しで仲良しおっさんと野良猫。

桜島をバックにディスクトラッカーを撮影する。
うむ、均整のとれたツーリングバイクだわい、などと自己満足に浸る。

公園の夕暮れ

近所の人が引き上げて静かになった公園。日が暮れると寒さが身に染みるようになってきた。
さあて野宿の時間だ。そろそろテントを張るか。

砂浜の片隅にテントを設営した。
夜露と火山灰を防ぐために自転車カバーを掛ける。

早い時間、ときどき車が入ってきたが、しばらくすると出て行った。テントは闇に紛れてひと目に付くことはなし。人里での野宿には目立たない色のフライシートが適している。私がグリーンのエアライズを愛用しているのは野宿向きということもある。もちろん軽量コンパクトで耐候性が高いというのが最大の理由。

この日の走行距離はおよそ60km。鈍った体には無理のない適度な距離だった。

おわり