年末緊急帰宅2020

こんにちは。からあげです。

 

新型コロナは一向に収束する気配はなく、第3波に襲われている最中だ。
実家で年末年始を過ごそうか、一時はそんな甘い誘惑に負けそうになったが、私にはやるべきことがあった。

誘惑を振り切り我が家に戻ることにした。

コロナ禍で外出自粛が叫ばれるなか、不特定多数の人間が狭い空間に密集する公共交通機関の利用ははばかられる。

だが、自転車で生きていこうと決めた私には移動の自由がある。3密とは無縁の自転車であれば問題なし。確実に1.5m以上のソーシャルディスタンスを確保でき(車が守ってくれないことがあるが)、食料品の買い出し以外では混雑する施設には近寄らない。どこにいようと普段どおりでヨシ。自作した布マスクをポケットに忍ばせて、おっさんは自由気ままに行動する。

山梨までの帰路では清水からの峠越えが待ち構えている。冬季、長野の山間部を越えてゆくのは無謀すぎる。だが過酷なウーバーで心身ともに鍛えた私にとって、国道52号線の峠越えなど、恐れるに足りない。普段はバテる峠越えも力強く上ってゆく。

甲府盆地に入ると家に戻ってきたという実感が湧く。
雪を被った南アルプスが私を出迎えてくれた。

我が家まであと少しのところだが、このまま走って帰ることはしない。非電化の小屋は復旧作業に時間がかかる。私の小屋は水道があるのでかなりマシだが、それでも虫の死骸やホコリまみれで掃除する必要があるし、ブルーシートタープの手直し落ち葉かきなどなど、やることが盛りだくさんだ。

あとひとっ走りのところで泊まって翌日の早い時間に帰宅する。それが非電化小屋ぐらしの定め。

今回、糞寒い年末にわざわざ小屋に帰ってきたのはほかでもない。3万円分の商品券を手に入れるためだ。受け取り期限は12月30日まで。地域限定の商品券で、受け取りと使用は地元のみに限られる。

権利を放棄してもよかったのだが、商品券を使えば救われる人がいる。人助けだと思って遠路はるばる自転車で戻ってきたのだ。なんていいやつなんだろう。そう思わずにはいられない。

さっそく店で大人買いする。年末年始の食材を買いだめしてから小屋に帰ることにした。
一旦小屋に戻ると、山を降りて買い物するのは面倒。

いつもは目もくれない高級食材をこれでもかと買う。1パック600円超のたまごなど一度も食べたことない。人生初。

まだまだ。鳥の手羽先にウインナーなどの高級食材も買ってしまう。
チョコレートもたくさん買っておく。お茶のお供にチョコレートが最適。

昼前に我が家に到着。
葉っぱが散って綺麗サッパリ。日当たり抜群だ。

外観は異常なし。低く張ったブルーシートタープも問題なし。

小屋の中はそれなりだったが、今年はカメムシの数が少ない気がする。
これまではなかったネズミの糞があちこち落ちていた。ひょっとしてネズミが食べてくれたのだろうか。

荷物満載で400km走っても全く快調のディスクトラッカー。今では自分の手足のように体に馴染んでいる。コイツは最高の自転車だと心の底から思える。

コロナ禍の真っ只中でも、環境に負荷をかけることなく自由に移動できる。まさに21世紀の乗り物だ。サーリー。こんないい自転車を作ってくれてありがとう。

さっそく薪ストーブに火を入れて手羽先を焼く。ジュージューと食欲をそそる匂いと音が小屋の中に満ち溢れる。朝炊いておいた白米と一緒に食べる。

一樽1000円の無添加味噌。そのまま食べても辛すぎることはなく、ほのかな甘さを感じる。
うむ、体にいい味噌だ。全身がそう訴えてくる。

最近手に入れたプーッコと呼ばれる北欧製のナイフ。癖になる言葉。プーッコ。プーッコ。
一時期ブッシュクラフトの本を読んでいるうちに欲しくなった品だ。
威圧感や恐怖感を与えることのない、ほどよい刃の長さ。錆びないだけが取り柄のなまくらステンレス刃とはものが違う。

研がれた刃先が鏡のようになっている。

美しい。それが第一印象。

使えば使うほど手に馴染み、味が出てきそう。とても気に入った。これからはコイツが包丁となりナタとなりお守りとなってくれる。肌身離さず携帯しよう。

間が悪いというべきか、ラッキーというべきか。
数年に一度の強烈な寒波がやってきた。
今朝起きると、外気温はマイナス10℃ほど。夜中寒くて何度も目が冷めた。

寝袋から抜け出して下に降りて薪ストーブに火を入れて、再び寝袋に潜りこむ。そして小屋の中が温かくなってきたころ活動を始める。

ソーラーパネルがカチンコチンに凍っていた。
触ると指が張り付きそうになる。

冬のいいところの一つは肉などの腐りやすい食材を長期保存できること。床下収納は5℃前後に保たれていて冷蔵庫代わりになり、外の床下は0℃以下で冷凍庫代わりになる。冷蔵庫を使うまでもない。フハハハ。

人助けのため。3万円分の商品券欲しさのために小屋に帰ってきた私。
ちょうど寒波が来襲して氷雪にしばらく閉じ込められることになった。

さて、これからどうしよう。のんびりゆっくり考えることにする。

 

おわり

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