こんにちは。からあげです。
泊まった場所は岬の先で近くで人気はなし。しかし、なぜか遠くに見えた民家の犬にしつこく吠えられた。
私のことを不審者だと思ったのか、それとも別の何ものかに向かって吠えていたのか。風向きが悪かったわけでもなく、全くの謎。
暗くなってきて寝ようと思っていた頃に吠え始めたので、移動する気にもなれず。放っておくしかなかった。
今日は7時半過ぎのゆっくり目の出発。国道に出た途端、車の流れが速くなり交通量が増え始める。熊本市街へ勤めに出ていると思われた。
道は相変わらずのフラットで走りやすい。
通詞島(つうじしま)のすぐ近くの海岸に真新しい道の駅があった。
ここ最近、やたらと道の駅を見かけるようになった。
ちょうど1時間走ったところなので、休憩してゆくことにした。
鯉のぼりではなく、イルカのぼり。通詞島周辺にはイルカが生息しているようで、イルカウォッチングの船が目の前の桟橋から出ている。
朝日を浴びながら今後のプランを練る。ながらスマホは駄目だが、こういうながらなら問題なし。
練に練ったところで新型コロナを避けられるわけでもない。体力を温存しながら北上しつつも、それなりに楽しむという中途半端なプランしか思い浮かばない。
対岸の島原にフェリーで渡るという選択もあるが、今回は長崎まで行く気になれない。当初の予定どおり熊本に向かうことにした。
再び走り始める。
今日も天気が良いのだが、気分は浮かない。なぜだろう?
天気が良すぎても物足りない。かと言って雨続きだと辛い。
鬼池港から島原の口之津港まで島鉄フェリーが運行している。
フェリーは出ていったばかり。
建物が小さいので、フェリーが着けていないとただの漁港のようにしか見えない。
フェリー乗り場をうろつく。人はガラガラ。客ではない近所の人が窓口係と話している。
雛人形が飾られていた。いつもと変わらぬ風景に見えた。
イルカに曳かれた船に乗るサンタクロース。これは季節外れ。片付けるのを忘れてしまったのか、それとも年中出しているのかは不明。
その後、順調に進んで天草市街に入ったところで国道沿いの店に寄る。ルーキーというお店。坂を上がったところにあって少々疲れた。
いつもの顔ぶれ。残り少なくなった玄米を買う。
玄米とラーメンさえあれば、食事はどうにでもなる。外食は滅多にしない。
長尺物は後ろのカゴにくくりつける。何度も説明しているが、今回もしておく。
特に意味はない。長ネギを見るとつい嬉しくなる質なもんで。
城山公園まで上ってきた。
途中、一方通行となっていたが、自転車はすれ違いできるので逆走して上がってきた。よいのか悪いのかよく分からないまま上がってきてしまった。
山の上に建つ天草キリシタン館。せっかく天草まで来たから、キリシタンのことを勉強してゆこうと思いやって来た。
絶対に嫌だ。触りたくない。
まだこの頃はマスクを付けている人はまれだった。コロナのことなど気にしていない人ばかりだった。
私はマスクはしていなかったものの、思い出したようにときどき神経質になって手洗いうがいをやっていた。
天草の歴史を勉強したら疲れたので、外の公園で休んで行くことにした。重たい。私には重たすぎた。
なぜかトイレ以外に水道の蛇口が見当たらない。水飲み場でペットボトルに水を汲んだ。風が強くて狙いが定まらない。
ピクニックテーブルで昼飯を作る。ソーラーパネル充電中に久しぶりに有料の電子書籍をダウンロードする。
さきほど買ったばかりのうまかっちゃん。九州に来たからには豚骨ラーメンを食べなければならない。
朝炊いた玄米ごはんと熱々ラーメン。
この組み合わせは最高。
長めの休憩ののち、市街地を抜けて上島に渡るループ橋手前で、いきなり車から幅寄せを食らう。
乗っていたのは75歳を過ぎたと思われる爺さん。もの凄く腹が立ったので車をノックすると、訳が分からないようすでポカンとしていた。
悪意はないようすだったが、危険なことには変わりなし。目立つ黄色の反射ベストを着ていたのに、目の前の私が見えていなかったらしい。まれに自転車で車道を走っているというだけで腹を立てて幅寄せをしてくる人間がいるが、今回の場合はそうではない。右折車がいたわけでもなく、左折しようとしていたわけでもない。幽体離脱してあの世に行っていたとしか思えない。
そうなんだ。たぶん。そうしておこう。全く理解できない。
当てられても死ぬようなスピードではなかったが、出先で入院する事態だけは避けたい。退院後、いったいどうやって家まで帰ればいいのか。
左端を走る自転車は常に邪魔者。ときどき自転車で走っているのが嫌になってくる。
有明の道の駅を調査中。まだ3時を過ぎたばかりだが、休みたくなってきた。
ノルマの50kmは達成しているし。
道の駅の上の駐車場に屋外音楽ステージあり。
作りは悪くない。だが場所が悪すぎる。駐車場を出入りする車から丸見え。
さらに上がって公園まで来ると、滑り台があった。
今晩は雨の予報。できれば屋根下で泊まりたい。
ここはちびっこに人気がある様子で、キャッキャと騒ぎながら滑っている。
ここは止めよう。邪魔をしたら駄目だ。
歩道橋の柱の隙間。
ここは死角になっていて道行く車からは見えないが、時々散歩している人がやってくる。
それに道路のすぐ近くでうるさい。
なんだかよくわからないタコ。
そんな感じでなかなか良さそうな場所は見つからず。
仕方ない。雨には降られるが、砂浜でテントを張ろうか。
雲仙普賢岳を眺めながらそう考えていた。
だが、神は見放さなかった。海水浴場の管理棟に小さいながらも屋根があった。そこなら道路からは全く見えず、雨風を凌ぐことができる。
ねぐらが決まったところで、読書を始める。
お昼にダウンロードした電子書籍を読む。岡本太郎の本。
軽量コンパクトで省電力のキンドルは自転車旅にピッタリ。
日没まで本を読んで過ごした。
ようやく日没を迎えた。
天気は良いものの、風が強いので体が冷えてきた。さっさとテントを張ろうか。
今は閉鎖されている海水浴場の管理棟。トイレは開いている。
雨に濡れないように壁に付けてテントを張った。
食後、傷んだ革手袋を修理する。
ホームセンターで買った300円ちょっとのもの。使っているうちに縫い目が切れてきた。
革自体はまだまだイケる。
節約生活には裁縫は必要。
日没後しばらく経って真っ暗になってから、近所の人がやって来た。
聞き耳を立てていると、そのまま通り過ぎて行ってくれた。
カバーからはみ出ているホイールを見て、自転車旅行者だと分かってくれたようす。
今日は天気が良かったものの、なんだかパッとしない一日だった。
こういう日もたまにはある。